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エドワード・D・ホック『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』(原書房)
二〇〇八年に亡くなったエドワード・D・ホックの最後の作品集となったのが、本日の読了本『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』。言うまでもなくホームズ譚のパスティーシュをまとめた短編集である。まずは収録作。
The Most Dangerous Man「いちばん危険な人物」
The Return of the Speckled Band「まだらの紐の復活」
The Adventure of Vittoria, the Circus Belle「サーカス美女ヴィットーリアの事件」
The Manor House Case「マナー・ハウス事件」
The Christmas Client「クリスマスの依頼人」
The Addleton Tragedy「アドルトンの悲劇」
The Adventure of the Domino Club「ドミノ・クラブ殺人事件」
The Adventure of the Cipher in the Sand「砂の上の暗号事件」
The Christmas Conspiracy「クリスマスの陰謀」
The Adventure of the Anomymous Author「匿名作家の事件」
A Scandal in Montreal「モントリオールの醜聞」
The Adventure of the Dying Ship「瀕死の客船」
ううむ、期待していたほどではなかったか。ホックはもともと多作な人だっただけに、ある程度のアベレージは残せているものの、ガツンとした手応えを感じることはそう多くはない。それでも本作はホームズのパスティーシュでもあり、かなり力は入っているはずと踏んだのだが、ミステリとしてもパスティーシュとしてもまあまあといったレベルである。
ただ、それなりの趣向は凝らしており、読者に対するサービス精神は感じられる。
例えば、某犯罪者の側からホームズを語った「いちばん危険な人物」。ホームズ譚をエラリー・クイーン風に仕立てた「マナー・ハウス事件」。実在の某有名作家を依頼人に設定した「クリスマスの依頼人」。アイリーン・アドラーとの再会を盛り込んだ「モントリオールの醜聞」。ホームズのライバルの一人”思考機械”の作者、ジャック・フットレルとホームズが、タイタニック号で競演する「瀕死の客船」。
目のつけどころはよく、楽しいことは楽しい。ただのパスティーシュでは終わらせるわけにはいかないという意地みたいなものは感じるのだが、それだけにミステリとしてのこだわりが逆に薄味なのが惜しまれる。
最後に、これは個人的好みではあるが、この表紙はちょっとアレ。西山クニ子氏はホックのサム・ホーソーンものなどミステリの装画も多く手掛けているが、ホームズのもつ雰囲気には全然合わないんではないかなぁ。
The Most Dangerous Man「いちばん危険な人物」
The Return of the Speckled Band「まだらの紐の復活」
The Adventure of Vittoria, the Circus Belle「サーカス美女ヴィットーリアの事件」
The Manor House Case「マナー・ハウス事件」
The Christmas Client「クリスマスの依頼人」
The Addleton Tragedy「アドルトンの悲劇」
The Adventure of the Domino Club「ドミノ・クラブ殺人事件」
The Adventure of the Cipher in the Sand「砂の上の暗号事件」
The Christmas Conspiracy「クリスマスの陰謀」
The Adventure of the Anomymous Author「匿名作家の事件」
A Scandal in Montreal「モントリオールの醜聞」
The Adventure of the Dying Ship「瀕死の客船」
ううむ、期待していたほどではなかったか。ホックはもともと多作な人だっただけに、ある程度のアベレージは残せているものの、ガツンとした手応えを感じることはそう多くはない。それでも本作はホームズのパスティーシュでもあり、かなり力は入っているはずと踏んだのだが、ミステリとしてもパスティーシュとしてもまあまあといったレベルである。
ただ、それなりの趣向は凝らしており、読者に対するサービス精神は感じられる。
例えば、某犯罪者の側からホームズを語った「いちばん危険な人物」。ホームズ譚をエラリー・クイーン風に仕立てた「マナー・ハウス事件」。実在の某有名作家を依頼人に設定した「クリスマスの依頼人」。アイリーン・アドラーとの再会を盛り込んだ「モントリオールの醜聞」。ホームズのライバルの一人”思考機械”の作者、ジャック・フットレルとホームズが、タイタニック号で競演する「瀕死の客船」。
目のつけどころはよく、楽しいことは楽しい。ただのパスティーシュでは終わらせるわけにはいかないという意地みたいなものは感じるのだが、それだけにミステリとしてのこだわりが逆に薄味なのが惜しまれる。
最後に、これは個人的好みではあるが、この表紙はちょっとアレ。西山クニ子氏はホックのサム・ホーソーンものなどミステリの装画も多く手掛けているが、ホームズのもつ雰囲気には全然合わないんではないかなぁ。
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ポール・ブリッツさん
>日本でホームズ・パロディのアンソロジーが編まれると、たいてい凄まじいほどに「過激」な作品が採られる傾向にあるように思うので
ああ、それ、ありますね。そうでもしなければ出版する意義や商業価値がないと思っている節が。
ただ、個人的な気持ちとしては、ぶっちゃけ人のふんどしで相撲をとらしてもらってるんだから、ハードル上げるのは当たり前というのはありますw
なかなかサム・ホーソーンものを読むような感覚にはなりませんね(苦笑)。
Posted at 19:53 on 01 27, 2013 by sugata