◇ 次の焦点はゼロ金利の解除 = 日銀は31日に開いた金融政策決定会合で「長期金利が1%を超えて上昇すること」を容認した。これまでは上限としてきた1%をメドに改め、一定限度なら超えてもいいというように修正している。ただ短期金利をゼロに抑える政策やETF(上場投資信託)の買い入れなど、金融緩和の姿勢は崩さない。このように形としては政策のわずかな修正に過ぎないが、これが金融引き締め政策への第1歩となる可能性は決して小さくない。
日銀はことし7月にも、長期金利政策を修正。容認する上限を0.5%から1%に引き上げている。アメリカの急激な金利上昇に引きずられ、日本の長期金利も0.5%に抑えられなくなったためだ。今回も同様の力が加わって、31日午前の長期金利は0.955%と10年ぶりの高さに上昇していた。こういう状況で金利を1%以内に抑え込もうとすると、日銀は大量の国債を購入しなければならなくなる。また円安がさらに進み、輸入物価が高騰してしまう。
アメリカの高金利は、来年になっても続く公算が大きい。またウクライナ戦争に加えて、中東ガザでも戦争が勃発。エネルギーや資源、食料の国際価格は高止まりしそうだ。物価には、上昇圧力が加わり続ける。このため150円以上の円安は、絶対に回避したい。こういう状況だから、日本の長期金利が1.5%程度まで上昇してもおかしくない。
仮にそこまで行くと、こんどは短期金利との格差が大きな問題になってくる。したがって次の焦点は、短期金利の引き上げ。つまりゼロ金利からの脱出ということになる。日銀はそこまでを覚悟したわけではなさそうだ。しかし大きな流れは、動き出した。あとから考えてみると、きのうの日銀の決定が金融引き締めへの第1歩だったということになる可能性が、きわめて大きい。
≪31日の日経平均 = 上げ +161.89円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日銀はことし7月にも、長期金利政策を修正。容認する上限を0.5%から1%に引き上げている。アメリカの急激な金利上昇に引きずられ、日本の長期金利も0.5%に抑えられなくなったためだ。今回も同様の力が加わって、31日午前の長期金利は0.955%と10年ぶりの高さに上昇していた。こういう状況で金利を1%以内に抑え込もうとすると、日銀は大量の国債を購入しなければならなくなる。また円安がさらに進み、輸入物価が高騰してしまう。
アメリカの高金利は、来年になっても続く公算が大きい。またウクライナ戦争に加えて、中東ガザでも戦争が勃発。エネルギーや資源、食料の国際価格は高止まりしそうだ。物価には、上昇圧力が加わり続ける。このため150円以上の円安は、絶対に回避したい。こういう状況だから、日本の長期金利が1.5%程度まで上昇してもおかしくない。
仮にそこまで行くと、こんどは短期金利との格差が大きな問題になってくる。したがって次の焦点は、短期金利の引き上げ。つまりゼロ金利からの脱出ということになる。日銀はそこまでを覚悟したわけではなさそうだ。しかし大きな流れは、動き出した。あとから考えてみると、きのうの日銀の決定が金融引き締めへの第1歩だったということになる可能性が、きわめて大きい。
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◇ 減税の評判が悪いのは、なぜ? = マスコミ各社の世論調査で、岸田内閣の支持率がガタ落ちとなった。トップを切った日経新聞の調査では、支持率が33%で政権発足以来の最低。またNHKの調査では36%だったが、テレビ朝日の調査では26.9%にまで落ち込んでいる。与党内では「これでは解散はムリ」の声も出始める始末。岸田首相は「減税までやるというのに、どうしてなんだろう」と、頭を抱えているに違いない。
調査によると、その減税の評判が悪い。たとえば日経新聞の調査だと、減税について「適切と思う」という回答は24%だったのに対して「適切と思わない」回答は65%にのぼっている。その理由は「いま減税があっても、1-2年後には増税ラッシュがやってくる」「財政の健全化に使うべきだ」「結局は選挙のためのバラマキではないか」・・・。
岸田首相は、こう説明する。減税で国民の手取り賃金を増やし、物価高を上回る賃金上昇を実現する。それによって経済の好循環が生まれれば、日本経済はデフレ状態を脱出できる。いまが、その最後のチャンスだ。さいわい景気が上向いたため、税収が当初の予想を上回った。これを国民に還元する形で、減税をしたい。
残念ながら、この岸田首相の考え方を国民は理解できなかった。過去30年にわたって脱出できなかったデフレ経済、それが数兆円の減税で変わるのだろうか。それよりもっと将来を見据えた政策を打ち出してもらいたい。これが国民の受け取り方だったと思う。たしかに「減税で経済の好循環を」という岸田さんの構想は、論理構築の点でかなり甘い。この点を認識しないと、内閣支持率の回復は難しそうだ。
≪2日の日経平均 = 上げ +348.24円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】
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調査によると、その減税の評判が悪い。たとえば日経新聞の調査だと、減税について「適切と思う」という回答は24%だったのに対して「適切と思わない」回答は65%にのぼっている。その理由は「いま減税があっても、1-2年後には増税ラッシュがやってくる」「財政の健全化に使うべきだ」「結局は選挙のためのバラマキではないか」・・・。
