■ 武器は右足のキックの精度その1人であるMF宮阪は169センチで68キロなのでがっちりした体格である。身長には恵まれていないが、フィジカルの強さが武器の1つで、運動量も豊富である。中盤の底で潰し役になることもできるし、前線に飛び出してゴール前でシュートシーンに絡むこともできるが、何と言っても最大の武器は右足のキックである。「右足の精度の高さ」はJ2の中では屈指のレベルで、J1の中に入っても上位クラスと言える。
ショートパスの精度も、ミドルパスの精度も高いが、もっとも威力を発揮するのはプレイスキックの場面である。今シーズンは全42試合に出場して8ゴールを挙げているが、このうちの5ゴールが直接FKから生まれている。山形はFWディエゴ、MF伊東俊、MF中島裕、MF山崎雅などドリブルで仕掛けることができる選手が多いが、安易にゴール前でファールをすると大ピンチとなる。
1シーズンで7本の直接FKを決めた2010年のMFマルシオ・リシャルデス(当時・新潟)にはさすがに及ばないが、「1シーズンでFK5本」というのは相当に凄い記録である。しかも、MF宮阪はプロ1年目の2012年もFKだけで5ゴールを挙げている。プロ2年目の2013年はレギュラー落ちを経験するなど苦しいシーズンだったが、この年も23試合で4ゴールを記録しており、そのうちの2つが直接FKでのゴールだった。
ということで、1年目の2012年が5発、2年目の2013年が2発、3年目の2014年が5発。3年間の通算でJ2のリーグ戦は105試合に出場しているが、直接FKだけで12ゴールを記録している。この「直接FKで12ゴール」というのはすでにJ2の歴代で2位となる数字であり、計算すると8.75試合に1本のペースで直接FKを決めている。これは尋常ではないペースであり、もっと大きく騒がれてもおかしくない。
■ 過去の偉大なプレイスキッカーと比較すると・・・。「FKのスペシャリスト」と言われる偉大な選手の数字と比較するとその凄さがより実感できると思うが、「ブレ球の名手」と言われた元日本代表の三浦淳宏が長らくJ1における直接FKの最多記録を保持していた。昨シーズンの途中にMF中村俊に抜かれるまではMF三浦淳の15ゴールが「J1で最多」だったが、MF三浦淳でさえ、318試合でFK弾は15発だったので、21.2試合に1本のペースである。
MF中村俊は海外でプレーする期間が長かったため、Jリーグでの試合数はMF三浦淳よりもやや少なくなるが、決めた本数は昨シーズンの終盤に新記録となる16本目のFKを決めたということなので、MF三浦淳のペースよりも「ちょっと上」くらいである。もちろん、J1とJ2はキーパーのレベルも違うので、一概には比較することはできないが、MF宮阪が普通ではないペースでFK弾を決めているのは確かである。
先のとおり、山形は6位でプレーオフに進んで、11月30日(日)にヤマハスタジアムで磐田と対戦することになった。ドローに終わるとシーズンの順位が上である磐田が勝ち抜けとなるが、前哨戦と言えた41節の磐田戦(A)は2対0で山形が勝利している。山形としては何としてでも先制ゴールを奪いたいところであるが、MF宮阪の直接FKというのは緊迫した試合では特に相手チームの脅威になるだろう。
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