fc2ブログ

ジャーナリストが、暗殺リスト「ミロトウォレッツ」のサイトをテロ組織に分類し閉鎖を要求

<記事原文 寺島先生推薦>
Journalists Demand the Mirotvorets Site Be Classified a Terrorist Organization and Shut Down

著者:クリステル・ネアン

出典: インターナショナリスト360°

2022年9月10日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月14日



 2022年9月6日、「弾圧反対財団」が主催する会議がモスクワで開催された。会議の名称は、「情報ゲシュタポ:ウクライナの民族主義ウェブサイト『ミロトウォレッツ』のリストは表現の自由を抑圧し、ジャーナリストを弾圧するために使用されている」

 私はこの会議に、西側諸国数カ国の同僚とともに参加した。その国は、ドイツ、アメリカ、フィンランド、オランダ、カナダ、イギリス。

 出席したジャーナリスト全員が、「ミロトウォレッツ」の存在そのものを非難し、ジャーナリストを脅すことによって黙らせようとしてもうまくいかないと強調した。全員が、自分たちに対する暗殺予告にかかわらず、自分たちの仕事を続けることを確認した。

 「ミロトウォレッツ」のサイトには、ジャーナリストの個人情報、パスポートの写し、住所、親族の情報、車の情報(私の場合、前の車の車体番号や旧登録番号など、すべてのデータが掲載されている)などが公開されていることを忘れてはいけない。これらの情報はすべて、「ミロトウォレッツ」のリストに載っているジャーナリストを追跡することを可能にするもので、このサイトに情報を提供したのは(ウクライナの、あるいは西側の)秘密情報機関だけだと思われる。

 弾圧反対財団のミラ・テラダ代表は、「ミロトウォレッツ」のサイトに掲載されている欧米のジャーナリスト数の内訳を発表した。それによると、「ミロトウォレッツ」に掲載されている341人のジャーナリストのうち83人は、ロシア、ウクライナ、DPR(ドネツク人民共和国)、LPR(ルガンスク人民共和国)以外のジャーナリストである。また欧米のジャーナリストも、驚くべき数(80名)が掲載されている。

 また、オレス・ブジナ、アンドレア・ロッチェルリ、ゼムフィラ・スレイマノヴァ、アンドレイ・ステニン、イゴール・コルネリウク、アントン・ヴォロシン、最近ではダリア・ドゥギナなど、「ミロトウォレッツ」サイトによってデータが公開された後に殺されたジャーナリストが何人もいることをテラダ代表は思い起こさせた。

 このような個人情報の収集と公開は、ジャーナリストの名誉、尊厳、個人情報、生命の保護に関するすべての国際的な法的基準に対する凶悪な違反であるとし、「ロシア人に対する弾圧と闘う財団」の代表は、ロシア連邦保安庁FSBのトップであるアレクサンドル・ボルトニコフに手紙を送り、「ミロトウォレッツ」をテロ組織と指定するように要請した。

 ラッセル・ベントレーは、「ミロトウォレッツ」というマフィアの構造はウクライナのファシスト政権と呼応しており、ドンバスで活動する独立系ジャーナリストを現実の脅威にさらしている、と述べた。彼は、自分たちのような「視点を共有し、道徳的・思想的な考慮によってのみ導かれるジャーナリスト」は、第四帝国に対抗し、21世紀のナチスに対抗して闘っていると確信している。
訳注:第四帝国とは、ナチス政権下のドイツをいう第三帝国の次に来るものという意味でネオナチの台頭をいう語。

 カナダ人ジャーナリストのエバ・バートレットは、母国カナダがウクライナのネオナチを積極的に支援し資金を提供しており、ウクライナ兵の訓練や研修に10億ドル以上を費やしていることを付け加えた。また、カナダ政府にはナチスの協力者の直系の子孫(クリスティア・フリーランド副首相)が座っており、その出自を誇りに思っていると指摘した。バートレットは帰国したら自分の身に何が待っているのか想像もつかないが、カナダのジャーナリストたちは、ミロトウォレッツの活動にまったく無関心だという。カナダは、ウクライナが民主主義国家だと長年主張してきたし、ウクライナのメディアの自由が完全に欠如していることに常に目をつぶっているのである。

カナダ政権とナチスの関係については、当ブログの以下の2記事を参照

自称「事実検証者たち」を事実検証する--ウクライナにはなぜナチスが多いのか?(事実検証シリーズ・http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-890.html

カナダのトルドー首相など、ナチ協力者である権威主義者が、ロシアを非難している。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-825.html