岸田首相は、こう説明する。減税で国民の手取り賃金を増やし、物価高を上回る賃金上昇を実現する。それによって経済の好循環が生まれれば、日本経済はデフレ状態を脱出できる。いまが、その最後のチャンスだ。さいわい景気が上向いたため、税収が当初の予想を上回った。これを国民に還元する形で、減税をしたい。
残念ながら、この岸田首相の考え方を国民は理解できなかった。過去30年にわたって脱出できなかったデフレ経済、それが数兆円の減税で変わるのだろうか。それよりもっと将来を見据えた政策を打ち出してもらいたい。これが国民の受け取り方だったと思う。たしかに「減税で経済の好循環を」という岸田さんの構想は、論理構築の点でかなり甘い。この点を認識しないと、内閣支持率の回復は難しそうだ。
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◇ 大きい対外資産で、かろうじて‟経済大国” = IMF(国際通貨基金)が発表した最新の推計によると、ことしの日本の名目GDPは633兆円。ドル換算では4兆2308億ドルとなる見込み。ドイツは4兆4298億ドルとなり、日本はドイツに抜かれ世界第4位に転落する。第1位はアメリカで20兆9496億ドル、第2位は中国で17兆7009億ドル。名目GDPをドル換算すると、円安や物価高の影響で日本は小さく出やすい。たとえば物価上昇率はドイツの方が、日本よりずっと高かった。
しかし長期的にみても、日本の成長率は伸び悩んでいる。たとえばコロナ前の19年と23年の推計値を比べると、アメリカは26%の増加、中国は23%の増加、ドイツは14%の増加だった。これに対して、日本は17%の減少となっている。これでは抜かれて順位を落とすのは当然だ。第一生命経済研究所は、この調子だと26年にはインドにも抜かれると予測している。
GDPというのは、一国の経済活動の大きさを表す指標。だから人口が多い方が、大きくなりやすい。これに対してGDPを人口で割った1人当たりGDPは、国民の平均的な経済力の高さを示している。ところがIMFの推計をみると、日本はなんと世界第32位。先進国のなかではどん尻だし、ブルネイやサウジアラビアにも抜かれている。いま日本国民の不満がここに集中していることを、岸田首相はご存知ない。
対外資産という指標がある。政府・企業・個人が外国で所有する資産から負債を差し引いた数値だ。これは日本がまだ世界第1位。その金額は3兆1654億ドル。このおかげで、日本はかろうじて‟経済大国”の面目を保っていると言えるだろう。高度成長期に貯め込んだ‟お宝”である。だが第2位のドイツは2兆9329億ドル、ここでも日本の背中に迫ってきている。
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しかし長期的にみても、日本の成長率は伸び悩んでいる。たとえばコロナ前の19年と23年の推計値を比べると、アメリカは26%の増加、中国は23%の増加、ドイツは14%の増加だった。これに対して、日本は17%の減少となっている。これでは抜かれて順位を落とすのは当然だ。第一生命経済研究所は、この調子だと26年にはインドにも抜かれると予測している。
GDPというのは、一国の経済活動の大きさを表す指標。だから人口が多い方が、大きくなりやすい。これに対してGDPを人口で割った1人当たりGDPは、国民の平均的な経済力の高さを示している。ところがIMFの推計をみると、日本はなんと世界第32位。先進国のなかではどん尻だし、ブルネイやサウジアラビアにも抜かれている。いま日本国民の不満がここに集中していることを、岸田首相はご存知ない。
対外資産という指標がある。政府・企業・個人が外国で所有する資産から負債を差し引いた数値だ。これは日本がまだ世界第1位。その金額は3兆1654億ドル。このおかげで、日本はかろうじて‟経済大国”の面目を保っていると言えるだろう。高度成長期に貯め込んだ‟お宝”である。だが第2位のドイツは2兆9329億ドル、ここでも日本の背中に迫ってきている。
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◇ 「金利据え置き」で秋晴れのNY市場 = ダウ平均は先週1644ドルの大幅な値上がり。昨年10月以来の上げ幅で、終り値は3万4000ドルを回復した。FRBが31日に決定した「政策金利の据え置き」が、株高の主たる原因。週初から「据え置くだろう」の予想で上げ、実際に「据え置いた」ことでさらに値を上げた。週末には予想を下回る雇用統計が発表されて、市場の空気は爽やかな秋晴れとなっている。
日経平均も先週は958円の値上がり。終り値は3万2000円に接近した。日銀が31日に「長期金利政策の修正」を発表、市場は好感して輸出関連株や金融株が買われている。日経平均は10月中998円の下落だったが、これを先週だけで取り戻した形。やはり堅調なニューヨーク市場の影響が大きく、岸田内閣の新経済対策などはあまり響いていない。
ニューヨーク市場では「FRBによる利上げはもうない」という見方が、急速に広まっている。こうした風潮を土台に、しばらくは強気相場が続くのか。それともガザ戦争などの外部要因、あるいは再び浮上しそうな政府の予算切れ問題などが、クローズアップされるのか。加えて本格化する企業の決算発表に、どんな評価が下されるのか。今週の見どころである。
