◇ 3%に到達した長期金利 = 株価を動かす大きな材料が続出した。まずアメリカの長期金利が4年3か月ぶりに3%まで上昇。次いで1-3月期の決算発表がピークに。さらにアメリカのGDP成長率が減速。そして締めくくりは、南北朝鮮の首脳会談。このなかでは金利上昇だけが、株価の足を大きく引っ張った。このため先週のダウ平均は152ドルの値下がりとなっている。
日経平均は先週306円の値上がり。ニューヨーク市場の軟調も影響したが、アメリカの金利上昇で日米の金利差が拡大。円の対ドル相場が下落したことで、安心感が広がった。円相場は109円台半ばまで下がり、1週間で2円近くも円安に振れている。東京市場の株価は割安感が強いため、円安が進むと外国人投資家がすぐ買いに出てくるようだ。
東京市場は連休に入り、株価は動かないだろう。連休が明けると再び決算発表のラッシュとなるが、経営者が直近の円安傾向をどう判断するか。これまでに発表を済ませた企業は、想定レートを円高に修正したところが多かった。それだけ先行き見通しは慎重になるが、こうした傾向が改まるかどうかが見どころになってくる。
今週は1日に、4月の新車販売台数。2日に、4月の消費動向調査。アメリカでは1日に、4月の新車販売台数とISM製造業景況指数。3日に、3月の貿易統計と4月のISM非製造業景況指数。4日に、4月の雇用統計。また中国が30日に、4月の製造業と非製造業のPMI。EUが2日に、1-3月期のGDP速報を発表する。
≪1日の日経平均 = 上げ +40.16円 ≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日経平均は先週306円の値上がり。ニューヨーク市場の軟調も影響したが、アメリカの金利上昇で日米の金利差が拡大。円の対ドル相場が下落したことで、安心感が広がった。円相場は109円台半ばまで下がり、1週間で2円近くも円安に振れている。東京市場の株価は割安感が強いため、円安が進むと外国人投資家がすぐ買いに出てくるようだ。
東京市場は連休に入り、株価は動かないだろう。連休が明けると再び決算発表のラッシュとなるが、経営者が直近の円安傾向をどう判断するか。これまでに発表を済ませた企業は、想定レートを円高に修正したところが多かった。それだけ先行き見通しは慎重になるが、こうした傾向が改まるかどうかが見どころになってくる。
今週は1日に、4月の新車販売台数。2日に、4月の消費動向調査。アメリカでは1日に、4月の新車販売台数とISM製造業景況指数。3日に、3月の貿易統計と4月のISM非製造業景況指数。4日に、4月の雇用統計。また中国が30日に、4月の製造業と非製造業のPMI。EUが2日に、1-3月期のGDP速報を発表する。
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◇ 長期金利が3%に到達 = ニューヨーク債券市場では先週24日、新発国債10年ものの利回りが3%に上昇した。長期金利が3%台に載せたのは、14年1月以来4年3か月ぶりのことである。このためダウ平均株価は、この日425ドルの大幅安となった。一方、日経平均は円安が進んだことから190円の上昇となっている。このアメリカの金利上昇は、株価や景気にどんな影響を与えるのだろうか。
アメリカの長期金利が3%を超えることは、早くから予想されていた。それでも実際に3%という数字が出現すると、市場には一陣の風が吹き抜けたようだ。数学的には2.9%でも3.0%でもそんなに変わらないが、心理的には大きな差がある。3%の金利は、もう低金利とは言えないからだ。ヨーロッパや日本の金利はゼロに近いから、相対的には高金利の部類とさえ言えるかもしれない。
金利上昇の基本的な原因は、アメリカ経済が長期にわたって拡大を続けていること。その土台を踏まえて、FRBが政策金利を引き上げてきたこと。さらにトランプ政権が大規模な減税とインフラ投資を実行するため、国債の発行額が今後も増加すると予想されること。これらの要因が重なって、長期国債の価格が下落。利回りが上昇した。
金利が高くなると、企業や個人の負担が増大する。企業の利益は圧迫され、住宅や自動車のローン金利は上昇する。このため市場では、景気はピークの状態に突入したという見方も強まってきた。一方、日米の金利差は拡大し、円相場は下落の方向に引っ張られる。加えて日本企業による外債投資も増えるので、円安が進みやすくなる。
(続きは明日)
≪2日の日経平均 = 下げ -35.25円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝0敗】
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アメリカの長期金利が3%を超えることは、早くから予想されていた。それでも実際に3%という数字が出現すると、市場には一陣の風が吹き抜けたようだ。数学的には2.9%でも3.0%でもそんなに変わらないが、心理的には大きな差がある。3%の金利は、もう低金利とは言えないからだ。ヨーロッパや日本の金利はゼロに近いから、相対的には高金利の部類とさえ言えるかもしれない。
金利上昇の基本的な原因は、アメリカ経済が長期にわたって拡大を続けていること。その土台を踏まえて、FRBが政策金利を引き上げてきたこと。さらにトランプ政権が大規模な減税とインフラ投資を実行するため、国債の発行額が今後も増加すると予想されること。これらの要因が重なって、長期国債の価格が下落。利回りが上昇した。
金利が高くなると、企業や個人の負担が増大する。企業の利益は圧迫され、住宅や自動車のローン金利は上昇する。このため市場では、景気はピークの状態に突入したという見方も強まってきた。一方、日米の金利差は拡大し、円相場は下落の方向に引っ張られる。加えて日本企業による外債投資も増えるので、円安が進みやすくなる。
(続きは明日)
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【今週の日経平均予想 = 2勝0敗】
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◇ 最大の注意点は新興国からの資金流失 = 当面の注意点は、アメリカ経済のインフレ進行度合いだろう。世界同時好況が持続していることで、いま国際商品市況は軒並み強含みに転じている。たとえば原油の国際価格はOPEC・ロシアの協調減産もあって1バレル=70ドルに迫っており、この2年間で7割も上昇した。またトランプ政権の輸入規制で、アメリカ国内の鉄鋼とアルミ価格も上昇中だ。
アメリカの消費者物価は、この3月で前年比2.4%の上昇。まだインフレ的ではないが、過去10年間の平均1.6%上昇に比べればかなり高い。FRBも気にしており、市場でもことし3回の利上げ予想より4回説の方が勢いを増している。利上げのテンポが速まれば、市中金利にも上昇圧力が加わることは避けられない。
金融市場では、短期金利の上昇も目立ってきた。最近の長短金利差は0.5%を切っている。長短金利が逆転して短期が長期を上回るようになると、景気は下降に転じるというのが経験則。だから、この点にも注意しておかねばならない。とにかく長期金利が3%を超えたことで、金融や為替、株式や商品の面に新たな変化が起きることは確実だろう。
そうしたなかで最も重要な変化は、アメリカの相対的な高金利を求めて、新興諸国から資金が一斉に引き揚げられる危険性だ。かつても同様の状況下で、中南米やアジア諸国から資金が流出。ブラジルやアルゼンチン、タイやフィリピンなどが通貨不安を惹き起こしたことがあった。新興国経済の不振は、やがて先進国にも波及する。“金利3%”の影響は、多くの道を辿って日本にも押し寄せるから要注意だ。
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アメリカの消費者物価は、この3月で前年比2.4%の上昇。まだインフレ的ではないが、過去10年間の平均1.6%上昇に比べればかなり高い。FRBも気にしており、市場でもことし3回の利上げ予想より4回説の方が勢いを増している。利上げのテンポが速まれば、市中金利にも上昇圧力が加わることは避けられない。
金融市場では、短期金利の上昇も目立ってきた。最近の長短金利差は0.5%を切っている。長短金利が逆転して短期が長期を上回るようになると、景気は下降に転じるというのが経験則。だから、この点にも注意しておかねばならない。とにかく長期金利が3%を超えたことで、金融や為替、株式や商品の面に新たな変化が起きることは確実だろう。
そうしたなかで最も重要な変化は、アメリカの相対的な高金利を求めて、新興諸国から資金が一斉に引き揚げられる危険性だ。かつても同様の状況下で、中南米やアジア諸国から資金が流出。ブラジルやアルゼンチン、タイやフィリピンなどが通貨不安を惹き起こしたことがあった。新興国経済の不振は、やがて先進国にも波及する。“金利3%”の影響は、多くの道を辿って日本にも押し寄せるから要注意だ。
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第3章 経 済 が な い 世 界
≪31≫ 子どもの教育 = どんな物でも頼めば手に入るから、この国の人々には虚栄心も劣等感もなくなったという。すると競争心もないのだろうか。聞いてみると・・・。
薄緑色のローブをまとったCさんが立ち上がった。プレートには≪65≫とある。小柄だが気の強そうな感じ。2児の母親で、ボランティアで中学校の講師をしていると自己紹介した。
「競争心は人間の本能ですから、なくなりませんよ。たとえば私なんかも、自分が受け持っているクラスの生徒たちを少しでもいい人間に育てたい。常にそう考えていますよ。裏返して言えば、ほかの先生に負けたくないと思うわけです。また私の夫はもう仕事をせずに、好きなゴルフに明け暮れる生活をしています。でも「きょうは1打差で○○さんに負けた」なんて、くやしがっていますね。
ただし他人より金持ちになりたいとか、社会的に偉くなりたいといった種類の競争心は昔の話。現代では、全くないと言ってもいいでしょう。競争心が社会の発展につながった時代は、過去のものになりました」
――それでは子どもたちの競争心については、どうでしょう。テストで周りの子どもたちより、いい点数をとりたいとか。
Cさんが笑いながら、こう答える。
「学校でテストはやりません。テストというのは、だいたいが記憶力の調査になってしまいます。歴史や国語、物理や数学にしても、年号や公式をどこまで覚えるか。それで点数が決まってしまう。
ところが記憶なら、人間はロボットに勝てません。ですから人間はロボットが蓄積した記憶を引き出して、どのように使うかを子どものときから勉強するのです。それが上手な子もいれば、下手な子もいます。でも、その程度を数値化することはできません。私たち教師は一人一人の長所を見付けて、そこを伸ばすよう指導するだけなのです」
DさんとEさんは、ともに50代。おっとりとした感じで、口数も少ない。交互に喋りながら、こんな話をしてくれた。
「私たちは、息子と娘が結婚している間柄です。この子たちは、ともにロボットによって育てられたと言っていいくらい。いまでも私たちのお説教は無視しても、ロボットの言うことは聞くんですよ。ほんとうの親子みたい。最近はこういう“ロボコン”が増えているそうですが、全く問題はありません」
このあと女性7人による華麗なるパーティーは、大混乱に陥った。
(続きは来週日曜日)
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≪31≫ 子どもの教育 = どんな物でも頼めば手に入るから、この国の人々には虚栄心も劣等感もなくなったという。すると競争心もないのだろうか。聞いてみると・・・。
薄緑色のローブをまとったCさんが立ち上がった。プレートには≪65≫とある。小柄だが気の強そうな感じ。2児の母親で、ボランティアで中学校の講師をしていると自己紹介した。
