■ 中央調査社の調査結果世論調査・市場調査の専門機関である「中央調査社」は定期的に「スポーツ」に関する全国意識調査を実施している。質問内容はずっと同じで変わらず。「好きなスポーツ選手は誰ですか?」、「好きなスポーツは何ですか?」などなど。調査結果が発表されたときは「イチローが○○年連続で1位」、「○○が2位にジャンプアップ、「○○が初登場で5位に入った。」などメディアでも大きく取り上げられる。
日本にもいくつかのプロスポーツがあるが「3大プロスポーツ」と言えるのはプロ野球(NPB)とJリーグと大相撲である。Jリーグに関しては「日本のプロサッカーリーグ(Jリーグ)のうち、現在のJ1であなたが 一番好きなチームはどこですか。」という質問をずっと行っている。調査結果についてネット上で確認できるのは2004年から2015年まで。この期間の「好きなJリーグチーム」に関する調査結果をまとめてみた。
理由は定かではないが2006年に関しては「好きなJリーグチーム」に関する質問をしなかったので11年分のデータとなるが、パーセンテージの平均値を大きいチームから順番に並べてみると表1のようになる。1位になったのは浦和で5.28%。2007年・2008年・2013年・2014年はリーグ1位。全ての年で5位以内に入っている。Jリーグ屈指の人気クラブであることは中央調査社の調査結果からも明らかである。
NPBの12チームを対象とした「好きなプロ野球チームはどこですか?」というアンケートを実施しているのでNPBのチームと比較すると中日ドラゴンズが全体の3番目で5.55%、ソフトバンクホークスが全体の4番目で5.26%なので、ソフトバンクホークスと同じくらいの数字となる。「本当に中日やソフトバンクと同じくらいの数のファンが全国にいるのか?」と感じるところもあるが、そういう調査結果が出ている。
■ 1番人気は浦和レッズJ1の中で2番目となるのは鹿島で4.57%、3番目はG大阪で4.52%となった。鹿島は2009年と2010年、G大阪は2011年と2012年と2015年と2016年にリーグ1位に輝いている。近年の数字だけを見ると浦和よりもG大阪の方が全国的な人気があるのかもしれない。MF遠藤やMF今野といった長きに渡って日本代表で活躍した選手がいて、先日まではMF宇佐美というスター選手を擁していたので納得できる。
4位は名古屋で3.62%、5位は横浜FMで3.09%、6位は磐田で同じ3.09%だった。7位以下のチームとは結構な差があるのでここまでの6チームが「人気クラブ」と言える。名古屋と横浜FMはベスト5から漏れたのがともに1度だけ。安定して上位に入っている。特に名古屋はストイコビッチ監督時代(2008年-2013年)の数字が良くなっており、2012年はG大阪と並んでリーグ1位。(※ 2010年にリーグ初優勝に輝いた。)
対象が「J1のクラブ」なのでJ2やJ3に所属していた年は当然のことながら選択肢から除外される。2004年以降の大半をJ1で過ごしているクラブに限定させると上位6チームに続くのは広島で2.17%。表1の数字を見ると明らかで初優勝を飾った2012年をきっかけにどんどん数字を上げてきている。FW佐藤寿やFW浅野拓といった全国的なスター選手も登場して「Jリーグ屈指の人気クラブの1つ」になりつつある。
他に「人気チームになりつつある。」と言えるのはC大阪・FC東京・川崎Fあたり。顕著なのはC大阪で、最初の数年間はリーグでも屈指の不人気クラブだったが2013年は3.4%、2014年は3.0%とリーグ屈指の数字を残している。2015年と2016年はJ2所属なので調査対象から外れてしまうので「この数字がどう変化しているのか?」は分からないが、2013年の秋以降に起こったフィーバーの効果は大きかったと言える。
川崎Fも徐々に数字を上げてきている。ずっと0点台だったが、2013年に初めて1%を超えるとここ最近は4年連続で1%をオーバーしている。FC東京も同じような推移になっており、ここ最近は5年連続で1%を超えている。プロ野球を例に出すとヤクルトスワローズが1.91%、西武ライオンズが1.83%、横浜DeNAベイスターズが1.69%なので、川崎FやFC東京はこのあたりのチームと同じくらいの人気と言える。
■ 減少傾向にある「どれもない。」逆に平均値の低いチームから順番に書き出してみると1位は大宮で0.29%、2位は山形で0.50%、3位は徳島で0.60%となる。山形と徳島はともにどちらかというとJ2が主戦場となるチームで認知度が低いのは致し方なし。大宮の低さが目立ってしまう。0.29%ということは「1000人のうち3人」なので「333人に1人」という計算になる。大半のシーズンが0.2%以下とかなり寂しい調査結果になっている。
4位は甲府、5位は京都、6位は千葉、7位は神戸、8位は湘南、9位は新潟と続いていくが、この中では千葉の数字が意外に低いと感じる。上位の顔ぶれを見ると「オリジナル10」のクラブが多くて創生期のJリーグブームを経験しているクラブは根強いファンを抱えることが分かる。東京Vも平均値が2.00%なのでまあまあ高い。なので「「オリジナル10」の中では唯一」とも言えるほど千葉の数字が伸び悩んでいる。
選択肢の中には「どれもない」というものがあるが、この平均値は63.0%となる。約3人に2人が「どれもない」と回答していることに関してはいろいろな見方が出来るが、「日本国民の3人に1人は好きなJリーグ(J1)のクラブがある。」ということとイコールなので悪い結果ではない。推移を見ると2010年の南アフリカW杯あたりをきっかけにして「どれもない」の数値が減少傾向にあるのはポジティブな要素である。
表1. 好きなJ1のクラブはどこですか?の調査結果 (中央調査社)