今週は7日に、9月の家計調査、毎月勤労統計。8日に、9月の景気動向指数。9日に、10月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは7日に、9月の貿易統計。10日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、10月の貿易統計。8日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均も先週は958円の値上がり。終り値は3万2000円に接近した。日銀が31日に「長期金利政策の修正」を発表、市場は好感して輸出関連株や金融株が買われている。日経平均は10月中998円の下落だったが、これを先週だけで取り戻した形。やはり堅調なニューヨーク市場の影響が大きく、岸田内閣の新経済対策などはあまり響いていない。
ニューヨーク市場では「FRBによる利上げはもうない」という見方が、急速に広まっている。こうした風潮を土台に、しばらくは強気相場が続くのか。それともガザ戦争などの外部要因、あるいは再び浮上しそうな政府の予算切れ問題などが、クローズアップされるのか。加えて本格化する企業の決算発表に、どんな評価が下されるのか。今週の見どころである。
今週は7日に、9月の家計調査、毎月勤労統計。8日に、9月の景気動向指数。9日に、10月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは7日に、9月の貿易統計。10日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、10月の貿易統計。8日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。
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◇ 定期預金の利息が100倍に = 大手銀行が続々と定期預金の金利を引き上げる。たとえば三菱UFJ銀行は、今週から10年定期預金の金利を年0.2%に引き上げた。これまでの金利は0.002%だったから、100倍になる計算だ。三井住友信託銀行も、7年定期預金の金利を0.1%に引き上げた。今後も多くの銀行が同調するとみられている。きっかけは日銀が長期金利政策を修正、10年もの国債の利回りが1%を超えることを容認したこと。
預金者にとっては喜ばしい話だが、何ともまだ物足りない。たとえば金利が100倍になったと言っても、100万円を預けて年2000円の利子が付くだけだ。ただし、これまで10年間にわたって続いてきた「金利のない世界」に風穴があき、「金利のある世界」に半歩ではあるが足を踏み入れたことは確か。今後は確実に、金利は上昇するだろう。
その行程表は、次のようになると考えられる。まず債券市場で10年もの国債の利回りが上昇、1%を超える。さらに1.5%にまで近づくと、日銀は短期金利についてもゼロ金利からの脱出を考え始める。ここまでくれば、市中銀行の定期預金も2-3%の金利が見えてくる。仮に3%まで上昇すれば、100万円の預金で年3万円の利子が付くことになる。
試算によると、家計の利子所得は91年に38兆円もあった。それが21年には6兆円を割り込んでいる。この面でも家計は強く圧迫されたわけで、消費が伸び悩んだ大きな原因ともなったと考えられる。とにかく「100万円の預金で利子が20円」なんていう世界は、異常中の異常。そこから脱出できることは正常化への道、きわめて喜ぶべき動きだと言えるだろう。
≪6日の日経平均 = 上げ +758.59円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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P.S, 筆者、病気のため入院。経済ブログは休載します。ご諒承ください。
預金者にとっては喜ばしい話だが、何ともまだ物足りない。たとえば金利が100倍になったと言っても、100万円を預けて年2000円の利子が付くだけだ。ただし、これまで10年間にわたって続いてきた「金利のない世界」に風穴があき、「金利のある世界」に半歩ではあるが足を踏み入れたことは確か。今後は確実に、金利は上昇するだろう。
その行程表は、次のようになると考えられる。まず債券市場で10年もの国債の利回りが上昇、1%を超える。さらに1.5%にまで近づくと、日銀は短期金利についてもゼロ金利からの脱出を考え始める。ここまでくれば、市中銀行の定期預金も2-3%の金利が見えてくる。仮に3%まで上昇すれば、100万円の預金で年3万円の利子が付くことになる。
試算によると、家計の利子所得は91年に38兆円もあった。それが21年には6兆円を割り込んでいる。この面でも家計は強く圧迫されたわけで、消費が伸び悩んだ大きな原因ともなったと考えられる。とにかく「100万円の預金で利子が20円」なんていう世界は、異常中の異常。そこから脱出できることは正常化への道、きわめて喜ぶべき動きだと言えるだろう。
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◇ 人類が直面している最大の問題は?