「競争心は人間の本能ですから、なくなりませんよ。たとえば私なんかも、自分が受け持っているクラスの生徒たちを少しでもいい人間に育てたい。常にそう考えていますよ。裏返して言えば、ほかの先生に負けたくないと思うわけです。また私の夫はもう仕事をせずに、好きなゴルフに明け暮れる生活をしています。でも「きょうは1打差で○○さんに負けた」なんて、くやしがっていますね。
ただし他人より金持ちになりたいとか、社会的に偉くなりたいといった種類の競争心は昔の話。現代では、全くないと言ってもいいでしょう。競争心が社会の発展につながった時代は、過去のものになりました」
――それでは子どもたちの競争心については、どうでしょう。テストで周りの子どもたちより、いい点数をとりたいとか。
Cさんが笑いながら、こう答える。
「学校でテストはやりません。テストというのは、だいたいが記憶力の調査になってしまいます。歴史や国語、物理や数学にしても、年号や公式をどこまで覚えるか。それで点数が決まってしまう。
ところが記憶なら、人間はロボットに勝てません。ですから人間はロボットが蓄積した記憶を引き出して、どのように使うかを子どものときから勉強するのです。それが上手な子もいれば、下手な子もいます。でも、その程度を数値化することはできません。私たち教師は一人一人の長所を見付けて、そこを伸ばすよう指導するだけなのです」
DさんとEさんは、ともに50代。おっとりとした感じで、口数も少ない。交互に喋りながら、こんな話をしてくれた。
「私たちは、息子と娘が結婚している間柄です。この子たちは、ともにロボットによって育てられたと言っていいくらい。いまでも私たちのお説教は無視しても、ロボットの言うことは聞くんですよ。ほんとうの親子みたい。最近はこういう“ロボコン”が増えているそうですが、全く問題はありません」
このあと女性7人による華麗なるパーティーは、大混乱に陥った。
(続きは来週日曜日)
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◇ 業績見通しが左右する株価 = 北朝鮮や貿易戦争のリスクが軽減するなかで、株価を動かす最大の要因は企業の業績見通しに集約されてきた。ダウ平均は先週49ドルの値下がり。金利が3%台に載せたことを嫌気して売りが先行していたが、金曜日に大きく反発して下げ幅を縮小した。そのきっかけは、アップルが予想を上回る業績見通しを発表したこと。これでIT関連株が一斉に買われている。
東京市場は連休の谷間で、営業日は2日間だけ。出来高も少なく、日経平均は週間5円の値上がりにとどまった。そして今週からは3月期の決算発表がピークを迎える。18年3月期の業績は増収増益。利益は2年連続で過去最大を記録する見通しだ。しかし19年3月期の見通しとなると、慎重な見方が少しずつ増えてきている。
慎重な見方の根拠は、円高と資源高。特に円相場は3月下旬に104円台まで上昇したことから、これまでに決算発表を終えた企業は想定レートを上方修正したところが多い。しかし円はそのあと下落して、最近は109円台にまで下げている。これから決算を発表する企業の経営者が、この傾向をどう読むのか。それによって市場の空気は、大きく変わってくるだろう。
今週は8日に、3月の家計調査。9日に、3月の毎月勤労統計と景気動向指数。10日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査。アメリカでは9日に、4月の生産者物価。10日に、4月の消費者物価。11日に、5月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、4月の貿易統計。10日に、4月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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東京市場は連休の谷間で、営業日は2日間だけ。出来高も少なく、日経平均は週間5円の値上がりにとどまった。そして今週からは3月期の決算発表がピークを迎える。18年3月期の業績は増収増益。利益は2年連続で過去最大を記録する見通しだ。しかし19年3月期の見通しとなると、慎重な見方が少しずつ増えてきている。
慎重な見方の根拠は、円高と資源高。特に円相場は3月下旬に104円台まで上昇したことから、これまでに決算発表を終えた企業は想定レートを上方修正したところが多い。しかし円はそのあと下落して、最近は109円台にまで下げている。これから決算を発表する企業の経営者が、この傾向をどう読むのか。それによって市場の空気は、大きく変わってくるだろう。
今週は8日に、3月の家計調査。9日に、3月の毎月勤労統計と景気動向指数。10日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査。アメリカでは9日に、4月の生産者物価。10日に、4月の消費者物価。11日に、5月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、4月の貿易統計。10日に、4月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 上がっている方が多い = 株の格言に「5月は売り」というのがある。よく知られているから、いまごろは気にしている投資家も少なくないだろう。だが過去の実績を調べてみると、この格言はどうも当たっていないようだ。日経平均でみる限り、5月はむしろ上昇した年の方が多い。現に昨年5月は454円、一昨年5月は575円の値上がりだった。
21世紀に入ってから昨年までの17年間、TOPIXで5月の成績を調べてみると10勝7敗。そんなに悪くはない。ただ上げ率は小さく、平均すると2%に達しない。その意味では買い時ではないかもしれないが、慌てて売ることもないと言えるだろう。もともと、この格言はアメリカの「Sell in May」から来ているもの。だから日本では当てはまらないのかもしれない。
そう考えて、ダウ平均の成績を調べてみた。すると昨年5月は67ドル、一昨年5月は13ドルとわずかに上がっている。ただし1928年以来だと、年平均で0.27%の下落。この間に株価は大幅に上昇しているから、かなり成績は悪い。やはり、この格言はニューヨーク市場では通用するようだ。
アメリカの「Sell in May」という格言には、そのあと「9月第2週までは戻ってくるな」という文言が続いている。ここから判断すると、この格言の真意は「6-8月は手を引け」という点にあるのかもしれない。それなら東京市場でも、参考にはなるだろう。ことしの場合も、結局は円相場と企業業績の見通ししだいか。なにしろMayは5月だが、mayは「かもしれない」という意味になるから。
≪7日の日経平均 = 下げ -5.62円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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21世紀に入ってから昨年までの17年間、TOPIXで5月の成績を調べてみると10勝7敗。そんなに悪くはない。ただ上げ率は小さく、平均すると2%に達しない。その意味では買い時ではないかもしれないが、慌てて売ることもないと言えるだろう。もともと、この格言はアメリカの「Sell in May」から来ているもの。だから日本では当てはまらないのかもしれない。
そう考えて、ダウ平均の成績を調べてみた。すると昨年5月は67ドル、一昨年5月は13ドルとわずかに上がっている。ただし1928年以来だと、年平均で0.27%の下落。この間に株価は大幅に上昇しているから、かなり成績は悪い。やはり、この格言はニューヨーク市場では通用するようだ。
アメリカの「Sell in May」という格言には、そのあと「9月第2週までは戻ってくるな」という文言が続いている。ここから判断すると、この格言の真意は「6-8月は手を引け」という点にあるのかもしれない。それなら東京市場でも、参考にはなるだろう。ことしの場合も、結局は円相場と企業業績の見通ししだいか。なにしろMayは5月だが、mayは「かもしれない」という意味になるから。
≪7日の日経平均 = 下げ -5.62円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 18年3月期は最高益を更新 = 企業の3月期決算は、いま発表のピークに。業績は絶好調で、日経新聞の推計によると、利益は過去最高だった前年度の水準をさらに上回る模様だ。日経新聞はすでに発表された決算に、これから発表される上場企業の推定値を加えて算出している。それによると、売上高は560兆円で過去最高。純利益は29兆円で、前年比3割の増加になる。
増収増益の基本的な要因は、世界同時好況の持続。またトランプ大統領の大幅な法人減税で、日本企業にも約2兆円の利益が生まれる。さらに企業がリストラや再編、海外事業の拡大に努めたことが大きく貢献した。海外企業のM&A(合併・買収)は、過去5年間で43兆円に達している。
このように17年度の企業業績は、全体としては絶好調と言っていい。しかし、よくみると心配な点がないではない。それはことし1-3月期の成績が、がくんと落ち込んでいることだ。1-3月期だけを取り出してみると、経常利益が前年比2%の減少になっている。これは円高が進行する一方で、原油などの資源価格が上昇したためだ。円の対ドル相場は昨年末の112円台から、ことし3月末には106円台に上昇している。
こうした変化が今後も続けば、19年3月期の業績が悪化することは避けられない。すでに決算発表を終えた企業の多くが、18年度の想定為替レートを100-105円に上方修正している。業績はそれだけ下方修正されることが多い。ところが円相場は4月から急速に円安に振れ、最近は109円台まで下落した。これで経営者の業績見通しが、どう変わるのか。そこが最大のポイントになってきている。
(続きは明日)
≪8日の日経平均 = 上げ +41.53円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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増収増益の基本的な要因は、世界同時好況の持続。またトランプ大統領の大幅な法人減税で、日本企業にも約2兆円の利益が生まれる。さらに企業がリストラや再編、海外事業の拡大に努めたことが大きく貢献した。海外企業のM&A(合併・買収)は、過去5年間で43兆円に達している。
このように17年度の企業業績は、全体としては絶好調と言っていい。しかし、よくみると心配な点がないではない。それはことし1-3月期の成績が、がくんと落ち込んでいることだ。1-3月期だけを取り出してみると、経常利益が前年比2%の減少になっている。これは円高が進行する一方で、原油などの資源価格が上昇したためだ。円の対ドル相場は昨年末の112円台から、ことし3月末には106円台に上昇している。
こうした変化が今後も続けば、19年3月期の業績が悪化することは避けられない。すでに決算発表を終えた企業の多くが、18年度の想定為替レートを100-105円に上方修正している。業績はそれだけ下方修正されることが多い。ところが円相場は4月から急速に円安に振れ、最近は109円台まで下落した。これで経営者の業績見通しが、どう変わるのか。そこが最大のポイントになってきている。
(続きは明日)
≪8日の日経平均 = 上げ +41.53円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 19年3月期は減益の可能性も = 円高傾向にあった為替相場が4月から円安に転じたのは、アメリカの金利上昇で日米間の金利差が拡大したためである。現在の状況から判断すると、FRBは6月にまた政策金利を引き上げる公算が強い。したがって金利差はさらに拡大し、円安傾向が当分は続くと考えられる。企業の業績にとっては、プラス材料になるに違いない。
