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【群馬×甲府】 5位浮上。チームを支えるのはMF野津田岳人とMF山田陸のダブルボランチ。 | | |　

■　J2の第29節

J2の第29節。7勝13敗8分けで勝ち点「29」のザスパクサツ群馬はホームの正田醤油スタジアム群馬でヴァンフォーレ甲府と対戦した。甲府は13勝6敗9分けで勝ち点「48」となる。16位の群馬は残留争いに巻き込まれているが久藤監督になってからは3勝1敗3分けと好調。監督交代で流れは変わった。一方の甲府は6位。2位の京都との差は「10」。28節は直接対決で京都を下してその差を縮めることに成功した。

ホームの群馬は「4-2-2-2」。GK清水慶。DF吉永昇、大武、畑尾、小島雅。MF岩上、中山雄、青木翔、久保田。FW北川柊、進昂平。24試合で2ゴール7アシストのエースのFW大前は5試合連続でベンチ外。FW大前、MF田中稔、DF渡辺広の3人はいずれも主力として起用されていたが8月22日(日)に行われた山口戦(H)からずっと欠場が続いている。監督交代後はFW北川柊やFW進昂平などの出番が増えている。

アウェイの甲府は「3-4-2-1」。GK河田。DF浦上、新井涼、メンデス。MF山田陸、野津田、荒木翔、須貝、宮崎純、長谷川元希。FWウィリアン・リラ。3対0で大勝した28節の京都戦(H)と全く同じスタメンとなった。21歳のMF宮崎純は先の京都戦(H)で1ゴール1アシストと躍動した。チーム最多の10ゴールを挙げているドリブラーのMF泉澤は2試合連続で欠場。FWウィリアン・リラは18試合で4ゴールを挙げている。

■　前節に続いて3対0で大勝した

試合は開始早々の前半6分に甲府が右サイドのCKを獲得するとMF野津田が蹴ったボールをCBのDF浦上が合わせてアウェイの甲府が先制に成功する。オフにJ3の長野から加入したDF浦上は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。1点を追う群馬は前半14分にFW進昂平が抜け出してネットを揺らしたがオフサイドの判定でゴールは認められなかった。甲府はいくつか2点目のチャンスを作ったが決められなかった。

1対0で迎えた後半1分に左サイドの奥からMF須貝がクロスを入れると中央でFWウィリアン・リラが起点になって右側にいたMF荒木翔にパスを出すとMF荒木翔が得意の左足で豪快に決めて大きな追加点を奪った。MF荒木翔は今シーズン2ゴール目となった。直後に群馬は右SBのDF吉永昇に決定機が訪れたが決められず。2点を追う群馬は後半11分にFW高木彰、後半20分にMF内田達とDF高橋勇を投入する。

ゴールを目指した群馬だったが後半22分にMF荒木翔のクロスからゴール前に入って来たFWウィリアン・リラが押し込んで甲府がダメ押しの3点目を奪った。FWウィリアン・リラは1ゴール1アシスト、MF荒木翔も1ゴール1アシストの活躍だった。後半43分に群馬はMF久保田がヘディングシュートを放ったが惜しくもポストに直撃する。3対0で大勝した甲府は2連勝。2連敗となったFC琉球を抜いて5位に浮上した。

■　意外と波の激しいシーズン

今シーズンの甲府は意外と波の激しいシーズンになっており、13節以降の成績は「3連勝→4試合勝ちなし→4連勝→4試合勝ちなし→2連勝」となる。上位チームに離されかけると連勝して一気に勝ち点を縮めるというのが今シーズンの甲府のパターンになっているが今回も4試合勝ちなしの後、2連勝してリカバーに成功しつつある。28節の京都戦(H)に続いて3対0で大勝したが内容的には京都戦(H)の方が良かった。

この日は群馬にチャンスを作られる場面は多かった。リードを奪った後の後半の終盤の戦いも良くなかったがそれでもしっかりと3ゴールを奪った。J2は3位以下が混戦になっているが得失点差が「+15」から「+18」になったのは大きい。首位の磐田は「+21」、2位の京都が「+22」、3位の新潟が「+20」、4位の町田が「+20」なので上位4チームとの差はほとんどない。2試合で「+6」を稼げたのは大きい。

フォワードの軸として期待されるFWウィリアン・リラが1ゴール1アシストと活躍した。合流が遅れた影響もあってゴール量産とはいかないが19試合で5ゴール2アシストなので数字的にはまあまあである。185センチとサイズに恵まれているがパワーがあって前線で起点になるプレーは出来る。アシストの場面は自らシュートを打つことも出来たがより体勢のいいMF荒木翔を使った。見事な判断だったと言える。

今後の日程を見ると9月末～10月にかけては新潟・山形・FC琉球・長崎など同じような立ち位置のチームとの対戦が多い。生き残りをかけた大事な試合が続くがMF野津田とMF山田陸のWボランチはいいプレーを続けている。どちらも運動量が多くてパスも正確。周りをうまく使えるのも大きな魅力と言える。両選手ともマイボールになったときは適切なポジションを取ってスムーズなビルドアップに大きく貢献している。

■　主力選手を欠いた状態での試合

敗れた群馬は久藤監督になって2敗目となった。3試合勝ちなしでまたしても降格ゾーンが気になるポジションに落ちてしまったが内容的にはまずまず良かった。こちらもしっかりとパスを回してチャンスを作ろうとしたがシュート数は群馬は13本、甲府が14本。ほとんど差はなかった。甲府はしっかりとチャンスの場面でシュートを決めて試合の主導権を握ることに成功したが群馬のサッカーも悪くはなかった。

FW大前、MF田中稔、DF渡辺広という主力選手を欠いた状態で試合を行っているがFW進昂平、MF青木翔、DF大武などチャンスを与えられた選手がまずまずのプレーを見せている。FW進昂平は5試合連続でスタメン出場中。奥野監督のときは出番が少なかったが久藤監督のサッカーをうまく理解してキープレーヤーになっている。2トップの一角でプレーしているが下がってボールを受けて起点になることが出来る。

26節の山口戦(H)で今シーズン2ゴール目を挙げたが、当然、FW大前やMF田中稔などが戻ってくるまでに分かりやすい結果を残して信頼を勝ち取りたい。群馬で中盤の要になっているのはMF岩上になる。キックの精度が高くて展開力があるのでここから攻撃がスタートするケースは多い。右SBのDF吉永昇は3試合ぶりのスタメンだった。持ち味である攻撃の部分で良さを出したが最後のフィニッシュが決まらなかった。