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はてなキーワード: 海月とは

2024-10-01

三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。気がついて見ると、濁ったと形容するよりほかに形容のしかたのない色であった。三四郎が何か答えようとするまえに、女はまた言った。 「重いこと。大理石のように見えます」  美禰子は二重瞼を細くして高い所をながめていた。それから、その細くなったままの目を静かに三四郎の方に向けた。そうして、 「大理石のように見えるでしょう」と聞いた。三四郎は、 「ええ、大理石のように見えます」と答えるよりほかはなかった。女はそれで黙った。しばらくしてから、今度は三四郎が言った。 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」 「どういうわけですか」と美禰子が問い返した。  三四郎には、どういうわけもなかった。返事はせずに、またこう言った。 「安心して夢を見ているような空模様だ」 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲をながめだした。  菊人形で客を呼ぶ声が、おりおり二人のすわっている所まで聞こえる。 「ずいぶん大きな声ね」 「朝から晩までああいう声を出しているんでしょうか。えらいもんだな」と言ったが、三四郎は急に置き去りにした三人のことを思い出した。何か言おうとしているうちに、美禰子は答えた。 「商売ですもの、ちょうど大観音乞食と同じ事なんですよ」 「場所が悪くはないですか」  三四郎は珍しく冗談を言って、そうして一人でおもしろそうに笑った。乞食について下した広田言葉をよほどおかしく受けたかである。 「広田先生は、よく、ああいう事をおっしゃるかたなんですよ」ときわめて軽くひとりごとのように言ったあとで、急に調子をかえて、 「こういう所に、こうしてすわっていたら、大丈夫及第よ」と比較的活発につけ加えた。そうして、今度は自分のほうでおもしろそうに笑った。 「なるほど野々宮さんの言ったとおり、いつまで待っていてもだれも通りそうもありませんね」 「ちょうどいいじゃありませんか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは前句の解釈のためにつけたように聞こえた。  ところへ知らん人が突然あらわれた。唐辛子の干してある家の陰から出て、いつのまにか川を向こうへ渡ったものみえる。二人のすわっている方へだんだん近づいて来る。洋服を着て髯をはやして、年輩からいうと広田先生くらいな男である。この男が二人の前へ来た時、顔をぐるりと向け直して、正面から三四郎と美禰子をにらめつけた。その目のうちには明らかに憎悪の色がある。三四郎はじっとすわっていにくいほどな束縛を感じた。男はやがて行き過ぎた。その後影を見送りながら、三四郎は、 「広田先生や野々宮さんはさぞあとでぼくらを捜したでしょう」とはじめて気がついたように言った。美禰子はむしろ冷やかである。 「なに大丈夫よ。大きな迷子ですもの」 「迷子から捜したでしょう」と三四郎はやはり前説を主張した。すると美禰子は、なお冷やかな調子で、 「責任をのがれたがる人だから、ちょうどいいでしょう」 「だれが? 広田先生がですか」  美禰子は答えなかった。 「野々宮さんがですか」  美禰子はやっぱり答えなかった。 「もう気分はよくなりましたか。よくなったら、そろそろ帰りましょうか」  美禰子は三四郎を見た。三四郎は上げかけた腰をまた草の上におろした。その時三四郎はこの女にはとてもかなわないような気がどこかでした。同時に自分の腹を見抜かれたという自覚に伴なう一種屈辱をかすかに感じた。 「迷子」  女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。 「迷子英訳を知っていらしって」  三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。 「教えてあげましょうか」 「ええ」 「迷える子――わかって?」  三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間である自覚している。  迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。 「私そんなに生意気に見えますか」  その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れればいいと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。  三四郎は美禰子の態度をもとのような、――二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片づかない空のような、――意味のあるものにしたかった。けれども、それは女のきげんを取るための挨拶ぐらいで戻せるものではないと思った。女は卒然として、 「じゃ、もう帰りましょう」と言った。厭味のある言い方ではなかった。ただ三四郎にとって自分は興味のないものあきらめるように静かな口調であった。  空はまた変ってきた。風が遠くから吹いてくる。広い畑の上には日が限って、見ていると、寒いほど寂しい。草からあがる地息でからだは冷えていた。気がつけば、こんな所に、よく今までべっとりすわっていられたものだと思う。自分一人なら、とうにどこかへ行ってしまったに違いない。美禰子も――美禰子はこんな所へすわる女かもしれない。 「少し寒くなったようですから、とにかく立ちましょう。冷えると毒だ。しかし気分はもうすっかり直りましたか」 「ええ、すっかり直りました」と明らかに答えたが、にわかに立ち上がった。立ち上がる時、小さな声で、ひとりごとのように、 「迷える子」と長く引っ張って言った。三四郎はむろん答えなかった。  美禰子は、さっき洋服を着た男の出て来た方角をさして、道があるなら、あの唐辛子そばを通って行きたいという。二人は、その見当へ歩いて行った。藁葺のうしろにはたして細い三尺ほどの道があった。その道を半分ほど来た所で三四郎は聞いた。 「よし子さんは、あなたの所へ来ることにきまったんですか」  女は片頬で笑った。そうして問い返した。 「なぜお聞きになるの」  三四郎が何か言おうとすると、足の前に泥濘があった。四尺ばかりの所、土がへこんで水がぴたぴたにたまっている。そのまん中に足掛かりのためにてごろな石を置いた者がある。三四郎は石の助けをからずに、すぐに向こうへ飛んだ。そうして美禰子を振り返って見た。美禰子は右の足を泥濘のまん中にある石の上へ乗せた。石のすわりがあまりよくない。足へ力を入れて、肩をゆすって調子を取っている。三四郎こちら側から手を出した。 「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の足に、からだの重みを託して、左の足でひらりこちら側へ渡った。あまり下駄をよごすまいと念を入れすぎたため、力が余って、腰が浮いた。のめりそうに胸が前へ出る。その勢で美禰子の両手が三四郎の両腕の上へ落ちた。 「迷える子」と美禰子が口の内で言った。三四郎はその呼吸を感ずることができた。