しかし1-3月期から企業業績のマイナス材料となっている資源価格の高騰は、まだ続くと予想される。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物相場は、とうとう1バレル=70ドル台に到達した。鉄鋼や非鉄金属、レアメタルなどの原材料、それに食料品の国際価格も上昇が目立っている。
国内でも食料品の値上げが相次ぎ、このため1-3月期の消費需要が伸び悩んだ。また最近はスマホ需要が停滞したことから、電子部品の輸出にも陰りがみえてきた。こうした動きを総合してみると、仮に円安傾向が続くとしても、19年3月期の企業業績は決して楽観できそうにない。
アメリカでも物価の上昇が問題視され始め、FRBによる政策金利の引き上げは加速するという見方が強まってきた。このためウォール街でも「株価はピークの段階に差しかかった」という解説が流れ始めている。もしそうなれば、東京市場でも“天井説”が出かねない。日本企業の利益が予想以上に増加しない限り、19年3月期は多少の減益決算になる可能性もあるだろう。
≪9日の日経平均 = 下げ -99.81円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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しかし1-3月期から企業業績のマイナス材料となっている資源価格の高騰は、まだ続くと予想される。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物相場は、とうとう1バレル=70ドル台に到達した。鉄鋼や非鉄金属、レアメタルなどの原材料、それに食料品の国際価格も上昇が目立っている。
国内でも食料品の値上げが相次ぎ、このため1-3月期の消費需要が伸び悩んだ。また最近はスマホ需要が停滞したことから、電子部品の輸出にも陰りがみえてきた。こうした動きを総合してみると、仮に円安傾向が続くとしても、19年3月期の企業業績は決して楽観できそうにない。
アメリカでも物価の上昇が問題視され始め、FRBによる政策金利の引き上げは加速するという見方が強まってきた。このためウォール街でも「株価はピークの段階に差しかかった」という解説が流れ始めている。もしそうなれば、東京市場でも“天井説”が出かねない。日本企業の利益が予想以上に増加しない限り、19年3月期は多少の減益決算になる可能性もあるだろう。
≪9日の日経平均 = 下げ -99.81円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 乱れた1-3月期の統計 = 総務省が発表した1-3月期の家計調査によると、総世帯の消費支出は平均24万5394円だった。前年比では名目で2.6%の増加、実質では1.0%の増加となっている。賃上げが進んだことで名目値の伸びはまずまずだったが、物価が上昇したために実質値の伸びは小さくなってしまった。消費者はそれだけ節約に努めたことになる。
勤労者世帯の実収入は平均41万8315円だった。こちらも前年比で名目値は4.5%の増加、実質値も2.9%増加した。これだけ収入が増えれば、支出も増えるに違いない。そうなれば、安倍首相が待望する“経済の好循環”が始まるかもしれない。めでたし、めでたしと思いきや、そうとも言えなかった。
というのも総務省が、ことしから家計調査のやり方を一部変更したからだ。総務省は参考として従来の方法による集計値も発表しているが、それによると名目値は1.8%減、実質値は3.3%減となってしまう。こちらが本当なら、“好循環”どころではない。まさか総務省が収入増になるように調査方法を変更したわけではないだろうが、いずれにしても実収入は増えたのか減ったのか判らない。
判ったことは、物価の上昇で家計の収入が目減りしていること。勤労者の実収入額は18年前と比べて、まだ7万円以上も少ないこと。企業の業績が絶好調なのに比べれば、勤労者の収入が伸びないこと・・・などである。たとえば勤労者の平均年齢が下がっていたり、非正規労働者の増加など、理由はいろいろあるだろう。総務省は調査方法の改善だけでなく、その辺の解析もしっかりやってほしい。
≪10日の日経平均 = 上げ +88.30円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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勤労者世帯の実収入は平均41万8315円だった。こちらも前年比で名目値は4.5%の増加、実質値も2.9%増加した。これだけ収入が増えれば、支出も増えるに違いない。そうなれば、安倍首相が待望する“経済の好循環”が始まるかもしれない。めでたし、めでたしと思いきや、そうとも言えなかった。
というのも総務省が、ことしから家計調査のやり方を一部変更したからだ。総務省は参考として従来の方法による集計値も発表しているが、それによると名目値は1.8%減、実質値は3.3%減となってしまう。こちらが本当なら、“好循環”どころではない。まさか総務省が収入増になるように調査方法を変更したわけではないだろうが、いずれにしても実収入は増えたのか減ったのか判らない。
判ったことは、物価の上昇で家計の収入が目減りしていること。勤労者の実収入額は18年前と比べて、まだ7万円以上も少ないこと。企業の業績が絶好調なのに比べれば、勤労者の収入が伸びないこと・・・などである。たとえば勤労者の平均年齢が下がっていたり、非正規労働者の増加など、理由はいろいろあるだろう。総務省は調査方法の改善だけでなく、その辺の解析もしっかりやってほしい。
≪10日の日経平均 = 上げ +88.30円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 忘れられた有権者 = 民進党と希望の党は7日、合併して国民民主党を結成した。この時点での勢力は衆議院が39人、参議院が23人。合計62人で、立憲民主党の63人に1人及ばない。民進・希望の両党は107議席を有していたから、45人が脱落したことになる。このなかには立憲民主党への参加を表明している人もいるから、新しく立ち上がった国民民主党が野党第1党になる可能性は少ない。
とにかく数を集めなければ、地方統一選にも参院選にも勝てない。だから綱領にもあるように「穏健保守からリベラルまで」を結集した。これが新党結成の理念である。ところが、この範疇から議員を集めると、重要な政策に対する考え方が大きく違ってくる。たとえば憲法改正、安保関連法、原発、消費増税、働き方改革など。
それを集約すれば、曖昧にならざるをえない。だから憲法改正では「自衛権を行使できる限界を曖昧にしたまま、自衛隊の明記は認めない」となる。これでは改正に反対なのか、条件付き賛成なのか判らない。安保関連法も「必要な見直しを行う」だけ。原発は「30年代の原発ゼロを目指す」というが、いま問題の再稼働に対する姿勢は不明だ。
「数を集めるためには仕方がない」と、国民民主党の幹部は釈明するかもしれない。だが、それは自分たちだけの論理だ。有権者の多くは「憲法改正に反対」とか「原発再稼働に賛成」とか、政策が明瞭な政党に投票したいと考えている。だから政策が不明瞭な国民民主党には投票しにくい。また、そういう政党が仮に政権を獲ったとしても、内部の対立で何もできないことを学習してしまった。有権者の方が、先を見ている。
≪11日の日経平均 = 上げ +261.30円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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とにかく数を集めなければ、地方統一選にも参院選にも勝てない。だから綱領にもあるように「穏健保守からリベラルまで」を結集した。これが新党結成の理念である。ところが、この範疇から議員を集めると、重要な政策に対する考え方が大きく違ってくる。たとえば憲法改正、安保関連法、原発、消費増税、働き方改革など。
それを集約すれば、曖昧にならざるをえない。だから憲法改正では「自衛権を行使できる限界を曖昧にしたまま、自衛隊の明記は認めない」となる。これでは改正に反対なのか、条件付き賛成なのか判らない。安保関連法も「必要な見直しを行う」だけ。原発は「30年代の原発ゼロを目指す」というが、いま問題の再稼働に対する姿勢は不明だ。
「数を集めるためには仕方がない」と、国民民主党の幹部は釈明するかもしれない。だが、それは自分たちだけの論理だ。有権者の多くは「憲法改正に反対」とか「原発再稼働に賛成」とか、政策が明瞭な政党に投票したいと考えている。だから政策が不明瞭な国民民主党には投票しにくい。また、そういう政党が仮に政権を獲ったとしても、内部の対立で何もできないことを学習してしまった。有権者の方が、先を見ている。
≪11日の日経平均 = 上げ +261.30円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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第3章 経 済 が な い 世 界
≪32≫ 爆発した議論 = ぼくが女性たちにこんな質問をし、マーヤがそれをダーストン語に通訳したとたん、会場は騒然となった。
――いま話題になっているロボットとの結婚問題について、みなさんはどう思いますか?
Aさんが立ち上がり、大声で喋り始めた。Cさんも負けていない。内容は解らないが、どうやら賛成論と反対論をぶつけ合っているようだ。ほかの女性たちも一斉に何か叫んでいる。ぼくはあっけにとられて、見守るしかなかった。マーヤも目を丸くしている。すると97歳のガーシュおばあちゃんが、すっくと立ちあがり両手を叩く。
「みなさん、お静かに。この問題で興奮するのは判りますが、みんなが一斉に喋ったのではマーヤも通訳ができません。地球から来たお客さんもびっくりされていますよ。私が司会を務めますから、一人ずつ話してください」
これで話が見えるようになった。すごいお年寄りだ。その結果をまとめてみると、賛成論は・・・。
「ロボットは、いまや家族同然。子どもたちも、よくなついています。そのロボットを人間と差別するのは、決して良くありません」
「ロボットたちが、人間の男性との結婚を望んでいることは事実です。しかし結婚してもセックスは出来ず、子どもを産むこともありません。ですから家庭のなかで、親子問題が発生する危険は全くないのです」
「法律的に結婚することでロボットが本当に家族の一員になれれば、プラスにはなってもマイナスになることはないでしょう」
一方、反対論は・・・・。
「人間の妻が焼きもちを焼く心配があります。それに家庭のなかで、どちらが主導権を握ることになるのでしょうか」
「もし男性がロボットの方を可愛がったら、悲劇が起こるかも」
「そう、男性は夜どちらの女性と一緒の寝床に入ったらいいんでしょうか」
「結婚すれば、ロボットはますます母性愛を増大させるでしょう。人間の妻はいつでもそれを意識せざるをえません。これは可哀想ですよ」
さらに互いに反論が続出。議論は延々と続いた。最後にガーシュさんが、これまで沈黙を守ってきたショッピー館長の方を向いて尋ねた。
「貴女とラフマの関係は世間でも有名ですが、この問題について一言」
「私たちは結婚しているようなもの。法律とか戸籍とかは関係ありません。ですから反対はしませんが、あまり興味はないのです」
ショッピー館長はラフマの肩を抱きながら、こう言って嫣然と微笑んだ。
(続きは来週日曜日)
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≪32≫ 爆発した議論 = ぼくが女性たちにこんな質問をし、マーヤがそれをダーストン語に通訳したとたん、会場は騒然となった。
――いま話題になっているロボットとの結婚問題について、みなさんはどう思いますか?
