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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 再生可能エネルギーの 光と影 ①
2014-02-01-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 脱原発・脱原油の切り札 = 東京都知事選でも、原発に依存するかどうかが大きな論点になっている。ただ舛添候補や安倍首相のように「原発は捨てられない」と考えている人たちも、仮に原発がなくてもやって行ける保証があるとしたら、原発ゼロ論に賛成するに違いない。その保証ができるようになるかどうかのカギは、再生可能エネルギーが握っている。

再生可能エネルギーというのは、自然の力で常に補充され枯渇することがないエネルギー。自然エネルギーあるいはグリーン・パワーとも呼ばれる。具体的には太陽光・太陽熱、風力、水力、波力・潮力、地熱、バイオマスなど。もし、こうした再生エネルギーで必要な電力を生み出せれば、原子力はもちろん、有害ガスの発生源となる原油などの化石燃料も使用しないで済むことになる。

歴史は意外に古い。たとえば太陽光発電は、1954年にベル電話研究所の科学者が、半導体に光を当てると発電することを偶然に発見したのが始まり。58年にはアメリカ海軍が、人工衛星バンガード1号で使用して成功した。1973年の石油ショックで注目度が飛躍的に高まり、21世紀に入ると本格的な開発競争が始まっっている。

日本政府も普及を促進するために、いろいろな手を打ってきた。特に12年7月に始めた電力会社による強制買い取り制度によって、太陽光発電はいちじるしい伸びを示している。しかし半面では、大きな問題もいくつか見えてきた。再生可能エネルギーの光と影を、じっくり観察してみよう。

                       (続きは来週サタデー)


    ≪31日の日経平均 = 下げ -92.53円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-02-02-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ①

◇ 景気の状態を最もよく反映 = 最近は新聞を広げると、失業率の記事がよく目につきます。アメリカでは失業率が下がったために、ニューヨークの株価が暴騰したとか。ヨーロッパでは失業率が下がらないので、民衆が政府に抗議するデモを行ったとか。とにかく景気がよければ失業率は下がり、悪ければ上がります。失業率は、景気の状態を最もよく映し出す経済指標なのです。

たとえば日本の失業率をみてみましょう。ごく最近の失業率は4%をやや下回っています。リーマン・ショックと呼ばれる金融界の大事件で、09年は世界中が不況に見舞われました。そのとき日本の失業率は5.5%にまで上昇しています。それが昨年からの景気回復で、ここまで下がってきたわけです。

日本の経済が速いスピードで発展していたころの失業率は、どうだったのでしょう。東京オリンピックが開かれた1964年(昭和39年)ごろの失業率は1.2%ほどでした。また25年前の1989年(平成元年)の失業率は、だいたい2.3%ぐらいになっています。それに比べれば、最近の失業率はまだ高いとも言えるでしょう。

景気が悪いと失業者が増えて、失業率が上がってしまう。つまり失業率というのは、失業者の割合です。でも何に対する割合なのでしょうか。また失業者というのは、正確に言うとどういう人を指しているのでしょうか。来週からは、そんな勉強を始めましょう。

                         (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-02-03-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大揺れの株式市場 = 先週の株式市場は売り買いの大波が交錯、振幅の激しい展開となった。FRBが金融緩和の縮小を一歩進めたため新興国の経済が動揺、これが最大の売り材料となったニューヨーク市場。その一方ではアメリカの実体経済が堅調なことから、株価が下がると押し目買いも頭を出す。しかし売り圧力の方が勝り、ダウ平均は週間180ドル値下がりした。

新興国経済への不安が高まり、海外投資家はリスクを薄めるために日本株も売ってきた。だが東京市場でも、下値では国内の個人投資家が買いを入れる。このため海外ファンドの売りと国内投資家の買いが交錯、先週の東京市場は300円を超える値幅での取り引きが連日続いた。日経平均は週間477円の値下がり。また1月中の下げ幅は1377円に達した。

アメリカ経済の一部にはバブル的な症状も見られるから、FRBとしては緩和政策の縮小を続けるしかなかったのだろう。しかし新興国の経済には、それが悪影響を及ぼす。この矛盾する状態から抜け出すには、アメリカ経済の強い回復ぶりが明示される以外に方法はない。その意味で、アメリカ企業の収益増加と今週7日に発表される1月の雇用統計が、株価反転の大きなカギになるだろう。

今週は3日に、1月の新車販売台数。5日に、12月の毎月勤労統計。7日に、12月の景気動向指数。アメリカでは3日に、1月の新車販売台数とISM製造業景況指数。5日に、ISM非製造業景況指数。6日に、12月の貿易統計。そして7日には、1月の雇用統計が発表される。


    ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ

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喜べるのか? 物価の上昇
2014-02-04-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円安と駆け込み需要の結果 = 総務省は先週31日、昨年12月の消費者物価を発表した。それによると、総合指数は前年比1.6%の上昇。生鮮食品を除く指数は1.3%の上昇だった。この結果、13年の総合指数は0.4%と5年ぶりの上昇を記録した。これについて麻生財務相は「安倍内閣による経済政策の成果だ」と胸を張った。