https://anond.hatelabo.jp/20241001172740

 ベルが鳴って、講師教室から出ていった。三四郎インキの着いたペンを振って、ノートを伏せようとした。すると隣にいた与次郎が声をかけた。

「おいちょっと借せ。書き落としたところがある」

 与次郎三四郎ノートを引き寄せて上からのぞきこんだ。stray sheep という字がむやみに書いてある。

「なんだこれは」

講義を筆記するのがいやになったから、いたずらを書いていた」

「そう不勉強はいかん。カントの超絶唯心論バークレーの超絶実在論にどうだとか言ったな」

「どうだとか言った」

「聞いていなかったのか」

「いいや」

「まるで stray sheep だ。しかたがない」

 与次郎自分ノートをかかえて立ち上がった。机の前を離れながら、三四郎に、

「おいちょっと来い」と言う。三四郎与次郎について教室を出た。梯子段を降りて、玄関前の草原へ来た。大きな桜がある。二人はその下にすわった。

 ここは夏の初めになると苜蓿が一面にはえる。与次郎入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。その一人が一人に向かって、口答試験都々逸で負けておいてくれると、いくらでも歌ってみせるがなと言うと、一人が小声で、粋なさばきの博士の前で、恋の試験がしてみたいと歌っていた。その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ引っ張り出す。三四郎はその歴史与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎俗謡で pity's love を訳すはずだと思った。きょうはしか与次郎がことのほかまじめである。草の上にあぐらをかくやいなや、懐中から文芸時評という雑誌を出してあけたままの一ページを逆に三四郎の方へ向けた。

「どうだ」と言う。見ると標題に大きな活字で「偉大なる暗闇」とある。下には零余子と雅号を使っている。偉大なる暗闇とは与次郎がいつでも広田先生を評する語で、三四郎も二、三度聞かされたものであるしか零余子はまったく知らん名である。どうだと言われた時に、三四郎は、返事をする前提としてひとまず与次郎の顔を見た。すると与次郎はなんにも言わずにその扁平な顔を前へ出して、右の人さし指の先で、自分の鼻の頭を押えてじっとしている。向こうに立っていた一人の学生が、この様子を見てにやにや笑い出した。それに気がついた与次郎はようやく指を鼻から放した。

「おれが書いたんだ」と言う。三四郎はなるほどそうかと悟った。

「ぼくらが菊細工を見にゆく時書いていたのは、これか」

「いや、ありゃ、たった二、三日まえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたもの標題でわかるだろう」

広田先生の事か」

「うん。こうして輿論喚起しておいてね。そうして、先生大学はいれる下地を作る……」

「その雑誌はそんなに勢力のある雑誌か」

 三四郎雑誌名前さえ知らなかった。

「いや無勢力から、じつは困る」と与次郎は答えた。三四郎は微笑わざるをえなかった。

「何部ぐらい売れるのか」

 与次郎は何部売れるとも言わない。

「まあいいさ。書かんよりはましだ」と弁解している。

 だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。なるほどそうだろう。三四郎は今はじめて与次郎文壇との交渉を聞いたくらいのものであるしか与次郎がなんのために、遊戯に等しい匿名を用いて、彼のいわゆる大論文をひそかに公けにしつつあるか、そこが三四郎にはわからなかった。

 いくぶんか小遣い取りのつもりで、やっている仕事かと不遠慮に尋ねた時、与次郎は目を丸くした。

「君は九州のいなかから出たばかりだから中央文壇趨勢を知らないために、そんなのん気なことをいうのだろう。今の思想界の中心にいて、その動揺のはげしいありさまを目撃しながら、考えのある者が知らん顔をしていられるものか。じっさい今日の文権はまったく我々青年の手にあるんだから一言でも半句でも進んで言えるだけ言わなけりゃ損じゃないか文壇は急転直下の勢いでめざまし革命を受けている。すべてがことごとく動いて、新気運に向かってゆくんだから、取り残されちゃたいへんだ。進んで自分からこの気運をこしらえ上げなくちゃ、生きてる甲斐はない。文学文学って安っぽいようにいうが、そりゃ大学なんかで聞く文学のことだ。新しい我々のいわゆる文学は、人生のものの大反射だ。文学の新気運は日本社会活動に影響しなければならない。また現にしつつある。彼らが昼寝をして夢を見ているまに、いつか影響しつつある。恐ろしいものだ。……」

 三四郎は黙って聞いていた。少しほらのような気がする。しかしほらでも与次郎はなかなか熱心に吹いている。すくなくとも当人だけは至極まじめらしくみえる。三四郎はだいぶ動かされた。

「そういう精神でやっているのか。では君は原稿料なんか、どうでもかまわんのだったな」

「いや、原稿料は取るよ。取れるだけ取る。しか雑誌が売れないからなかなかよこさない。どうかして、もう少し売れる工夫をしないといけない。何かいい趣向はないだろうか」と今度は三四郎相談をかけた。話が急に実際問題に落ちてしまった。三四郎は妙な心持ちがする。与次郎は平気であるベルが激しく鳴りだした。

「ともかくこの雑誌を一部君にやるから読んでみてくれ。偉大なる暗闇という題がおもしろいだろう。この題なら人が驚くにきまっている。――驚かせないと読まないからだめだ」

 二人は玄関を上がって、教室はいって、机に着いた。やがて先生が来る。二人とも筆記を始めた。三四郎は「偉大なる暗闇」が気にかかるので、ノートそば文芸時評をあけたまま、筆記のあいあいまに先生に知れないように読みだした。先生はさいわい近眼である。のみならず自己講義のうちにぜんぜん埋没している。三四郎の不心得にはまるで関係しない。三四郎はいい気になって、こっちを筆記したり、あっちを読んだりしていったが、もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も双方ともに関係がわからなくなった。ただ与次郎文章一句だけはっきり頭にはいった。

自然宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。またこ宝石採掘の運にあうまでに、幾年の星霜を静かに輝やいていたか」という句である。その他は不得要領に終った。その代りこの時間には stray sheep という字を一つも書かずにすんだ。