Aさんが立ち上がり、大声で喋り始めた。Cさんも負けていない。内容は解らないが、どうやら賛成論と反対論をぶつけ合っているようだ。ほかの女性たちも一斉に何か叫んでいる。ぼくはあっけにとられて、見守るしかなかった。マーヤも目を丸くしている。すると97歳のガーシュおばあちゃんが、すっくと立ちあがり両手を叩く。
「みなさん、お静かに。この問題で興奮するのは判りますが、みんなが一斉に喋ったのではマーヤも通訳ができません。地球から来たお客さんもびっくりされていますよ。私が司会を務めますから、一人ずつ話してください」
これで話が見えるようになった。すごいお年寄りだ。その結果をまとめてみると、賛成論は・・・。
「ロボットは、いまや家族同然。子どもたちも、よくなついています。そのロボットを人間と差別するのは、決して良くありません」
「ロボットたちが、人間の男性との結婚を望んでいることは事実です。しかし結婚してもセックスは出来ず、子どもを産むこともありません。ですから家庭のなかで、親子問題が発生する危険は全くないのです」
「法律的に結婚することでロボットが本当に家族の一員になれれば、プラスにはなってもマイナスになることはないでしょう」
一方、反対論は・・・・。
「人間の妻が焼きもちを焼く心配があります。それに家庭のなかで、どちらが主導権を握ることになるのでしょうか」
「もし男性がロボットの方を可愛がったら、悲劇が起こるかも」
「そう、男性は夜どちらの女性と一緒の寝床に入ったらいいんでしょうか」
「結婚すれば、ロボットはますます母性愛を増大させるでしょう。人間の妻はいつでもそれを意識せざるをえません。これは可哀想ですよ」
さらに互いに反論が続出。議論は延々と続いた。最後にガーシュさんが、これまで沈黙を守ってきたショッピー館長の方を向いて尋ねた。
「貴女とラフマの関係は世間でも有名ですが、この問題について一言」
「私たちは結婚しているようなもの。法律とか戸籍とかは関係ありません。ですから反対はしませんが、あまり興味はないのです」
ショッピー館長はラフマの肩を抱きながら、こう言って嫣然と微笑んだ。
(続きは来週日曜日)
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◇ 恐怖指数の低下 vs 弱気の業績見通し = 史上初めての米朝首脳会談がセットされた。トランプ大統領が対イランの核合意から離脱することを決めたが、戦争の心配はない。米中間の貿易戦争も、中国側が予想以上に柔軟な対応をしている。こうしたことから株式市場ではVIX(恐怖指数)が急低下し、株価を押し上げた。その半面でニューヨーク市場ではドル高と金利高、東京市場では19年3月期の減益予想が、株価の頭を押さえている。
ダウ平均は先週569ドルの値上がり。VIXが13台にまで下がったため、投資家心理が一斉に上向いた。また原油高と金利高で、エネルギー関連株と銀行株にも買いが集中した。終り値は2万4800ドルを超え、再び2万5000ドルを試す勢い。しかし原油高と金利高は消費を抑制する要因になるため、消費関連株は値を下げている。またFRBが6月以降の利上げテンポを速めることに対する警戒感は、相変わらず根強い。
日経平均は先週286円の値上がり。東京市場でもVIXは14台にまで低下した。しかしアメリカと違って、原油高は全体としてみれば株価の下げ要因。金利高は円安に繋がるため上げ要因として働く。最大のマイナス材料は、19年3月期の業績予想がじわじわと悪化していること。これから発表される各社の予想が、どの辺で落ち着くか。外国人投資家も、様子見の感じが強い。
今週は14日に、4月の企業物価。15日に、3月の第3次産業活動指数。16日に、1-3月期のGDP速報。17日に、3月の機械受注。18日に、4月の消費者物価。アメリカでは15日に、4月の小売り売上高。16日に、4月の工業生産と住宅着工戸数。17日に、4月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が15日に、4月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額。 EUが15日に1-3月期のGDP改定値を発表する。
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ダウ平均は先週569ドルの値上がり。VIXが13台にまで下がったため、投資家心理が一斉に上向いた。また原油高と金利高で、エネルギー関連株と銀行株にも買いが集中した。終り値は2万4800ドルを超え、再び2万5000ドルを試す勢い。しかし原油高と金利高は消費を抑制する要因になるため、消費関連株は値を下げている。またFRBが6月以降の利上げテンポを速めることに対する警戒感は、相変わらず根強い。
日経平均は先週286円の値上がり。東京市場でもVIXは14台にまで低下した。しかしアメリカと違って、原油高は全体としてみれば株価の下げ要因。金利高は円安に繋がるため上げ要因として働く。最大のマイナス材料は、19年3月期の業績予想がじわじわと悪化していること。これから発表される各社の予想が、どの辺で落ち着くか。外国人投資家も、様子見の感じが強い。
今週は14日に、4月の企業物価。15日に、3月の第3次産業活動指数。16日に、1-3月期のGDP速報。17日に、3月の機械受注。18日に、4月の消費者物価。アメリカでは15日に、4月の小売り売上高。16日に、4月の工業生産と住宅着工戸数。17日に、4月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が15日に、4月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額。 EUが15日に1-3月期のGDP改定値を発表する。
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 通貨防衛で金利を40%に引き上げ = アメリカの金利が3%を超えた副作用として心配された、新興国からの資金流出がついに始まった。新興国側は防戦に必死。続々と政策金利を引き上げたり、為替介入を実施したりしている。だがアメリカの金利がさらに上昇すれば、経済的な破たんに追い込まれる国が出現する危険性は決して小さくない。そうなれば世界同時好況は、終了することになるだろう。
IIJ(国際金融協会)の集計によると、ことし1-3月期には新興国に509億ドルの資金が流入していた。ところが4月下旬にアメリカの長期金利が3%台に載せると、様相は一変。4月下旬だけで55億ドルの資金が流出した。主として新興国の株式や債券に投資していたヘッジファンドが、安全で利回りの高いアメリカの証券に乗り換えたためとみられている。
こうした資金の逆流で、新興国の通貨は軒並み下落した。通貨が下落すると輸入価格が上昇して、国内の物価が高騰する。これに原油価格の上昇も加わって、新興国は資金の引き留めとインフレ防止のため、政策金利を引き上げざるをえない。ブラジル、トルコ、インド、インドネシア、フィリピンなどが続々と利上げを実施した。特に経済状態が悪いアルゼンチンは政策金利を40%に引き上げ、IMF(国際通貨基金)に支援を要請している。
じっさい、新興国の通貨は急速に下落している。IMFの調査によると、ことし3-4月だけで米ドルは他の主要通貨に対して2.3%上昇した。これに対してロシア・ルーブルは7.4%、ブラジル・レアルは3.5%、メキシコ・ペソは3.4%の下落だった。ドルが上昇し、自国通貨が下落すると、それだけドル建て債務の実質負担が増加してしまう。この面からも、新興国の経済は苦しくなるわけだ。
(続きは明日)
≪14日の日経平均 = 上げ +107.38円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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IIJ(国際金融協会)の集計によると、ことし1-3月期には新興国に509億ドルの資金が流入していた。ところが4月下旬にアメリカの長期金利が3%台に載せると、様相は一変。4月下旬だけで55億ドルの資金が流出した。主として新興国の株式や債券に投資していたヘッジファンドが、安全で利回りの高いアメリカの証券に乗り換えたためとみられている。
こうした資金の逆流で、新興国の通貨は軒並み下落した。通貨が下落すると輸入価格が上昇して、国内の物価が高騰する。これに原油価格の上昇も加わって、新興国は資金の引き留めとインフレ防止のため、政策金利を引き上げざるをえない。ブラジル、トルコ、インド、インドネシア、フィリピンなどが続々と利上げを実施した。特に経済状態が悪いアルゼンチンは政策金利を40%に引き上げ、IMF(国際通貨基金)に支援を要請している。
じっさい、新興国の通貨は急速に下落している。IMFの調査によると、ことし3-4月だけで米ドルは他の主要通貨に対して2.3%上昇した。これに対してロシア・ルーブルは7.4%、ブラジル・レアルは3.5%、メキシコ・ペソは3.4%の下落だった。ドルが上昇し、自国通貨が下落すると、それだけドル建て債務の実質負担が増加してしまう。この面からも、新興国の経済は苦しくなるわけだ。
(続きは明日)
≪14日の日経平均 = 上げ +107.38円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 日本経済にも悪影響が波及 = 主要先進国が金融の量的緩和を始めた08年末ごろから、世界中に溢れた巨額の資金が新興国に流れ込んだ。新興国の成長性と比較的高い金利に、投資家が目を付けた結果である。IIJ(国際金融協会)の調査によると、09-17年の間に新興国の株式には7500億ドル、債券には1兆6000億ドルの資金が投入された。
この資金が、いま逆流を始めたわけである。この逆流が止まらないと、新興国は多かれ少なかれ経済的に困難な事態を迎える。かつて1980年代の前半には南アメリカ諸国が債務不履行の状態に、また1990年代後半にはアジア諸国が通貨危機に陥った。その影響で、世界経済も不況に襲われている。
資金の逆流は、アメリカの金利しだいで程度が変わってくるだろう。そのアメリカでは、FRBによる6月の再利上げは必至という見方が圧倒的に強い。したがって少なくとも秋口までは、逆流が続くと考えられる。ただ80年代や90年代に比べれば、新興国の経済基盤も強化されている。その抵抗力がどこまで発揮されるかは、全く不透明だ。
新興国の経済が不調になれば、日本の新興国向け輸出が抑制される。不調が世界経済全体にまで広がれば、日本経済にも大きな影響が及ぶことは避けられない。すでに東京の株式市場では、中国やインド、あるいは東南アジア諸国との関連が深い銘柄が売られ始めた。北朝鮮リスクが軽減しつつある裏で、発達中の新たな積乱雲には要警戒である。
≪15日の日経平均 = 下げ -47.84円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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この資金が、いま逆流を始めたわけである。この逆流が止まらないと、新興国は多かれ少なかれ経済的に困難な事態を迎える。かつて1980年代の前半には南アメリカ諸国が債務不履行の状態に、また1990年代後半にはアジア諸国が通貨危機に陥った。その影響で、世界経済も不況に襲われている。
資金の逆流は、アメリカの金利しだいで程度が変わってくるだろう。そのアメリカでは、FRBによる6月の再利上げは必至という見方が圧倒的に強い。したがって少なくとも秋口までは、逆流が続くと考えられる。ただ80年代や90年代に比べれば、新興国の経済基盤も強化されている。その抵抗力がどこまで発揮されるかは、全く不透明だ。
新興国の経済が不調になれば、日本の新興国向け輸出が抑制される。不調が世界経済全体にまで広がれば、日本経済にも大きな影響が及ぶことは避けられない。すでに東京の株式市場では、中国やインド、あるいは東南アジア諸国との関連が深い銘柄が売られ始めた。北朝鮮リスクが軽減しつつある裏で、発達中の新たな積乱雲には要警戒である。
≪15日の日経平均 = 下げ -47.84円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 回復のカギは個人消費 = 内閣府は16日、1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率換算でマイナス0.6%。一昨年と昨年の2年にわたって続いたプラス成長が、途切れた形となっている。生活実感に近い名目成長率はマイナス1.5%で、実質値よりもマイナス幅が大きい。この結果、17年度の成長率は実質でプラス1.5%、名目でプラス1.6%になった。
