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はてなキーワード: のろいとは

2026-01-10

anond:20260109225636

何でこういうのって連鎖するんだろうね...というか、連鎖させようとしちゃうんだろうねと悲しい気持ちでいっぱいになった。

姑に散々いじられていやな思いをしていたはずなのに、自分が姑になるとそれをトレースちゃう人とか、なんで?って感じだけど。

私は「いやな姑にはならない!」と言いながらも嫌な姑をトレースちゃうのが滑稽で仕方が無い。

元増田のお母さんもまさにそういうパターンだよね。

自分が住みもしない家のお金家計から負担していて苦痛だったであろうに、それを子供強要しようとするという。

「帰りのバス代がなくて、貸してもらえると本当に助かるんだ」詐欺みたいな感じで、絶対帰ってこないやつなのは頭で分かっているけれど、

本当にそうだったらどれだけ苦労するんだろうみたいな想像力をかき立てられてやられただけで、こういうのってやられるだけで呪われるってものがある。

真面目で優しいいい人であればなおさらそういう意地汚い他人コントロールしようとする奴らから呪いをかけられる。

閑話休題

家を買ってあげるのは母親を喜ばせるとは思うけれど、母親が喜ぶのは家をもらえたからじゃ無いと思う。

どちらかというと、元増田支配継続成功したというのでほくそ笑むだろう。

予想するにお母さんは元増田支配し、コントロールする傾向がある人じゃなかっただろうか。

意識しているのか無意識的なのか、こういう人は支配に起き続ける術に長けている。

お母さんが一番懸念することは元増田自分の元を去り、支配を逃れることなわけで、自分に家を買わせるとそれを阻止できる。いや、難しくできる。

まず、ローンとして強制的お金を減らすことで経済的支配し、ローンを払うような関係性があることで精神支配は確実。

お母さんのために住宅ローンを払う人は恋愛結婚でもちょっと敬遠されるのは目に見えているので他者から愛情可能性を減らすことで愛情の面でも支配する。

こういうのは学習した無力感みたいなもので、分かっているけれど、逃れるのには他人が思うのの何倍もの意識と労力が必要で、それこそがのろいとして自分幸せを奪う。

2025-12-27

anond:20251227004146

非モテ男性、一度関わった女を自分に与えられた奴隷認識し、従わない女を加害したり生涯付きまとう「のろいのそうび」だった

非モテ男は女に選ばれる機会がないから、結婚相手はもちろんたまたま知り合ったり関わった女を生涯縛り付けようとし、さら敬遠される悪循環

下記のような非モテはいくらでももいるけど、同様の非モテ女は皆無

告白を断る女はもちろん、婚活市場に来て手ぶらで帰る見知らぬ女を「高望み女」と罵倒して加害

婚活パーティーお見合いに参加したら必ず女から選ばれたりOKさせる物という認識だが、女から見たら掘り出し物があったら買うわというガラクタ市やリサイクルショップに行く感覚という性差理解できない

なので女からお断りされたり選ばれないと、初対面の女相手に「お前と釣り合う相手なのに高望みするな!」が決まり文句

https://anond.hatelabo.jp/20251217115916

2025-12-23

anond:20251221191428

またのろいのそうびが婚活市場に来て手ぶらで帰る見ず知らずの女を攻撃してるのか

もちろん適齢期に対人スキルを磨かず遊んでいたオタク

https://anond.hatelabo.jp/20251217115916

2025-12-17

非モテ男性、一度関わった女を自分に与えられた奴隷認識し、従わない女を加害したり生涯付きまとう「のろいのそうび」だった

非モテ男は女に選ばれる機会がないから、結婚相手はもちろんたまたま知り合ったり関わった女を生涯縛り付けようとし、さら敬遠される悪循環

下記のような非モテはいくらでももいるけど、同様の非モテ女は皆無

告白を断る女はもちろん、婚活市場に来て手ぶらで帰る見知らぬ女を「高望み女」と罵倒して加害

婚活パーティーお見合いに参加したら必ず女から選ばれたりOKさせる物という認識だが、女から見たら掘り出し物があったら買うわというガラクタ市やリサイクルショップに行く感覚という性差理解できない

なので女からお断りされたり選ばれないと、初対面の女相手に「お前と釣り合う相手なのに高望みするな!」が決まり文句

女に相手にされる機会がないので、一度関係を結ぶと生涯つきまとい嫌がらせや加害

離婚問題でも、妻につきまといストーカー、妻を装いネットレイプ依頼をして警察訴訟沙汰になったり母子保護シェルターを作られたり共同親権制度を求めるのも男

女がが夫など男からの各種DV搾取被害ロマンス詐欺独身詐称詐欺を訴えると「それがお前と釣り合う男だから我慢しろ

妻→夫のDVネグレクト、男がヤリモクで女に貢いでキレて殺した最上あい事件、たぬかなの女叩きトーク歓喜して重課金した男による「◯されても当然」という脅迫とそれに伴う返金対応ホモ暴露本が出回る事務所に金とモテ目的で自ら履歴書を送りホビット老人にしゃぶらせた元ジャニーズジュニア

男が被害者だと真逆の反応になり、無数の男が加害者側を悪女認定殺意憎悪をむき出しにする

面識のない知らない女でも自分に話しかけたり媚びると無条件で飛びつきつきまとう

同接30人配信という無名存在のたぬかなが「身長170cm未満は人権ない」というジャブでデビューして憎悪を集め一気に名前を売る→「お前らホビットのためを思って言ってるんやで❤」→「女は全男性より無能で無価値」「貧乳女はホビット等価値」と非モテ男性への媚びと鞭を交互に与えて絶賛と投げ銭を集める→既婚発覚で最上あいされろ、ホビット息子が生まれろなどの脅迫呪詛が相次ぐのを見てもわかる