 講義が終るやいなや、与次郎三四郎に向かって、

「どうだ」と聞いた。じつはまだよく読まないと答えると、時間経済を知らない男だといって非難した。ぜひ読めという。三四郎は家へ帰ってぜひ読むと約束した。やがて昼になった。二人は連れ立って門を出た。

「今晩出席するだろうな」と与次郎西片町へはい横町の角で立ち留まった。今夜は同級生の懇親会がある。三四郎は忘れていた。ようやく思い出して、行くつもりだと答えると、与次郎は、

「出るまえにちょっと誘ってくれ。君に話す事がある」と言う。耳のうしろペン軸をはさんでいる。なんとなく得意である三四郎承知した。

 下宿へ帰って、湯にはいって、いい心持ちになって上がってみると、机の上に絵はがきがある。小川かいて、草をもじゃもじゃはやして、その縁に羊を二匹寝かして、その向こう側に大きな男がステッキを持って立っているところを写したものである。男の顔がはなはだ獰猛にできている。まったく西洋の絵にある悪魔を模したもので、念のため、わきにちゃんデビル仮名が振ってある。表は三四郎宛名の下に、迷える子と小さく書いたばかりである三四郎は迷える子の何者かをすぐ悟った。のみならず、はがきの裏に、迷える子を二匹書いて、その一匹をあん自分見立ててくれたのをはなはだうれしく思った。迷える子のなかには、美禰子のみではない、自分ももとよりはいっていたのである。それが美禰子のおもわくであったとみえる。美禰子の使った stray sheep意味がこれでようやくはっきりした。

 与次郎約束した「偉大なる暗闇」を読もうと思うが、ちょっと読む気にならない。しきりに絵はがきをながめて考えた。イソップにもないような滑稽趣味がある。無邪気にもみえる。洒落でもある。そうしてすべての下に、三四郎の心を動かすあるものがある。

 手ぎわからいっても敬服の至りである。諸事明瞭にでき上がっている。よし子のかいた柿の木の比ではない。――と三四郎には思われた。

 しばらくしてから三四郎はようやく「偉大なる暗闇」を読みだした。じつはふわふわして読みだしたのであるが、二、三ページくると、次第に釣りまれるように気が乗ってきて、知らず知らずのまに、五ページ六ページと進んで、ついに二十七ページの長論文を苦もなく片づけた。最後の一句読了した時、はじめてこれでしまいだなと気がついた。目を雑誌から離して、ああ読んだなと思った。

 しかし次の瞬間に、何を読んだかと考えてみると、なんにもない。おかしいくらいなんにもない。ただ大いにかつ盛んに読んだ気がする。三四郎与次郎の技倆に感服した。

 論文は現今の文学者の攻撃に始まって、広田先生の賛辞に終っている。ことに文学文科の西洋人を手痛く罵倒している。はやく適当日本人を招聘して、大学相当の講義を開かなくっては、学問の最高府たる大学も昔の寺子屋同然のありさまになって、煉瓦石のミイラと選ぶところがないようになる。もっとも人がなければしかたがないが、ここに広田先生がある。先生十年一日のごとく高等学校に教鞭を執って薄給無名に甘んじている。しか真正学者である。学海の新気運に貢献して、日本の活社会交渉のある教授担任すべき人物である。――せんじ詰めるとこれだけであるが、そのこれだけが、非常にもっともらしい口吻と燦爛たる警句とによって前後二十七ページに延長している。

 その中には「禿を自慢するものは老人に限る」とか「ヴィーナスは波からまれたが、活眼の士は大学からまれない」とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月田子の浦名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれよりほかになんにもない。ことに妙なのは広田先生を偉大なる暗闇にたとえたついでに、ほかの学者を丸行燈比較して、たかだか方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすにすぎないなどと、自分広田から言われたとおりを書いている。そうして、丸行燈だの雁首などはすべて旧時代遺物で我々青年にはまったく無用であると、このあいだのとおりわざわざ断わってある。

 よく考えてみると、与次郎論文には活気がある。いかにも自分一人で新日本代表しているようであるから、読んでいるうちは、ついその気になる。けれどもまったく実がない。根拠地のない戦争のようなものである。のみならず悪く解釈すると、政略的の意味もあるかもしれない書き方である。いなか者の三四郎にはてっきりそこと気取ることはできなかったが、ただ読んだあとで、自分の心を探ってみてどこかに不満足があるように覚えた。また美禰子の絵はがきを取って、二匹の羊と例の悪魔をながめだした。するとこっちのほうは万事が快感である。この快感につれてまえの不満足はますます著しくなった。それで論文の事はそれぎり考えなくなった。美禰子に返事をやろうと思う。不幸にして絵がかけない。文章にしようと思う。文章ならこの絵はがき匹敵する文句でなくってはいけない。それは容易に思いつけない。ぐずぐずしているうちに四時過ぎになった。

 袴を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、晩食を食っていた。そば与次郎かしこまってお給仕をしている。

先生どうですか」と聞いている。

 先生は何か堅いものをほおばったらしい。食卓の上を見ると、袂時計ほどな大きさの、赤くって黒くって、焦げたものが十ばかり皿の中に並んでいる。

 三四郎は座に着いた。礼をする。先生は口をもがもがさせる。

「おい君も一つ食ってみろ」と与次郎が箸で皿のものをつまんで出した。掌へ載せてみると、馬鹿貝の剥身の干したのをつけ焼にしたのである

「妙なものを食うな」と聞くと、

「妙なものって、うまいぜ食ってみろ。これはね、ぼくがわざわざ先生にみやげに買ってきたんだ。先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる

「どこから

日本から

 三四郎おかしくなった。こういうところになると、さっきの論文調子とは少し違う。

先生、どうです」

「堅いね

「堅いけれどもうまいでしょう。よくかまなくっちゃいけません。かむと味が出る」

「味が出るまでかんでいちゃ、歯が疲れてしまう。なんでこんな古風なものを買ってきたものかな」

「いけませんか。こりゃ、ことによると先生にはだめかもしれない。里見の美禰子さんならいいだろう」

「なぜ」と三四郎が聞いた。

「ああおちついていりゃ味の出るまできっとかんでるに違いない」

「あの女はおちついていて、乱暴だ」と広田が言った。

「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」

イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっと乱暴といっても、普通乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」

