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ジョーダン・ヴォート=ロバーツ『キングコング 髑髏島の巨神』
先日、久々に特撮映画でもと、未見だった『キングコング 髑髏島の巨神』をDVDで視聴。監督はジョーダン・ヴォート=ロバーツ。
『スーパーマン』や『スパイダーマン』、『バットマン』もそうだが、最近のハリウッド映画はけっこうリブートが多いようで、本作もまたリブート映画の一つである。
リブートとは、元の作品やこれまでのシリーズ作品をいったんチャラにし、設定を一から作り直した作品のこと。リメイクと似ているが、リメイクは文字どおり作り直し。原則として元の作品とだいたい同じような物語にするという点で、リブートとは大きな違いがある。
ということで『キングコング 髑髏島の巨神』。
時は1944年、第二次大戦中の南太平洋上において日米の戦闘機が激突。両機のパイロットはとある島に不時着する。二人は最後まで戦おうとするが、そこに巨大な生物が姿を現した……。
それから約三十年後。ベトナム戦争からの撤退が決まったパッカード大佐率いる部隊は、帰国直前に新たな命令を受ける。未知の島・髑髏島の地質調査に向かう民間調査隊の護衛がその任務であった。
調査隊長のランダをはじめ、元特殊空挺部隊隊員のコンラッド、カメラマンのウィーバーらも加わり、輸送船からヘリで島へ向かう一行。だが島の上空で調査用の爆弾を落としたとき、巨大なゴリラのようなモンスターに襲撃される。ヘリは全滅、わずかに生き残った調査隊も散り々々となってしまう。
島を脱出するには迎えのヘリがくる合流地点へ急がねばならない。一行は合流地点をめざすが、その島は巨大なゴリラ以外にもさまざまなモンスターが出没する、死の島であった……。
これまでの『キングコング』といえば、コングを捕獲する髑髏島での前半、脱走したコングがニューヨークで暴れまくる後半という設定だったが、本作は後半をごっそり削除。島のみを舞台に、とにかく人間とモンスターの戦い、モンスター同士の戦いに終始し、まさに典型的怪獣映画として成立している。ストーリーの骨子だけ見ても、ほぼ『エイリアン2』や『プレデター』と同じである。
モンスターもあくまで従来の動物を大きくしただけのような造型ではなく、クリーチャーとしてのアレンジがなされており、よりファンタジー色が強い。
このシンプルさが良くも悪くも本作の特徴であり、管理人はけっこう満足したが、まあ怪獣映画に思い入れがない人は絶対ダメだろう(笑)。
とりわけいいと思った点は、実はここが説明しにくいところなのだが、人間とモンスターとの戦い、モンスター同士の戦い、人間ドラマ、この三つの配分がよいということ。お約束的な設定ではあるが、目的のためには仲間の命すら厭わない科学者、復讐に狂った軍人がいて、彼らの確執を巧みにスト−リーに絡め、ストーリー的にも無理がない範囲で最大限の爽快感と恐怖を煽ってくれている。若い監督のはずだが、これがけっこう達者なのである。
ちなみにその監督のジョーダン・ヴォート=ロバーツは日本のポップカルチャーにも強く、ゲーム『メタルギアソリッド』の実写映画化の話も出ていた人だ。本作でもあちらこちらに日本のアニメ等へのへのオマージュが挿入されているが、こちらは書くのが面倒なので、ネットで検索していただければ、いろいろと小ネタが見つかるはずである(個人的には日本兵の名前がイカリ・グンペイというのにまずニヤッとした)。
ただ、この監督さん、ベトナムで不可解な事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、現在は長期療養中だという。こちらも映画顔負けのミステリアスな事件なのだが、また元氣になって新作を撮ってもらいたいものである。
『スーパーマン』や『スパイダーマン』、『バットマン』もそうだが、最近のハリウッド映画はけっこうリブートが多いようで、本作もまたリブート映画の一つである。
リブートとは、元の作品やこれまでのシリーズ作品をいったんチャラにし、設定を一から作り直した作品のこと。リメイクと似ているが、リメイクは文字どおり作り直し。原則として元の作品とだいたい同じような物語にするという点で、リブートとは大きな違いがある。
ということで『キングコング 髑髏島の巨神』。
時は1944年、第二次大戦中の南太平洋上において日米の戦闘機が激突。両機のパイロットはとある島に不時着する。二人は最後まで戦おうとするが、そこに巨大な生物が姿を現した……。
それから約三十年後。ベトナム戦争からの撤退が決まったパッカード大佐率いる部隊は、帰国直前に新たな命令を受ける。未知の島・髑髏島の地質調査に向かう民間調査隊の護衛がその任務であった。
調査隊長のランダをはじめ、元特殊空挺部隊隊員のコンラッド、カメラマンのウィーバーらも加わり、輸送船からヘリで島へ向かう一行。だが島の上空で調査用の爆弾を落としたとき、巨大なゴリラのようなモンスターに襲撃される。ヘリは全滅、わずかに生き残った調査隊も散り々々となってしまう。
島を脱出するには迎えのヘリがくる合流地点へ急がねばならない。一行は合流地点をめざすが、その島は巨大なゴリラ以外にもさまざまなモンスターが出没する、死の島であった……。
これまでの『キングコング』といえば、コングを捕獲する髑髏島での前半、脱走したコングがニューヨークで暴れまくる後半という設定だったが、本作は後半をごっそり削除。島のみを舞台に、とにかく人間とモンスターの戦い、モンスター同士の戦いに終始し、まさに典型的怪獣映画として成立している。ストーリーの骨子だけ見ても、ほぼ『エイリアン2』や『プレデター』と同じである。
モンスターもあくまで従来の動物を大きくしただけのような造型ではなく、クリーチャーとしてのアレンジがなされており、よりファンタジー色が強い。
このシンプルさが良くも悪くも本作の特徴であり、管理人はけっこう満足したが、まあ怪獣映画に思い入れがない人は絶対ダメだろう(笑)。
とりわけいいと思った点は、実はここが説明しにくいところなのだが、人間とモンスターとの戦い、モンスター同士の戦い、人間ドラマ、この三つの配分がよいということ。お約束的な設定ではあるが、目的のためには仲間の命すら厭わない科学者、復讐に狂った軍人がいて、彼らの確執を巧みにスト−リーに絡め、ストーリー的にも無理がない範囲で最大限の爽快感と恐怖を煽ってくれている。若い監督のはずだが、これがけっこう達者なのである。
ちなみにその監督のジョーダン・ヴォート=ロバーツは日本のポップカルチャーにも強く、ゲーム『メタルギアソリッド』の実写映画化の話も出ていた人だ。本作でもあちらこちらに日本のアニメ等へのへのオマージュが挿入されているが、こちらは書くのが面倒なので、ネットで検索していただければ、いろいろと小ネタが見つかるはずである(個人的には日本兵の名前がイカリ・グンペイというのにまずニヤッとした)。
ただ、この監督さん、ベトナムで不可解な事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、現在は長期療養中だという。こちらも映画顔負けのミステリアスな事件なのだが、また元氣になって新作を撮ってもらいたいものである。
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