逆に女は「周囲や世間から評価」「自分との相性」などで判断して関係を持ってから男に執着する

2025-09-19

anond:20250919063752

M感ある者がきんたま想ムイタぼすざるAらにXのろい読ら

2025-09-08

身長男性高望みブスおばさんより異性から警戒されて避けられる理由

モテがない、家事や老親介護要員にすらなれない

全ての女から需要がないのを認められないにも関わらず

一度関わってしまったら、批判や拒絶の言葉も「俺のことが好き」「俺に執着してる」と解釈されて付きまとわれたり加害される

のろいのそうびと同じであり、女性から見たら恐怖でしかない

雰囲気イケメンコミュ強や高身長などモテる要素のある男の方がモテる女よりイージーモードなのもそう

ハズレの女を捕まえてもリセットややり直しできるし、弱者男性ですら女相手となると際限なく増長無償奉仕を求められる女と違い、加害や搾取される確率も低い

モテる要素や知能や機転を持つ男の方が女よりイージーモード

https://anond.hatelabo.jp/20250828190132

■男は無能非モテですら、女に求める関係性は非対称だから

https://anond.hatelabo.jp/20250828095913

anond:20250901133158

婚活市場アプリも余剰在庫は低身長男性に集中して業者が「女性身長妥協して」と常にピリピリしてる

anond:20250901133336

これ実際は年収だけどな

anond:20250901133549

良く女は金で手に入るとホビットがイキってるけど金だけの繋がりで自分を愛さない嫁に精神的に耐えられるわけないんだよ 料理好きな夫が癌で余命宣告されたら夫のレシピスクラップ...

anond:20250901134332

身長男性心理めっちゃ詳しいじゃん 大好きなんじゃね

anond:20250901135017

反論できないとこのパターン 女につきまとってキモいとか言い出すフェミさんと同じじゃん

anond:20250901135123

反論するにも、低身長男性心理にそこまでしくないからな お前の低身長男性愛の前には、何も言えんわ 完全敗北だわ

anond:20250901135506

高望みブスフェミさんは女は非難をされても「この人は私のこと好きなのね」ってならない ホビット婚活恋愛露骨に避けられても、低身長男性否定的文脈批判や拒絶されて...

anond:20250901140238

身長男性による婚活おばさん叩きだけど 低身長男性思考回路だと絶対「私に貴方を選んで欲しいのね」ってなるよな

anond:20250901140238

次々と低身長男性心理現実を明らかにしていく 凄すぎる

anond:20250901140714

チビ男本人かその母親では

anond:20250901140238

異性から需要のない属性は他にもある 低身長男性けが自分求愛を断る女」の存在自体を許さず加害するのは当たり前 批判や拒絶やヲチ的な言説にまで「俺のことが好きなん...

anond:20250901135123

そう考えると低身長男性ってマジで価値がないよな 女みたいな穴モテ家事や老親介護要員にもならない その上一度知り合うと、交際申し込みを断った日にはキレて加害する地雷

2025-04-15

anond:20250415213058

VScodeアドオンにどっぷり過ぎて、今更普通エディタには戻れないのろいがかかってるんだよ

2025-04-03

ユダヤ教における自由意志とは

ユダヤ教において自由意志(bechirah chofshit – בחירה חופשית)は非常に重要概念です。

基本的に、ユダヤ教人間自由意志が与えられていることを明確に認めています。これは、倫理的責任宗教的義務を果たすために不可欠な要素です。

1. トーラーにおける自由意志根拠

ユダヤ教経典では、自由意志が明確に示されています。たとえば、申命記(Devarim)30:19には次のように書かれています

「私は今日、天と地をあなたに対する証人として呼ぶ。私は命と死、祝福とのろいあなたの前に置いた。あなたあなたの子孫が生きるために、命を選びなさい。」

この言葉からも分かるように、神は人間選択の自由を与え、それに伴う責任を持たせています

2. 自由意志と神の全知

「もし神がすべてを知っているなら、人間自由意志は本当に存在するのか?」という哲学的問題がありますが、ユダヤ思想では、この二つは矛盾しないと考えられています

たとえば、中世ユダヤ哲学者 ラビ・モーシェ・ベン・マイモン(ラビムーラムラビマイモニデス) は、神の知識人間知識とは異なる次元のものであり、私たちには完全には理解できないと説明しています

3. 自由意志倫理的責任

自由意志があるからこそ、人間には ミツヴォット(戒律) を守る責任が生じます。もし人間自由に善と悪を選べなかったら、律法を守ることや、悔い改め(teshuvah – תשובה)の概念意味をなさなくなります

4. ただし自由意志絶対ではない

興味深いことに、ユダヤ教では「すべての選択自由であるわけではない」とも考えられています。例えば:

5. 自由意志責任バランス

タルムードマッセヘト・ベラホット 33b)は次のように述べています

「すべては天の手にある。ただし、神への畏れを除いて。」

まり私たちは多くのことをコントロールできませんが、神を敬い、正しい道を選ぶかどうかは、私たち自由に委ねられています

結論

ユダヤ教では、自由意志人間本質の一部であり、それによって私たち倫理的に行動する責任を負っています

選択の自由があるからこそ、善を選ぶことに価値があり、teshuvah(悔い改め)によって過ちを正すことができます

自由意志は祝福であり、同時に試練でもあります

したがって、「選択肢がある」ということは、人生において非常にユダヤ的な考え方なのです!

2025-01-31

最近トップAV女優って、「高身長境界知能・整形」ってのが多くないか

整形で、顔はほぼ芸能人インフルエンサーに寄せられる(主治医多分一緒だろうし)。

そうなると、若くて非モテ女性ってのがターゲットになる。

それって、高身長境界知能の女性ってことになるだろうなあ。

そういう奴らが、もう中高時点でメンコンかに流れてくるんだろうなあ。

  

逆に、低身長境界知能が10年前は多かったような。

整形技術がまだイマイチだったからか、粗製濫造がひどかったけどなあ。

整形失敗して産業廃棄物化したり。メンヘラも多かった。

  

高身長だと、動きがのろいし、子供の頃から調子乗ると叩かれてたから、大人しくなるんだろうなあ。

2025-01-08

人に追い抜かれる立場になってみての感想

足を強めに捻挫してしまい、当面速く歩けない。

 

人に追い抜かれる立場になったので

駅などでの移動は常に

・端に寄る

・遅い人の背中につく

ということを徹底した。

 

やってみてわかったが、

足が速い人の邪魔にならないように移動することは十分に可能だった。

  

怪我が治ったいま改めて思う。

歩くのがのろいのに空いてるスペースに迷い出て歩くゴミ

同じぐらい遅いやつの横のスペースに出てきて同じ速度で歩くカス

遅いだけでなく左右にふらふらと揺れ動くクズ

あいつらになんの情状酌量余地もない。 

  

駅の階段とかであれがいるとマジで蹴り落としたくなる。

邪魔くさいのってスマホ歩きなんかじゃなくて

足遅いのに通路を塞ぎまくってる障害物どもなんだよね。

 

歩くの遅いやつはずっと遅いのに

周りがスムーズに追い抜けるよつな配慮すら出来ないってことは

終生人を不快にさせながら生きてるわけじゃん?