里見のは乱暴の内訌ですか」

 三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それから第一不思議であった。

 与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、

ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。

先生里見お嬢さん乱暴だと言ったね」

「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」

先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか

「うん乱暴だと言った。なぜ」

「どういうところを乱暴というのか」

「どういうところも、こういうところもありゃしない。現代女性はみんな乱暴にきまっている。あの女ばかりじゃない」

「君はあの人をイブセンの人物に似ていると言ったじゃないか

「言った」

イブセンのだれに似ているつもりなのか」

「だれって……似ているよ」

 三四郎はむろん納得しない。しかし追窮もしない。黙って一間ばかり歩いた。すると突然与次郎がこう言った。

イブセンの人物に似ているのは里見お嬢さんばかりじゃない。今の一般女性はみんな似ている。女性ばかりじゃない。いやしくも新しい空気に触れた男はみんなイブセンの人物に似たところがある。ただ男も女もイブセンのように自由行動を取らないだけだ。腹のなかではたいていかぶれている」

「ぼくはあんまりかぶれていない」

「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって陥欠のない社会はあるまい」

「それはないだろう」

「ないとすれば、そのなかに生息している動物はどこかに不足を感じるわけだ。イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠をもっとも明らかに感じたものだ。我々もおいおいああなってくる」

「君はそう思うか」

「ぼくばかりじゃない。具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

 と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

先生はなんと言った」

先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさなおもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。だから匿名にしてある。どうせ今は準備時代だ。こうしておいて、ちょうどいい時分に、本名を名乗って出る。――それはそれとして、さっきの用事を話しておこう」

2024-08-08

anond:20240808180351

女が海に行ったら

鮫か毒海月か毒貝か蛸に襲われて溺死するんだよなあ

2024-06-30

"俺の話を聞け! 5分だけでもいい
貸した金の事など どうでもいいから"

筑波といえば

ロボットスーツの山海先生

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53173560Q9A211C1BC8000/

山口百恵

横須賀サンセットサンライズ

という曲をご存知か?

横須賀

→山にも海にも近くて有名→山海

"背中で睨み合う 虎と龍じゃないが
俺の中で俺と俺とが闘う"

サンライズ

ガンダム版権会社ロボット

"お前の愛した 横須賀の海の優しさに抱かれて
泣けばいいだろう ハッ!"

ロボットスーツの HA【L 】

"ドス黒く淀んだ 横須賀の海に浮かぶ
月みたいな電気海月よ ハッ!"

ガンダムの HA【RO

違いを横に並べると LRO

LRO → Left Right Origin

"俺の俺の俺の話を聞け! 2分だけでもいい
お前だけに 本当の事を話すから"

左右、つまり【横】スカが 起源 なんだよね

まりHALは実は米軍横須賀になぞらえて教授と一緒に作ったものなんだよね。

これっきりでスカ、よこスカ

ダサいスカジャン - サイバー = 出すカじゃん

"あの頃みたいに ダサいスカジャン着て
お前待ってるから 急いで来いよ"

ダサいスカジャン - ダイン = 刺すカじゃん

"トンネル抜ければ 海が見えるから
そのまま ドン突きの三笠公園で"

https://www.kinenkan-mikasa.or.jp/mikasa/fukugen.html

"国の予算9千8百万円(米海軍の2千4百万円を含む)とにより復元工事実施され、観覧態勢も整い、記念艦三笠」は往時の姿を取り戻しました。"


ーーーーーーーーーー

"俺の俺の俺の話を聞け! 2分だけでもいい
お前だけに 本当の事を話すから

背中で睨み合う 虎と龍じゃないが
俺の中で俺と俺とが闘う
ドス黒く淀んだ 横須賀の海に浮かぶ
月みたいな電気海月よ ハッ!"

俺の俺の俺の

→3代目、3世

背中で睨み合う

刺青ヤクザ

虎と龍じゃない

中国じゃない

俺の中で俺と俺とが闘う

→同じ国土内で争う。在日の争い。中国ではない、つまり朝鮮

横須賀の海に浮かぶ月みたいな電気海月

海月→水母

まり在日朝鮮人は昔から(3代前から横須賀(=米軍)と一緒に、日本コントロールしてきた。

◯1 【トンネル】抜ければ【海】が見えるからそのままドン【突き】

◯2 ドス黒く淀んだ 【横須賀】の【海】に浮かぶ【月】

・ドス→匕首

・淀んだ→淀川

・ドス黒い→血。在日朝鮮血筋

◯3 みたいな【電気】【海】【月】よ

横須賀(=米軍)が電気トンネル海月=神経を操って、ロボットのように人を操り、在日朝鮮人と共に日本を二分しているということなである

2023-07-31

「剃刀」の読みが「カミソリ」なのはどういう原理なんだ?

「髪剃」なら分かるんだが、「剃刀」にカミ要素もソリ要素もなくないか

あとついでに言うと、「百合」が「ゆり」と読む原理も分からない。

海月」が「くらげ」なのも意味不明

海老」が「えび」なのもおかしい!!

もっと言うと、「紫陽花」が「アジサイ」なのもおかしいぞ!

「二十歳」が「はたち」も全く分からん!!

「躊躇う」が「ためらう」も変だよ!!

玩具」が「おもちゃ」もふざけてる!!

もう俺は怒った!!!

田舎に帰る!!!