だが12月の統計をよく見ると、決して喜べないことが判る。まずエネルギーが前年比6.8%も上昇した。電気代は8.2%、灯油は11.3%、ガソリン代は7.1%値上がりした。このエネルギー価格の上昇だけで、総合指数1.6%上昇の約6割を占めている。景気の回復でエネルギー消費量は増えたかもしれないが、そのほとんどの要因が円安の影響にあることは間違いない。

円安による輸入価格の上昇は、食料品の値段も押し上げた。食料品は2.2%の上昇。さらに外国パック旅行も10.3%上昇した。このほか家庭用耐久財やテレビなども値上がりしたが、ここでは消費増税を前にした駆け込み需要の影響があるに違いない。これらの物価上昇が、どの程度まで景気回復に伴う需要増加によるものかは判然としない。

要するに物価上昇の大半は、円安と駆け込み需要によるものではないのか。この消費者物価上昇を報じた新聞紙面には、年金の支給額が4月から0.7%減額されることも大きく載っていた。景気回復の影響があまり認められない物価上昇に、年金の減額。この状況を「政策の成果」だと強調するのは、いかがなものか。


    ≪3日の日経平均 = 下げ -295.40円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ

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2月7日という日 / アメリカ
2014-02-05-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 雇用統計と政府債務の上限 = あさって7日はソチ・オリンピックの開会式。世界の目はロシアに集まるが、この日はアメリカにとっても重大な日となるに違いない。まず1月の雇用統計が発表される。昨年は雇用者数が毎月20万人近く増加して、雇用の順調な改善を世間に印象付けてきた。それが12月は激減して10万人を割り込んでいる。

もし1月の結果が芳しくなければ、アメリカ経済には警戒感が一気に広がるだろう。逆に内容がよければ、12月の落ち込みは一時的なもの。景気の先行きには明るさが戻るだろう。いま下げに転じたニューヨーク株式も、反転に向かう公算が大きくなる。新興国経済に対する不安も、解消に向かう。

もう1つ、7日にはアメリカ政府の債務残高が、法律で決められた上限に達する。仮に議会が債務上限の引き上げ法案を通さなければ、政府は新たな資金の調達ができなくなる。やりくりで1か月ぐらいは何とかなりそうだが、国庫にカネがなくなれば国債の償還が不能に。いわゆるデフォルト(債務不履行)に陥る。

ねじれ議会のなかで与野党は12月に妥協し、予算だけは通過させた。これで政府機関の閉鎖は免れたが、債務上限の引き上げでは全く妥協の気配がみられない。共和党は、社会保障制度の抜本的な改革による財政赤字の削減を求めて譲らない。一方のオバマ大統領は、無条件での引き上げを強く主張している。アメリカは7日以降、デフォルトの悪夢に再びうなされそうだ。


    ≪4日の日経平均 = 下げ -610.66円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 

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売れすぎる自動車 : 怖い反動減 (上)
2014-02-06-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 軽自動車は32%増加 = 自動車販売業界の集計によると、1月の新車販売台数は49万6000台だった。前年同月より29.4%増加している。このうち普通車は29万2000台で27.5%の増加、軽自動車は20万4000台で32.1%増加した。特に軽自動車は、全メーカーが2ケタの伸びを記録している。

こうした快調な売れ行きは、消費増税前の駆け込み購入によるところが大きい。普通車については4月から、取得税が現行の5%から3%に減税される。しかし消費税が3%引き上げられるので、結局は1%の増税に。軽自動車は取得税が3%から2%に減税されるが、保有税が年間7200円から1万0800円に上がる。さらに消費増税が加わるので、駆け込み購入が大きくなったようだ。

昨年の新車販売台数は537万台、前年比では0.1%の伸びにとどまった。前半はエコカーに対する補助金が打ち切られた影響で前年割れが続いたが、後半は景気の回復もあって増加に転じている。普通車は10月ごろから、軽自動車は9月ごろから売れ行きが急増し始めた。このあたりから、駆け込みの影響が出始めたようである。

日本の自動車産業は昨年、海外での販売が好調で、メーカー8社の世界生産台数は2552万台に達した。特にアメリカやアジア諸国での販売増加がいちじるしい。そこへ国内でも駆け込み需要が発生したわけで、各社は増産体制を強化している。しかし駆け込み需要が大きければ大きいほど、4月以降の反動減は大きくならざるをえない。

                        (続きは明日)


    ≪5日の日経平均 = 上げ +171.91円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ

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売れすぎる自動車 : 怖い反動減 (下)
2014-02-07-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 前回より大きい駆け込み = 消費税が3%から5%に引き上げられた97年にも、自動車に対する駆け込み需要は発生した。このため97年の新車販売台数は、前年より101万台少なくなっている。だが当時は、増税前の販売増加率は16%程度。今回の増加率は景気回復の影響もあるが、倍の30%に達している。

自動車工業会は1月末、駆け込み需要の反動が出て、14年の新車販売台数は485万台に減るだろうという予測を発表した。前年比では9.8%の減少になる。普通車は300万台、軽自動車は185万台になるという見通しだ。この予測では反動減の大きさを前回97年の場合よりも小さくみているが、はたしてどうだろうか。