  

でまあ女と老人なんだわ。

男の方が総じて歩くの速いってとこもあるけど、

男の方が周囲の動きに気づける。

女は本当に「この世にてめえ一人しかいねえのか?」みたいな歩き方するやつがいる。

  

  

「蹴倒しおじさん」がいないのが不思議だよね。

2024-10-23

anond:20241022221855

わかる

もうスピードで直進するおっさん?より

ふらふら横にブレながら歩くのろい大勢のほうがじゃま

 

歩く速度遅くてボケーっと歩いてる人にとっては逆なんだろうな

難しいね

2024-10-02

九  与次郎が勧めるので、三四郎はとうとう精養軒の会へ出た。その時三四郎は黒い紬の羽織を着た。この羽織は、三輪田のお光さんのおっかさんが織ってくれたのを、紋付に染めて、お光さんが縫い上げたものだと、母の手紙に長い説明がある。小包みが届いた時、いちおう着てみて、おもしろくないから、戸棚へ入れておいた。それを与次郎が、もったいないからぜひ着ろ着ろと言う。三四郎が着なければ、自分が持っていって着そうな勢いであたから、つい着る気になった。着てみると悪くはないようだ。  三四郎はこのいでたちで、与次郎と二人で精養軒の玄関に立っていた。与次郎の説によると、お客はこうして迎えべきものだそうだ。三四郎はそんなこととは知らなかった。第一自分がお客のつもりでいた。こうなると、紬の羽織ではなんだか安っぽい受け付けの気がする。制服を着てくればよかったと思った。そのうち会員がだんだん来る。与次郎は来る人をつらまえてきっとなんとか話をする。ことごとく旧知のようにあしらっている。お客が帽子外套給仕に渡して、広い梯子段の横を、暗い廊下の方へ折れると、三四郎に向かって、今のは誰某だと教えてくれる。三四郎はおかげで知名な人の顔をだいぶ覚えた。  そのうちお客はほぼ集まった。約三十人足らずである広田先生もいる。野々宮さんもいる。――これは理学者だけれども、絵や文学が好きだからというので、原口さんが、むりに引っ張り出したのだそうだ。原口さんはむろんいる。いちばんさきへ来て、世話を焼いたり、愛嬌を振りまいたり、フランス式の髯をつまんでみたり、万事忙しそうである。  やがて着席となった。めいめいかってな所へすわる。譲る者もなければ、争う者もない。そのうちでも広田先生のろいにも似合わずいちばんに腰をおろししまった。ただ与次郎三四郎けがいっしょになって、入口に近く座を占めた。その他はことごとく偶然の向かい合わせ、隣同志であった。  野々宮さんと広田先生あいだに縞の羽織を着た批評家がすわった。向こうには庄司という博士が座に着いた。これは与次郎のいわゆる文科で有力な教授であるフロックを着た品格のある男であった。髪を普通の倍以上長くしている。それが電燈の光で、黒く渦をまいて見える。広田先生坊主頭と比べるとだいぶ相違がある。原口さんはだいぶ離れて席を取った。あちらの角だから、遠く三四郎と真向かいになる。折襟に、幅の広い黒襦子を結んださきがぱっと開いて胸いっぱいになっている。与次郎が、フランスの画工は、みんなああいう襟飾りを着けるものだと教えてくれた。三四郎肉汁を吸いながら、まるで兵児帯の結び目のようだと考えた。そのうち談話だんだん始まった。与次郎ビールを飲む。いつものように口をきかない。さすがの男もきょうは少々謹んでいるとみえる。三四郎が、小さな声で、 「ちと、ダーターファブラをやらないか」と言うと、「きょうはいけない」と答えたが、すぐ横を向いて、隣の男と話を始めた。あなたの、あの論文を拝見して、大いに利益を得ましたとかなんとか礼を述べている。ところがその論文は、彼が自分の前で、さかんに罵倒したものから三四郎にはすこぶる不思議の思いがある。与次郎はまたこっちを向いた。 「その羽織はなかなかりっぱだ。よく似合う」と白い紋をことさら注意してながめている。その時向こうの端から原口さんが、野々宮に話しかけた。元来が大きな声の人だから、遠くで応対するにはつごうがいい。今まで向かい合わせに言葉をかわしていた広田先生庄司という教授は、二人の応答を途中でさえぎることを恐れて、談話をやめた。その他の人もみんな黙った。会の中心点がはじめてできあがった。 「野々宮さん光線の圧力試験はもう済みましたか」 「いや、まだなかなかだ」 「ずいぶん手数がかかるもんだね。我々の職業も根気仕事だが、君のほうはもっと激しいようだ」 「絵はインスピレーションですぐかけるからいいが、物理実験はそううまくはいかない」 「インスピレーションには辟易する。この夏ある所を通ったらばあさんが二人で問答をしていた。聞いてみると梅雨はもう明けたんだろうか、どうだろうかという研究なんだが、一人のばあさんが、昔は雷さえ鳴れば梅雨は明けるにきまっていたが、近ごろじゃそうはいかないとこぼしている。すると一人がどうしてどうして、雷ぐらいで明けることじゃありゃしないと憤慨していた。――絵もそのとおり、今の絵はインスピレーションぐらいでかけることじゃありゃしない。ねえ田村さん、小説だって、そうだろう」  隣に田村という小説家がすわっていた。この男は自分インスピレーション原稿の催促以外になんにもないと答えたので、大笑いになった。田村は、それから改まって、野々宮さんに、光線に圧力があるものか、あれば、どうして試験するかと聞きだした。野々宮さんの答はおもしろかった。――  雲母か何かで、十六武蔵ぐらいの大きさの薄い円盤を作って、水晶の糸で釣るして、真空のうちに置いて、この円盤の面へ弧光燈の光を直角にあてると、この円盤が光に圧されて動く。と言うのである。  一座は耳を傾けて聞いていた。なかに三四郎は腹のなかで、あの福神漬の缶のなかに、そんな装置がしてあるのだろうと、上京のさい、望遠鏡で驚かされた昔を思い出した。 「君、水晶の糸があるのか」と小さい声で与次郎に聞いてみた。与次郎は頭を振っている。 「野々宮さん、水晶の糸がありますか」 「ええ、水晶の粉をね。