2022-12-19

anond:20221219075917

海月「どっちかって~と刺胞じゃないの~」

2022-02-06

anond:20220206101948

海月「よかった🐒に骨かえしてってもういわなくていいんだ」

2021-10-07

anond:20211007102437

👦「海月ちゃん、あーそぼっ♪」

👧「…心太くん、ともだちいないの?」

2020-12-28

anond:20201227174833

をとはが海月ねうだった頃ってまだ高校生だったんじゃないの。

まあ「現役中学生起業家」とかが持て囃されるみたいな話はどこの業界にもあるだろうね。人間早熟天才が好き。

2020-11-18

弱い者達が夕暮れ、、、

ゴミ蔵 In The Box

@9z80_53z0

人生無理バーセクハラ事案が発生して発達男性出禁なった件で吹き上がってる男性の多さに「そういう加害性を自覚できないから全体を警戒せざるを得ない背景があるんだぜ」って思う

ゴミ蔵 In The Box

@9z80_53z0

生誕45周年バースデーケーキPeopleのガヤ/耳豚/馬骨/正海月/JUNE/ペヨトル/胸糞映画/ディストピア/klippel-feil症候群頚椎癒合,頭蓋底陥入,MRKH,腎低形成,感音性難聴/ADDASD少々/虐待サバイバーで躁鬱乖離/元場面緘黙。持病悪化透析準備に入るため自宅療養中。最近はtwstも。

2020-10-25

KING Cover(VTuberレビュー たくさん見て聞いたので序列を付ける。

2020/12/29 16:02追記 274曲聞いた 更新終了)

バーチャルYouTuberKINGカバー評価一覧

選出基準

※歌配信やその切り抜きは除外

評価基準
修正について

敬称略、各枠内での並びは順不同

再生リスト(★4以上)

https://www.youtube.com/playlist?list=PL7zJKCZCIu37pRAs1IQxUto2mld6-oyq9

王者

  • 鷹宮リオン
    • ずば抜けた高い歌唱力があるわけではないが声質と息を最大限に生かしたMIX表現力はまさにKING音源としての完成度が最高

★★★★★

★★★★☆

★★★☆☆

★★☆☆☆

★☆☆☆☆

☆☆☆☆☆

番外

除名

  • 紅柏トヲリ

追記

タイトルにオレオレ基準序列つけるってかいといてほしいやつ

書くまでもないことは省略します。オタク自分感性が全てです。

追記 2020/11/10 1:31

追記 2020/12/09 12:16

  • 今更だけどこんな感じで分類している
    • ☆5:聞くに耐えない、★1:趣味じゃないもしくは技量が低い、★2:趣味じゃないが技術はあるもしくは趣味だが技術が低い、★3:すきもしくは技量がある、★4:すきかつ相応の技術がある、★5:直撃もしくは卓越、★王者★:この曲を歌うために生まれてきた存在マッチングしかみてないので技量は関わらず)
    • 技術★と感性★が混在している。両方加点も減点もある
    • 直5段階だと足りなかったし星の数で表すのは不適切だった。気づいたのは90曲聞いてからなのでもう手遅れ。ではな~
  • Aメロの難しさ
    • 難しい導入部分で躓いて世界を作れていない楽曲がとても多い。惜しい

ID:pmint これ「解釈違い」を不正解という意味だと思っているんだろうな。

追記 2020/12/28 20:13

YouTube再生リスト作った

https://www.youtube.com/channel/UCtL4YVGDSz3d9btmDLfMhfQ

2020-08-16

海月なのか木耳なのか結局よくわからない、コリコリしてあまじょっぱい中華の冷菜食べたい

2020-03-16

anond:20200315225230






















ほぼ毎日使っている一部を挙げたけれども、出勤準備の時間が近付いてきたのでココまで。
気分が向けば追記するかも知れない。

2019-12-20

デュラララ!!の赤林海月山口勝平さん

が、すごく好きなんですよ

ヤクザの役なんですがすごく好きなんですよ

あいった感じの山口勝平さんの声をまた聞きたいんですがどなたかかにご存知ないですか

タイガーマスクW山口勝平さんもよかったです

2019-03-27

友達が娘に海月(みづき)って名付けしたけど

心の中で「くらげちゃん」って呼んでる

2019-02-01



彼氏軽自動車だった」のパロディなので、このツイート自体が「馬鹿たこと言ってる」ってネタではあるんだが、エンジニア諸氏のマジ怒りを買っているようだ

2018-07-15

赤ワインをちゅぽりん風化させてダイソンを飼うくらいに激痛が走るポンコツ一ヶ月を募集してる海月マッスルさされる海でジュースジュース現実感をすすりながら表示エクスプレスされる夢物語に照らされてる。

2018-07-10

[]2018年7月9日月曜日増田

時間記事文字数文字数平均文字数中央値
0010416652160.147
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1日249624523998.340

頻出名詞 ()内の数字単語が含まれ記事

人(220), 自分(164), 今(92), 話(78), 仕事(77), 女(70), 日本(68), 問題(66), 人間(64), 増田(63), 前(61), 普通(61), ー(60), あと(59), 関係(56), 相手(55), 田舎(53), 意味(51), 会社(48), 好き(48), ネット(47), 時間(46), 東京(46), 理由(46), 必要(46), 気持ち(44), 男(44), 金(44), 感じ(43), 今日(42), 安倍総理(41), 馬鹿(41), 一番(39), 言葉(39), 気(38), じゃなくて(38), 子供(37), 世界(37), レベル(36), 最近(36), 車(36), 理解(35), お金(35), 昔(35), 家(34), ダイエット(34), 自民党(33), 結局(33), しない(33), 先生(33), 目(33), カロリー(31), 場合(31), 手(31), 嫌(31), 差別(31), 朝(31), 生活(29), 頭(29), 職業差別(29), 全部(29), 他(28), 地方(28), 看護師(28), 存在(28), 運動(28), 酒(27), コンビニ(27), 大人(27), 最初(27), ゴミ(26), 意見(26), 批判(26), 絶対(26), 内容(25), 西日本(25), 誰か(25), 状況(25), 説明(25), 仕方(25), 無理(25), 時代(25), 別(24), 高級(24), 結果(24), ただ(24), 人生(24), おっさん(24), 料理(24), 無駄(24), 最後(23), ダメ(23), 家族(23), 認識(23), 時点(23), 都会(23), 元増田(22), 逆(22), しよう(22), 他人(22), 状態(22), 一緒(22), 興味(22), 場所(22)