1-3月期の実質成長率を構成要素でみると、いずれも年率換算で個人消費がマイナス0.1%。企業の設備投資がマイナス0.3%、住宅投資がマイナス8.2%と、そろって下向いた。これに対して輸出が2.6%増加して、内需の落ち込みを埋めている。個人消費の減退は寒波の影響で野菜など生鮮食品が高騰、さらに原油高の影響も加わって暖房費が増加。これで家計の節約意識が強まったためとみられている。
問題は4-6月期以降、プラス成長に戻れるかどうか。まず輸出の環境は、あまりよくない。米中貿易戦争や新興国からの資金流出、また世界的なスマホ需要の減退など、外需に頼れる状態ではなさそうだ。となるとプラス成長へのカギは内需、特に個人消費の復活しだいということになる。
たしかに悪天候の影響は消滅した。ある程度の賃上げも進んでいる。だが原材料費の高騰や人手不足の影響で、食品をはじめ生活用品の値上げが続く。原油価格の高止まりで、ガソリン代や光熱費も上昇基調。家計の圧迫要因はなくならない。民間調査会社は総じてプラス成長への回帰を予測している。しかし1-3月期の落ち込みが本当に一時的なものなのかどうか、そう楽観的にはなれない気がする。
≪16日の日経平均 = 下げ -100.79円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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1-3月期の実質成長率を構成要素でみると、いずれも年率換算で個人消費がマイナス0.1%。企業の設備投資がマイナス0.3%、住宅投資がマイナス8.2%と、そろって下向いた。これに対して輸出が2.6%増加して、内需の落ち込みを埋めている。個人消費の減退は寒波の影響で野菜など生鮮食品が高騰、さらに原油高の影響も加わって暖房費が増加。これで家計の節約意識が強まったためとみられている。
問題は4-6月期以降、プラス成長に戻れるかどうか。まず輸出の環境は、あまりよくない。米中貿易戦争や新興国からの資金流出、また世界的なスマホ需要の減退など、外需に頼れる状態ではなさそうだ。となるとプラス成長へのカギは内需、特に個人消費の復活しだいということになる。
たしかに悪天候の影響は消滅した。ある程度の賃上げも進んでいる。だが原材料費の高騰や人手不足の影響で、食品をはじめ生活用品の値上げが続く。原油価格の高止まりで、ガソリン代や光熱費も上昇基調。家計の圧迫要因はなくならない。民間調査会社は総じてプラス成長への回帰を予測している。しかし1-3月期の落ち込みが本当に一時的なものなのかどうか、そう楽観的にはなれない気がする。
≪16日の日経平均 = 下げ -100.79円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 企業のグローバル化が進む = 国内最大手の武田薬品工業が先週、アイルランドの製薬会社シャイアーに対するM&A(合併・買収)を発表して話題となった。シャイア―社の全株式を460億ポンド(約6兆8000億円)で買い取り、子会社化する構想。両社の取締役会は了承しており、株主総会の賛同が得られれば成立する。日本企業による海外企業の買収案件としては、過去最大の規模となる。
企業はふつう年々売り上げを伸ばし、利益を貯めて規模を拡大して行く。ところがM&Aで優良な企業を傘下に収めれば、一挙に規模を拡大させることが出来る。もちろん、すべてのM&Aが結果的に成功するとは限らない。したがって経営的には、常にある程度のリスクが伴う案件だと言える。にもかかわらず、最近は世界中でM&Aが大流行だ。
イギリスの調査会社ディールロジックによると、ことし1-3月には世界中で総額1兆1167億ドルのM&A案件が報告された。この金額は、前年比で47%も多い。これは金利が上昇する前に買収資金を借りてしまおうという思惑が働いたため、と同社では解説している。武田の場合も銀行から3兆3000億円を借り入れる予定だから、そうかもしれない。
日本企業による海外企業のM&Aは、これまでにもソフトバンク、日本たばこ産業、サントリー、松下電器などの例がある。今後も海外企業に対するM&Aが進めば、それらの企業で海外部門の比率が高まることは当然だ。その結果、国内での稼ぎより海外での儲けの方が大きくなる。このため利益を海外で使い、国内の設備投資や人件費を増やさない傾向は強まって行くだろう。
≪17日の日経平均 = 上げ +121.14円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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企業はふつう年々売り上げを伸ばし、利益を貯めて規模を拡大して行く。ところがM&Aで優良な企業を傘下に収めれば、一挙に規模を拡大させることが出来る。もちろん、すべてのM&Aが結果的に成功するとは限らない。したがって経営的には、常にある程度のリスクが伴う案件だと言える。にもかかわらず、最近は世界中でM&Aが大流行だ。
イギリスの調査会社ディールロジックによると、ことし1-3月には世界中で総額1兆1167億ドルのM&A案件が報告された。この金額は、前年比で47%も多い。これは金利が上昇する前に買収資金を借りてしまおうという思惑が働いたため、と同社では解説している。武田の場合も銀行から3兆3000億円を借り入れる予定だから、そうかもしれない。
日本企業による海外企業のM&Aは、これまでにもソフトバンク、日本たばこ産業、サントリー、松下電器などの例がある。今後も海外企業に対するM&Aが進めば、それらの企業で海外部門の比率が高まることは当然だ。その結果、国内での稼ぎより海外での儲けの方が大きくなる。このため利益を海外で使い、国内の設備投資や人件費を増やさない傾向は強まって行くだろう。
≪17日の日経平均 = 上げ +121.14円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 核実験場はすでに崩壊した? = 核実験を繰り返し、予告なしにICBM(大陸間弾道弾)を発射する。こんな横暴を重ねてきた北朝鮮が、一転して紳士的になった。米朝首脳会談に応じ、核兵器やミサイルも放棄するという。来週23-25日には、北東部の豊渓里にある核実験場を爆破するとも発表した。いぜん独裁者として君臨する金正恩労働党委員長が、豹変した理由は何なのか。一つの仮説を立ててみた。
北朝鮮はこれまで豊渓里の実験場で、6回の核実験を実施した。6回目は昨年9月3日。爆発の規模はそれ以前のものより格段に大きく、しかも最初の爆発の8分後に2度目の地殻変動があったことが確認されている。このとき山が陥没して実験場は完全に崩壊、地下の設備はすべて埋まってしまったのではないだろうか。もしそうなら、北朝鮮が実験場を再開することは難しい。
要するに核弾頭を積んだICBMで、アメリカを脅かすことが不可能になった。だから平和外交に転じて体制を保証してもらい、経済援助を受けるしかない。それなら崩壊した実験場の入り口を爆破して塞ぎ、平和路線のアピールに利用する方が賢明だ。海外のマスコミを立ち会わせても、深い地下坑道の状態までは見ることが出来ない。
トランプ大統領は、この実験場の爆破について「有難う。親切な行為だ」と論評した。実験場がすでに崩壊していることを承知のうえでの反応ならば、なかなか老獪な対応と言えるだろう。だが仮にその可能性を認識せずに感謝したのならば、トランプ大統領は首脳会談の前から金正恩委員長の戦術に乗ってしまったことになる。危ういかな。
≪18日の日経平均 = 上げ +91.99円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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北朝鮮はこれまで豊渓里の実験場で、6回の核実験を実施した。6回目は昨年9月3日。爆発の規模はそれ以前のものより格段に大きく、しかも最初の爆発の8分後に2度目の地殻変動があったことが確認されている。このとき山が陥没して実験場は完全に崩壊、地下の設備はすべて埋まってしまったのではないだろうか。もしそうなら、北朝鮮が実験場を再開することは難しい。
要するに核弾頭を積んだICBMで、アメリカを脅かすことが不可能になった。だから平和外交に転じて体制を保証してもらい、経済援助を受けるしかない。それなら崩壊した実験場の入り口を爆破して塞ぎ、平和路線のアピールに利用する方が賢明だ。海外のマスコミを立ち会わせても、深い地下坑道の状態までは見ることが出来ない。
トランプ大統領は、この実験場の爆破について「有難う。親切な行為だ」と論評した。実験場がすでに崩壊していることを承知のうえでの反応ならば、なかなか老獪な対応と言えるだろう。だが仮にその可能性を認識せずに感謝したのならば、トランプ大統領は首脳会談の前から金正恩委員長の戦術に乗ってしまったことになる。危ういかな。
≪18日の日経平均 = 上げ +91.99円≫
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第3章 経 済 が な い 世 界
≪33≫ 200年後の地球 = この星で暮らし始めてから、早いもので2年が経過した。といってもダーストン星の公転周期は168日だから、地球の時間で言えばまだ1年に満たない。それでも生活にはすっかり慣れ、この国の人々ともずいぶん仲良くなった。見聞きしたことについては毎日メモを付けているが、この辺で2年間のまとめを書いておこう。そう思って、ノートに書き始めると・・・。
いつの間にかマーヤが机の前に来て、ノートを覗き込んでいる。ロボットなら何でも一瞬にして記憶できるから、ノートに書き込むなんていうことはしない。人間は面倒な作業をするものだと、あきれて見ているのだろう。そう思ったが、無視して記憶をまとめることに集中した。
1)完璧な医療技術-----どんな病気でもケガでも完全に治してしまう。だから人間が死ななくなった。人口の増え過ぎを抑えるために、憲法で「全ての国民の寿命は100歳」と定めている。あと200年もすれば、日本の医療技術もこの水準に達するかもしれない。しかし寿命を100年に決めることは、絶対にムリだろう。
2)人間的ロボットの完成-----ロボットの頭脳回路に、人間のDNAを組み込むことに成功。これによりロボットが、人間的な思考や感情を持つことになった。いま人々やロボットたちの最大の関心事は、国の執行機関である賢人会が「人間とロボットの結婚」を認めるかどうか。
3)経済が消滅-----モノの生産や輸送は、すべてロボットに委ねられている。このためコストが全くかからない。人々は欲しいモノを注文すれば、何でも無料で届けられる。だから街中には小売店が見当たらない。すべてがタダだから、通貨も必要がなくなった。人々の生活態度や生活意識も、ずいぶん変わったものになっている。
4)地球の将来像-----この国の科学・技術は、地球より少なくとも200年は進んでいる。ということは200年たてば、地球にも人間的ロボットが出現するかもしれない。だが人間的ロボットが出来なくても、機械的ロボットが進化して生産・流通の仕事をこなすようになれば、経済は消滅する可能性がある。100年後には、そうなるのではないか。そのとき地球人の生活意識は、いまのダーストン人のように変化するのだろうか。
マーヤはまだ食い入るように、ぼくのノートを見つめている。目と目が合うと、言い訳をするように「日本の文字と文章を学習しているんです。いつか役に立つと思いますから」と、つぶやいた。これが素晴らしい予言になるとは、神ならぬ身の知る由もなし。
(続きは来週日曜日)
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≪33≫ 200年後の地球 = この星で暮らし始めてから、早いもので2年が経過した。といってもダーストン星の公転周期は168日だから、地球の時間で言えばまだ1年に満たない。それでも生活にはすっかり慣れ、この国の人々ともずいぶん仲良くなった。見聞きしたことについては毎日メモを付けているが、この辺で2年間のまとめを書いておこう。そう思って、ノートに書き始めると・・・。
いつの間にかマーヤが机の前に来て、ノートを覗き込んでいる。ロボットなら何でも一瞬にして記憶できるから、ノートに書き込むなんていうことはしない。人間は面倒な作業をするものだと、あきれて見ているのだろう。そう思ったが、無視して記憶をまとめることに集中した。
1)完璧な医療技術-----どんな病気でもケガでも完全に治してしまう。だから人間が死ななくなった。人口の増え過ぎを抑えるために、憲法で「全ての国民の寿命は100歳」と定めている。あと200年もすれば、日本の医療技術もこの水準に達するかもしれない。しかし寿命を100年に決めることは、絶対にムリだろう。
2)人間的ロボットの完成-----ロボットの頭脳回路に、人間のDNAを組み込むことに成功。これによりロボットが、人間的な思考や感情を持つことになった。いま人々やロボットたちの最大の関心事は、国の執行機関である賢人会が「人間とロボットの結婚」を認めるかどうか。
