◇ すべての予測が信用できない = ことしの景気は、どうなるのか。政府が発表した21年度の経済成長率は、物価を調整した実質値でプラス4.0%、景況感を反映する名目値でプラス4.4%となっている。この成長率は95年度以降で最大。したがって、この予測通りになれば景気はかなり良くなる。名目GDPも559兆5000億円に拡大し、コロナ前の19年度とほぼ同じ大きさを取り戻す。
多くの民間調査機関も、21年あるいは21年度の経済予測を発表している。たとえば、みずほ総研は21年度の実質成長率をプラス3.4%。大和総研は21年の実質成長率を2.3%と発表した。日経新聞がまとめた民間エコノミスト35人の21年度予測は、平均3.42%だった。このように政府より民間の方が、予測はやや慎重だ。しかし20年に大きく落ち込む反動で、21年はプラス成長になるという点では一致している。
だが、これらの予測はみな信用できない。というのも、景気動向を根本的に左右する新型コロナの状況を掴みきれないからだ。仮にことし前半のうちにコロナが終息すれば、景気はもっと大幅に上昇するだろう。逆に年末までコロナがはびこれば、マイナス成長が続くかもしれない。そしてコロナの先行きは誰にも判らない。
にもかかわらず、経済予測は発表される。政府は予算編成で税収を見積もるため、成長率を算出せざるをえない。だから税収が高めに出るよう、予測が高めになってしまう。民間も経済研究所やエコノミストは、それが役目だと思っている。だから大前提となるコロナの見通しがなくても、成長率を計算してしまう。そういう予測なので、ことしは信用しない方がいい。
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多くの民間調査機関も、21年あるいは21年度の経済予測を発表している。たとえば、みずほ総研は21年度の実質成長率をプラス3.4%。大和総研は21年の実質成長率を2.3%と発表した。日経新聞がまとめた民間エコノミスト35人の21年度予測は、平均3.42%だった。このように政府より民間の方が、予測はやや慎重だ。しかし20年に大きく落ち込む反動で、21年はプラス成長になるという点では一致している。
だが、これらの予測はみな信用できない。というのも、景気動向を根本的に左右する新型コロナの状況を掴みきれないからだ。仮にことし前半のうちにコロナが終息すれば、景気はもっと大幅に上昇するだろう。逆に年末までコロナがはびこれば、マイナス成長が続くかもしれない。そしてコロナの先行きは誰にも判らない。
にもかかわらず、経済予測は発表される。政府は予算編成で税収を見積もるため、成長率を算出せざるをえない。だから税収が高めに出るよう、予測が高めになってしまう。民間も経済研究所やエコノミストは、それが役目だと思っている。だから大前提となるコロナの見通しがなくても、成長率を計算してしまう。そういう予測なので、ことしは信用しない方がいい。
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◇ コロナに対する緊張感なし = 新型コロナ・ウイルスの感染者が急増している。大晦日、東京都では1337人、全国では4519人と予想をはるかに上回った。死亡者も大幅に増えている。しかし菅首相は「休み期間中の医療体制を確保するように指示した」と述べただけで、緊急事態宣言の発令については言及しなかった。これは多くの国民がコロナに慣れ、強制力のない緊急事態宣言では効果が薄いと、菅首相が感じているためだとみられる。
この緊急事態宣言の欠点を補うため、政府はコロナ対策特別措置法の改正案を国会に提出する方針。その焦点は、店舗の営業時間制限や休業要請に従わない業者に罰則を科すること。ただ私権の制限になるため、反対論も多い。しかも政府は18日から始まる通常国会に改正案を提出するので、成立するまでには時間がかかる。
こんな状況のもとで、国会はいま休みに入っている。これでコロナの抑制に間に合うのだろうか。もちろん、グズグズしている政府の姿勢が、まず糾弾されるべきだ。しかし政府がダメなら、国会が政府を突き上げるべきだろう。それなのに国会からは何の声も上がらない。与党議員も野党議員も、正月休みは当然だと考えているようだ。
なぜ年末年始も国会を開いて、コロナ対策の強化を議論しようと誰も言わないのか。ドイツのメルケル首相は「第2次大戦以来の危機だ」と喝破した。日本政府には、このような危機感がない。だから対応が遅れっぱなしだ。再び言うが、そんなときこそ国会議員が声を挙げるべきではないのか。明らかに日本の政治家は、サボっている。
≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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この緊急事態宣言の欠点を補うため、政府はコロナ対策特別措置法の改正案を国会に提出する方針。その焦点は、店舗の営業時間制限や休業要請に従わない業者に罰則を科すること。ただ私権の制限になるため、反対論も多い。しかも政府は18日から始まる通常国会に改正案を提出するので、成立するまでには時間がかかる。