頻出固有名詞 ()内の数字単語が含まれ記事

日本(68), 増田(63), 東京(46), 安倍総理(41), じゃなくて(38), 自民党(33), 職業差別(29), 看護師(28), 西日本(25), 元増田(22), 豪雨災害(21), 可能性(19), 被災者(18), 安倍(17), 自衛隊(17), 被害者(15), あはは(14), キモ(14), ブコメ(14), ブログ(13), ネトウヨ(13), アプリ(12), …。(12), twitter(12), ツイッター(12), プリキュア(12), リアル(11), わからん(11), アメリカ(11), 笑(11), サラダチキン(11), ???(11), カス(11), スマホ(11), なんだろう(11), 何度(11), にも(11), はてなー(10), なのか(10), マジで(10), 2018年(10), 基本的(9), 被災地(9), いない(9), OK(9), シリアルキラー(9), 精神的(9), トラバ(8), 関係者(8), 異世界(8), キチガイ(8), ブクマ(8), Twitter(8), 主義者(8), ZIP(8), 安倍晋三(8), 社会人(8), 安倍自民党(7), 数年(7), 20代(7), マッチングアプリ(7), 1日(7), コミュ障(7), w(7), 毎日(7), 自分たち(7), ある意味(7), 被害妄想(7), hagex(7), いいんじゃない(7), 個人的(7), 女子高生(7), 平成(7), ID(7), 就活(7), 消防士(7), 文化資本(7), 1回(7), 中国(7), 満員電車(7), PC(7), 専門家(7), 上野(7), 過労死(7), ネット上(7), 公明党(6), サイコパス(6), 1杯(6), 東京育ち(6), ファーストサーバ(6), キャバクラ(6), 上の(6), 地方都市(6), hatena(6), 5%(6), 安倍政権(6), 野菜ジュース(6), 大災害(6), 欧米(6), イケメン(6), はてブ(6), 言論弾圧(6), タイ(6), 上から目線(6), pdf(6), かな(6), ja(6), 好きな人(6), 30代(6), アレ(6), カネゴン(6), .s(6), 仕方がない(6), 災害対策本部(6), 自民(6), 体脂肪率(6), キツ(6), 30分(6), A(6), VR(6)

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うんち (10), 西日本豪雨災害安倍総理自民党は酒を(5), 容姿がよかったら宗教にハマらない。 (4), まーーた安倍総理自民党による不正な株(3), また安倍総理西日本豪雨災害での酒を(2), 少なくとも10年前は出会い系で本物の(2), 炒めてるにんにくは全く海月には見えな(2), 羨ましいの? (2), もしかして胃がん? (2), マジでビックリした。 (2), 西日本豪雨災害安倍総理自民党は酒を(2), 亜鉛 (2), 低能先生予備軍か? (2), 安倍総理自民党西日本豪雨災害で酒を(2)

頻出トラックバック先(簡易)

田舎暮らしに憧れる人の気持ちがわからない /20180709095054(31), ■小3の息子がプリキュア見てる /20180708221859(18), ■ZIPってなんですか? /20180707191836(17), ■お前らの人生で一番理不尽だったこ選手権 /20180708204542(14), ■なろうの異世界転生って /20180709032343(12), ■社民党公式Webサイトクッソワロタwwwww /20180709082753(9), ■ /20180709102353(9), ■お前らって人生経験豊かなんだろうな /20180708202851(9), ■「東京だと車が要らない」は嘘 /20180709133743(8), ■医療関係者とサイコパス - 看護師シリアルキラー列伝 /20180709055614(7), ■ハローワークの非効率さ /20180709000107(7), ■これは美味いぞ!という郷土食材を教えてくれ /20180709122648(7), ■もしもお金を食べる生物がいたら /20180709132143(7), ■フミコフミオってはてな村絶対不可侵領域なの? /20180709220739(6), ■自殺するくらいならDQNになる /20180709051932(6), ■明日有給、予定はない、予算は一万円 /20180709075226(6), ■売り手市場だけど売れませーん /20180709211915(5), ■身もふたもない真実 /20180709231105(5), ■キーボードの右側の修飾キーを使う人ってどれくらいいるんだろう? /20180709161345(5), ■寂しいとか嫉妬とか恋い焦がれるとか /20180708081453(5), ■お菓子は300円までのルールって何の意味があったんだろうな /20180709130009(5), (タイトル不明) /20180709014555(5), ■口が悪い女の子 /20180709155056(5), ■料理の食べやすさって過小評価されてないか /20180709205352(5), ■マッチングアプリむずい /20180709002136(5), ■妻が賞味期限を守らない /20180709111205(5), ■anond20180709163406 /20180709163603(5), ■そうじゃねえだろ /20180709005216(5), ■オーストラリアの「マカロニチィイイズ」が忘れられない /20180709192034(5)

増田合計ブックマーク数 ()内の数字は1日の増減

5393609(2733)

2018-07-09

anond:20180709065130

炒めてるにんにくは全く海月には見えないけど、大丈夫ですか

暑くなってきたのでお大事

anond:20180709065130

炒めてるにんにくは全く海月には見えないけど、大丈夫ですか

暑くなってきたのでお大事

2018-02-12

月海という残念な名前の子

娘と一緒にクラゲ姫見てて思い出した、そういえばくらげっぽい名前同級生がいたねって話したら

実は月海って書いてるみって読むらしいと今更知って笑う

なうみ→るみってか

なんか、いっそのこと海月みづきと読む方が潔いキラキラネームなのにと思ったw

学校のなかで、唯一有名私立落ちてしまったその子公立中学入学式には姿を見せず

どうも沖縄移住したらしいのだが詳細は謎

親子共々生き方までなんだか残念

2017-05-28

http://anond.hatelabo.jp/20170527191841

到底ブコメに入り切らなそうなので増田に書く。

 

島本和彦

アオイホノオ」で一気に全国区になってしまった感があるけれど、それまで長きに渡ってひたすら「面白いのになぜかマイナー」と言われ続けてきた「面白いのになぜかマイナー」界のレジェンド存在