3)経済が消滅-----モノの生産や輸送は、すべてロボットに委ねられている。このためコストが全くかからない。人々は欲しいモノを注文すれば、何でも無料で届けられる。だから街中には小売店が見当たらない。すべてがタダだから、通貨も必要がなくなった。人々の生活態度や生活意識も、ずいぶん変わったものになっている。
4)地球の将来像-----この国の科学・技術は、地球より少なくとも200年は進んでいる。ということは200年たてば、地球にも人間的ロボットが出現するかもしれない。だが人間的ロボットが出来なくても、機械的ロボットが進化して生産・流通の仕事をこなすようになれば、経済は消滅する可能性がある。100年後には、そうなるのではないか。そのとき地球人の生活意識は、いまのダーストン人のように変化するのだろうか。
マーヤはまだ食い入るように、ぼくのノートを見つめている。目と目が合うと、言い訳をするように「日本の文字と文章を学習しているんです。いつか役に立つと思いますから」と、つぶやいた。これが素晴らしい予言になるとは、神ならぬ身の知る由もなし。
(続きは来週日曜日)
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◇ 高揚感のない8週連騰 = 日経平均は先週172円の値上がり。これで8週間連続の上昇となった。この間の上げ幅は2300円。そう悪くない成績だろう。しかし市場には高揚感が全くない。先行きについても、強気の見方は影を潜めてしまった。これは19年3月期の企業業績が減益になるという予測が、しだいに固まってきたからである。ただ目先はアメリカの金利高で円安が進み、これを頼りに何とか上げているという恰好だ。
ニューヨーク市場は、金利高と原油高の影響に揉まれている。金利高で銀行株が、原油高でエネルギー関連株が買われた。するとダウ平均は上昇する。ところが金利高は、カネの流れを株式から債券に変えやすい。また消費を抑制する効果も大きい。原油高も消費者の財布を直撃する。この後者の考え方が強まると、株価は下落する。結局、ダウ平均は先週116ドルの値下がり。
北朝鮮などの地政学的なリスクからも目は離せないが、目下の焦点は金利と原油の動向。今週はその動きに変化が生じるかどうか。FRBによる6月の利上げは確定的だから、当面ドル高の傾向は続くだろう。したがって円が上昇に振れる可能性も大きくはない。そうしたなかで日米の株価は、先週と同じような動きを続けるのではないか。
今週は21日に、4月の貿易統計。23日に、3月の全産業活動指数。25日に、5月の東京23区消費者物価。アメリカでは23日に、4月の新築住宅販売戸数。24日に、4月の中古住宅販売戸数が発表される。
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ニューヨーク市場は、金利高と原油高の影響に揉まれている。金利高で銀行株が、原油高でエネルギー関連株が買われた。するとダウ平均は上昇する。ところが金利高は、カネの流れを株式から債券に変えやすい。また消費を抑制する効果も大きい。原油高も消費者の財布を直撃する。この後者の考え方が強まると、株価は下落する。結局、ダウ平均は先週116ドルの値下がり。
北朝鮮などの地政学的なリスクからも目は離せないが、目下の焦点は金利と原油の動向。今週はその動きに変化が生じるかどうか。FRBによる6月の利上げは確定的だから、当面ドル高の傾向は続くだろう。したがって円が上昇に振れる可能性も大きくはない。そうしたなかで日米の株価は、先週と同じような動きを続けるのではないか。
今週は21日に、4月の貿易統計。23日に、3月の全産業活動指数。25日に、5月の東京23区消費者物価。アメリカでは23日に、4月の新築住宅販売戸数。24日に、4月の中古住宅販売戸数が発表される。
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 米朝首脳会談を前に一時休戦? = 米中両国政府はワシントンでの貿易協議を終え19日、共同声明を発表した。声明では「アメリカの対中貿易赤字を減らすため、中国がアメリカのモノとサービスの輸入を大幅に増やすことで合意した」「引き続き高いレベルで貿易問題の打開策を探る」と明記している。ただ中国側がどれだけアメリカからの輸入を増やすか、についての具体的な金額や品目には触れていない。
アメリカの対中貿易赤字は、17年に3752億ドル(約41兆円)にのぼっている。貿易協議でアメリカ側は、この赤字を2000億ドル減らすよう要求したと伝えられた。さすがに中国側も、この要求は受け入れなかったと思われる。面白いのはアメリカ側のこの要求に対して、中国側が「米中間の貿易は計画経済的であってはならない」とコメントしたこと。時代の流れを感じさせる一幕だった。
懸案事項は、モノの貿易だけに限らない。特許権や著作権の保護や外資規制、さらにはIT企業に対する不当な補助金など。アメリカ側の要求項目は数多い。短時間では議論が煮詰まらず、継続審議に持ち込まざるをえなかったのだろう。アメリカ側も中国に対する報復関税の実施を延期するなど、譲歩の姿勢を打ち出した。
ムニューシン米財務長官は「貿易戦争は保留だ」と語っている。これで一時停戦は確実となり、株式市場にも安心感が広がった。米朝首脳会談を間近かに控えて、米中両国が緊張関係にあるのは得策でないという判断も働いたのだろう。ただし保留は保留。再び両国が貿易問題を巡って緊張することは避けられそうにない。
≪21日の日経平均 = 上げ +72.01円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカの対中貿易赤字は、17年に3752億ドル(約41兆円)にのぼっている。貿易協議でアメリカ側は、この赤字を2000億ドル減らすよう要求したと伝えられた。さすがに中国側も、この要求は受け入れなかったと思われる。面白いのはアメリカ側のこの要求に対して、中国側が「米中間の貿易は計画経済的であってはならない」とコメントしたこと。時代の流れを感じさせる一幕だった。
懸案事項は、モノの貿易だけに限らない。特許権や著作権の保護や外資規制、さらにはIT企業に対する不当な補助金など。アメリカ側の要求項目は数多い。短時間では議論が煮詰まらず、継続審議に持ち込まざるをえなかったのだろう。アメリカ側も中国に対する報復関税の実施を延期するなど、譲歩の姿勢を打ち出した。
ムニューシン米財務長官は「貿易戦争は保留だ」と語っている。これで一時停戦は確実となり、株式市場にも安心感が広がった。米朝首脳会談を間近かに控えて、米中両国が緊張関係にあるのは得策でないという判断も働いたのだろう。ただし保留は保留。再び両国が貿易問題を巡って緊張することは避けられそうにない。
≪21日の日経平均 = 上げ +72.01円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 関税引き上げにもかかわらず = 財務省は21日、4月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆8200億円で前年比7.8%の増加。輸入は6兆2000億円で5.9%の増加だった。この結果、貿易収支は6260億円の黒字で、黒字の幅は前年より31%も増えている。それだけ外需の力が強く、景気を押し上げる援軍になったことは間違いない。
発表の内容をよく読むと、いくつか注意すべき点にぶつかる。第1はアメリカ向けの鉄鋼輸出額。4月の輸出額は181億6400万円で、前年より13.7%も増加した。周知のようにトランプ大統領は安保上の理由と称して、輸入する鉄鋼に25%もの関税をかけ、3月下旬から発効している。専門家は「日本製品はアメリカでは造れないから、輸出額は減らない」と予想していたが、4月だけの数字をみる限り、その通りになっている。
第2はそのアメリカとの貿易収支。日本側の6150億円の黒字となっている。前年比では4.7%の増加だった。17年度の統計は、日本側の黒字7兆円となっている。アメリカはいま、LAFTA(米州自由貿易協定)や中国との貿易交渉で大忙し。日本にまで手が回らない。しかし、そのうち二国間交渉を持ち出してくるだろう。トランプ大統領が、日本の対米黒字額にどんな評価を下すのか。
第3はエネルギーの輸入額。原油の国際価格が高騰しており、日本の輸入額も大幅に増えている。4月は鉱物性燃料の輸入額が1兆3700億円に達した。2年前の4月は7900億円にとどまっている。原油やLNG(液化天然ガス)が上がれば、電気料金やガソリン代も上がる。それだけ日本の企業や家計の購買力が、海外に流出しているわけだ。政府が何も対策を講じようとしないのは、怠慢ではないのか。
≪22日の日経平均 = 下げ -42.03円≫
≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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発表の内容をよく読むと、いくつか注意すべき点にぶつかる。第1はアメリカ向けの鉄鋼輸出額。4月の輸出額は181億6400万円で、前年より13.7%も増加した。周知のようにトランプ大統領は安保上の理由と称して、輸入する鉄鋼に25%もの関税をかけ、3月下旬から発効している。専門家は「日本製品はアメリカでは造れないから、輸出額は減らない」と予想していたが、4月だけの数字をみる限り、その通りになっている。
第2はそのアメリカとの貿易収支。日本側の6150億円の黒字となっている。前年比では4.7%の増加だった。17年度の統計は、日本側の黒字7兆円となっている。アメリカはいま、LAFTA(米州自由貿易協定)や中国との貿易交渉で大忙し。日本にまで手が回らない。しかし、そのうち二国間交渉を持ち出してくるだろう。トランプ大統領が、日本の対米黒字額にどんな評価を下すのか。
第3はエネルギーの輸入額。原油の国際価格が高騰しており、日本の輸入額も大幅に増えている。4月は鉱物性燃料の輸入額が1兆3700億円に達した。2年前の4月は7900億円にとどまっている。原油やLNG(液化天然ガス)が上がれば、電気料金やガソリン代も上がる。それだけ日本の企業や家計の購買力が、海外に流出しているわけだ。政府が何も対策を講じようとしないのは、怠慢ではないのか。
≪22日の日経平均 = 下げ -42.03円≫
≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ マイナス効果が増大してきた = 金利高と原油高が、世界経済を動かす主役になりつつある。初めはそのプラス効果が株高をもたらしたが、最近ではマイナス効果の方が強く意識され始めた。現状からみる限り、金利も原油もまだ上昇する可能性が大きい。したがってマイナス効果は、今後も増大して行くだろう。これにどう対処するのか。先進国にとっても新興国にとっても、大きな課題となるに違いない。
アメリカの長期金利は、4月下旬に3%台に載せた。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、5月に入ると1バレル=70ドルに到達した。このためウォール街では銀行株とエネルギー関連株が買われ、ダウ平均が上昇。一方でドル相場も上がったことから円安が進行、東京市場の株価も上向いている。
ところがアメリカの金利は先週16日、一時3.10%まで上昇。6年10か月ぶりの高さになった。原油価格も72ドルに近づき、3年半ぶりの水準に上昇した。金利がここまで上がると、資金が株式市場から債券市場に移りやすくなる。住宅ローンや自動車ローンも上昇して、消費を阻害する。特に自動車はガソリン価格の高騰もあって、販売に陰りがみえてきた。
ドル高・円安も進んだから、東京市場の株価は上昇基調を維持している。しかしアメリカの金利高で、新興国からは資金が引き揚げられ始めた。このため新興国は政策金利を引き上げたり、為替市場に介入するなど防戦に必死となっている。この結果、新興国の景気が下降すれば、日本の輸出も伸び悩む。新興国の経済が破たんすれば、世界経済全体が不調に陥る危険もないではない。
(続きは明日)
≪23日の日経平均 = 下げ -270.60円≫
≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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アメリカの長期金利は、4月下旬に3%台に載せた。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、5月に入ると1バレル=70ドルに到達した。このためウォール街では銀行株とエネルギー関連株が買われ、ダウ平均が上昇。一方でドル相場も上がったことから円安が進行、東京市場の株価も上向いている。