「日本のプロサッカーリーグ(Jリーグ)のうち、現在のJ1で、あなたが 一番好きなチームはどこですか。」 (中央調査社) |
クラブ名 | 平均値 | 2004年 | 2005年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
浦和 | 5.28% | 3.9% | 4.7% | 7.3% | 6.2% | 5.3% | 4.3% | 4.9% | 4.3% | 6.3% | 4.8% | 6.0% | 5.3% |
鹿島 | 4.57% | 4.1% | 4.7% | 2.4% | 5.1% | 5.7% | 6.9% | 5.3% | 3.6% | 4.0% | 4.7% | 4.0% | 4.3% |
G大阪 | 4.52% | 2.4% | 2.3% | 4.6% | 3.7% | 4.0% | 5.1% | 6.1% | 4.4% | | 3.8% | 7.2% | 6.1% |
名古屋 | 3.62% | 3.1% | 3.2% | 3.8% | 3.8% | 3.6% | 4.5% | 4.3% | 4.4% | 2.9% | 3.9% | 3.2% | 2.7% |
横浜FM | 3.09% | 3.1% | 3.4% | 3.5% | 1.8% | 2.4% | 3.3% | 2.6% | 3.9% | 3.2% | 4.2% | 3.0% | 2.7% |
磐田 | 3.09% | 6.3% | 6.0% | 3.0% | 2.8% | 2.4% | 1.4% | 2.1% | 1.7% | 2.5% | | | 2.7% |
札幌 | 2.20% | | | | 2.2% | | | | - | | | | |
広島 | 2.17% | 1.0% | 1.8% | 1.1% | | 2.0% | 1.5% | 2.1% | 1.9% | 3.5% | 2.8% | 2.9% | 3.3% |
東京V | 2.00% | 1.5% | 1.8% | | 2.7% | | | | | | | | |
福岡 | 1.90% | | | | | | | 1.7% | | | | | 2.1% |
横浜FC | 1.60% | | | 1.6% | | | | | | | | | |
清水 | 1.50% | 1.1% | 0.7% | 1.1% | 1.4% | 0.8% | 1.4% | 1.1% | 2.0% | 1.8% | 2.4% | 2.7% | |
松本山雅 | 1.50% | | | | | | | | | | | 1.5% | |
C大阪 | 1.41% | 1.0% | 0.5% | | | | 0.5% | 0.6% | 0.9% | 3.4% | 3.0% | | |
仙台 | 1.39% | | | | | | 1.2% | 1.5% | 1.9% | 1.5% | 1.5% | 1.3% | 0.8% |
柏 | 1.30% | 0.6% | 0.9% | 1.2% | 1.2% | 1.0% | | 1.3% | 2.0% | 1.6% | 1.4% | 1.6% | 1.5% |
鳥栖 | 1.20% | | | | | | | | 1.4% | 0.9% | 1.5% | 1.4% | 0.8% |
FC東京 | 1.09% | 0.6% | 0.9% | 1.0% | 0.6% | 0.6% | 0.7% | | 1.6% | 1.4% | 1.7% | 1.8% | 1.1% |
大分 | 1.00% | 1.1% | 0.8% | 1.3% | 1.0% | 0.7% | | | | 1.1% | | | |
川崎F | 0.99% | | 0.4% | 0.8% | 0.8% | 0.6% | 0.8% | 0.9% | 0.9% | 1.1% | 1.5% | 1.3% | 1.8% |
新潟 | 0.97% | 1.1% | 1.1% | 1.2% | 1.0% | 1.0% | 1.1% | 0.8% | 0.6% | 0.9% | 0.7% | 0.8% | 1.3% |
湘南 | 0.93% | | | | | | | | | 0.8% | | 0.8% | 1.2% |
神戸 | 0.74% | 0.8% | 0.5% | 0.5% | 1.0% | 1.1% | 0.5% | 0.3% | 0.9% | | 1.1% | 0.7% | 0.7% |
千葉 | 0.72% | 0.7% | 0.7% | 0.8% | 0.8% | 0.6% | | | | | | | |
京都 | 0.70% | | | | 0.6% | 0.6% | 0.9% | | | | | | |
甲府 | 0.65% | | | 1.3% | | | | 0.8% | | 0.4% | 0.6% | 0.6% | 0.2% |
徳島 | 0.60% | | | | | | | | | | 0.6% | | |
山形 | 0.50% | | | | | 0.2% | 0.8% | 0.5% | | | | 0.5% | |
大宮 | 0.29% | | 0.2% | 0.1% | 0.2% | 0.3% | 0.0% | 0.2% | 0.4% | 0.7% | 0.2% | | 0.6% |
どれもない | 63.0% | 66.2% | 65.4% | 63.3% | 63.2% | 66.9% | 64.3% | 63.0% | 62.4% | 62.0% | 59.4% | 58.7% | 60.7% |
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