こんな状況のもとで、国会はいま休みに入っている。これでコロナの抑制に間に合うのだろうか。もちろん、グズグズしている政府の姿勢が、まず糾弾されるべきだ。しかし政府がダメなら、国会が政府を突き上げるべきだろう。それなのに国会からは何の声も上がらない。与党議員も野党議員も、正月休みは当然だと考えているようだ。
なぜ年末年始も国会を開いて、コロナ対策の強化を議論しようと誰も言わないのか。ドイツのメルケル首相は「第2次大戦以来の危機だ」と喝破した。日本政府には、このような危機感がない。だから対応が遅れっぱなしだ。再び言うが、そんなときこそ国会議員が声を挙げるべきではないのか。明らかに日本の政治家は、サボっている。
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◇ 景気拡大か分断拡大か = アメリカではきょう5日、ジョージア州で上院議員の決選投票が行われる。田舎の選挙だとバカにするなかれ。その結果は、アメリカの命運を決定するかもしれないのだ。昨年11月3日、アメリカでは大統領選挙と同時に上下両院議員の改選も行われた。その結果、下院は民主党が過半数を制したが、上院は共和党50-民主党48に。ジョージア州の候補者が誰も過半数に達せず、決選投票となったわけ。
もし民主党がこの選挙で2議席を獲得すると、上院は共和50-民主50と拮抗する。この場合は議長を務める副大統領の1票がモノを言うから、民主党が主導権を握ることになる。しかし共和党が1人でも当選すると、上院は共和党が多数となって、アメリカはいわゆる“ねじれ議会”の状態になってしまう。
民主党のジョー・バイデン氏は1月20日、アメリカの第46代大統領に就任する。その経済政策は、言わずと知れた超積極財政。今回も「4年で2兆ドルのインフラ投資、育児・介護に10年で7750億ドルの支出」などを公約している。ただ、その財源として「法人税率の引き上げ、株式譲渡益課税の倍増」など、10年で4兆3000億ドルの増税を実施する。
きょうの選挙で民主党が2議席を獲得すれば、アメリカ経済は急速に拡大するに違いない。しかし共和党が勝てば、バイデン氏の公約は上院でつぶされることになるだろう。しかもジョージアで立候補している共和党の2人は、熱烈なトランプ支持者である。この2人が議席を持てば、トランプ氏の発言力は強くなる。アメリカは分断の拡大が進行するに違いない。
≪4日の日経平均 = 下げ -185.79円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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もし民主党がこの選挙で2議席を獲得すると、上院は共和50-民主50と拮抗する。この場合は議長を務める副大統領の1票がモノを言うから、民主党が主導権を握ることになる。しかし共和党が1人でも当選すると、上院は共和党が多数となって、アメリカはいわゆる“ねじれ議会”の状態になってしまう。
民主党のジョー・バイデン氏は1月20日、アメリカの第46代大統領に就任する。その経済政策は、言わずと知れた超積極財政。今回も「4年で2兆ドルのインフラ投資、育児・介護に10年で7750億ドルの支出」などを公約している。ただ、その財源として「法人税率の引き上げ、株式譲渡益課税の倍増」など、10年で4兆3000億ドルの増税を実施する。
きょうの選挙で民主党が2議席を獲得すれば、アメリカ経済は急速に拡大するに違いない。しかし共和党が勝てば、バイデン氏の公約は上院でつぶされることになるだろう。しかもジョージアで立候補している共和党の2人は、熱烈なトランプ支持者である。この2人が議席を持てば、トランプ氏の発言力は強くなる。アメリカは分断の拡大が進行するに違いない。
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◇ コロナは影響しない? = 日経平均株価は2万7444円、31年ぶりの高値で越年した。その勢いが続いて、ことしも上昇するのだろうか。日経新聞が主要企業の経営者20人に聞いた結果は、21年の高値は平均2万8900円。そのうち4人が「3万円以上」と答えている。一方、証券会社の予想は強気と弱気に2分された。たとえば野村證券は3万0500円、みずほ証券は2万8000円が高値と予測している。
興味深いのは、経営者の多くがコロナの影響を重くみているのに対して、証券会社は重視していないこと。経営者はやはり会社の業績とコロナとは強く関係すると考えている。一方、株式のプロは昨年後半の株価がコロナの浸透にもかかわらず急上昇した経験を重んじているのだろう。
