吹田スタジアムのこけら落としとなるガンバ大阪 vs 名古屋グランパスの試合は2月14日(日)に行われたがG大阪が3対1で勝利した。注目された「新スタジアムの初ゴール」は相手のオウンゴール(=CBのDF竹内彬)になってしまったがセットプレーからMF今野とDF丹羽大が決めて追加点を奪った。1週間後に広島とのゼロックス・スーパーカップを控えているG大阪にとっては幸先のいいスタートを切ったと言える。
約4万人が収容できるサッカー専用スタジアムの臨場感は抜群。「国内屈指のスタジアム」と言われている豊田スタジアムと比べても見劣りしないほどの良質なスタジアムになっている。スタンドに大きな屋根があるので雨が降っても大丈夫。「観戦環境は劇的に向上した。」と言えるがその一方でいくつかの課題も見えてきた。特にアクセス面は要改善と言えるだろう。客足が伸び悩んだり遠ざかる一因になりかねない。
■ モノレール駅からの所要時間が徒歩1分→徒歩15分に・・・。これまでずっと使用してきた万博競技場もあまりアクセスは良くなかった。大阪モノレールの公園東口駅の目の前(徒歩1分)に万博競技場があるがモノレールに乗るまでがかなり大変。沿線に住んでいる人はともかくとしてそれ以外の大半の人は乗り継ぎが必要。例えば東京・名古屋方面からJR(&モノレール)を利用してスタジアムに行こうとするときはJR→阪急電車→モノレールという流れが基本。ちょっと複雑だった。
交通費や分かりやすさを考慮するとJR茨木駅から出ている臨時バスを利用するのがベストだった。アクセスに関する基本的な考え方は吹田スタジアムも同じであるが、なにぶん、万博公園はかなり広い。(※ 万博公園の面積は264ヘクタール。東京ドームの約56個分に相当する。)万博競技場も吹田スタジアムも同じ万博公園にあるのは確かであるが距離にすると意外と離れていて歩くと1.3キロから1.5キロほどになる。
図の右下にあるのが吹田スタジアムで、図の右・中央にあるのが万博競技場である。大きな駐車場を挟んですぐ左側にあるのが大阪モノレールの公園東口駅となるが「(吹田スタジアムは)モノレールの駅からは相当に遠くなった。」と言えるのは確か。G大阪の公式サイトでも「万博記念公園駅(=図の中央付近にある駅)から徒歩15分」と書かれている。モノレールを利用すると結構な距離を歩かなければならなくなった。
■ 帰りの手段は大きく分けると6つほど今回は行きも帰りも「JR茨木駅」を経由する方法を選択したので行きはJR茨木駅で降りてそこから臨時バスで吹田スタジアムで向かったが行きのバスに関してはスタジアムのすぐ近くまで乗り入れることができるので非常に快適だった。徒歩2・3分でスタジアムの入り口付近に達したので全く問題はなかったが帰り(=JR茨木駅行き)の臨時バスの乗り場が万博競技場の横だったのでここまで歩いていくのが大変だった。
先のとおり、吹田スタジアムから万博競技場までは距離にすると1.3キロから1.5キロほど。普通に歩いても15分ほどかかるが試合終了後なので人が殺到する。大きく分けると帰りの手段としては
(1) モノレールを利用する人(公園東口駅から)
(2) モノレールを利用する人(万博記念公園駅から)
(3) JR茨木駅行きの臨時バスに乗る人(乗り場:万博競技場の横)
(4) 南駐車場(吹田スタジアムのすぐ近く)を利用する人
(5) 万博競技場前の駐車場を利用する人
(6) 自転車で来場した人
の6パターンに分かれるが(2)と(3)と(5)の人は帰り道の方角が同じ。万博公園内を横切っている中国自動車道の上を橋で渡らなければ向こう側には行けないので「調和橋」に人が殺到する。万博競技場のときは「調和橋」を渡らなくてもモノレールに乗ることができるし、駐車場に行くことができるし、臨時バスに乗ることができたので、この点が大きく異なる。万博競技場のときと比べても利便性は悪くなっている。
■ このままだと事故につながる可能性あり。JR茨木駅行きの臨時バスに乗るために人の流れに身を任せて「調和橋」の方向に向かったが大混雑していた。混雑していなかったら少なくとも15分ほどで臨時バス乗り場に到着したと思うが、結局のところ、その倍の30分ほどかかった。「吹田スタジアムから茨木駅まではバスで10分ほど」であることは間違いないが帰り道に関しては「吹田スタジアムから茨木駅まで1時間程度はかかる。」と考えるのがベターである。