・病室の天井を眺めながら、こう考えた。いま人類はたくさんの問題を抱え込んでいるが、最も重要な案件は何だろう。戦争、覇権争い、感染症の世界的流行、人口問題、食料不足、資源・エネルギーの高騰、インフレ、貧富の格差、AI技術の管理・・・。数え上げればキリがない。
・だが、これらの問題は改善される可能性もなくはない。戦争は10年も続かないだろう。技術の進歩で、感染症や食料不足は克服できるかもしれない。しかし現状からみる限り、改善の見込みが全くないのは地球の温暖化ではないか。多くの人がその危険性を理解してはいる。しかし対応策は遅々として進まない。
・10年後、30年後、50年後の地球はどうなるのだろうか。人類は生き残れるのだろうか。こんな心配が膨れ上がっているのに、戦争をしている地球人。もちろん科学的な根拠はないが、外部情報を遮断された病人の感覚では「地球の温暖化」が文句なく最大の問題となった。
・入院中の新聞を整理していたら、「11月17-18日に、世界の平均気温が産業革命前に比べて初めて2度以上も高くなった」という記事が、紙面の片隅に載っていた。
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・病室の天井を眺めながら、こう考えた。いま人類はたくさんの問題を抱え込んでいるが、最も重要な案件は何だろう。戦争、覇権争い、感染症の世界的流行、人口問題、食料不足、資源・エネルギーの高騰、インフレ、貧富の格差、AI技術の管理・・・。数え上げればキリがない。
・だが、これらの問題は改善される可能性もなくはない。戦争は10年も続かないだろう。技術の進歩で、感染症や食料不足は克服できるかもしれない。しかし現状からみる限り、改善の見込みが全くないのは地球の温暖化ではないか。多くの人がその危険性を理解してはいる。しかし対応策は遅々として進まない。
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◇ NYは下げても、東京は上げる? = ダウ平均は先週443ドルの値上がり。4週間の続伸で、終り値は3万5390ドル。3か月ぶりに3万5000ドル台を回復した。10月の消費者物価と小売り売上高が、ともに予想を下回る伸び率だったことが原因。これで「年内の利上げはなくなった」という見方が大勢を占め、さらに「利上げはもう終了、次は利下げ」の観測も広まった。長期金利も下落している。
日経平均は先週41円の小幅な値上がり。ニューヨーク市場の活況を受けて、一時はバブル崩壊後の最高値を上回ったが、利益確定売りに押されて反落した。7-9月期の実質GDP成長率は年率2.1%のマイナスに落ち込んだが、10月の訪日外国人客数はコロナ前を初めて上回った。株価が足踏みした割に、市場の空気は明るい。
小売り高が伸び悩んで、FRBの利上げが消えることはいい。だが個人消費が減退して、企業の利益が減ることは困る。ニューヨーク市場は、いまこのジレンマに直面し始めた。したがって、株価の足取りは重くなりそう。その一方、東京市場は改めて出遅れ株への関心が高まりそうだ。このため今週は「ニューヨークが雨でも、東京は晴れ」のパターンになる公算が大きいかも。
今週は27日に、10月の企業向けサービス価格。30日に、10月の鉱工業生産、商業動態統計、11月の消費動向調査。1日に、10月の労働力調査、7-9月期の法人企業統計、11月の新車販売台数。アメリカでは27日に、10月の新築住宅販売。28日に、9月のFHFA住宅価格指数、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、7-9月期のGDP改定値。1日に、11月のISM製造業景況指数。また中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪27日の日経平均 = 下げ -177.86円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均は先週41円の小幅な値上がり。ニューヨーク市場の活況を受けて、一時はバブル崩壊後の最高値を上回ったが、利益確定売りに押されて反落した。7-9月期の実質GDP成長率は年率2.1%のマイナスに落ち込んだが、10月の訪日外国人客数はコロナ前を初めて上回った。株価が足踏みした割に、市場の空気は明るい。
