西側メディアはコロナウイルスでロシアでの死亡者数が少ないことにやきもきしている
<記事原文 寺島先生推薦> Western media concerned coronavirus 'hasn't killed more Russians'
RT USニュース 2020年5月14日
ヘレン・バニスキー
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月12日
米国と、米国に追随するメディアが少しいらいらしているように見えるのは、ロシアでのパンデミックによる死者数が、あまり多くないことについてだ。だから、本当の死者数はもっと多い、と主張している。確たる証拠もないのに、本当の死者数はもっと多いなどと主張している。それなのに、偽情報をひろめているのはロシア政府の方だ、と言い張っている。
先月、ロシアでのコロナウイルス感染者の数が急増したとき、西側メディアは攻撃の構えを見せた。感染者数が増えたということは、米国やヨーロッパ諸国で起こったのと同じように、ロシアでの死者数も急増するであろうと予想して。しかし、そんなことは起こらなかった。なので、ロシアの死者数が爆発的に増加するのを舌なめずりしながら待っていた西側メディアは、「だまされた」と今思っているようだ。
「専門家たちは、コロナウイルスで亡くなったロシア人の数が多くない理由を知りたがっている」。不審に思ったブルームバーグ紙は、5月14日にこんな記事を出した。するとこの記事の見出しに「がっかりしている口調ではないか」とびっくりした人々が予想以上に多かったので、同紙は後日、「専門家たちは、コロナウイルスで亡くなったロシア人の数が多くない理由に疑問を持っている」という見出しに書き換えた。うーん、だいぶんましになりましたね。
同紙がほのめかしたのは、今「再計算」が行われている途中で、ロシアでの死者数は大幅に増えるであろう、ということであった。メリタ・ブイノービチ氏のインタビューを引用して。彼女は、ロシアのWHO代表だ。しかし同氏はただ「再計算」が行われる可能性がある、といっただけで、彼女は5月12日にロシアのテレビで、死者数については「意図的に過小に発表した事実は全くない」ことを明らかにしている。
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‘Example of infodemic’: Moscow slams FT & NYT reports that put Russian Covid-19 death toll 70 percent higher than official data
ロシアの死者数を焦点化して世間の関心を呼ぼうとする動きは、他のメディアも刺激した。ニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズなどだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、5月11日、ロシアにおけるCovid-19の死者数の合計は、報告されたよりも70%多い、と報じた。その記事は「独立した人口統計学者」であるアレクレイ・ラクシャ氏からの情報によるものだった。記事では、ラクシャ氏は「政府のあいまいな統計資料に埋もれていた」データを「見つけ出した」と、賞賛されていた。ロシア政府が統計を操作していることを糾弾するために、公式統計を見直したのが、「独立した人口統計学者」だという皮肉を感じて欲しい。(「独立した人口統計学者」とは専門家ではない、ということだ)。その皮肉は、ニューヨーク・タイムズの紙面では消えてしまったようだ。同記事が「死者数については新たな報告があるかもしれない、今月の終わりまでには」ということを認めていることに関しては、特にそうだ。つまり、ニューヨーク・タイムズ紙がとりあげた問題のある死者数は、最終の数ではなかったということだ。
中国による統計も同様のおぞましい分析にさらされた。それは、3月中旬に、中国が、自国ではCovid-19に感染したと新たに診断されたケースはひとつもないと発表した後のことだ。西側メディアは、中国政府が、ただ患者に検査をさせなかったからだとか、コロナウイルスによる死者を、他の別の死因に変えたからだと主張していた。中国が流行を終わらせたのが、米国にウイルスが大挙到来し、経済に壊滅的な打撃を与えるロックダウン措置がはじまりそうになっていたのと同時期だったという事実は、明らかに国のプライドを大きく揺るがす事件であった。それとまさに同じように、ロシアがそれほど「死ななかった」ことで、米国は自国の医療システム(世界でもっともお金がかかる)がロシアの「資金不足」の医療システムよりも勝っていると宣言する機会を失った。
ロシアの米国駐在大使は、ニューヨーク・タイムズ紙に、またロシアの英国駐在大使は、フィナンシャル・タイムズ紙に、それぞれ記事を取り下げるよう要請したが、両紙ともおそらく、ロシアへ悪口雑言を吐くことはやめないだろう。西側メディアによる、中国のウイルス対策への誹謗中傷は、パンデミックの最初の数ヶ月中ずっと現れていた。そして、同じようなロシアに対する攻撃(具体的には、自殺した医師たちは実は殺されていたのだといったあやしい推測記事から医師たちは集団で仕事放棄しようとしているといった記事まで)は、今始まったばかりだ。
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Western media excoriates China over coronavirus response, even as infected numbers drop & hospitals close
NATOの総書記であるイェンス・ストルテンベルグ氏が、ロシアと中国を「Covid-19のパンデミック中に偽情報をまき散らし、世界秩序を変えようとしている」と非難したことに対して、ロシア外務省の報道官マリア・ザハロワ氏は、5月14日のFacebookにそっけなくこう投稿した。「“世界秩序”はおそらく変わるかもしれない。というのは、ロシアのコロナウイルスの死者がなぜ少ないのかと嘆くことが、普通に受け入れられているのだから」と。
RT USニュース 2020年5月14日
ヘレン・バニスキー
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月12日
米国と、米国に追随するメディアが少しいらいらしているように見えるのは、ロシアでのパンデミックによる死者数が、あまり多くないことについてだ。だから、本当の死者数はもっと多い、と主張している。確たる証拠もないのに、本当の死者数はもっと多いなどと主張している。それなのに、偽情報をひろめているのはロシア政府の方だ、と言い張っている。
先月、ロシアでのコロナウイルス感染者の数が急増したとき、西側メディアは攻撃の構えを見せた。感染者数が増えたということは、米国やヨーロッパ諸国で起こったのと同じように、ロシアでの死者数も急増するであろうと予想して。しかし、そんなことは起こらなかった。なので、ロシアの死者数が爆発的に増加するのを舌なめずりしながら待っていた西側メディアは、「だまされた」と今思っているようだ。
A new bottom hit.