酸水素吹管の炎で溶かしておいて、両方の手で、左右へ引っ張ると細い糸ができるのです」  三四郎は「そうですか」と言ったぎり、引っ込んだ。今度は野々宮さんの隣にいる縞の羽織批評家が口を出した。 「我々はそういう方面へかけると、全然無学なんですが、はじめはどうして気がついたものでしょうな」 「理論上はマクスウェル以来予想されていたのですが、それをレベデフという人がはじめて実験証明したのです。近ごろあの彗星の尾が、太陽の方へ引きつけられべきはずであるのに、出るたびにいつでも反対の方角になびくのは光の圧力で吹き飛ばされるんじゃなかろうかと思いついた人もあるくらいです」  批評家はだいぶ感心したらしい。 「思いつきもおもしろいが、第一大きくていいですね」と言った。 「大きいばかりじゃない、罪がなくって愉快だ」と広田先生が言った。 「それでその思いつきがはずれたら、なお罪がなくっていい」と原口さんが笑っている。 「いや、どうもあたっているらしい。光線の圧力は半径の二乗に比例するが、引力のほうは半径の三乗に比例するんだから、物が小さくなればなるほど引力のほうが負けて、光線の圧力が強くなる。もし彗星の尾が非常に細かい小片からできているとすれば、どうしても太陽とは反対の方へ吹き飛ばされるわけだ」  野々宮は、ついまじめになった。すると原口が例の調子で、 「罪がない代りに、たいへん計算がめんどうになってきた。やっぱり一利一害だ」と言った。この一言で、人々はもとのとおりビールの気分に復した。広田先生が、こんな事を言う。 「どうも物理学者は自然派じゃだめのようだね」  物理学者と自然派の二字は少なからず満場の興味を刺激した。 「それはどういう意味ですか」と本人の野々宮さんが聞き出した。広田先生説明しなければならなくなった。 「だって、光線の圧力試験するために、目だけあけて、自然を観察していたって、だめだからさ。自然献立のうちに、光線の圧力という事実印刷されていないようじゃないか。だから人工的に、水晶の糸だの、真空だの、雲母だのという装置をして、その圧力物理学者の目に見えるように仕掛けるのだろう。だから自然派じゃないよ」 「しか浪漫派でもないだろう」と原口さんがまぜ返した。 「いや浪漫派だ」と広田先生がもったいらしく弁解した。「光線と、光線を受けるものとを、普通自然界においては見出せないような位置関係に置くところがまったく浪漫派じゃないか」 「しかし、いったんそういう位置関係に置いた以上は、光線固有の圧力を観察するだけだからそれからあとは自然派でしょう」と野々宮さんが言った。 「すると、物理学者は浪漫自然派ですね。文学のほうでいうと、イブセンのようなものじゃないか」と筋向こうの博士比較を持ち出した。 「さよう、イブセンの劇は野々宮君と同じくらいな装置があるが、その装置の下に働く人物は、光線のように自然法則に従っているか疑わしい」これは縞の羽織批評家言葉であった。 「そうかもしれないが、こういうことは人間研究上記憶しておくべき事だと思う。――すなわち、ある状況のもとに置かれた人間は、反対の方向に働きうる能力権力とを有している。ということなんだが、――ところが妙な習慣で、人間も光線も同じように器械的の法則に従って活動すると思うものから、時々とんだ間違いができる。おこらせようと思って装置をすると、笑ったり、笑わせようともくろんでかかると、おこったり、まるで反対だ。しかしどちらにしても人間に違いない」と広田先生がまた問題を大きくしてしまった。 「じゃ、ある状況のもとに、ある人間が、どんな所作をしてもしぜんだということになりますね」と向こうの小説家が質問した。広田先生は、すぐ、 「ええ、ええ。どんな人間を、どう描いても世界に一人くらいはいるようじゃないですか」と答えた。「じっさい人間たる我々は、人間しからざる行為動作を、どうしたって想像できるものじゃない。ただへたに書くから人間と思われないのじゃないですか」  小説家はそれで黙った。今度は博士がまた口をきいた。 「物理学者でも、ガリレオ寺院釣りランプの一振動時間が、振動の大小にかかわらず同じであることに気がついたり、ニュートン林檎が引力で落ちるのを発見したりするのは、はじめから自然派ですね」 「そういう自然派なら、文学のほうでも結構でしょう。原口さん、絵のほうでも自然派がありますか」と野々宮さんが聞いた。 「あるとも。恐るべきクールベエというやつがいる。v※(アキュートアクセント付きE小文字)rit※(アキュートアクセント付きE小文字) vraie. なんでも事実でなければ承知しない。しかしそう猖獗を極めているものじゃない。ただ一派として存在を認められるだけさ。またそうでなくっちゃ困るからね。小説だって同じことだろう、ねえ君。やっぱりモローや、シャバンヌのようなのもいるはずだろうじゃないか」 「いるはずだ」と隣の小説家が答えた。  食後には卓上演説も何もなかった。ただ原口さんが、しきりに九段の上の銅像悪口を言っていた。あん銅像をむやみに立てられては、東京市民が迷惑する。それより、美しい芸者銅像でもこしらえるほうが気が利いているという説であった。与次郎三四郎九段銅像原口さんと仲の悪い人が作ったんだと教えた。  会が済んで、外へ出るといい月であった。今夜の広田先生庄司博士によい印象を与えたろうかと与次郎が聞いた。三四郎は与えたろうと答えた。与次郎は共同水道栓のそばに立って、この夏、夜散歩に来て、あまり暑いからここで水を浴びていたら、巡査に見つかって、擂鉢山へ駆け上がったと話した。二人は擂鉢山の上で月を見て帰った。  帰り道に与次郎三四郎に向かって、突然借金言い訳をしだした。月のさえた比較寒いである三四郎ほとんど金の事などは考えていなかった。言い訳を聞くのでさえ本気ではない。どうせ返すことはあるまいと思っている。与次郎もけっして返すとは言わない。ただ返せない事情をいろいろに話す。その話し方のほうが三四郎にはよほどおもしろい。