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【J2】クラブ別の補強ポイントについて考える。(2017年夏の移籍市場) (モンテディオ山形) | | |　

モンテディオ山形

→　2015年に愛媛FCを躍進させた木山監督の招聘に成功した山形はオフにFW阪野、MF瀬沼、DF茂木力、GK児玉という愛媛FCで主力を張っていた選手を大量に補強した。FWディエゴ、MFアルセウ、FW大黒、FW林陵平、GK山岸などは抜けたが、MF本田拓、DF菅沼、MF風間宏希、MF南、FW中山仁なども獲得。結局、J1やJ2で実績を残している即戦力をたくさん獲得してメンバーはガラッと入れ替わった。

レギュラー格の選手で昨シーズンも山形の主力を担っていた選手はDF高木利、MF山田拓、MF汰木の3人くらい。大幅にメンバーが入れ替わったが愛媛FCから加入した4人が主力として起用されていることもあって寄せ集め感はほとんどない。早い段階からチームは出来上がっていたが、得点力不足に悩まされて10節を終えた時点では3勝3敗4分けで勝ち点「13」。14位とスタートダッシュには成功しなかった。

10試合で9得点/11失点。堅い試合が多かったが11節からの9試合は5勝0敗4分けと無敗。一気に勝ち点を積み上げて19節を終えた時点で今シーズン最高の5位まで順位を上げることが出来た。直近の20節はホームで徳島に1対6で大敗を喫したが20節を終えた時点では8勝4敗8分けで勝ち点「32」。10位に位置する。5位から10位に順位が急落してしまったが3位の東京Vとの差はわずか「2」。射程圏内に捉えている。

18節を終えた時点での数字になるが18試合で17得点/15失点。どちらも平均が「1.00」に満たない数字である。得点数はワースト4位タイなので得点力は物足りないが、失点数は4位タイの少なさとなる。木山監督というと愛媛FCの頃から堅いサッカーをすることが多かったが18節を終えた時点で8引き分けというのはJ2最多。相変わらずの引き分けの多さである。3敗というのはJ2で最少。負けないチームである。

90分あたりのシュート数は8.22本でワースト3位タイ、90分あたりの被シュート数は11位。失点数は少ないが被シュート数自体は真ん中程度となる。今シーズンからGK児玉がゴールを守っているが大きな存在感を発揮している。攻撃に関して際立つ特徴は無くてパス数は8位、クロス数は6位、ドリブル数は9位、ボール支配率は11位となる。枠内シュート数が18位というのは改善ポイントの1つと言えるだろう。

セットプレーは18試合で5得点/6失点。得点数は15位タイで、失点数は8位タイ。セットプレーからのゴールは少ない。FW阪野は空中戦に強い選手でMF瀬沼も高さのある選手であるがターゲット役になれる選手というと他にはDF菅沼くらい。空中戦はあまり武器にはならない。ただし、左WBのレギュラーを獲得しているMF瀬川和は早くも今シーズン6アシストを記録している。彼の左足のクロスは大きな武器になっている。

首位の福岡、2位の湘南との差はやや広がっているが、3位の東京Vとの差はごくわずか。十分に「J1復帰」を狙えるポジションに付けているが、今夏の移籍市場で大きな動きを見せることは考えにくい。現時点では加入や退団に関して噂レベルのニュースすら1つも流れておらず、現有戦力のままで後半戦を戦うことになる可能性が最も高いが、出来ることならば即戦力となる選手を加えてチームを活性化させたい。

突出した能力を持つ選手は少ないが穴となるようなポジションもほとんど無いので「どこを補強するのが最も効果的なのか？」は難しいところもあるが、MF汰木が起用されるケースが多くなっている「左のシャドー」が最もパワーアップさせたいポジションである。センスのあるアタッカーでドリブルはアクセントになっているが18試合で1ゴール0アシスト。結果を出すことは出来ずにいる。数字的にはかなり寂しい。

MF瀬沼は185センチとサイズがあるのでターゲット役と勘違いされるケースもあるがどちらかというとドリブルが得意な選手である。体格を生かしたドリブルが魅力。隙間でボールを受けるプレーはそこまで得意ではない。MF瀬沼のパートナーはテクニシャン系の選手がベターと言える。チーム全体の得点力が不足しており、FW阪野とMF瀬沼にゴールが偏っていることを考えると得点力を兼ね備えた選手が欲しい。

その他では選手層はまずまず厚いチームで、かつ、いろいろなタイプの選手を有している。「こういう選手が欲しい。」、「このポジションが不足しているのでは？」というのはすぐには浮かんでこない。結局、チームバランス自体はかなり良好と言えるのでピンポイント補強で「ある程度の得点力があってドリブルで突破も出来て隙間でボールを受けることが出来るアタッカー」に補強費を費やすのがベストと言える。