ところがアメリカの金利は先週16日、一時3.10%まで上昇。6年10か月ぶりの高さになった。原油価格も72ドルに近づき、3年半ぶりの水準に上昇した。金利がここまで上がると、資金が株式市場から債券市場に移りやすくなる。住宅ローンや自動車ローンも上昇して、消費を阻害する。特に自動車はガソリン価格の高騰もあって、販売に陰りがみえてきた。
ドル高・円安も進んだから、東京市場の株価は上昇基調を維持している。しかしアメリカの金利高で、新興国からは資金が引き揚げられ始めた。このため新興国は政策金利を引き上げたり、為替市場に介入するなど防戦に必死となっている。この結果、新興国の景気が下降すれば、日本の輸出も伸び悩む。新興国の経済が破たんすれば、世界経済全体が不調に陥る危険もないではない。
(続きは明日)
≪23日の日経平均 = 下げ -270.60円≫
≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ アメリカの政策金利は2%に = 米労働省が発表した4月の雇用統計によると、完全失業率は3.9%にまで低下した。17年ぶりの低さで、景気の回復が極めて順調なことを物語っている。一方、4月の消費者物価は前年比で2.5%の上昇だった。こうしたことから、FRBが6月に政策金利を引き上げて年2.00%にすることは、決定的な状況となっている。政策金利が上がれば、市場の長期金利もさらに上昇する可能性が高くなる。
原油価格も、まだ上昇する余地を残している。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどによる減産協定と世界同時好況による需要の増加が、原油の価格を押し上げてきた。IEA(国際エネルギー機関)の調査によると、先進国の保有在庫量はこの2年間で約4億バレル減少した。そこへトランプ大統領のイランに対する核合意からの撤退が加わる。原油価格は今後もじり高とという見方が強い。
日本はドル高・円安のおかげで輸出が伸び、株価も上昇している。だが安心しているわけにはいかない。仮に金利高と原油高のマイナス効果が増大して世界同時好況のワク組みが崩れたとき、日本はどのように対応できるのだろうか。財政は伸び切り、金融はこれ以上緩められない。
原油価格のこれ以上の高騰は、じわじわと日本経済を蝕む。財務省が発表した貿易統計をみると、原油価格が最低を記録した直後の16年4月、鉱物性燃料の輸入総額は7900億円だった。それがことし4月には1兆3700億円に膨張している。その増加分は、上昇した電気代やガソリン代を通じて、企業や家計が負担している。日本経済がどこまで耐えられるかは、きわめて微妙だ。
≪24日の日経平均 = 下げ -252.73円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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原油価格も、まだ上昇する余地を残している。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどによる減産協定と世界同時好況による需要の増加が、原油の価格を押し上げてきた。IEA(国際エネルギー機関)の調査によると、先進国の保有在庫量はこの2年間で約4億バレル減少した。そこへトランプ大統領のイランに対する核合意からの撤退が加わる。原油価格は今後もじり高とという見方が強い。
日本はドル高・円安のおかげで輸出が伸び、株価も上昇している。だが安心しているわけにはいかない。仮に金利高と原油高のマイナス効果が増大して世界同時好況のワク組みが崩れたとき、日本はどのように対応できるのだろうか。財政は伸び切り、金融はこれ以上緩められない。
原油価格のこれ以上の高騰は、じわじわと日本経済を蝕む。財務省が発表した貿易統計をみると、原油価格が最低を記録した直後の16年4月、鉱物性燃料の輸入総額は7900億円だった。それがことし4月には1兆3700億円に膨張している。その増加分は、上昇した電気代やガソリン代を通じて、企業や家計が負担している。日本経済がどこまで耐えられるかは、きわめて微妙だ。
≪24日の日経平均 = 下げ -252.73円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ もっと早く公開できないのか = 警視庁は22日、東京・世田谷区で00年12月に発生した一家4人殺害事件に関する新たな情報を公開した。推定される犯人像や遺留品のヒップバッグやマフラーなど。事件の直前にこのバッグやマフラーを使用していた人物を知っていれば、警察に通報してほしいと呼びかけている。だが、とにかく18年以上も前の出来事だ。有力な情報が寄せられる可能性は、残念ながらきわめて少ないだろう。
事件が起きてから何年も経って、警察が新たな物証を公開する。最近はこうした事例が、格段に増えているようだ。殺人事件の時効がなくなり、警察は永久に事件を追わなければならなくなった。その結果、迷宮入りには出来なくなったから、一般人に改めて情報の提供を呼びかけ何とか解決したい。警察の熱意の表れと、見えないこともない。
だが国会に呼ばれた証人や参考人ほどではないにしても、一般人だって年月が経てば記憶は薄れる。「20年前にこのマフラーを着ていた人物を思い出せ」と言われても、所詮はムリなのではないか。そう考えると、警察はただ「捜査を続けています」とアピールするために、情報公開をしているだけ。裏返せば「もう、お手上げです」と言っているようにも受け取れる。
世田谷事件のバッグにしてもマフラーにしても、警察は事件直後から物証として確保していたはず。そのころ一般に公開していれば、事件の解決に役立った可能性は大きかったろう。自分たちの手で犯人を挙げられると、過信していたせいなのか。それともほかに理由があったのか。警察庁は検討して、是正すべきではないか。
≪25日の日経平均 = 上げ +13.78円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】
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事件が起きてから何年も経って、警察が新たな物証を公開する。最近はこうした事例が、格段に増えているようだ。殺人事件の時効がなくなり、警察は永久に事件を追わなければならなくなった。その結果、迷宮入りには出来なくなったから、一般人に改めて情報の提供を呼びかけ何とか解決したい。警察の熱意の表れと、見えないこともない。
だが国会に呼ばれた証人や参考人ほどではないにしても、一般人だって年月が経てば記憶は薄れる。「20年前にこのマフラーを着ていた人物を思い出せ」と言われても、所詮はムリなのではないか。そう考えると、警察はただ「捜査を続けています」とアピールするために、情報公開をしているだけ。裏返せば「もう、お手上げです」と言っているようにも受け取れる。
世田谷事件のバッグにしてもマフラーにしても、警察は事件直後から物証として確保していたはず。そのころ一般に公開していれば、事件の解決に役立った可能性は大きかったろう。自分たちの手で犯人を挙げられると、過信していたせいなのか。それともほかに理由があったのか。警察庁は検討して、是正すべきではないか。
≪25日の日経平均 = 上げ +13.78円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】
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第4章 錬 金 術 と 太 陽 光
≪34≫ 純金の家 = ずっと考えてきたけれども、まだ解らないことがいくつかある。その1つは、人々が望んだモノをロボットたちはすべて造れるのかという疑問だ。どんな材料でも入手できるのだろうか。食料品や家具などは、たしかに工場で生産されていた。しかし、たとえば純金の家が欲しいと言ったら・・・。
その晩、この疑問をマーヤにぶつけてみた。するとマーヤは首をかしげながら、こんな話をしてくれた。
「もう50年ぐらい前のことですが、ある人が純金の家を建てて欲しいと言ったそうです。たちまちロボットたちが純金の資材を運び込んで、金ピカの家が建ち上がりました。多くの人が見物に訪れましたが、その人は1年も経たないうちに純金の家を壊して引っ越してしまったんです。
冬になったら寒くて仕方がない。暖房を入れると、柱や壁までが熱くなってしまう。夏になったら暑くてどうしようもない。冷房を入れると、家中が凍り付く。こんな住みにくい家はない、というのが引っ越しの理由でした。話を聞いた人たちも、大笑いしたそうです。それから純金の家を注文する人は、ひとりもいません。面白い話ですが、本当にあったこと。純金の家でも造れることは確かですよ」
――へえ、ほんとかね。そんなに沢山の金をどこから手に入れるのだろう。この小さな島に、大きな金山があるとは思えないが。
「そこまでは私も知りません。どこに行けば判るのか、調べておきましょう」
その結果、この島の北側に“金属精錬所”があることが判明した。マーヤが壁に航空写真を映し出すと、海岸沿いにかなり大きなドーム状の建物が3つ並んでいる。いずれも東京ドームほどの大きさだ。ここからは例の完全自動車で1時間足らずの距離である。
数日後、ぼくとマーヤはその巨大な精錬所を訪れた。出迎えてくれたのは、リーストという名前のロボット。この精錬所の所長だという。驚いたことに、この精錬所は約100体のロボットが管理しており、人間は1人もいないのだと説明された。
彼女の胸には≪51≫のプレート。実にキビキビしていて、見ていて気持ちがいい。
「食品工場などと違って、この工場では動くものが見えません。すべての作業が太い管のなかで、自動化されています。ですから工場の全体を見ていただくしかありません。そのため、このエレベーターで天井にまで昇ります。さあ、どうぞ」
(続きは来週日曜日)
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≪34≫ 純金の家 = ずっと考えてきたけれども、まだ解らないことがいくつかある。その1つは、人々が望んだモノをロボットたちはすべて造れるのかという疑問だ。どんな材料でも入手できるのだろうか。食料品や家具などは、たしかに工場で生産されていた。しかし、たとえば純金の家が欲しいと言ったら・・・。
その晩、この疑問をマーヤにぶつけてみた。するとマーヤは首をかしげながら、こんな話をしてくれた。
「もう50年ぐらい前のことですが、ある人が純金の家を建てて欲しいと言ったそうです。たちまちロボットたちが純金の資材を運び込んで、金ピカの家が建ち上がりました。多くの人が見物に訪れましたが、その人は1年も経たないうちに純金の家を壊して引っ越してしまったんです。
冬になったら寒くて仕方がない。暖房を入れると、柱や壁までが熱くなってしまう。夏になったら暑くてどうしようもない。冷房を入れると、家中が凍り付く。こんな住みにくい家はない、というのが引っ越しの理由でした。話を聞いた人たちも、大笑いしたそうです。それから純金の家を注文する人は、ひとりもいません。面白い話ですが、本当にあったこと。純金の家でも造れることは確かですよ」
――へえ、ほんとかね。そんなに沢山の金をどこから手に入れるのだろう。この小さな島に、大きな金山があるとは思えないが。
「そこまでは私も知りません。どこに行けば判るのか、調べておきましょう」
その結果、この島の北側に“金属精錬所”があることが判明した。マーヤが壁に航空写真を映し出すと、海岸沿いにかなり大きなドーム状の建物が3つ並んでいる。いずれも東京ドームほどの大きさだ。ここからは例の完全自動車で1時間足らずの距離である。
数日後、ぼくとマーヤはその巨大な精錬所を訪れた。出迎えてくれたのは、リーストという名前のロボット。この精錬所の所長だという。驚いたことに、この精錬所は約100体のロボットが管理しており、人間は1人もいないのだと説明された。
彼女の胸には≪51≫のプレート。実にキビキビしていて、見ていて気持ちがいい。
「食品工場などと違って、この工場では動くものが見えません。すべての作業が太い管のなかで、自動化されています。ですから工場の全体を見ていただくしかありません。そのため、このエレベーターで天井にまで昇ります。さあ、どうぞ」
(続きは来週日曜日)
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◇ ショックの大きさに差 = トランプ旋風が、また株式市場を襲った。先週23日には、輸入自動車に25%の関税をかけることを検討すると発表。あくる24日には、米朝首脳会談の中止を公表した。いずれも株式市場にはショックを与えたが、ニューヨーク市場は軽く受け流した形。東京市場は深刻に受け止めている。この結果、ダウ平均は先週38ドルの値上がり。日経平均は480円の下落となった。