――自分の知ってるさる男が、失恋の結果、世の中がいやになって、とうとう自殺をしようと決心したが、海もいや川もいや、噴火口はなおいや、首をくくるのはもっともいやというわけで、やむをえず短銃を買ってきた。買ってきて、まだ目的遂行しないうちに、友だちが金を借りにきた。金はないと断ったが、ぜひどうかしてくれと訴えるので、しかたなしに、大事の短銃を貸してやった。友だちはそれを質に入れて一時をしのいだ。つごうがついて、質を受け出して返しにきた時は、肝心の短銃の主はもう死ぬ気がなくなっていた。だからこの男の命は金を借りにこられたために助かったと同じ事である。 「そういう事もあるからなあ」と与次郎が言った。三四郎にはただおかしいだけである。そのほかにはなんらの意味もない。高い月を仰いで大きな声を出して笑った。金を返されないでも愉快である与次郎は、 「笑っちゃいかん」と注意した。三四郎はなおおかしくなった。 「笑わないで、よく考えてみろ。おれが金を返さなければこそ、君が美禰子さんから金を借りることができたんだろう」  三四郎は笑うのをやめた。 「それで?」 「それだけでたくさんじゃないか。――君、あの女を愛しているんだろう」  与次郎はよく知っている。三四郎はふんと言って、また高い月を見た。月のそばに白い雲が出た。 「君、あの女には、もう返したのか」 「いいや」 「いつまでも借りておいてやれ」  のん気な事を言う。三四郎はなんとも答えなかった。しかいつまでも借りておく気はむろんなかった。じつは必要な二十円を下宿へ払って、残りの十円をそのあくる日すぐ里見の家へ届けようと思ったが、今返してはかえって、好意にそむいて、よくないと考え直して、せっかく門内に、はいられる機会を犠牲にしてまでも引き返した。その時何かの拍子で、気がゆるんで、その十円をくずしてしまった。じつは今夜の会費もそのうちから出ている。自分ばかりではない。与次郎のもそのうちから出ている。あとには、ようやく二、三円残っている。三四郎はそれで冬シャツを買おうと思った。  じつは与次郎がとうてい返しそうもないから、三四郎は思いきって、このあいだ国元へ三十円の不足を請求した。十分な学資を月々もらっていながら、ただ不足だからといって請求するわけにはゆかない。三四郎はあまり嘘をついたことのない男だから請求理由にいたって困却した。しかたがないからただ友だちが金をなくして弱っていたから、つい気の毒になって貸してやった。その結果として、今度はこっちが弱るようになった。どうか送ってくれと書いた。  すぐ返事を出してくれれば、もう届く時分であるのにまだ来ない。今夜あたりはことによると来ているかもしれぬくらいに考えて、下宿へ帰ってみると、はたして、母の手蹟で書いた封筒ちゃんと机の上に乗っている。不思議なことに、いつも必ず書留で来るのが、きょうは三銭切手一枚で済ましてある。開いてみると、中はいつになく短かい。母としては不親切なくらい、用事だけで申し納めてしまった。依頼の金は野々宮さんの方へ送ったから、野々宮さんから受け取れというさしずにすぎない。三四郎は床を取ってねた。  翌日もその翌日も三四郎は野々宮さんの所へ行かなかった。野々宮さんのほうでもなんともいってこなかった。そうしているうちに一週間ほどたった。しまいに野々宮さんから下宿下女を使いに手紙をよこした。おっかさんからまれものがあるからちょっと来てくれろとある三四郎講義の隙をみて、また理科大学の穴倉へ降りていった。そこで立談のあいだに事を済ませようと思ったところが、そううまくはいかなかった。この夏は野々宮さんだけで専領していた部屋に髭のはえた人が二、三人いる。制服を着た学生も二、三人いる。それが、みんな熱心に、静粛に、頭の上の日のあたる世界をよそにして、研究をやっている。そのうちで野々宮さんはもっと多忙に見えた。部屋の入口に顔を出した三四郎ちょっと見て、無言のまま近寄ってきた。 「国から、金が届いたから、取りに来てくれたまえ。今ここに持っていないから。それからまだほかに話す事もある」  三四郎ははあと答えた。今夜でもいいかと尋ねた。野々宮はすこしく考えていたが、しまいに思いきってよろしいと言った。三四郎はそれで穴倉を出た。出ながら、さすがに理学者は根気のいいものだと感心した。この夏見た福神漬の缶と、望遠鏡が依然としてもとのとおりの位置に備えつけてあった。  次の講義時間与次郎に会ってこれこれだと話すと、与次郎はばかだと言わないばかりに三四郎をながめて、 「だからいつまでも借りておいてやれと言ったのに。よけいな事をして年寄りには心配をかける。宗八さんにはお談義をされる。これくらい愚な事はない」とまるで自分から事が起こったとは認めていない申し分である三四郎もこの問題に関しては、もう与次郎責任を忘れてしまった。したがって与次郎の頭にかかってこない返事をした。 「いつまでも借りておくのは、いやだから、家へそう言ってやったんだ」 「君はいやでも、向こうでは喜ぶよ」 「なぜ」  このなぜが三四郎自身はいくぶんか虚偽の響らしく聞こえた。しか相手にはなんらの影響も与えなかったらしい。 「あたりまえじゃないか。ぼくを人にしたって、同じことだ。ぼくに金が余っているとするぜ。そうすれば、その金を君から返してもらうよりも、君に貸しておくほうがいい心持ちだ。人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ」  三四郎は返事をしないで、講義を筆記しはじめた。二、三行書きだすと、与次郎がまた、耳のそばへ口を持ってきた。 「おれだって、金のある時はたびたび人に貸したことがある。しかしだれもけっして返したものがない。それだからおれはこのとおり愉快だ」  三四郎まさか、そうかとも言えなかった。薄笑いをしただけで、またペンを走らしはじめた。与次郎それからはおちついて、時間の終るまで口をきかなかった。  ベルが鳴って、二人肩を並べて教場を出る時、与次郎が、突然聞いた。

