■ 再開のJリーグ前半戦で2位という成績を残した名古屋グランパスがホームの瑞穂競技場に鹿島アントラーズを迎えた試合。
名古屋はMF中村直が出場停止で、さらにMFマギヌンも不祥事のため3試合の出場自粛中。<4-4-2>でGK楢崎。DFバヤリッツァ・増川・吉田・阿部。MF吉村・山口・小川・深井。FWヨンセン・玉田。注目のMFマギヌンの代役は、FW杉本ではなくMF深井。
対する鹿島は<4-4-2>。GK曽ヶ端。MF内田・伊野波・岩政・新井場。MF青木・小笠原・本山・野沢。FW田代・マルキーニョス。
■ 意外な大差試合は前半早々にスローインからFWマルキーニョスが決めて鹿島が先制する。その後、名古屋はMF小川の落としからFWヨンセンがネットを揺らすがオフサイドでノーゴール。
すると、鹿島は前半28分にMF小笠原が見事な左足のミドルシュートを決めて2対0と突き放す。2点リードを奪われた名古屋は、前半にFW玉田の突破からPKを獲得するが、そのPKをFW玉田がふかして失敗。前半は2対0の鹿島リードで折り返した。
後半の立ち上がりは名古屋が攻め立てるが、クロスの精度を欠いてゴールを奪えない。すると、後半34分にMFダニーロのスーパーミドルで鹿島が3対0とリードを広げると、さらにDF内田の突破からFWマルキーニョスがダメ押しのゴールを決めて4対0。意外な大差の付いた試合は、鹿島が勝利した。
■ 大きかった小笠原のゴール大分戦から中二日という不利な状況であった鹿島だが、前半早々にFWマルキーニョスのゴールで先制すると、前半28分にMF小笠原のゴールで追加点。結果的には、このMF小笠原の2点目のゴールが大きく、その後は慎重に試合を運んで、しっかりとした守備ブロックを形成した。
オリベイラ監督は、後半開始からMFダニーロを投入するなど、名古屋のセットプレーでの高さ対策を行う盤石の試合運びを見せて、無失点でクローズさせた。
■ マルキーニョスと田代鹿島はFWマルキーニョスが2ゴール。FW田代は決定的なチャンスを外すなどのノーゴールに終わったが、この2トップが勝利に大きく貢献した。
今シーズンの開幕からのFWマルキーニョスの活躍は改めて述べる必要もないが、彼の豊富な運動量と献身的な守備、さらにはここ一番での得点力は鹿島の大きな武器であり、充実したシーズンを送っている。
相棒のFW田代も、この試合では、DF増川とDF吉田という名古屋の高いセンターバックコンビを相手に、ほとんどの場面で空中戦で勝利するなど、前線で大きな役割を果たした。ここ最近は日本代表からも遠ざかっているが、再び、候補に入ってきてもおかしくない。
■ 紙一重の差結果的には4対0という差がついたが、名古屋の内容は悪くはなかった。ビハインドを背負ったが、むしろ、試合の主導権を握っていたのは、終始、名古屋であり、確実にチャンスシーンで決めていれば、これほどの大差にはならなくて、勝敗が逆になっていた可能性も十分にあった。
ただ、試合勘の問題なのか、MFマギヌンとMF中村直を欠いていた影響からなのか、後半15分過ぎ辺りから次第に動きが悪くなって、巻き返す力を失っていった。
■ ショッキングな敗戦から・・・名古屋としてはショッキングな敗戦ではあったが、まだシーズンは長い。この敗戦を受けて、次の試合でどう立て直して来るか、今シーズンの大きな分かれ目となるだろう。
試合内容を見る限り、全く悲観する必要はないが、ネガティブな考えが生まれてもおかしくない結果である。今シーズンのこれまででつかんだ自信が如何ほどのものであったのか、たった1試合で失ってしまうほどの些細なものであったのか、否か。ストイコビッチ監督の腕が試される。
■ 大きかった中村直志の存在MFマギヌンの代わりに入ったMF深井は、かなりキレのあるプレーを見せており、何度もゴールにも迫っていて、出来は悪くなかった。リーグの前半戦の戦いぶりを見る限り、MFマギヌン自体が完全にチームにフィットしていたわけではなったので、戦力的なプラス・マイナスで見ても、それほどマイナスとはいえない。
ただ、やはりMF中村直の出場停止は大きかった。代役のMF山口も運動量豊富に頑張ったが、タイプが全く異なる選手であり、MF中村直のようなラストパスを期待するのは難しい。リーグ前半の名古屋は、サイド攻撃に加えて、中盤の底から繰り出されるMF中村直のパスがたくさんの決定機を作っていたが、それがこの試合では見られず、単調な攻撃に陥ってしまった感がある。
幸いにもMF中村直は次の試合からスタメンに復帰するはずで、彼が戻ってくると、状況は大きく変わることは間違いない。
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