 英国人ジャーナリストのジョン・ミラーは、ルガンスク出身の若い作家、ファイナ・サベェンコバがウクライナのサイトのリストに含まれていることを報じたことを理由に、自分が「ミロトウォレッツ」の「暗殺リスト」に加えられた。ロシア支配地域にいるジャーナリストはミロトウォレッツに載っていてもあまり危険がない、というジョン・ミラーの主張に対して、私は反論した。ダリア・ドゥギナがロシアで暗殺されたこと、DPRやLPR、モスクワに住むジャーナリストも、ウクライナや西側諸国(現在多くのウクライナ人が避難している)にいるジャーナリストと同じくらい命の危険があることを思い出したからだ。

 こうした危険性を十分承知した上で、オランダ人ジャーナリストのソニア・バン・デン・エンデは、ジャーナリストは細心の注意を払う必要があると強調した。なぜなら、彼女によれば、ミロトウォレッツはCIA、NATO、米国の支援を受けて作られたものだからだ。祖国の外交政策について、オランダの戦場記者である彼女はこう述べた。「祖国オランダはロシアに対して宣戦布告なき戦争をおこなっており、ネオナチを批判する者はオランダ国家の敵なのです。このため、私が祖国に戻るのは今や危険なのです」と。

 ドンバスで起きている事実を報道したために、ドイツで3年の禁固刑に処せられるという脅迫を受けたドイツ人ジャーナリスト、アリーナ・リップも同様である。このジャーナリストによれば、弾圧は彼女の両親にも及んでいる。ダリア・ドゥギナへのテロ攻撃を受けて、アリーナは今、自分の安全にもっと注意を払うようになった。

 UMV-Lehti(フィンランドのメディア)の代表兼編集長であるヤヌス・プットコネンは、ミロトウォレッツの創設を西側情報機関と関連づけ、外国のメディアと政治家の無策を非難した。彼らこそ、重大な人権侵害とこのサイトの活動に何年も関係してきた人物を無視してきたのだ。彼にとっては、「ミロトウォレッツ」は閉鎖されなければならない。このような手法が世界の他の国々に癌のように広がるのを防ぐためにである。彼はまた、このサイトを「新しいゲシュタポ」とも呼んだ。
訳注:ゲシュタポとは、ヒトラーのナチ党政権を支えた、秘密国家警察のこと。 反ナチス、反ヒトラーの活動を厳しく取り締まった。ナチス=ドイツのヒトラー権力を支える、警察組織で、秘密国家警察 Geheime Staatspolizei の略称。

 私は、この呼び名に賛成である。しかも、私は以前から、ミロトウォレッツを「デジタル・ゲシュタポ」、あるいは「ゲシュタポ2.0」と呼んできたからだ。先の講演で述べたように、もしナチスドイツの時代にインターネットがあったら、間違いなくミロトウォレッツに似たようなサイトを発明していただろう。

 出席したジャーナリスト全員が共同書簡で国連に訴え、国連がミロトウォレッツの活動を非難する決議を採択するよう求めた。この決議が、この組織に対する国際調査の基礎となる。もしロシア連邦保安庁が弾圧反対財団の要求に応じれば、ロシアは即座にこのテロ・サイトに対して、全国的に調査し、対策を講じることになろう。「ミロトウォレッツ」が享受している免罪符に終止符を打つべき時が来たのだ。ウクライナとドンバスで起きていることについて真実を語ったがために、人々が命を落とす前に。
関連記事

ハリコフ攻撃2.0 ― 「今日の勝利」という新聞の大見出しは、明日の敗北を早めている

<記事原文 寺島先生推薦>

Kharkov Offensive 2.0: Winning Headlines Today, Hastening Defeat for Tomorrow

出典:ジオルタワールド(thealtworld)

筆者:ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)

2022年9月10日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月14日



2022年9月10日のウクライナにおけるロシア軍の作戦に関する最新情報

- ウクライナは、ハリコフ地方を中心に攻勢を続けている。しかしそれは、ウクライナのヘルソン攻防戦が人命と装備に多大な犠牲を払って失敗した後のことである。

- ウクライナのハリコフでの戦術的な利益は、また、人命と装備に大きな犠牲を払っており、ウクライナ軍は最終的には開始時よりも弱い立場に置かれることになるだろう。

- ロシアの撤退は戦術的なものであり、新聞の大見出しよりも、長期的な勝利に焦点を合わせている。

- ロシアは、これまでウクライナの急襲に直面しても、人員と装備を何度も温存し、その後、戦線を再編成し、自分たちの思いどおりに反撃してきた。

- 戦力の相関関係はロシアに有利な状態が続いている。



参考文献:
ガーディアン紙:ロシアはハリコフに増援を送り、ウクライナの反撃を撃退する。

ビデオ「ザ・デュラン」: ハリコフ、パルミラ、「特別軍事作戦」の力。

ブライアン・ジョセフ・トーマス・バーレティックは、元米国海兵隊の独立系地政学研究者で、バンコクを拠点に「トニー・カタルッチ」などのペンネームで執筆している。
関連記事

プロフィール

tmmethod

Author:tmmethod
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
リンク
最新記事
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
最新コメント