たしかに昨年の株価は3月までは急落したが、そこからは年末まで大幅に上昇した。しかし年明け後の現状は、再び政府が緊急事態宣言を出そうというところまで緊迫している。この状況下で、株価は昨年1-3月のように急落するのか。それとも3月以降のように上げ続けるのか。その判断は難しい。
もう1つの注目点は、アメリカ経済の動向だ。ジョージア州の決選投票はまだ結果が不明だが、もし民主党が上院を制するとバイデン新大統領による大々的な財政支出が日の目を見る。その結果、アメリカ国内で物価が上昇し始めれば、FRBは金融緩和政策を持続できなくなるに違いない。そのとき株式市場は、最大の危機に見舞われることになる。
≪5日の日経平均 = 下げ -99.75円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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興味深いのは、経営者の多くがコロナの影響を重くみているのに対して、証券会社は重視していないこと。経営者はやはり会社の業績とコロナとは強く関係すると考えている。一方、株式のプロは昨年後半の株価がコロナの浸透にもかかわらず急上昇した経験を重んじているのだろう。
たしかに昨年の株価は3月までは急落したが、そこからは年末まで大幅に上昇した。しかし年明け後の現状は、再び政府が緊急事態宣言を出そうというところまで緊迫している。この状況下で、株価は昨年1-3月のように急落するのか。それとも3月以降のように上げ続けるのか。その判断は難しい。
もう1つの注目点は、アメリカ経済の動向だ。ジョージア州の決選投票はまだ結果が不明だが、もし民主党が上院を制するとバイデン新大統領による大々的な財政支出が日の目を見る。その結果、アメリカ国内で物価が上昇し始めれば、FRBは金融緩和政策を持続できなくなるに違いない。そのとき株式市場は、最大の危機に見舞われることになる。
≪5日の日経平均 = 下げ -99.75円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ イギリスを襲う次なる難題 = イギリスは昨年末、EUとの間で離脱後の関係を定める広範な交渉で合意した。これによって交渉が決裂した場合に想定された経済的・社会的大混乱は、あやうく回避された。ところが一安心するヒマもない。新型コロナの変異ウイルスが急速に拡散、イングランドでは3度目の都市封鎖が断行された。そのうえスコットランドが、大英帝国から離脱する危険性も強まっている。
EUとの間で合意した内容は、すべての輸入関税を相互にゼロとするFTA(自由貿易協定)の締結。航空・鉄道・車両・船舶など交通機関の現状維持、イギリス水域内での漁業権など。このうち最後まで揉めた漁業権については、EUの漁獲量を25%減らし、少なくとも5年半は操業を認めることで決着した。
交渉の妥結は当たり前のことだが、イギリスとEUの双方が譲歩することでもたらされた。漁業権の譲歩もその1つだが、イギリス国内ではそれに対する不満も高まっている。特にスコットランドでは、批判が強い。もともとスコットランドはEU離脱に反対。離脱を決めた16年の国民投票でも、スコットランドだけをとれば62%が残留に賛成していた。
というのもスコットランドは、工業製品やウイスキーなどEUへの輸出依存度が高い。今回も関税はゼロのままだが、域外国となったため複雑な通関手続きが必要になった。メーカーにとっては、余計なコストがかさむわけである。そして5月にはスコットランド議会の選挙が行われる。コロナの影響もあって、それまでに景気が悪化すると独立派の議席が増える。「イギリスはEUから離脱した。われわれはイギリスから離脱する」という空気が一挙に高まりかねない。
≪6日の日経平均 = 下げ -102.69円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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EUとの間で合意した内容は、すべての輸入関税を相互にゼロとするFTA(自由貿易協定)の締結。航空・鉄道・車両・船舶など交通機関の現状維持、イギリス水域内での漁業権など。このうち最後まで揉めた漁業権については、EUの漁獲量を25%減らし、少なくとも5年半は操業を認めることで決着した。
交渉の妥結は当たり前のことだが、イギリスとEUの双方が譲歩することでもたらされた。漁業権の譲歩もその1つだが、イギリス国内ではそれに対する不満も高まっている。特にスコットランドでは、批判が強い。もともとスコットランドはEU離脱に反対。離脱を決めた16年の国民投票でも、スコットランドだけをとれば62%が残留に賛成していた。