— Maxim A. Suchkov (@m_suchkov) May 14, 2020
This @business headline is sacrificing basic ethics for the sake of clickbait.
Speak of the media trust crisis.https://t.co/n2G7YbEJQDhttps://t.co/n2G7YbEJQD pic.twitter.com/jVGIDMIzT6
「専門家たちは、コロナウイルスで亡くなったロシア人の数が多くない理由を知りたがっている」。不審に思ったブルームバーグ紙は、5月14日にこんな記事を出した。するとこの記事の見出しに「がっかりしている口調ではないか」とびっくりした人々が予想以上に多かったので、同紙は後日、「専門家たちは、コロナウイルスで亡くなったロシア人の数が多くない理由に疑問を持っている」という見出しに書き換えた。うーん、だいぶんましになりましたね。
同紙がほのめかしたのは、今「再計算」が行われている途中で、ロシアでの死者数は大幅に増えるであろう、ということであった。メリタ・ブイノービチ氏のインタビューを引用して。彼女は、ロシアのWHO代表だ。しかし同氏はただ「再計算」が行われる可能性がある、といっただけで、彼女は5月12日にロシアのテレビで、死者数については「意図的に過小に発表した事実は全くない」ことを明らかにしている。
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ロシアの死者数を焦点化して世間の関心を呼ぼうとする動きは、他のメディアも刺激した。ニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズなどだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、5月11日、ロシアにおけるCovid-19の死者数の合計は、報告されたよりも70%多い、と報じた。その記事は「独立した人口統計学者」であるアレクレイ・ラクシャ氏からの情報によるものだった。記事では、ラクシャ氏は「政府のあいまいな統計資料に埋もれていた」データを「見つけ出した」と、賞賛されていた。ロシア政府が統計を操作していることを糾弾するために、公式統計を見直したのが、「独立した人口統計学者」だという皮肉を感じて欲しい。(「独立した人口統計学者」とは専門家ではない、ということだ)。その皮肉は、ニューヨーク・タイムズの紙面では消えてしまったようだ。同記事が「死者数については新たな報告があるかもしれない、今月の終わりまでには」ということを認めていることに関しては、特にそうだ。つまり、ニューヨーク・タイムズ紙がとりあげた問題のある死者数は、最終の数ではなかったということだ。
中国による統計も同様のおぞましい分析にさらされた。それは、3月中旬に、中国が、自国ではCovid-19に感染したと新たに診断されたケースはひとつもないと発表した後のことだ。西側メディアは、中国政府が、ただ患者に検査をさせなかったからだとか、コロナウイルスによる死者を、他の別の死因に変えたからだと主張していた。中国が流行を終わらせたのが、米国にウイルスが大挙到来し、経済に壊滅的な打撃を与えるロックダウン措置がはじまりそうになっていたのと同時期だったという事実は、明らかに国のプライドを大きく揺るがす事件であった。それとまさに同じように、ロシアがそれほど「死ななかった」ことで、米国は自国の医療システム(世界でもっともお金がかかる)がロシアの「資金不足」の医療システムよりも勝っていると宣言する機会を失った。
ロシアの米国駐在大使は、ニューヨーク・タイムズ紙に、またロシアの英国駐在大使は、フィナンシャル・タイムズ紙に、それぞれ記事を取り下げるよう要請したが、両紙ともおそらく、ロシアへ悪口雑言を吐くことはやめないだろう。西側メディアによる、中国のウイルス対策への誹謗中傷は、パンデミックの最初の数ヶ月中ずっと現れていた。そして、同じようなロシアに対する攻撃(具体的には、自殺した医師たちは実は殺されていたのだといったあやしい推測記事から医師たちは集団で仕事放棄しようとしているといった記事まで)は、今始まったばかりだ。
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Western media excoriates China over coronavirus response, even as infected numbers drop & hospitals close
NATOの総書記であるイェンス・ストルテンベルグ氏が、ロシアと中国を「Covid-19のパンデミック中に偽情報をまき散らし、世界秩序を変えようとしている」と非難したことに対して、ロシア外務省の報道官マリア・ザハロワ氏は、5月14日のFacebookにそっけなくこう投稿した。「“世界秩序”はおそらく変わるかもしれない。というのは、ロシアのコロナウイルスの死者がなぜ少ないのかと嘆くことが、普通に受け入れられているのだから」と。
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