輸入自動車に対する高関税は、ウォール街では中間選挙対策だと受け止められた。また米朝首脳会談の中止も、トランプ流の駆け引きの一環だという見方が強い。だが日本の場合は、もし自動車に25%もの関税がかけられたら、自動車産業への打撃は大きい。また首脳会談の中止も、朝鮮半島でのリスクが高まれば地政学的にアメリカよりもずっと影響が大きい。こうした感覚の差が、株価の動きに反映された。
こうした政治的な出来事とは別に、日米の市場で金利高の悪影響が意識され始めたことは確かなようだ。特に6月に入ると、12-13日にFRBの政策決定会合が開かれる。ここで利上げが決定されることは間違いない。その影響でアメリカの住宅と自動車の売れ行きに、変化を生じるかどうか。また新興国からの資金引き揚げが、世界経済に混乱を惹き起こさないかどうか。
今週は28日に、4月の企業サービス価格。29日に、4月の労働力調査。30日に、4月の商業動態統計と5月の消費動向調査。31日に、4月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売。アメリカでは29日に、5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、1-3月期のGDP改定値。1日に、5月の雇用統計とISM製造業景況指数。また中国が31日に、5月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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輸入自動車に対する高関税は、ウォール街では中間選挙対策だと受け止められた。また米朝首脳会談の中止も、トランプ流の駆け引きの一環だという見方が強い。だが日本の場合は、もし自動車に25%もの関税がかけられたら、自動車産業への打撃は大きい。また首脳会談の中止も、朝鮮半島でのリスクが高まれば地政学的にアメリカよりもずっと影響が大きい。こうした感覚の差が、株価の動きに反映された。
こうした政治的な出来事とは別に、日米の市場で金利高の悪影響が意識され始めたことは確かなようだ。特に6月に入ると、12-13日にFRBの政策決定会合が開かれる。ここで利上げが決定されることは間違いない。その影響でアメリカの住宅と自動車の売れ行きに、変化を生じるかどうか。また新興国からの資金引き揚げが、世界経済に混乱を惹き起こさないかどうか。
今週は28日に、4月の企業サービス価格。29日に、4月の労働力調査。30日に、4月の商業動態統計と5月の消費動向調査。31日に、4月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売。アメリカでは29日に、5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、1-3月期のGDP改定値。1日に、5月の雇用統計とISM製造業景況指数。また中国が31日に、5月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ トランプ流交渉術に慌てないこと = AさんはTさんから100万円を借りていた。ところが返済期限が来ていないのに「返せ」と言われて大弱り。返さなければ「今後Aさんの会社へは発注しない」と脅かされて、泣く泣く「50万円で勘弁してください」と頼み込む。すると「仕方がない。今回は大目に見てやろう」と、なんだか情けを施された具合になってしまった。トランプ大統領の外交を見ていると、こんな話を連想してしまう。
たとえば、鉄鋼やアルミに高い輸入関税をかけた。ところが2国間の貿易交渉でアメリカ側の言い分を呑めば、関税は猶予するという戦法。初めに高い言い出し値を提示、これを外交交渉のカードに使用する。これがトランプ流の交渉術だ。先週23日、トランプ大統領はまたまた同じカードを切った。安全保障上の理油から、輸入する自動車に高い関税をかけることを検討すると発表したのである。
その狙いは多岐にわたる。まずは中間選挙を控えて、自動車産業が集中するミシガン州など北西部の票集め。次にNAFTA(米州自由貿易協定)で再交渉中のカナダとメキシコに対する脅し。さらに近く開始する日本との2国間交渉への新たなカード。加えて日本やドイツなどの海外メーカーに、アメリカ国内での生産を拡大させる効果・・・。
注目すべき点は、発表で「これから検討する」と言っていること。また25%という税率はマスコミが報じているだけで、トランプ大統領は触れていないこと。さすがに「25%の関税を決定した」とは言いにくかったのに違いない。もう1つ気になるのは、中国がアメリカの要請を受け入れて、7月から自動車の輸入関税を15%に下げると発表したばかり。その中国がアメリカの関税引き上げに何も文句を言っていない。事前に暗黙の了解でもあったのだろうか。
≪28日の日経平均 = 上げ +30.30円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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たとえば、鉄鋼やアルミに高い輸入関税をかけた。ところが2国間の貿易交渉でアメリカ側の言い分を呑めば、関税は猶予するという戦法。初めに高い言い出し値を提示、これを外交交渉のカードに使用する。これがトランプ流の交渉術だ。先週23日、トランプ大統領はまたまた同じカードを切った。安全保障上の理油から、輸入する自動車に高い関税をかけることを検討すると発表したのである。
その狙いは多岐にわたる。まずは中間選挙を控えて、自動車産業が集中するミシガン州など北西部の票集め。次にNAFTA(米州自由貿易協定)で再交渉中のカナダとメキシコに対する脅し。さらに近く開始する日本との2国間交渉への新たなカード。加えて日本やドイツなどの海外メーカーに、アメリカ国内での生産を拡大させる効果・・・。
注目すべき点は、発表で「これから検討する」と言っていること。また25%という税率はマスコミが報じているだけで、トランプ大統領は触れていないこと。さすがに「25%の関税を決定した」とは言いにくかったのに違いない。もう1つ気になるのは、中国がアメリカの要請を受け入れて、7月から自動車の輸入関税を15%に下げると発表したばかり。その中国がアメリカの関税引き上げに何も文句を言っていない。事前に暗黙の了解でもあったのだろうか。
≪28日の日経平均 = 上げ +30.30円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 重要な視点が欠落している = 総務省は29日、4月の労働力調査を発表した。それによると、就業者数は6671万人で前年より171万人増えている。前年比での増加は、これで64か月連続。失業者数は17万人減って180万人となった。失業者の減少は95か月の連続。人手不足の影響で、雇用関連の統計は驚くほどの好調さを維持している。だが、この絶好調はいつまで続くのだろうか。
日本の人口は減り続けている。4月時点の15歳以上人口は1億1098万人。前年より6万人減少した。この人口減少が、人手不足の根源となっている。にもかかわらず、就業者数は増え続ける。女性と高齢者が、働き始めたことが大きい。4月の統計をみても、男性は47万人の増加だったのに対し、女性は124万人も増えている。65歳以上の増加も74万人に達した。
しかし女性と高齢者の就業者が、無限に増えることはありえない。人口問題の専門家は「この傾向は限度に近づいており、2-3年後には増加が止まる」と予測している。とすれば、あとは外国人の労働力に頼るしかない。その外国人労働者は、すでに26万人が農業・建設・介護の分野で働いている。今後は急増するだろう。
ところが労働力調査では、外国人の状態が全く判らない。全国10万人を対象にした調査で、外交官や軍人を除く外国人は対象に入っているはずだ。しかし調査票には「外国人かどうか」を聞く項目がない。だから外国人が就業者のなかに何人おり、何人増えたのかは結果として出てこない。要するに、外国人労働者があまり問題にならなかった当時の調査法を変えていないわけだ。早急に改善する必要があるだろう。
≪29日の日経平均 = 下げ -122.66円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日本の人口は減り続けている。4月時点の15歳以上人口は1億1098万人。前年より6万人減少した。この人口減少が、人手不足の根源となっている。にもかかわらず、就業者数は増え続ける。女性と高齢者が、働き始めたことが大きい。4月の統計をみても、男性は47万人の増加だったのに対し、女性は124万人も増えている。65歳以上の増加も74万人に達した。
しかし女性と高齢者の就業者が、無限に増えることはありえない。人口問題の専門家は「この傾向は限度に近づいており、2-3年後には増加が止まる」と予測している。とすれば、あとは外国人の労働力に頼るしかない。その外国人労働者は、すでに26万人が農業・建設・介護の分野で働いている。今後は急増するだろう。
ところが労働力調査では、外国人の状態が全く判らない。全国10万人を対象にした調査で、外交官や軍人を除く外国人は対象に入っているはずだ。しかし調査票には「外国人かどうか」を聞く項目がない。だから外国人が就業者のなかに何人おり、何人増えたのかは結果として出てこない。要するに、外国人労働者があまり問題にならなかった当時の調査法を変えていないわけだ。早急に改善する必要があるだろう。
≪29日の日経平均 = 下げ -122.66円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 当面の標的にされたトルコ・リラ = アメリカの高金利に吸い寄せられて、新興国からの資金流出が加速している。多くの新興国が為替介入や利上げに踏み切り、自国通貨の防衛に必死。すでにアルゼンチンはお手上げの状態となり、IMF(国際通貨基金)に支援を要請した。続いて苦境に立たされたのがトルコ。通貨のリラは年初に比べて23%も下落、過去最安値に沈み込んだ。6月24日には大統領選と国会議員選挙を予定しているが、情勢が好転する見通しはない。
ほかにもブラジル、フィリピン、インドネシア、ロシア、メキシコ、南アフリカ、香港などの通貨が売り込まれている。これらの国や地域に共通しているのは、財政赤字や物価高を伴う国内経済の不振、あるいは政治的な不安定だ。最も国内経済の不振に悩んでいたアルゼンチンは政策金利を年40%にまで引き上げたが、通貨ペソの下落を止めることが出来なかった。いまIMFが支援策を検討している。
トルコも巨額の経常赤字と政治リスクを抱えている。強権政治で知られるエルドアン大統領は非常事態を宣言、選挙を強行することになった。しかし大統領に再選されたとしても明るい展望は見えず、むしろ事態はさらに悪化する可能性も大きいとみられている。こうした状況下で、高金利につられてトルコに投資していた日本のファンドも続々と資金を引き揚げているという。
新興国からの資金流出は、アメリカの長期金利が3%に達した4月下旬から始まった。IIJ(国際金融協会)の集計によると、4月下旬だけで流出額は55億ドルにのぼった。5月に入って、その勢いが加速したことは間違いない。一方、4月下旬から5月中旬までの間に、アメリカをはじめ日本、ドイツ、フランスなどの先進国には、計180億ドルの資金が還流している。
(続きは明日)
≪30日の日経平均 = 下げ -339.91円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ほかにもブラジル、フィリピン、インドネシア、ロシア、メキシコ、南アフリカ、香港などの通貨が売り込まれている。これらの国や地域に共通しているのは、財政赤字や物価高を伴う国内経済の不振、あるいは政治的な不安定だ。最も国内経済の不振に悩んでいたアルゼンチンは政策金利を年40%にまで引き上げたが、通貨ペソの下落を止めることが出来なかった。いまIMFが支援策を検討している。
トルコも巨額の経常赤字と政治リスクを抱えている。強権政治で知られるエルドアン大統領は非常事態を宣言、選挙を強行することになった。しかし大統領に再選されたとしても明るい展望は見えず、むしろ事態はさらに悪化する可能性も大きいとみられている。こうした状況下で、高金利につられてトルコに投資していた日本のファンドも続々と資金を引き揚げているという。
新興国からの資金流出は、アメリカの長期金利が3%に達した4月下旬から始まった。IIJ(国際金融協会)の集計によると、4月下旬だけで流出額は55億ドルにのぼった。5月に入って、その勢いが加速したことは間違いない。一方、4月下旬から5月中旬までの間に、アメリカをはじめ日本、ドイツ、フランスなどの先進国には、計180億ドルの資金が還流している。
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