燃えよペン」「吼えろペンシリーズや「逆境ナイン」辺りがまとまっているが、「無謀キャプテン」のように明らかに破綻している(作者公認作品でさえ、その破綻が魅力になるという異常な漫画家

 

麻生みこと

オチのある短編・中編を書く天才。初期の作品も味があるが、「路地恋花」「海月と私」「そこをなんとか」など近年になって才能が爆発しだした感が強い。

私の中では、あだち充短編)、沙村広明(光)、佐々木倫子よしながふみ、などと同じ系統漫画家に分類されている。

 

森生まさみ

甘くて気持ちのいい恋愛漫画を描く作家。安定して心に染みる恋愛漫画を生み出し続けているという意味で、少女漫画界のあだち充長編)だと勝手に思っている。

キャラクターも魅力的で、コミカルシリアスバランスも素晴らしい。中期以降の作品ならどこから入っても良いと思うが、男性オススメするとしたら「おまけの小林クン」をチョイスしたい。

 

えのあきら

成年誌から一般誌に移って17年、サンデーGXオートバイウンチク漫画ジャジャ」を長期連載中。

個人的ウンチク漫画大好物なのでそれだけでも高評価だが、画風もスッキリ読みやすい感じで気に入っている。

  

長谷川光司

すべての作品を読んではいないのだけれど、魔法少女リリカルなのはシリーズコミカライズ作品があまりにも素晴らしいので挙げさせてもらう。

特にMOVIE 1stのコミック版は、アニメも含めたすべてのなのはシリーズの中で最高傑作だと思う。

 

・ざら

とっておき。ホントはあまり紹介したくないくらい、お気に入りの隠し玉。

きらら系を中心に活躍する4コマ作家久米田康治畑健二郎など目じゃないくらいに所狭しと詰め込まれた多方面ヲタネタ小ネタの数々が最大の魅力。

ヲタ文化にあまり詳しくない人間には面白さが伝わりにくい面もあるはずなので、なかなかメジャーにはなり切らないのだろう。

初期作の「ふおんコネクト!」がすでに素晴らしい出来なので、ここから入るのが王道だろう。

 

よしながふみ

元増田も挙げていたけれど、私も好き。ただ、作品方向性結構ムラがある辺りは評価が難しい。

個人的人生もっとも完成度の高いと感じたストーリー漫画は「フラワー・オブ・ライフ」。まさに衝撃的だった。

2016-02-15

西之園萌絵が嫌いな人はシリーズをどこまで読んだのか

以下Gシリーズまでのネタバレあり。

ドラマは論外とする。漫画は読んでいないのでスルー

S&Mシリーズはみなさんご存じ森博嗣小説だ。ゲーム漫画ドラマアニメ化になっている。どれもキャラデザ原作イメージと違うのが特徴だ。

犀川創平と西之園萌絵という二人の天才議論していたら、いつの間にか事件が解決していたというシリーズ不適切なあらすじで申し訳ない。

96年発行なのに、VRについて現代レベルに迫っていたり、ツイッターマイナンバーの登場を予言しちゃっているところも面白い最近思う。SFでは無いのだが。

メインキャラ二人ともが天才なのだけど、ずば抜けている犀川に比べて萌絵はかなり劣った設定になっている。

これは、そうしないと話が動かないからだ……とメタ視点を持って読みたい。

とにもかくにも、西之園萌絵主人公作品だ。彼女ワトソンでは無いのだよホームズくん。

(※作者談)

アニメ すべてがFになる

中盤までを見て、彼女を嫌いだと思った人→わかる。アニメモノローグ無いから何考えてるか分からないし。

原作アニメ すべてがFになる

すべF全部読んで、それでも彼女が嫌いだと思った人→わからなくもない。

この違いについては見れば、読めば、分かる。

萌絵が奇抜だったり感情的だったりするのは、一応理由がある(自分だけ運よく助かった、両親の突然の死)。

前者に関しては、それを知らないで、序盤でキャラを掴んだ気になって「ビッチだ!」と彼女を嫌いだと言う人に、最後まで見ろ!と言いたくなる。萌絵はバリバリ清純派キャラだ。

後者問題なのだ

アニメや、原作1巻読んだだけで彼女の(犀川の)キャラを捉えるのはとても難しい。あまりにも複雑に作られてしまったキャラクターなのだ。「すべてがFになる」は元々5連作の4作目として作られたというエピソードからしても、「すべF」だけでどうか西之園萌絵キャラクターを把握しないでほしい。という原作読者の重い想いを、誰か受け止めてほしいのだ。

S&Mシリーズは年を取らないサザエさん方式では無く、キャラはみんな確実に歳を取っていく。

とりあえず時系列を追って考えよう。

S&Mシリーズ10作全て見て、なお西之園萌絵が嫌いだと言う人。

嫌いなのによく読んだな、あんな長いの……というのは(四季の)百年譲って許そう。

S&M、つまり犀川&萌絵(四季 真賀田だったりもする)はシリーズを通して、二人の関係性格微妙に変化をしていく。

犀川は次第に優しくなり、社会にほんの少し馴染むような様子を見せている。

萌絵といえば犯罪に関わることで、ヒステリィさを増していく。

まぁそれにも理由があってのこと。ちゃんと全部読めば分かるが、簡潔に言えば彼女は自ら危険に関わることで、自殺願望を満たしているのだ(だから犀川が余計に優しく心配性になる)。

(※補足。萌絵も一応友達が出来たり一般庶民に馴染んだりと、かなり人当たりはよくなっていきます犀川よりは)