日本の自動車メーカーは海外での現地生産化を推し進め、国内での生産は現在36%にすぎない。しかし経済全体に占める比重は、まだ非常に大きい。たとえば自動車産業がGDPに占める割合は2.4%、就業者数は115万人にのぼっている。したがって駆け込みの反動による販売減少に対応してメーカー各社が減産すると、景気は確実に下降する。

もう1つ重要なことは、反動による販売の減少がどこまで尾を引くかという期間の問題だ。自動車業界では6月ごろまでという見方が強い。しかし仮に7月・8月まで続くようだと、7-9月期のGDP成長率は鈍化したままになる。そうなると、来年10月に予定する消費税10%は難しくなるのではないか。反動減の現象は自動車に限ったことではないが、やはり新車販売の動向が最大のカギになると思う。


    ≪6日の日経平均 = 下げ -25.28円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 再生可能エネルギーの 光と影 ②
2014-02-08-Sat  CATEGORY: 政治・経済
固定買い取り制度の威力 = いま世界中で多くの国が、再生可能エネルギーによる発電を促進するための政策を発動している。その方策は大きく分けて2つ。1つは設備投資に対する補助金の支給。もう1つは生産した電力を、既存の電力会社に強制的に買い取らせる固定買い取り制度の導入だ。

企業や個人が発電設備を設置する際に、国が補助金を出せば投資コストを引き下げられる。そのうえ発電した電力を一定の期間、同じ価格で買い取ってもらえれば投資額の回収が非常に楽になる。この制度を1990年に、いち早く導入して成果をあげたのはドイツだった。

日本でも12年7月から始まったが、その威力は強烈だ。経済産業省の集計によると、制度がスタートする前の12年6月末の再生可能エネルギー設備導入量は560万㌔㍗。それが制度開始から14か月後の13年10月には1126.6万㌔㍗に、ほぼ倍増している。

ところが、この増加分の97%は太陽光発電だった。コストが安く、ヨーロッパ諸国やアメリカでは主流となっている風力発電は、この間にわずか7万㌔㍗、1.2%しか増えなかった。買い取り制度は予想以上の威力を発揮したが、結果は太陽光偏重という現象を生んだ。政府が期待した風力発電のネックも明らかになった。

                        (続きは来週サタデー)


    ≪7日の日経平均 = 上げ +307.29円≫

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-02-09-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ②

◇ 減ってきた失業者 = 失業者というのは、ふつう「仕事をしていない人」だと考えられています。でも、これだと意味がとてもあいまいです。たとえば小学生や中学生は、ふつう仕事をしていません。しかし失業者ではありませんね。また病気で働くことができない人。あるいは大金持ちなので、働かずに遊んで暮らしている人。こういう人たちも、失業者とは言いません。

経済の世界では、失業者の意味を次のように決めています。まず満15歳以上で、仕事についていない人。そうした人のなかで、仕事を探しており、仕事があればすぐに仕事をしようと考えている人。これが失業者で、正確には完全失業者と呼ばれています。

ですから仕事をしたくても病気でできない人や、仕事をしようと思わない人は、失業者ではありません。また14歳以下の人は入りませんから、仕事をしたいと考えていても小学生や中学生は当てはまらないのです。

いちばん新しい統計である昨年12月の数字をみると、完全失業者は225万人でした。この人数は1年前に比べると、34万人減っています。このところ景気の回復が続いている結果ですね。失業率も12月は3.7%で、前年より0.5ポイント下がりました。では、失業率とは何か。次回に勉強しましょう。

                     (続きは来週日曜日)
         
          
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今週のポイント
2014-02-10-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ NYは上昇、東京は下落 = 注目されたアメリカの1月・雇用統計は、まことに中途半端な結果に終わった。非農業雇用者の増加数は11万3000人。事前予想の17万人を大きく下回ったが、12月の7万5000人(改定値)は上回った。ほかにも新車販売の減少や製造業の景況感が落ち込むなど、悪い指標が出ている。ただ、どこまで大寒波の影響を受けているのかが見極めにくい。

雇用統計の発表を受けて、ダウ平均は週末に上昇。先週は95ドルの値上がりとなった。雇用の改善は一休みの形となったが、寒波の割には多少とも改善したという評価に加えて、FRBの金融緩和縮小が遠のいたという期待がまたまた復活したためである。

日経平均の方は先週452円の値下がり。海外投資家がリスク回避のため資金を回収、国内投資家もアメリカの雇用統計を警戒して利益確定に走ったからである。結果的にみると、東京市場は弱気になりすぎたのではないか。このため最高益の続出を伝える新聞紙面に、株価の大幅安を報じる記事が同居する異常な現象が何度か見受けられた。今週はムードが変わるかどうか。

今週は10日に、12月の国際収支と1月の景気ウォッチャー調査。12日に、12月の機械受注と第3次産業活動指数。13日に、1月の企業物価。アメリカでは13日に、1月の小売り売上高。14日に、1月の工業生産と2月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表になる。また中国は12日に、1月の貿易収支。14日に、1月の消費者物価と生産者物価。EUが14日に、10-12月期のGDP速報を発表の予定。


    ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ

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国際収支の黒字 消える !
2014-02-12-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 13年後半は赤字に = 財務省は10日、13年の国際収支を発表した。それによると、経常収支は3兆3061億円の黒字だった。この黒字額は前年比で31.5%の減少、比較が可能な1985年以降では最も小さい。貿易赤字の拡大が主たる原因。輸出が9.0%の増加だったのに対し、輸入は15.4%も増加した。

新聞各紙は、この発表を「黒字、過去最少に」とか「85年以降で最小」といった見出しで報道している。しかし発表の内容をよく読むと、事態はそれどころではないことが判る。13年を前半と後半に分けてみると、1-6月期の経常収支は3兆3131億円の黒字だった。

財務省はまだ7-12月期の数字を発表していない。しかし13年全体の黒字額から1-6月期の黒字額を引いてみれば、7-12月期の数字はすぐに計算できる。その結果は、なんと70億円の赤字!。わずかではあるが、昨年後半の経常収支は赤字に落ち込んだのだ。

貿易収支はすでに18か月連続の赤字、しかも赤字幅は拡大する傾向にある。もう日本は“貿易立国”とは言えなくなった。そのうえ国際収支まで赤字が続くようになれば、これは一大事。都知事選も終わったことだし、安倍首相も原発再稼働に向けて決断を下す必要があるのではないか。


    ≪10日の日経平均 = 上げ +255.93円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ

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人数は急増、給与は減少 / パートタイマー
2014-02-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 給与は正規社員の4分の1 = 厚生労働省が集計した13年の勤労統計によると、月平均の給与総額は31万4150円だった。前年比では、わずかに23円増えている。最高だった1997年の37万1670円に比べると、5万7520円も減った。なぜ、こんなに減少したのだろう。

不況で給料が上がらなかったことが、最大の原因だ。だが、ほかにも大きな理由がある。それはパートタイムで働く人の数が急増、その人たちの給与はむしろ下がっている点にある。就業形態別にみると、フルタイム労働者は3255万人で、前年より0.1%減った。その一方でパートタイム労働者は1356万人、前年比3%の増加となっている。パートの比率は過去最高の29.41%に上昇した。

フルタイム労働者の給与は、月平均40万4743円で前年より0.7%増加した。ところがパートの給与は9万6630円で、前年より0.6%減少している。全体の3割近くに増えたパート労働者の給与が下がったために、全体の給与水準は上昇しにくい。これが現実だ。

安倍首相は、財界首脳に対して「経済を好循環に乗せるためには賃上げが必要だ」と強く主張している。確かにそれも必要だが、大企業の給与だけが上がっても“好循環”は生まれないだろう。中小企業やパートタイマーの給与を上げるには、どうしたらいいのか。それを目指した政策が欠けているような気がしてならない。


    ≪12日の日経平均 = 上げ +81.72円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

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危険な “ギョーザ”競争
2014-02-14-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 宇都宮市では感謝祭も = 栃木県宇都宮市がギョーザ購入額で日本一になった。静岡県浜松市に抜かれていたが、3年ぶりに日本一の座を奪還。地元では今週末、感謝祭が行われ、お神輿まで出る騒ぎだという。単純に「おめでとう」と言いたいが、このお祭り騒ぎには危険な側面がある。

ギョーザ日本一の根拠は、総理府の家計調査にある。この調査で13年の1世帯当たりのギョーザ購入額が、宇都宮市で4919円に。浜松市を764円上回った。家計調査というのは、全国の約9000世帯を対象に、毎月の収入・支出・貯蓄などを詳細に調べている重要な経済統計。

断わっておくと、総理府がギョーザ日本一を認定しているわけではない。新聞やテレビが独自に、家計調査の支出項目にあるギョーザの毎月の購入額を合計してニュースに仕立てあげている。だからラーメンでも寿司でも、同じように日本一を作り出すことができる。

人口の大きさからみて、宇都宮市や浜松市で調査の対象になる世帯は100軒に満たないだろう。マスコミの扇動に乗ってお祭り騒ぎが始まった状況下で、これら調査対象世帯の一部がギョーザの購入額を水増しして提出する可能性はないのだろうか。そんなことになれば、調査の信頼性は地に落ちる。悪意はないかもしれないが、マスコミはこうした手段でのニュース作りは止めた方がいい。


    ≪13日の日経平均 = 下げ -265.32円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 再生可能エネルギーの 光と影 ③
2014-02-15-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 風力のカベは規制だった = 政府のエネルギー・環境会議が発表した試算によると、電力1㌔㍗時当たりのコストは風力発電が9.9-17.3円。太陽光発電は30.1-45.0円だった。LNG(液化天然ガス)火力の10.7-11.1円に比べると、風力なら対抗できるが、太陽光は高すぎることが判る。

風力発電はコストの安さを武器に、海外諸国では自然エネルギー発電の主力となっている。日本政府も固定買い取り制度の発足で、風力発電は普及すると考えていた。だが期待は見事に裏切られ、風力発電設備は全く増加しなかった。初期投資額が大きいということもあるが、風力のカベは各種の規制にあったのだ。