今回は14時半キックオフだったので試合が終わったのは16時25分あたり。まだ周囲は明るかったので「帰り道に少々の時間がかかっても大丈夫」という状況だったため慌てた様子の人はほぼいなかった。大きなトラブルは起こらなかったと思うが、例えば19時キックオフの試合になると「○○時○○分までに駅に着かないと帰りの電車に乗れなくて帰れなくなる。」という人が必ずいる。こうなると危険度は格段に増す。
周辺は車が多いが「焦る気持ちから無理に道路を横断しようとして交通事故に巻き込まれる。」というパターンは容易に想像できるし、もっと言うと、「調和橋」などには人が殺到するので「将棋倒し」のような大参事が起こる可能性もある。(※ 2015年11月19日にオープンしたエキスポシティ(=大型商業施設)にもたくさんの人が集まるので買い物客の流れとバッティングするとさらに面倒なことに可能性もある。)
気になったのは帰りの道中で「モノレールの駅」や「臨時バス乗り場」や「駐車場」に向かう人を案内したり誘導する警備の人の数の少なさ。一番の危険エリアである調和橋のところにも(確認した限りでは)警備の人はおらず、案内板も非常に少なかった。万博競技場には何度か行ったことがあるが、最後の最後の局面まで「JR茨木駅行きの臨時バス乗り場は本当にこの先にあるのか?」と思いながら歩くことになった。
ということでまとめると
・基本的なアクセス方法は万博競技場のときと同じ。
・ただし、万博競技場と吹田スタジアムの距離はかなり離れている。(1.3キロから1.5キロほど)
・最寄りのモノレール駅からの所要時間は徒歩1分→徒歩15分になった。
・東京や名古屋方面からの訪問者は「JR茨木駅からの臨時バス」を利用するのがベスト。
・臨時バスの運賃は大人220円、所要時間は約10分。
・帰り道が大混雑するのは確実。
・いくつかの交通手段はあるがとりあえずの方角が偏るので人の流れも偏ってしまう。
・無理な道路の横断は絶対にしてはいけない。
・調和橋に人が殺到する。このあたりは「デンジャラス・ゾーン」と言える。
・駐車場から車を出すのにも相当な時間がかかるはず。
・JR茨木駅行きの臨時バス乗り場は万博競技場の横。(以前と同じ。)
・吹田スタジアムから臨時バス乗り場までの距離は1.3キロ~1.5キロほど。
・通常時であれば15分程度であるが帰り道は混雑するので30分はかかる。
・臨時バスを利用すると「JR茨木駅まで少なくとも1時間はかかる。」と言える。
・帰り道の混雑具合を考えると警備員の数が絶対的に不足している。
・道案内をする看板の数も少なすぎる。土地勘のない人は大変。
・ただし、この2点については公式戦(J1やACL)になると改善される可能性はある。
・夜の試合の場合は危険度が増すので特に注意が必要。
関連エントリー
2007/08/11 【U-16日本×U-16米国】 君は宇佐美貴史を見たか? (生観戦記#14)
2008/11/20 もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 10選
2008/11/21 もう一度行きたくなる日本のサッカースタジアム 番外編
2015/04/23 【名古屋×清水】 ビッグクラブになり得るグランパスだが・・・。(生観戦記) (前編)
2015/04/23 【名古屋×清水】 ビッグクラブになり得るグランパスだが・・・。(生観戦記) (後編)
2016/02/06 【2016年の順位予想】 J1の大本命はG大阪。対抗は浦和・広島・鹿島。続くのは川崎FとFC東京と横浜FM。
2016/02/17 【2016年の順位予想】 残留争いの中心は甲府・福岡・新潟・仙台・湘南あたり。小倉新監督の名古屋も厳しい評価
2016/02/16 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・上)
2016/02/18 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・中)
2016/02/19 【G大阪×名古屋】 吹田スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・下)
- 関連記事
-