というのもスコットランドは、工業製品やウイスキーなどEUへの輸出依存度が高い。今回も関税はゼロのままだが、域外国となったため複雑な通関手続きが必要になった。メーカーにとっては、余計なコストがかさむわけである。そして5月にはスコットランド議会の選挙が行われる。コロナの影響もあって、それまでに景気が悪化すると独立派の議席が増える。「イギリスはEUから離脱した。われわれはイギリスから離脱する」という空気が一挙に高まりかねない。
≪6日の日経平均 = 下げ -102.69円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 最悪ならオリンピックも中止 = 緊急事態宣言が再び発令された。対象は感染者の増加が止まらない1都3県だけ。営業の時短要請は飲食店を中心に、夜8時まで。学校関係はいっさい規制しない。昨年4-5月のときは全国が対象。デパートなどを含めて終日営業停止、娯楽施設やイベントも開けなかった。それに比べると、今回は規制の内容がきわめて緩やかだ。その経済的な影響はどうだろう。
昨年の緊急事態宣言は、4月7日から5月25日まで49日間にわたって実施された。そのときのデータをもとに、数多くの調査機関が予測を発表している。ちなみに昨年の場合、4-5月の個人消費減少額は21兆9000億円だった。ここから今回は期間を1か月と仮定、昨年との相違点や各種補助金の増額などを考慮して計算している。
それでも結果は、大きくバラついた。消費支出の減退は1か月で、1兆4000億円~4兆8900億円という試算。したがって最大の場合でも、消費の減少は昨年の22%にとどまる。ただ企業の倒産や失業者の増加は免れないから、経済的な損失はその後も尾を引くことになるだろう。1-3月期のGDPはマイナスになるという予測が、圧倒的に多い。
問題は昨年より緩い規制で、感染者の増加をどこまで縮小できるかということ。十分に縮小できなければ、緊急事態は延長せざるをえなくなる。最悪なのは、十分に縮小しないうちに規制が解除されること。春から夏にかけて、第4波がやってきてしまう。そうなると時間的な条件から考えて、オリンピックの開催は不可能になる。
≪7日の日経平均 = 上げ +434.19円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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昨年の緊急事態宣言は、4月7日から5月25日まで49日間にわたって実施された。そのときのデータをもとに、数多くの調査機関が予測を発表している。ちなみに昨年の場合、4-5月の個人消費減少額は21兆9000億円だった。ここから今回は期間を1か月と仮定、昨年との相違点や各種補助金の増額などを考慮して計算している。
それでも結果は、大きくバラついた。消費支出の減退は1か月で、1兆4000億円~4兆8900億円という試算。したがって最大の場合でも、消費の減少は昨年の22%にとどまる。ただ企業の倒産や失業者の増加は免れないから、経済的な損失はその後も尾を引くことになるだろう。1-3月期のGDPはマイナスになるという予測が、圧倒的に多い。
問題は昨年より緩い規制で、感染者の増加をどこまで縮小できるかということ。十分に縮小できなければ、緊急事態は延長せざるをえなくなる。最悪なのは、十分に縮小しないうちに規制が解除されること。春から夏にかけて、第4波がやってきてしまう。そうなると時間的な条件から考えて、オリンピックの開催は不可能になる。
≪7日の日経平均 = 上げ +434.19円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 加速度的に増える感染者 = まさに怒涛の年末年始だった。大晦日に東京都の感染者が初めて1000人を突破、全国の感染者は4520人に。死亡者も49人を記録した。それが1月7日には東京都の感染者が2447人、全国では7570人に急増。死亡者も64人に増えている。政府もようやく1都3県に緊急事態宣言を出したが、この加速度的なウイルスの感染増加に歯止めをかけられるのか。少々心許ない気がする。
1月7日時点の集計で、世界の感染者数は累計8920万人、死亡者は188万人を超えた。特にアメリカとイギリスの状態が悪い。アメリカの感染者は2130万人、死亡者は36万1312人に達した。死亡者だけをみると、次いでブラジルが19万人台、インドが15万人台。メキシコが13万人台、イギリスとイタリアが7万人台、フランスが6万人台。ロシア・イラン・スペインが5万人台と続いている。
アメリカではニューヨーク州やカリフォルニア州など、多くの地域で外出禁止令が出された。またイギリスでもイングランドとスコットランドの全域で、都市封鎖が断行された。感染力が強い変異ウイルスも、拡散してしまったようだ。この両国では待望のワクチン接種も始まったが、まだその効果は表れていない。