たとえば山岳地帯には国立公園に指定された地域が多く、大きな風車を建てられない。平野部では農地に指定された土地が多く、農地法で土地の転用ができない。したがって風力発電設備を建設できる場所は限られるが、こんどは送電線が近くを通っていない・・など。

環境省は、地上風力の導入可能量を全国で1億6582万㌔㍗と試算した。だが各種の規制が緩和されなければ“絵に描いた餅”。そこで政府は環境アセス期間の短縮、農地法の改正を検討することにした。また北海道では、国と民間が折半で新しい送電線を建設する。関係者は風力発電設備を30年には3000万㌔㍗に増やす目標を掲げているが、その成否は規制の緩和しだいだろう。

                        (続きは来週サタデー)


    ≪14日の日経平均 = 下げ -221.71円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-02-16-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ③

◇ 失業者数÷労働力人口 = きょうは失業率の計算方法について、数字を見ながら勉強しましょう。いちばん新しい昨年12月分の統計を見ると、15歳以上の人口は1億1085万人でした。この15歳以上の人口は、労働力人口と非労働力人口の2つに分けられます。

労働力人口というのは、仕事を持って働いている就業者と、働きたいけれども仕事が見付からない完全失業者の2つに分けられます。そのほかの人たち、つまり働く気持ちがなくて実際に働いていない人たちを非労働力人口と言うのです。主婦や病気で働けない人、あるいはお金持ちで働く気がない人たちが非労働力人口になります。

12月の統計でみると、就業者は6319万人でした。また完全失業者は225万人でしたから、労働力人口はその合計の6544万人ということになります。一方、非労働力人口は4541万人。ずいぶん多いですね。15歳以上の人は約6割が働き、4割が働いていないということになります。

さて、そこで失業率の問題です。完全失業率は、労働力人口に対する完全失業者の割合だと覚えておいてください。実際には完全失業者の人数を労働力人口で割って、それに100を掛けて算出し、季節的な変動をならした数字を、総務省が発表します。8月の完全失業率は3.7%でした。

                     (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-02-17-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 続くNY高・東京安 = ダウ平均は先週360ドルの値上がり、日経平均は149円の値下がり。先々週に続いて、ニューヨークは高いのに東京は安くなった。この2週間でダウ平均は456ドル上昇して1万6000ドル台を回復したのに対して、日経平均は602円も下落している。なぜだろう。

ニューヨークの場合は、市場を取り巻く環境が好転している。国のデフォルト(債務不履行)が心配された政府の債務上限問題は、共和党が妥協して上限引き上げが実現した。新興国の経済不安も小康状態に入っている。雇用者数が伸び悩んでいる問題も、記録的な悪天候が収まれば平常値に戻ると期待されている。

このようにアメリカの環境が好転したことは、日本にとっても好材料のはず。だが日本の場合は、4月の消費増税が目前に迫ってきた。その影響を見極めたい、という心理が働いていることは確かだろう。もう1つ、経常収支が赤字局面に入ってきたことの不気味さ。特に海外投資家は警戒しているのではないか。

今週は17日に、昨年10―12月期のGDP速報。19日に、12月の全産業活動指数。20日に、1月の貿易統計と2月の政府月例報告。アメリカでは18日に、2月のNAHB住宅市場指数。19日に、1月の生産者物価と住宅着工戸数。20日に、1月の消費者物価とコンファレンス・ボードによる景気先行指数。21日に、1月の中古住宅販売が発表される。


    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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景気の足を引っ張る 輸入増加
2014-02-18-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ GDP統計で一目瞭然 = 内閣府が17日発表した昨年10-12月期のGDP統計。その低さを見て驚いた人は、多かったに違いない。実質成長率は前期比わずか0.3%、年率でも1.0%という結果だった。事前の民間予想は平均値で2.7%だったから、予想を大きく下回っている。個人消費や住宅投資は順調に伸びたが、輸入の増大が成長率を鈍化させてしまった。

内容を年率換算値でみると、個人消費は2.0%、住宅投資は17.8%、設備投資は5.3%増加した。これらの数値は、景気がきわめて順調に回復していることを示している。また公共投資も9.3%の増加。内需全体では、実質成長率を0.8ポイント押し上げたと試算されている。ところが輸出が1.7%の増加だったのに対して、輸入は14.9%も増大。外需が成長率を0.5ポイント引き下げた。

13年の実質成長率は1.6%という結果になった。12年の1.4%をわずかに上回ったが、その形はよくない。四半期別にみると、前期比で1.2%→1.0%→0.3%→0.3%と、右肩下がりになっている。その半面で、輸入は1.1%増→1.8%増→2.4%増→3.5%増と右肩上がりだ。輸入が成長率を食いつぶしている姿が、よく判る。

輸入の増加は、よく知られているように燃料輸入が急増しているためだ。その結果として国内の購買力が海外に流出し、それが成長率の鈍化をもたらしている。安倍首相をはじめ政府・与党の首脳は、この現実をどう考えているのか。国会での論議を聞いていても、あまり伝わってこない。