最終巻「有限と微小のパン」での萌絵は、とにかくヒステリックだ。

それについても四季が同作中で説明してくれている。

要するに萌絵は、すべFの時に自らの過去の嫌な記憶を呼び起こした『四季』を恐怖、負そのもの認識してしまった。犀川四季にとられてしまう、という恐怖もプラスしている。

犀川&萌絵シリーズとしては、四季の介入でスッキリしない終わり方をする。

嫌いと言う人が居るのも……仕方が無いかな。だって萌絵の最後の見せ場がヒステリックなのだ

犀川が望む生き方妨害してるのが、萌絵なのかもしれないし(書いてる人はそんな感想抱いていないが)、事実萌絵が話を引っ掻き回すので推理邪魔だと感じる人が、もしかしたら居たのかもしれない(いやそこもメタ視点で読めよ、という話なのだけど……)。

じゃあ、S&Mシリーズを読んだ人はVシリーズを読んだのだろうか。

このシリーズ時系列こそ違えどS&Mと同じ世界観で、西之園萌絵をメインとした話が一作ある。「捩れ屋敷の利鈍」だ。

(これを読んだ人が、助手の国枝桃子を嫌いな人がさらに嫌いになるか、好きな人さらに大好きなになるのかも気になる……。)

でもこの話はどうでもよくて、それ以外のVシリーズを読んだか読んでないかでS&Mシリーズへの見方が大きく意見が分かれるところがあるのだ。

犀川が萌絵を好きになれるのか、もしくは何故好きになったのか』

正直S&Mだけ読んでもここは謎だ。彼の気持ちは分かりにくいし、S&M最終巻時点で彼が萌絵にどうしていくのかはハッキリ見えない。好きなんだろうが、犀川先生ロリコン、で片付けれられても仕方が無い程度にしか書かれていない。

からこそ萌絵の犀川への気持ちが、あまりにも一方的に描かれてきたのだ。

しかしVシリーズ最後まで読むと、それがとてもよく分かってしまう仕組み、トリックになっている。

犀川の好みの女性が明らかになるのだ。つまり萌絵は犀川にとってドンピシャだったのだ……。

ネタバレネタバレなのでこれ以上は書かない。

とにかく、犀川は萌絵を選ぶと再確認できるシリーズ、とでも言える(大げさだし、そんなにキャラクターは出てこないのだけど)。

ここまで読んでなお、西之園萌絵が嫌いだと言う人。

マジでなんで読んでるの?このキャラどうやっても主人公だよ?なら紅子も嫌い?よくここまで読んだね!

と言いたいけど、分からんでもないのだ!!(だって森さんの話おもしろいもんね!!)

萌絵の恋愛脳、四季ヒステリックは「四季秋」を経ても変わらないままだし。うん、ヒステリィはうざいもんね。

(ここまで読むと、萌絵が可哀想犀川酷い男だ!という感想も、当然だと思う。犀川はなかなか酷い男だ。萌絵くらい積極的にならないと関われない。)

じゃあ、短編集「虚空の逆マトリクスから「いつ入れ替わった?」は読んだだろうか。時系列的には「四季秋」の中盤だ。刊行時期的に「四季秋」は読んでもソレは読んでないという人が多いかもしれない。

萌絵、超可愛いじゃん?(犀川可愛い

それとも萌絵嫌いな人にはどうでもいい話なのだろうか……重要だと思ったのだが……。

そして、「四季秋」の終盤で萌絵は犀川への接し方に対して、ある解答を得ていたりする。今後彼女が彼に対しどうなっていくのか、読者は少しだけ予測することができる。

……それでも嫌い?じゃあGシリーズは読んだ?「キウイγ(ガンマ)は時計仕掛け」、読んだ?

このシリーズ1巻では萌絵の後輩たちという別キャラクターが動く話だと思って読んでいたのだけれど、もはやもう、S&Mシリーズの続編なのだ(ところどころVシリーズが影を見せるし)。

犀川が出てくるだけではなく、確実に萌絵がメインキャラを食っている(海月と加部谷が主役向きじゃ無い)、裏テーマは萌絵の成長奮闘記だろう。

髪もロングになり、美人で優しい先輩だし、しっかりと自分分析し、過去とちゃんと向き合って、大人しくなって。

(幕間に、Xシリーズを挟み)

すべてがFになる」で最初犀川が言ってたとおりの、彼女本質的性格に戻ろうとしているのだ。

超良い女、って感じになっている。お子ちゃま萌絵ちゃんは、もう居ない。多分。

犀川にはもったいない!けれど、犀川もこのシリーズで随分丸く素直になっている。なんか禁煙までしちゃってる(読者的にいまだに信じてないし、理由をずっと考えているが)。

萌絵が落ち着いたことで、犀川距離感すら生まれた。会えない時間が愛育てるのさと、よく言ったものだ。

本当の本当に、彼女はしっかり大人になったのだ。

Gシリーズまで読んでもなお、萌絵が嫌いですか。……残念です。あなたとは趣味が合わない模様。

読んでない方、ぜひ読んでよ。

萌絵が(さらに)好きになるかもしれないから

Gシリーズ相変わらず謎のままだしトリックは浅い(というか、書きたいものミステリィでは無いのかもしれない)けど、森博嗣が好きに書いてるのは分かるから

目標地点までキャラクターを育ててあげよう、という意思が見えて、気持ちよかったりもするしね。

そんなこと思ってないって作者に言われたら、「あそう……」だけど。

まぁ、書いている自分最初から萌絵が好きなんですけど。

大人しくなったと書いたけど、今後の展開が読めないので、本当に萌絵が落ち着いてくれるのかは謎です。

ただもう死にたがり萌絵ちゃんは卒業してますし、犀川先生とはあははうふふで、西之園先生になりました。

(ただし結婚していないという謎状況)

あ、5月にすべFの島田文子さん主役で新刊出るらしいね

萌絵がGシリーズのメインキャラ食うどころか、主役交代劇が起こっているGシリーズ運命を、四季が握っているのは確か……最新刊を、待つ。


※追記

意外に反響あって作品人気を知るのですが、どのキャラ人間味あって可愛くて好きですよ。

特に特化して萌絵批判について考えてみた結果、愛をぶつける形になりました。

加部谷と海月…とくに海月については短編集と合わせて推理中なのですが、やっぱり主人公としては描かれていないのが、私気になります

Gシリーズで彼の謎が解けるとも思えない…。

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