小売り高が伸び悩んで、FRBの利上げが消えることはいい。だが個人消費が減退して、企業の利益が減ることは困る。ニューヨーク市場は、いまこのジレンマに直面し始めた。したがって、株価の足取りは重くなりそう。その一方、東京市場は改めて出遅れ株への関心が高まりそうだ。このため今週は「ニューヨークが雨でも、東京は晴れ」のパターンになる公算が大きいかも。
今週は27日に、10月の企業向けサービス価格。30日に、10月の鉱工業生産、商業動態統計、11月の消費動向調査。1日に、10月の労働力調査、7-9月期の法人企業統計、11月の新車販売台数。アメリカでは27日に、10月の新築住宅販売。28日に、9月のFHFA住宅価格指数、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、7-9月期のGDP改定値。1日に、11月のISM製造業景況指数。また中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
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◇ 引き締め効果が表われてきた = アメリカでは先週24日から、恒例の年末商戦が始まった。しかし、すべり出しはやや低調。昨年ほどの活気はない。全米小売業協会は「年末商戦の売上高は前年比3-4%の増加」と予測しているが、これだと物価高を勘案すれば「ほぼ横ばい」ということになる。旅行やレジャーなどへの予約も低調。ガソリンも買い控えの傾向が強く、需要期なのに価格が上がらない。
理由はいろいろ。コロナ対策としての各種補助金が、すべて打ち切られた。コロナ禍で蓄積されていた、いわゆるリベンジ需要が一巡した。なかでも物価高で、家計の過剰な支出が続いたことが大きい。たとえばニューヨーク連銀の調査によると、7-9月のクレジット・カード債務残高は1兆0790億ドルで過去最大。前年比では17%もの増加となった。延滞率も12年ぶりの高さとなっている。
消費の鈍化傾向は、ほかにも表れている。主要500社の7-9月期の決算は純利益が4%の増加で順調だったが、10-12月期の予想については6割の企業が悪化すると予想。業種別でみると、全11業種中7業種の予想が切り下げられた。また主要小売業の8-10月期決算では、売上高を減少させた企業が目立っている。
株式市場はこれまで「景気が悪いとFRBの金融引き締めが遠のく」と考えて、むしろ悪化を示す指標を歓迎してきた。しかし企業の業績悪化は、直ちに株価の低下につながってしまう。その意味で株式市場にとって、年末商戦の不調は新たな対応を迫られる問題となっている。別の見方をすると、金融引き締め政策がやっと実体経済面で効果を発揮し始めたのかもしれない。
≪29日の日経平均 = 下げ -87.17円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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理由はいろいろ。コロナ対策としての各種補助金が、すべて打ち切られた。コロナ禍で蓄積されていた、いわゆるリベンジ需要が一巡した。なかでも物価高で、家計の過剰な支出が続いたことが大きい。たとえばニューヨーク連銀の調査によると、7-9月のクレジット・カード債務残高は1兆0790億ドルで過去最大。前年比では17%もの増加となった。延滞率も12年ぶりの高さとなっている。
消費の鈍化傾向は、ほかにも表れている。主要500社の7-9月期の決算は純利益が4%の増加で順調だったが、10-12月期の予想については6割の企業が悪化すると予想。業種別でみると、全11業種中7業種の予想が切り下げられた。また主要小売業の8-10月期決算では、売上高を減少させた企業が目立っている。
株式市場はこれまで「景気が悪いとFRBの金融引き締めが遠のく」と考えて、むしろ悪化を示す指標を歓迎してきた。しかし企業の業績悪化は、直ちに株価の低下につながってしまう。その意味で株式市場にとって、年末商戦の不調は新たな対応を迫られる問題となっている。別の見方をすると、金融引き締め政策がやっと実体経済面で効果を発揮し始めたのかもしれない。
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