日本の感染者数は累計26万7716人、死亡者数は3898人にのぼった。これまで日本の感染者や死亡者は欧米に比べると極端に少なく、マスクの着用や手洗い回数が多いためだとも言われてきた。しかし同じ島国であるイギリスの場合、昨年4月3日の時点では死亡者が2352人だった。それがいまや7万人に。日本がイギリスのあとを追わないという保証はない。
≪8日の日経平均 = 上げ +648.90円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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1月7日時点の集計で、世界の感染者数は累計8920万人、死亡者は188万人を超えた。特にアメリカとイギリスの状態が悪い。アメリカの感染者は2130万人、死亡者は36万1312人に達した。死亡者だけをみると、次いでブラジルが19万人台、インドが15万人台。メキシコが13万人台、イギリスとイタリアが7万人台、フランスが6万人台。ロシア・イラン・スペインが5万人台と続いている。
アメリカではニューヨーク州やカリフォルニア州など、多くの地域で外出禁止令が出された。またイギリスでもイングランドとスコットランドの全域で、都市封鎖が断行された。感染力が強い変異ウイルスも、拡散してしまったようだ。この両国では待望のワクチン接種も始まったが、まだその効果は表れていない。
日本の感染者数は累計26万7716人、死亡者数は3898人にのぼった。これまで日本の感染者や死亡者は欧米に比べると極端に少なく、マスクの着用や手洗い回数が多いためだとも言われてきた。しかし同じ島国であるイギリスの場合、昨年4月3日の時点では死亡者が2352人だった。それがいまや7万人に。日本がイギリスのあとを追わないという保証はない。
≪8日の日経平均 = 上げ +648.90円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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◇ ダウは最高値を更新中 = 年が明けても、株価の高騰が止まらない。ダウ平均は先週491ドルの値上がり。連日のように史上最高値を更新、終り値は3万1100ドルに接近した。ナスダックやSP500も、高値を更新している。ジョージア州の選挙で民主党が勝ち、ブルー・ウエーブ(大統領・上下両院が民主党)が実現。バイデン積極財政が始まることへの期待が高まった。半面、コロナの拡散には完全に目をつぶっている。
日経平均も先週は695円の値上がり。週の前半は下げたが、木曜と金曜日だけで1000円以上も上昇した。終り値では30年ぶりに2万8000円を回復している。株価をこれだけ押し上げる要因は見当たらず、ほとんどニューヨーク市場の活況に引きずられた形。景気敏感株もハイテク関連株も買われている。ただ東京市場でも、コロナの拡散は無視された。
来週20日、アメリカではバイデン氏が第46代の大統領に就任する。ここからアメリカの政治・外交・経済・社会が、大きく変わるのかどうか。どのように変わるのか。その一方、投資家はとうとうコロナの蔓延も景気の下落も、眼中に入れなくなったようだ。ある意味では、完全なバブル症状だとみてもいい。こうした状態が、いつまで続くのか。何がきっかけで、バブルは破れるのか。判らないことが、束になって現われてきた。
今週は12日に、12月の景気ウオッチャー調査。14日に、11月の機械受注と12月の企業物価。15日に、11月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、12月の消費者物価。15日に、12月の小売り売上高、工業生産、生産者物価。1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が11日に、12月の消費者物価と生産者物価。14日に、12月の貿易統計を発表する。
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日経平均も先週は695円の値上がり。週の前半は下げたが、木曜と金曜日だけで1000円以上も上昇した。終り値では30年ぶりに2万8000円を回復している。株価をこれだけ押し上げる要因は見当たらず、ほとんどニューヨーク市場の活況に引きずられた形。景気敏感株もハイテク関連株も買われている。ただ東京市場でも、コロナの拡散は無視された。
来週20日、アメリカではバイデン氏が第46代の大統領に就任する。ここからアメリカの政治・外交・経済・社会が、大きく変わるのかどうか。どのように変わるのか。その一方、投資家はとうとうコロナの蔓延も景気の下落も、眼中に入れなくなったようだ。ある意味では、完全なバブル症状だとみてもいい。こうした状態が、いつまで続くのか。何がきっかけで、バブルは破れるのか。判らないことが、束になって現われてきた。