anond:20241001234545

「あの女は君にほれているのか」

 二人のあとから続々聴講生が出てくる。三四郎はやむをえず無言のまま梯子段を降りて横手玄関から図書館わきの空地へ出て、はじめて与次郎を顧みた。

「よくわからない」

 与次郎はしばらく三四郎を見ていた。

「そういうこともある。しかしよくわかったとして、君、あの女の夫になれるか」

 三四郎はいまだかつてこの問題を考えたことがなかった。美禰子に愛せられるという事実のものが、彼女の夫たる唯一の資格のような気がしていた。言われてみると、なるほど疑問である三四郎は首を傾けた。

「野々宮さんならなれる」と与次郎が言った。

「野々宮さんと、あの人とは何か今までに関係があるのか」

 三四郎の顔は彫りつけたようにまじめであった。与次郎一口

「知らん」と言った。三四郎は黙っている。

「また野々宮さんの所へ行って、お談義を聞いてこい」と言いすてて、相手は池の方へ行きかけた。三四郎は愚劣の看板のごとく突っ立った。与次郎は五、六歩行ったが、また笑いながら帰ってきた。

「君、いっそ、よし子さんをもらわないか」と言いながら、三四郎を引っ張って、池の方へ連れて行った。歩きながら、あれならいい、あれならいいと、二度ほど繰り返した。そのうちまたベルが鳴った。

 三四郎はその夕方野々宮さんの所へ出かけたが、時間がまだすこし早すぎるので、散歩かたがた四丁目まで来て、シャツを買いに大きな唐物屋へはいった。小僧が奥からいろいろ持ってきたのをなでてみたり、広げてみたりして、容易に買わない。わけもなく鷹揚にかまえていると、偶然美禰子とよし子が連れ立って香水を買いに来た。あらと言って挨拶をしたあとで、美禰子が、

「せんだってありがとう」と礼を述べた。三四郎にはこのお礼の意味が明らかにわかった。美禰子から金を借りたあくる日もう一ぺん訪問して余分をすぐに返すべきところを、ひとまず見合わせた代りに、二日ばかり待って、三四郎は丁寧な礼状を美禰子に送った。

 手紙文句は、書いた人の、書いた当時の気分をすなおに表わしたものではあるが、むろん書きすぎている。三四郎はできるだけの言葉を層々と排列して感謝の意を熱烈にいたした。普通の者から見ればほとんど借金の礼状とは思われないくらいに、湯気の立ったものであるしか感謝以外には、なんにも書いてない。それだから自然の勢い、感謝感謝以上になったのでもある。三四郎はこの手紙ポストに入れる時、時を移さぬ美禰子の返事を予期していた。ところがせっかくの封書はただ行ったままであるそれから美禰子に会う機会はきょうまでなかった。三四郎はこの微弱なる「このあいだはありがとう」という反響に対して、はっきりした返事をする勇気も出なかった。大きなシャツを両手で目のさきへ広げてながめながら、よし子がいるからああ冷淡なんだろうかと考えた。それからこのシャツもこの女の金で買うんだなと考えた。小僧はどれになさいますと催促した。

 二人の女は笑いながらそばへ来て、いっしょにシャツを見てくれた。しまいに、よし子が「これになさい」と言った。三四郎はそれにした。今度は三四郎のほうが香水相談を受けた。いっこうわからない。ヘリオトロープと書いてある罎を持って、いいかげんに、これはどうですと言うと、美禰子が、「それにしましょう」とすぐ決めた。三四郎は気の毒なくらいであった。

 表へ出て別れようとすると、女のほうが互いにお辞儀を始めた。よし子が「じゃ行ってきてよ」と言うと、美禰子が、「お早く……」と言っている。聞いてみて、妹が兄の下宿へ行くところだということがわかった。三四郎はまたきれいな女と二人連で追分の方へ歩くべき宵となった。日はまだまったく落ちていない。

 三四郎はよし子といっしょに歩くよりは、よし子といっしょに野々宮の下宿で落ち合わねばならぬ機会をいささか迷惑に感じた。いっそのこと今夜は家へ帰って、また出直そうかと考えた。しかし、与次郎のいわゆるお談義を聞くには、よし子がそばにいてくれるほうが便利かもしれない。まさか人の前で、母から、こういう依頼があったと、遠慮なしの注意を与えるわけはなかろう。ことによると、ただ金を受け取るだけで済むかもわからない。――三四郎は腹の中で、ちょっとずるい決心をした。

「ぼくも野々宮さんの所へ行くところです」

「そう、お遊びに?」

「いえ、すこし用があるんです。あなたは遊びですか」

「いいえ、私も御用なの」

 両方が同じようなことを聞いて、同じような答を得た。しかし両方とも迷惑を感じている気色がさらにない。三四郎は念のため、じゃまじゃないかと尋ねてみた。ちっともじゃまにはならないそうである。女は言葉でじゃまを否定したばかりではない。顔ではむしろなぜそんなことを質問するかと驚いている。三四郎は店先のガスの光で、女の黒い目の中に、その驚きを認めたと思った。事実としては、ただ大きく黒く見えたばかりである

バイオリンを買いましたか

「どうして御存じ」

 三四郎は返答に窮した。女は頓着なく、すぐ、こう言った。

いくら兄さんにそう言っても、ただ買ってやる、買ってやると言うばかりで、ちっとも買ってくれなかったんですの」

 三四郎は腹の中で、野々宮よりも広田よりも、むしろ与次郎非難した。

 二人は追分の通りを細い路地に折れた。折れると中に家がたくさんある。暗い道を戸ごとの軒燈が照らしている。その軒燈の一つの前にとまった。野々宮はこの奥にいる。

 三四郎下宿とはほとんど一丁ほどの距離である。野々宮がここへ移ってから三四郎は二、三度訪問したことがある。野々宮の部屋は広い廊下を突き当って、二段ばかりまっすぐに上がると、左手に離れた二間である。南向きによその広い庭をほとんど椽の下に控えて、昼も夜も至極静かである。この離れ座敷に立てこもった野々宮さんを見た時、なるほど家を畳んで下宿をするのも悪い思いつきではなかったと、はじめて来た時から、感心したくらい、居心地のいい所である。その時野々宮さんは廊下下りて、下から自分の部屋の軒を見上げて、ちょっと見たまえ、藁葺だと言った。なるほど珍しく屋根に瓦を置いてなかった。