    ≪17日の日経平均 = 上げ +80.08円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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最高益なのに 株価は低迷 (上)
2014-02-19-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 6社に1社が過去最高の利益 = この3月期決算で、上場企業の利益が過去最高の水準に達する見通しになった。日経新聞の予測によると、経常利益の合計額は前期比27.3%の増加、特に製造業の増益率は43.7%に拡大する。全体の6社に1社が過去最高の利益を出すというから、大企業の経営面からみる限り“デフレ”はすでに克服したと言えるだろう。

企業が高収益をあげたのは、リーマン・ショック前の08年3月決算。今回は当時の利益を確実に上回るとみられている。業種別にみても、製造業では鉄鋼、電機、自動車を筆頭に、幅広い業種が大幅増益。非製造業でも建設、住宅販売、卸・小売業などが、好決算になると期待されている。

たとえば自動車は、大手7社のうち6社が過去最高益になる見通し。7社合計の連結純利益は3兆3710億円に達し、リーマン前の3兆0254億円を超える。また5大銀行の連結最終利益は2兆6000億円を超え、リーマン前の2兆4000億円を上回る。証券の主要20社も大幅増益、なかには最終利益が前期の21倍になるところも。

現在までに上場企業の大半が、12月決算の発表を終えた。その内容は絶好調だが、より重要なことは企業自身による1-3月期の見通しである。その見通しは、おおむね上向きだ。したがって3月期決算は、最終的にさらに上方修正される可能性が大きい。ところが不思議なことに、東京市場の株価は上がらない。

                        (続きは明日)


    ≪18日の日経平均 = 上げ +450.13円≫
    
    ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ

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最高益なのに 株価は低迷 (下)
2014-02-20-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年初来2000円近い下げ = 日経平均はことしに入ってから、先週まで6週間連続して下落。この間の下げ幅は1978円に及んだ。一方、ダウ平均株価は年初来400ドルの値下がりにとどまっている。企業収益は絶好調なのに、東京市場の株価はなぜ上昇しないのだろう。

市場関係者の話を聞くと「株価はその先を警戒している」という。1-3月期は消費増税を控えた駆け込み需要もあって、景気も企業収益も上向く。したがって“その先”というのは、4月以降のことになる。つまり駆け込み需要の反動で景気の落ち込みは避けられないが、落ち込みの程度を警戒しているということになるだろう。

ところが東証が発表した1月の部門別売買状況をみると、国内の個人投資家はNISAの登場もあって1兆4000億円も買い越している。その一方で、海外投資家は1兆2000億円の売り越しとなった。つまり国内の個人投資家は、消費増税の反動をそれほど警戒していないようにも思われる。それなのに海外投資家の方が、増税の反動を強く警戒しているとは考えにくい。

海外投資家は、日本の対外経常収支が赤字化しつつあることを警戒しているのではないか。赤字基調が確認されれば、国債や円が売られる。そうなれば株価も下がるだろう。日銀はこの点を懸念して、貸し出し支援基金の規模を倍増。19日の市場はこの措置を好感して急反発した。しかし、この程度の対策で経常収支に対する警戒感は払拭できそうにない。政府が早めに、経常赤字対策を実施することが必要だろう。


    ≪19日の日経平均 = 下げ -76.71円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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活用法は公募したら / 休眠口座
2014-02-21-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年間400億円以上の財源 = 机や箪笥の引き出しに仕舞ったままの預金通帳。この通帳を10年間いちども使わないと、銀行側はこれを休眠口座に仕分けしてしまう。残高が1万円以上だと通知がくるが、1万円未満だと通知もこない。金融庁によると、こうした休眠口座は1年間に800-900億円も発生し、その4割ほどは気づいた人に払い戻されている。

したがって払い戻されない休眠口座は、毎年少なくとも400億円発生する。現在の制度では、このおカネは金融機関が利益に繰り入れてしまう。それはおかしいので、社会のために使うようにしようという議論は前々からあった。民主党政権は大震災の復興費用に使おうとしたが、政変で日の目を見ず。いまは自民・公明党が、休眠口座を活用するための立法化を急いでいる。

活用化するための問題点は3つ。まず何に使うか。次に支出財源にするのか、基金として貸出し財源にするのか。そして最大の問題点は、どこが運用するかの組織論だ。このうち使途については、低所得層の子どもの教育支援と社会的な起業の支援が取り沙汰されている。これはイギリスで実施されている制度を、そのまま導入する意見だ。

なにしろ年に400億円以上の資金が転がり込むわけだから、管理する組織は慎重に作らなければいけない。そうしないと、不正や政治家との癒着が起こりやすいだろう。何に使うかも、与党が勝手に決めてしまうのはおかしい。すでに実施されている政策と重複することはないのか。公聴会などを開いて、国民の声を反映させてほしいものだ。


    ≪20日の日経平均 = 下げ -317.35円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 再生可能エネルギーの 光と影 ➃
2014-02-22-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 利権化した太陽光発電 = 固定買い取り制度の恩恵を受けて、独り勝ちの形となった太陽光発電。順風満帆のように見えるが、ここへきて大きな問題がいくつも発生した。最大の問題は、発電設備に対する認定の利権化だ。認定だけを受けて実際には発電せず、権利の転売を画策する業者も現われた。