今週は12日に、12月の景気ウオッチャー調査。14日に、11月の機械受注と12月の企業物価。15日に、11月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、12月の消費者物価。15日に、12月の小売り売上高、工業生産、生産者物価。1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が11日に、12月の消費者物価と生産者物価。14日に、12月の貿易統計を発表する。
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 悪材料はすべて無視 = 世界的に株価の上昇が止まらなくなった。昨年11月初めと先週末の株価を比べてみると、たとえばダウ平均は4596ドルの値上がり。上昇率は17%に達した。日経平均も5162円の値上がり、上昇率は22%にのぼっている。この間、新型コロナ・ウイルスの世界的拡散は勢いを増し、景気は二番底に落ち込む公算が強まった。しかし株式市場は、全く無視している。
ダウ平均は先週末に、3万1100ドルにまで上昇した。もちろん史上最高値である。ジョージア州の決選投票で民主党が勝利し、ブルー・ウエーブ(大統領と上下両院が民主党)が実現。バイデン新大統領による積極財政政策の展開を期待した買いが、株価を押し上げた。しかしバイデン氏は、その財源として法人税と株式譲渡課税の大幅な引き上げも公約している。
バイデン氏がこの公約を掲げて選挙戦に打って出た昨年夏、ウオール街はこれを嫌って「バイデン勝利なら株価は暴落する」と予想していた。あの当時の警戒感は、どこへ行ってしまったのだろうか。また先週は12月の雇用統計が発表され、雇用者数が減少するという予想外の結果が出た。しかし株式市場は、これも完全に無視してしまった。
さらに驚くべきことは、共和党の右派が暴徒化して議事堂に乱入するという前代未聞の騒動が持ち上がった。議員たちが避難を余儀なくされ、5人の死者が出た。アメリカ史上でも最悪の汚点となったこの事件に対しても、ニューヨーク市場は完全に無視。株価は史上最高値を更新し続けた。このバブルはいつ、何がきっかけとなって破裂するのだろう。
(続きは明日)
≪12日の日経平均 = 上げ +25.31円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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ダウ平均は先週末に、3万1100ドルにまで上昇した。もちろん史上最高値である。ジョージア州の決選投票で民主党が勝利し、ブルー・ウエーブ(大統領と上下両院が民主党)が実現。バイデン新大統領による積極財政政策の展開を期待した買いが、株価を押し上げた。しかしバイデン氏は、その財源として法人税と株式譲渡課税の大幅な引き上げも公約している。
バイデン氏がこの公約を掲げて選挙戦に打って出た昨年夏、ウオール街はこれを嫌って「バイデン勝利なら株価は暴落する」と予想していた。あの当時の警戒感は、どこへ行ってしまったのだろうか。また先週は12月の雇用統計が発表され、雇用者数が減少するという予想外の結果が出た。しかし株式市場は、これも完全に無視してしまった。
さらに驚くべきことは、共和党の右派が暴徒化して議事堂に乱入するという前代未聞の騒動が持ち上がった。議員たちが避難を余儀なくされ、5人の死者が出た。アメリカ史上でも最悪の汚点となったこの事件に対しても、ニューヨーク市場は完全に無視。株価は史上最高値を更新し続けた。このバブルはいつ、何がきっかけとなって破裂するのだろう。
(続きは明日)
≪12日の日経平均 = 上げ +25.31円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ バブル状態が長続きする可能性も = 日経平均についても、バブル状態だと診断できる。もっとも東京市場の場合は、ニューヨークと異なる点がないではない。その1つはアメリカの長期金利が上昇して、ドル高・円安が進んだこと。もう1つは、日銀が大量のETF(上場投資信託)を市場から買い続けていることだ。ただコロナ禍が拡大し、緊急事態宣言が発令されたにもかかわらず、株価は30年ぶりの高値を回復した。やはり異常な現象と言えるだろう。
バブルを生んだ根本的な原因は、各国中央銀行による超金融緩和政策。主要な世界の9中央銀行は、20年だけでも合計9兆7000億ドル(約1000兆円)の資金を市中に放出した。ちなみに日銀は129兆円の資金を供給している。こうした資金の多くが株式市場に集まり、世界全体の時価総額は100兆ドル(約1京円)を超えた。