 きょうは夜だから屋根はむろん見えないが、部屋の中には電燈がついている。三四郎は電燈を見るやいなや藁葺を思い出した。そうしておかしくなった。

「妙なお客が落ち合ったな。入口で会ったのか」と野々宮さんが妹に聞いている。妹はしからざるむねを説明している。ついでに三四郎のようなシャツを買ったらよかろうと助言している。それから、このあいだのバイオリン和製で音が悪くっていけない。買うのをこれまで延期したのだから、もうすこし良いのと買いかえてくれと頼んでいる。せめて美禰子さんくらいのなら我慢すると言っている。そのほか似たりよったりの駄々をしきりにこねている。野々宮さんはべつだんこわい顔もせず、といって、優しい言葉もかけず、ただそうかそうかと聞いている。

 三四郎はこのあいだなんにも言わずにいた。よし子は愚な事ばかり述べる。かつ少しも遠慮をしない。それがばかとも思えなければ、わがままとも受け取れない。兄との応待をそばにいて聞いていると、広い日あたりのいい畑へ出たような心持ちがする。三四郎は来たるべきお談義の事をまるで忘れてしまった。その時突然驚かされた。

「ああ、わたし忘れていた。美禰子さんのお言伝があってよ」

「そうか」

「うれしいでしょう。うれしくなくって?」

 野々宮さんはかゆいような顔をした。そうして、三四郎の方を向いた。

ぼくの妹はばかですね」と言った。三四郎はしかたなしに、ただ笑っていた。

「ばかじゃないわ。ねえ、小川さん」

 三四郎はまた笑っていた。腹の中ではもう笑うのがいやになった。

「美禰子さんがね、兄さんに文芸協会演芸会に連れて行ってちょうだいって」

里見さんといっしょに行ったらよかろう」

「御用があるんですって」

「お前も行くのか」

「むろんだわ」

 野々宮さんは行くとも行かないとも答えなかった。また三四郎の方を向いて、今夜妹を呼んだのは、まじめの用があるんだのに、あんのん気ばかり言っていて困ると話した。聞いてみると、学者だけあって、存外淡泊である。よし子に縁談の口がある。国へそう言ってやったら、両親も異存はないと返事をしてきた。それについて本人の意見をよく確かめ必要が起こったのだと言う。三四郎はただ結構ですと答えて、なるべく早く自分のほうを片づけて帰ろうとした。そこで、

「母からあなたにごめんどうを願ったそうで」と切り出した。野々宮さんは、

「なに、大してめんどうでもありませんがね」とすぐに机の引出しから、預かったものを出して、三四郎に渡した。

「おっかさんが心配して、長い手紙を書いてよこしましたよ。三四郎は余儀ない事情で月々の学資を友だちに貸したと言うが、いくら友だちだって、そうむやみに金を借りるものじゃあるまいし、よし借りたって返すはずだろうって。いなかの者は正直だから、そう思うのもむりはない。それからね、三四郎が貸すにしても、あまり貸し方が大げさだ。親から月々学資を送ってもらう身分でいながら、一度に二十円の三十円のと、人に用立てるなんて、いかにも無分別とあるんですがね――なんだかぼくに責任があるように書いてあるから困る。……」

 野々宮さんは三四郎を見て、にやにや笑っている。三四郎はまじめに、「お気の毒です」と言ったばかりである。野々宮さんは、若い者を、極めつけるつもりで言ったんでないとみえて、少し調子を変えた。

「なに、心配することはありませんよ。なんでもない事なんだから。ただおっかさんは、いなかの相場で、金の価値をつけるから、三十円がたいへん重くなるんだね。なんでも三十円あると、四人の家族半年食っていけると書いてあったが、そんなものかな、君」と聞いた。よし子は大きな声を出して笑った。三四郎にもばかげているところがすこぶるおかしいんだが、母の言条が、まったく事実を離れた作り話でないのだから、そこに気がついた時には、なるほど軽率な事をして悪かったと少しく後悔した。

「そうすると、月に五円のわりだから、一人前一円二十五銭にあたる。それを三十日に割りつけると、四銭ばかりだが――いくらいなかでも少し安すぎるようだな」と野々宮さんが計算を立てた。

「何を食べたら、そのくらいで生きていられるでしょう」とよし子がまじめに聞きだした。三四郎も後悔する暇がなくなって、自分の知っているいなか生活ありさまをいろいろ話して聞かした。そのなかには宮籠りという慣例もあった。三四郎の家では、年に一度ずつ村全体へ十円寄付することになっている。その時には六十戸から一人ずつ出て、その六十人が、仕事を休んで、村のお宮へ寄って、朝から晩まで、酒を飲みつづけに飲んで、ごちそうを食いつづけに食うんだという。

「それで十円」とよし子が驚いていた。お談義はこれでどこかへいったらしい。それから少し雑談をして一段落ついた時に、野々宮さんがあらためて、こう言った。

「なにしろ、おっかさんのほうではね。ぼくが一応事情を調べて、不都合がないと認めたら、金を渡してくれろ。そうしてめんどうでもその事情を知らせてもらいたいというんだが、金は事情もなんにも聞かないうちに、もう渡してしまったしと、――どうするかね。君たしか佐々木に貸したんですね」

 三四郎は美禰子からもれて、よし子に伝わって、それが野々宮さんに知れているんだと判じた。しかしその金が巡り巡ってバイオリンに変形したものとは、兄妹とも気がつかないか一種妙な感じがした。ただ「そうです」と答えておいた。

佐々木馬券を買って、自分の金をなくしたんだってね」

「ええ」

 よし子はまた大きな声を出して笑った。

「じゃ、いいかげんにおっかさんの所へそう言ってあげよう。しかし今度から、そんな金はもう貸さないことにしたらいいでしょう」

 三四郎は貸さないことにするむねを答えて、挨拶をして、立ちかけると、よし子も、もう帰ろうと言い出した。

「さっきの話をしなくっちゃ」と兄が注意した。

「よくってよ」と妹が拒絶した。

「よくはないよ」

「よくってよ。知らないわ」

 兄は妹の顔を見て黙っている。妹は、またこう言った。

だってしかたがないじゃ、ありませんか。知りもしない人の所へ、行くか行かないかって、聞いたって。好きでもきらいでもないんだから、なんにも言いようはありゃしないわ。だから知らないわ」

 三四郎は知らないわの本意をようやく会得した。兄妹をそのままにして急いで表へ出た。

 人の通らない軒燈ばかり明らかな路地を抜けて表へ出ると、風が吹く。北へ向き直ると、まともに顔へ当る。時を切って、自分下宿の方から吹いてくる。その時三四郎は考えた。この風の中を、野々宮さんは、妹を送って里見まで連れていってやるだろう。

