■ 日本勢の対決ACLの準々決勝は日本勢の対決。川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力競技場がスーパー陸上開催のために使用できない。したがって、東京の国立競技場での対戦となった。
国立でのホームゲームとなる川崎Fは<4-2-2-2>。GK川島。DF井川、菊地、伊藤、森。MF横山、谷口、中村憲、レナチーニョ。FW鄭大世、ジュニーニョ。DF森が左サイドバックに回って、DF井川が右サイドバック。FW黒津、MF山岸らがベンチスタート。
アウェーの名古屋も同じシステムで<4-2-2-2>。GK広野。DF田中隼、増川、吉田、阿部。MF吉村、中村直、マギヌン、小川。FWケネディ、玉田。MFブルザノビッチ、DF三都主はベンチスタート。GK楢崎は怪我のため長期離脱中。
■ ジュニーニョの逆転ゴール試合の前半は名古屋が優勢。
J1の第26節の大宮アルディージャ戦から、3バックから4バックに変更。本来のサイド攻撃主体のサッカーに戻った名古屋は、シンプルながら丹念にサイドを突いて攻め込む。前半28分には、右サイドからのクロスボールをファーサイドで待っていたFWケネディがDF井川に競り勝って、頭で押し込んで先制ゴール。前半は1対0の名古屋リードで終了する。
1点ビハインドの川崎Fは、後半15分に左サイド奥からフリーキックのチャンスを獲得。MF中村憲剛が蹴ったボールはニアサイドを破ってゴールイン。1対1の同点に追い付く。
さらに、その3分後には、ポジションを入れ替えて、右サイドに回っていたDF森のクロスをゴール前に上がっていたMF谷口がヘディングシュート。このシュートはクロスバーを叩くが、FWジュニーニョが押し込んで逆転に成功する。
名古屋はMFブルザノビッチ、DF三都主、FW巻を投入するが、追いつくことは出来ず。結局、第1戦は2対1で川崎Fが勝利した。準々決勝の第2戦は9月30日(水)に名古屋グランパスのホームの瑞穂競技場で行われる。
■ 川崎Fが先勝川崎Fは、DF森を左サイドバックに回して、182cmと長身のDF井川を右サイドバックで起用。さらには、184cmのMF横山をアンカー的なポジションで先発起用。高さのある選手を多く起用して194cmのFWケネディ対策を実施してきた。
FWケネディの先制ゴールのシーンでFWケネディをケアしていたのがDF井川であり、このシーンに限って言うと、当てが外れた感もあるが、慎重なメンバーで、慎重な試合運びを見せた川崎Fが先勝した。
川崎Fは2年ぶりのACL挑戦となるが、ベンチにはFW黒津、MF山岸、MF養父、MF田坂といったカードも残っていて、更に、この日はベンチ外であったが、DF村上やFW矢島といった選手も控える。選手層は2年前よりも格段に厚くなっている。
リーグ戦、ACL、ナビスコ、天皇杯と、今後、4つのタイトル全てを目指して戦う川崎Fであるが、相手や試合展開に応じて、いろいろな戦い方が出来るようになった。これは大きな武器となる。
■ 原点回帰の名古屋本来の<4-2-2-2>に戻した名古屋は、敗れたものの1点差での敗戦。しかも、アウェーゴールを奪っていて、悪くない結果となった。第2戦目はホームゲーム。勝ち抜けの可能性は決して低くはない。
MFブルザノビッチやMF三都主らの加入もあって、一時期、システムを<3-5-2>に変更していたが、やはり<4-2-2-2>の方がチームが落ち着く。FWケネディの高さ、FW玉田のスピード、MFマギヌンのテクニックがうまく融合し、試合内容は互角だった。
ストイコビッチ監督は、新戦力をどう組み合わせるかを試行錯誤した結果、結局、元の布陣とメンバーに戻すという選択を取ったが、このやり方が一番スムーズであり、内容と結果を両立させやすい。試行錯誤の副産物として、<3-5-2>のときにスタメンから外れることが多かった両サイドバックのDF田中隼とDF阿部が消耗していないという点も、今後、効いてくる可能性はある。
■ 新戦力をどう生かすのか?課題といえるのが、1点ビハインドの後の展開。ベンチには、そのMFブルザノビッチやDF三都主、FW巻といったカードが残っていたが、有効活用できたとは言い難い。
元のメンバーに戻すと、比較的、容易に名古屋らしいサッカーを取り戻すことが出来るが、新しい選手が入ると、チームが機能しなくなる。これは、大きなマイナスポイントである。
■ なぜ、シュートを避けたのか?先制ゴールを奪った後、何度かピンチがありながらもGK広野を中心に守っていた名古屋にとっては、後半14分のMF中村憲のフリーキックからのゴールが痛手だった。
このシーンでは名古屋の壁が2枚並んでいたが、何故か、MF小川が避けて横方向にスライドしてしまった。GK広野としては、本来、壁があるはずのシュートコースであり、このコースにシュートが飛んでくるとは予想できなかったのだろう。全く、反応することは出来なかった。
試合後に、MF小川は「自分のミス」と語っているが、なぜ、壁に入っていながら避けてしまったのかは、理解に苦しむところである。「絶対に同点ゴールを許したくない。」という感情があれば、死に物狂いでシュートに向かって行ったはず。批判されても仕方がない。
■ 悩める背番号「10」小川佳純昨シーズンはJ1のベストイレブンと新人王を受賞。33試合で11ゴールと躍進し、日本代表候補にも選ばれたMF小川であるが、今シーズンは思うようなシーズンを過ごせていない。
MF小川の持ち味はアグレッシブなプレーであり、昨シーズンは、思い切りのいいシュートが何度もゴールを導いたが、今シーズンは、終始、迷いながらのプレーになっている。<3-5-2>のときは、右ウイングバックでのプレーを求められているが、この場合は、なおさら、彼の持ち味は発揮されない。
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