こうしたバブルが崩壊する原因は、何だろう。いま市場で取りざたされているのは、国債の増発で金利が上がること。資金が株式市場から債券市場に移転する可能性がある。しかし中央銀行が国債を買うことで、金利の上昇は抑制されるに違いない。もう1つはリーマン・ショックのように、金融不安が起きること。だが市中には大量の資金が滞留しているから、少々の不安なら呑み込んでしまうだろう。
致命的なのは、インフレの発生だ。中央銀行は緩和政策を止め、引き締め政策に転換しなければならない。株式市場にとっては大元の資金供給源を断たれるわけで、バブルは確実に崩壊する。しかしインフレが生じるまでに時間がかかるとすれば、株価バブルは意外に長続きする可能性もないではない。その場合は21年も、株高の年になる。
≪13日の日経平均 = 上げ +292.25円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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バブルを生んだ根本的な原因は、各国中央銀行による超金融緩和政策。主要な世界の9中央銀行は、20年だけでも合計9兆7000億ドル(約1000兆円)の資金を市中に放出した。ちなみに日銀は129兆円の資金を供給している。こうした資金の多くが株式市場に集まり、世界全体の時価総額は100兆ドル(約1京円)を超えた。
こうしたバブルが崩壊する原因は、何だろう。いま市場で取りざたされているのは、国債の増発で金利が上がること。資金が株式市場から債券市場に移転する可能性がある。しかし中央銀行が国債を買うことで、金利の上昇は抑制されるに違いない。もう1つはリーマン・ショックのように、金融不安が起きること。だが市中には大量の資金が滞留しているから、少々の不安なら呑み込んでしまうだろう。
致命的なのは、インフレの発生だ。中央銀行は緩和政策を止め、引き締め政策に転換しなければならない。株式市場にとっては大元の資金供給源を断たれるわけで、バブルは確実に崩壊する。しかしインフレが生じるまでに時間がかかるとすれば、株価バブルは意外に長続きする可能性もないではない。その場合は21年も、株高の年になる。
≪13日の日経平均 = 上げ +292.25円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇直さないと支持率は下がるばかり = 政府は13日、緊急事態宣言の対象地域に、大阪・愛知・福岡などの7府県を追加した。福岡県を除く6府県の知事が数日前から官邸に対して実施を強く要請、菅首相が受け入れたもの。先に首都圏1都3県に緊急事態宣言を出したときも、小池都知事らが官邸に押しかけて直訴。はじめは宣言の発令に慎重だった菅首相が、結局は押し切られた形となった。
国民の目から見ると「菅首相はいつも知事たちに尻を叩かれて、重い腰を上げている」ように映る。つまり「菅首相にはリーダーシップがなく、決断が遅い」とも感じてしまう。しかも最後は必ず「専門家会議に検討してもらう」と言うが、こんな“儀式”をのんびり開いているヒマはあるのか。専門家会議で政府の諮問内容が修正されたことなんか、一度もないじゃないか。行政の無駄をなくそうとおっしゃったのは、どなたか――という感想になる。
コロナ対策特別措置法の改正も、完全に遅れてしまった。緊急事態宣言でもコロナの拡大が収まらない場合に備えて、店舗の休業や時間短縮をしない企業に罰則を科すことが改正の趣旨。以前から議論されてきたが、政府はようやく18日に召集される通常国会に改正案を提出する。これでは泥棒を捕まえてから縄をなうようなもの。菅首相が主導して昨年のうちに国会で審議を始めていれば、内閣支持率は上がったに違いない。
変異ウイルスが、世界で蔓延し始めた。それなのに、海外11か国からはビジネス客を入国させていた。これもようやく全面禁止にしたが、いかにも対応が鈍い。たしかに、コロナの撲滅と経済活動の維持を両立させることは難しい。欧米諸国でも、軒並み失敗している。だから菅首相だけを責めるのは酷ではある。しかし非常時の日本を率いる総理大臣としては、もっと機敏に対処してもらいたい。そうしないと、支持率は下がり続けるだろう。
≪14日の日経平均 = 上げ +241.67円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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国民の目から見ると「菅首相はいつも知事たちに尻を叩かれて、重い腰を上げている」ように映る。つまり「菅首相にはリーダーシップがなく、決断が遅い」とも感じてしまう。しかも最後は必ず「専門家会議に検討してもらう」と言うが、こんな“儀式”をのんびり開いているヒマはあるのか。専門家会議で政府の諮問内容が修正されたことなんか、一度もないじゃないか。行政の無駄をなくそうとおっしゃったのは、どなたか――という感想になる。