驚くべき数字がある。経済産業省の発表によると、買い取り制度を導入した12年7月から13年10月までの間に、認定した設備の総容量は2453万2000㌔㍗。なんと原発24基分に当たる。これらが実際に発電を開始すれば、原発ゼロ論が勢いづくに違いない。ところが実際に運転を開始したのは566万6000㌔㍗、認可分の23%に過ぎなかった。

買い取り価格は毎年引き下げられているが、認定時点での価格が保証される。このため認可を早く受けておき、発電設備の値下がりを待つという業者も多い。なかには土地も取得せずに認定だけを受けた業者や、権利を転売したケースもあった。この点については、経産省の認定条件に不備があったという批判も出ている。

こうした不都合に対して、経産省は認定条件の厳格化と認定の取り消しを実施する方針。経産省によると、認定されながら運転を開始しなかったのは約4700件。このうち悪質な約670件については、近く認定を取り消す。また土地や設備を取得していない約780件についても、詳細な調査を始めることになった。

                        (続きは来週サタデー)


    ≪21日の日経平均 = 上げ +416.49円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-02-23-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ④

◇ 就業者と雇用者の違い = 満15歳以上で働いている人、それに働きたいと思っているけれども仕事が見付からない人の合計を、労働力人口と呼ぶのでしたね。つまり就業者と完全失業者の合計です。このうちの就業者は、雇用者と自営業主・家族従業員に分けることができます。

雇用者というのは、会社やお店に勤めて給料をもらっている人たちを指しています。また自営業主というのは、たとえば自分でコーヒー店を経営したり、個人タクシーでおカネをかせいでいる人たち。給料をもらって生活しているわけではありません。

家族従業員というのは、たとえばお父さんが経営しているお店や小さい工場で働いている家族の人たちです。この場合、お店や工場が会社になっていると、家族も雇用者とみなされます。会社ではなく、家族が手伝っている場合には、給料がなくても家族従業員ということになり、統計上は就業者に入るのです。

昨年12月の統計によると、労働力人口は6544万人。このうち就業者は6319万人。雇用者は5583万人でした。就業者のうち男性は3596万人、女性は2723万人となっています。また就業者がどういう業種で働いているかをみると、製造業と卸売り・小売業が圧倒的に多く、ともに1000万人を超えて、他の業種を大きく引き離しています。

                      (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-02-24-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ことし初めての上げ相場 = 日経平均は先週553円の値上がり。ことしに入って6週連続で下げたあと、7週目で初めて上昇した。日銀が週初に貸出し支援基金の倍増を発表、市場はこれを好感して火曜日には450円と大きく上昇した。しかし効果に疑問が出て、すぐに反落。そのあと金曜日になって416円と再び大幅に反発している。

株価は6週間の下落で2000円近くも値下がりしていたから、下値拾いの買い物が入ったことは事実。だが、その割に国内投資家は動かなかったようだ。上げを主導したのは主として海外の投資家、それも特定のヘッジファンドだったと言われる。これらの海外勢が、出遅れ気味の日本株に注目し始めたのかどうか。今週の動向を見てみたい。

ダウ平均は先週51ドルの値下がり。新興国の経済不安は薄らいだが、アメリカ経済の先行きに警戒感が生まれたという。この点については、異常寒波の影響をどう評価するかが難しい。今週は住宅関連の指標がいくつも発表される。大雪の影響でいい指標が出ることは期待薄だが、それを市場がどう受け止めるか。

今週は25日に、1月の企業向けサービス価格。28日に、1月の労働力調査、家計調査、消費者物価、鉱工業生産、商業販売統計。アメリカでは25日に、12月のFHFA住宅価格とSPケースシラー住宅価格。26日に、1月の新築住宅販売。28日に、1月の中古住宅販売と10-12月期のGDP改定値が発表される。また中国が24日に、70主要都市の住宅価格を発表の予定。 


     ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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目的意識に乏しい 原子力規制委 (上)
2014-02-25-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ やっと優先順位を決めた = 原子力規制委員会は先週、やっとのことで原発の安全性審査に優先順位を付けることを決めた。いま審査中の10原発のうち、特に先行している原発を3月初めまでに1-2基に絞り込む。その最終審査を急ぐことによって、夏の電力需要期を前に再稼働できる原発を選定したいという。

原子力規制委員会は12年9月、福島第1原発の大事故を受けて、原発の安全性を科学的、客観的に審査する目的で設置された。13年6月には原発の新規制基準を決定。7月から原発再稼働の申請を受け付けている。その当時、田中委員長は「審査には半年ほどかかる」と予想していたが、実際には遅々として進まず。政府や与党内からも批判の声が上がっていた。

審査が進まなかった理由は、規制委員会が要求した資料の作成に電力会社が手間取ったこと。だが規制委員会の目的意識が定まらなかったことも大きく影響した。要するに規制委員会は「安全な原発をできるだけ早く再起動させる」のか、それとも「安全でない原発を見つけて廃炉に持ち込む」のか。どちらを目的にしているのか、どうもはっきりしなかった。

委員会の構成は委員長以下5人。その下に専門家による調査チームが置かれているが、職員は100人程度。それなのに安全度が疑われる活断層の調査に没頭したりして、安全性の高い原発の審査を急いで再起動させようという姿勢は全く見られなかった。批判の高まりで新方針を打ち出したことは結構だが、まだ規制委員会の信頼性には疑問が残る。