 下宿の二階へ上って、自分の部屋へはいって、すわってみると、やっぱり風の音がする。三四郎はこういう風の音を聞くたびに、運命という字を思い出す。ごうと鳴ってくるたびにすくみたくなる。自分ながらけっして強い男とは思っていない。考えると、上京以来自分運命はたいがい与次郎のためにこしらえられている。しかも多少の程度において、和気靄然たる翻弄を受けるようにこしらえられている。与次郎は愛すべき悪戯である。向後もこの愛すべき悪戯者のために、自分運命を握られていそうに思う。風がしきりに吹く。たしか与次郎以上の風である

 三四郎は母から来た三十円を枕元へ置いて寝た。この三十円も運命翻弄が生んだものである。この三十円がこれからさきどんな働きをするか、まるでわからない。自分はこれを美禰子に返しに行く。美禰子がこれを受け取る時に、また一煽り来るにきまっている。三四郎はなるべく大きく来ればいいと思った。

2024-09-04

増田のろい

あいつはFacebookにいいことだけ書いて、

私はアノニマスに苦しい呻きとか泣き言書いてて。

結婚したり子供できたり、イベントパーティーメンバーもほぼ同じなのに、こっちだけステータス異常起こしてて(?)、幸せ感じる場面が少ねえ。

あとそれをわざわざ晒さない。てか祝えてない。

なんでそんな余裕あんの?私の人間性と社交性が欠乏してるから

自分で不幸になってるだけだと相方に言われた。

そういうことなんやろな。

増田のろい

あいつはFacebookにいいことだけ書いて、

私はアノニマスに苦しい呻きとか泣き言書いてて。

結婚したり子供できたり、イベントパーティーメンバーもほぼ同じなのに、こっちだけステータス異常起こしてて(?)、幸せ感じる場面が少ねえ。

あとそれをわざわざ晒さない。てか祝えてない。

なんでそんな余裕あんの?私の人間性と社交性が欠乏してるから

自分で不幸になってるだけだと相方に言われた。

そういうことなんやろな。

2024-01-26

同じ漢字で読みが複数ある漢字

艷やか(つややか、あでやか)

強い(つよい、こわい)

市場(しじょう、いちば)

呪いのろいまじない

罪人(つみびと、ざいにん)

他にある?

2024-01-25

anond:20240125121141

自己紹介乙

おまえが、上方婚できない男なだけ。

女の収入が高いならそもそも結婚して仕事辞めさせるわけですよね?

統計もたくさん出たしこの増田にもなんどもいってやってもこうやってのろい続ける

からこういうタイプの男は煮ても焼いてもだめって学んでいよいよ結婚する女自体が減るんだよ。

昼間っから飲んでるのか?このクソは

2023-12-28

anond:20231228003108

ておのアーツもろい?バス

のろいバスおもてー?アツっ

いのってもスーツ?バアろお

2023-11-28

anond:20231128103616

それ、グランピングで良いよね。

キャンピングカー自体が移動するには不便だから

ちな、イギリスはクソみたいにキャンピングカーが多くて、毎週末オートキャンプ場で元増田が書いたような生活してる馬鹿が多い。

そして、キャンピングカーはクソのろいから渋滞発生させて怨嗟の的になってる。

2023-10-22

こどもがかわいいというのろい

私女。こどもが可愛いと思えない

2歳くらいになって人間みたいな言動するようになっていくのを見ると「面白いな」とは思う

でも

まれたばかりのしわくちゃの赤ちゃん写真を見せられて「可愛いでしょ〜〜〜??」って聞かれるのしんどい

お猿さんじゃん!って素直に反応したらだめでしょ?

ぶくぶくに太ってる赤ちゃん動画見せられて「可愛いんだよ〜!」って言われても返事に困る

わぁ!お相撲さんだね〜!って言われたら嫌でしょ?

でも聞いてきた本人は可愛いね!って反応待ちなんだろうなと思ってかわいいねって言う

でも可愛いなんて思ってない

こどもを見るたびに「かわいい〜〜!!!!!」て反応する友達と過ごすのがしんどい

他人のこどものどこを見て可愛いと思うんだ??顔が可愛いとか挙動可愛いとかなら分かるんだけど、ベビーカーに乗ってどこかを凝視してるこどものどこが可愛いんだろう?全員の顔がかわいい?あぁ…そう……

友達と遊んでても、最低1回は親戚のこどもが可愛いという話題が出てきてほんとつらい

共感できる話題じゃないのが辛いのかな

推しの話だったら聞けるんだけどな、なんでだろうな

推しだったら「別にかっこよくはないけど、どこか魅力的な部分があるんだろうな」って思えるからかな

かわいいね、かっこいいねって言わなくてもいいからかな

別に嫌いとかいうわけじゃない

こどもが存在してほしくないというわけではない

可愛いと反応しなければいけない、なんか強要されてる感じがとても苦手

これ拗らせたら将来自分はとんでもない怪物になるんだろうなって思ってるから折り合いをつけなきゃいけない

から吐き出させてもらった

別にこども全員可愛くねーよ

2023-09-17

ヒデオ「おかわりだいだろうか」

食堂のおばちゃん「今更聞くのかい!ほんとにあんた!のろいヒデオね!」

2023-09-05

anond:20230905204414

近頃「呪い」の字を見れば「のろい」とばかり思うアホウが増えすぎ。

おてもと漢字変換に「まじない」って入れて変換してみな。「呪い」て出るだろw

呪物って、おまじないに使うもの全て呪物よ。ざっくり言えば神社絵馬、木の枝とかに結んだおみくじ七夕短冊正月飾りウラジロダイダイクリスマスツリーに飾る金色の星だって、呪物よ、呪物ww

2023-07-31

anond:20230731005419

増田ツイッターを例に出されてもそのレスバはネタ的な要素もあるしなあ

問題なのは国会議員の方じゃないか

国会でまともに議論しているようで、お互いが一方通行に嚙み合わない会話をしているだけ

しかネタじゃなくて真顔でやってるから

総理大臣の会見とか見ても、気持ちがこもってないし、無内容だし、話がのろいし、つまんないし

有能な人材議員になっていない、あるいは有能な議員が隅に追いやられている疑惑がある

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