                       (続きは明日)


    ≪24日の日経平均 = 下げ -27.99円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

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目的意識に乏しい 原子力規制委 (下)
2014-02-26-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ その鈍さが日本を危うくする = 財務省が発表した1月の貿易収支は、実に2兆8000億円の大赤字になった。大震災前の11年1月に比べると、なんと2兆3000億円も悪化している。輸出の伸び悩みに加えて、原発の操業停止で火力発電用の燃料輸入が激増したことが主な理由。鉱物性燃料の輸入額は、11年1月に比べて1兆1000億円も増えている。

貿易でこれだけの赤字が出ると、対外経常収支も赤字になりやすい。経常収支の赤字が続けば、海外の投資家は日本経済に不安を感じ、国債や株式、それに円を売ってくる。金利は上昇し、景気は下降する。物価は上がって、国民の暮らしはどんどん苦しくなる。だから、いまは一刻も早い原発の再稼働が望まれるわけだ。

断わっておくが、安全を保証できない原発を動かせと言っているのではない。もし最も安全とみられる原発が最終審査で不合格となったら、OKを出す必要はない。ただ、そのときは太陽光や風力など自然エネルギーの開発・強化を急がなければならなくなる。そのためにも最も安全性の高い原発の最終審査を早く終える必要があるのだが、規制委員会はそのことが判っていないようだ。

規制委員会は優先順位をつけて審査する方針を発表したあとも、たとえば活断層の疑いが濃いといわれる滋賀原発や東通原発の断層調査を始めた。そんな調査はずっと後でいい。また「優先的に審査するのは、1つの電力会社で1つの原発だけ」と言っているが、そんな配慮も不必要だろう。とにかく最も安全と考えられる原発の最終審査に全力をあげてほしい。


    ≪25日の日経平均 = 上げ +213.92円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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船頭多くして・・・ / G20会議
2014-02-27-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 共通項は成長だけだった = G20(主要20か国)の財務相・中央銀行総裁会議がシドニーで開かれ、世界経済の成長率を「5年で2%以上底上げする」目標を明示した共同声明が採択された。数値目標の設定は初めての試み。11月に予定されるブリスベーンでのG20首脳会議までに、この目標を達成するための具体的な方策を練ることになった。

G20というのは、先進7か国で構成するG7に、中国やインドなど13の新興国が参加した組織。この20か国で、世界全体のGDPの8割を占めている。IMF(国際通貨基金)によると、14年と15年の世界経済は3.7-3.9%の成長見通し。GDPの底上げに成功すれば、18年の世界経済は6%に近い成長を達成することになる。

だが成長率を2%上げるための方策は、見つかるのだろうか。早くも各方面から疑問の声が上がっている。またG20の内部でも、たとえば財政に余裕のあるドイツや中国がもっと財政支出を増やすべきだという主張に、両国は「内政干渉だ」と反発。新興国からは「アメリカの金融緩和縮小は慎重に」といった要求も相次いだ。

各国の財政政策や金融政策に注文を付ければ、反発される。TPP(環太平洋経済連携協定)の成立は経済成長の促進剤になるが、G20にはTPPと関係のない国もあって触れにくい。そこでIMFと主催国のオーストラリアが「2%成長底上げ」を会議のテーマに選定した次第。成長の促進だけなら、どこの国も文句は付けにくい。船頭が多くなったG20が登った山である。


    ≪26日の日経平均 = 下げ -80.63円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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「高齢者」の定義を見直そう
2014-02-28-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 働く高齢者が増えた = 総務省が発表した労働力調査によると、13年平均の就業者数は6311万人で前年より41万人増加した。就業者数の増加は6年ぶり、景気の回復を反映した結果だろう。そのなかで目に付くのが、65歳以上の就業者数。13年平均で636万人と前年より41万人増えた。つまり高齢者の就業増がなかったら、全体の就業者数は前年並みにとどまったことになる。

これらの数字からも判るように、65歳以上の就業者数は初めて全体の1割を超えた。いま日本では少子化の影響で若い働き手が減っている。13年の統計を見ても、15-64歳のいわゆる生産年齢人口は前年より123万人も減少した。この労働力不足を補っているのが、女性と高齢者の労働力である。

こんなに頑張っている65歳以上の人を「高齢者」と称していいものか、疑問が湧いてくる。国際的にWTO(世界保健機構)が65歳以上を「高齢者」と定義した。そこから日本も人口統計では、同じ扱いをしている。医療関係の法律では、65-74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と規定して物議をかもしたことは記憶に新しい。

日本の平均寿命は女性が86.41歳で世界1位、男性が79.94歳で5位だ。高齢者ではあっても、健常な人も多い。この際、国際基準とは別に、たとえば70歳以上を「高齢者」とする日本独自の基準を設定してもいいのではないか。これによって日本人全体が実質的に5歳若返れば、労働力だけでなく財政負担の問題にも明るい展望が開けてくるのではないか。


    ≪27日の日経平均 = 下げ -47.86円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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