コロナ対策特別措置法の改正も、完全に遅れてしまった。緊急事態宣言でもコロナの拡大が収まらない場合に備えて、店舗の休業や時間短縮をしない企業に罰則を科すことが改正の趣旨。以前から議論されてきたが、政府はようやく18日に召集される通常国会に改正案を提出する。これでは泥棒を捕まえてから縄をなうようなもの。菅首相が主導して昨年のうちに国会で審議を始めていれば、内閣支持率は上がったに違いない。
変異ウイルスが、世界で蔓延し始めた。それなのに、海外11か国からはビジネス客を入国させていた。これもようやく全面禁止にしたが、いかにも対応が鈍い。たしかに、コロナの撲滅と経済活動の維持を両立させることは難しい。欧米諸国でも、軒並み失敗している。だから菅首相だけを責めるのは酷ではある。しかし非常時の日本を率いる総理大臣としては、もっと機敏に対処してもらいたい。そうしないと、支持率は下がり続けるだろう。
≪14日の日経平均 = 上げ +241.67円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 中国で8か月ぶりに死亡者 = 新型コロナ・ウイルスの流行に、終息の気配はない。世界の感染者は9235万人、死亡者は197万人。間もなく200万人に達する。最も重篤なアメリカは感染者が2308万人、死亡者は38万4794人に。1日4000人以上の人が亡くなっている。次いでブラジルの感染者は825万人、死亡者は20万5964人。インドは感染者が1061万人、死亡者は15万1727人に達した。
日本時間15日午前0時の集計で死亡者数をみると、メキシコが13万人台、イギリスとイタリアが8万人台。続いてフランスとロシアが6万人台。さらにイランとスペインが5万人台。ドイツが4万人台と続いている。アメリカやイギリスをはじめイタリア、ドイツでも厳しい都市封鎖を実施しているが、その効果はまだ現われてこない。各国ともワクチン頼みの状況だ。
こうしたなか、中国では昨年5月以来8か月ぶりに死亡者が発生した。この間、中国では感染者数が4900人ほど増えているが、死亡者は1人も出なかった。それが最近、北京に隣接する河北省で感染者が多発、政府は石家荘市などを都市封鎖したが、死亡者が出てしまった。中国流の厳しい対処法で、今後の流行を抑制できるか。注目して行きたい。
日本の感染者は31万1355人、死亡者は4355人になった。この1週間で死亡者は457人も増えた。わずか3か月前には30人程度の増加だったから、状況は急速に悪化している。重症者も急増しており、医療崩壊に片足を突っ込んだ格好。政府は慌てて11都府県に緊急事態宣言を発令したが、遅きに失したことは歴然だ。今月末の状態がどうなるか、心配である。
≪15日の日経平均 = 下げ -179.08円≫
【今週の日経平均予想 = 1勝3敗】
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日本時間15日午前0時の集計で死亡者数をみると、メキシコが13万人台、イギリスとイタリアが8万人台。続いてフランスとロシアが6万人台。さらにイランとスペインが5万人台。ドイツが4万人台と続いている。アメリカやイギリスをはじめイタリア、ドイツでも厳しい都市封鎖を実施しているが、その効果はまだ現われてこない。各国ともワクチン頼みの状況だ。
こうしたなか、中国では昨年5月以来8か月ぶりに死亡者が発生した。この間、中国では感染者数が4900人ほど増えているが、死亡者は1人も出なかった。それが最近、北京に隣接する河北省で感染者が多発、政府は石家荘市などを都市封鎖したが、死亡者が出てしまった。中国流の厳しい対処法で、今後の流行を抑制できるか。注目して行きたい。
日本の感染者は31万1355人、死亡者は4355人になった。この1週間で死亡者は457人も増えた。わずか3か月前には30人程度の増加だったから、状況は急速に悪化している。重症者も急増しており、医療崩壊に片足を突っ込んだ格好。政府は慌てて11都府県に緊急事態宣言を発令したが、遅きに失したことは歴然だ。今月末の状態がどうなるか、心配である。
≪15日の日経平均 = 下げ -179.08円≫
【今週の日経平均予想 = 1勝3敗】
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◇ 考え込んだニューヨーク市場 = ダウ平均は先週284ドルの値下がり。5週間ぶりの下落で、終り値は3万1000ドルを割り込んだ。さすがに高値警戒感が強まり、利益確定売りが出て調整した形。加えて20日の大統領就任式を控えて首都ワシントンの厳戒ぶりも、投資家の心理を冷やしたようだ。さらにFRBの理事たちが「金融緩和政策の終了時期」について言及したことも、売り材料になった。
日経平均は先週380円の値上がり。3週連続の上昇で、終り値は2万8500円を維持している。アメリカの長期金利が上昇し、ドル高・円安が進んだこと。日銀のETF買い入れが、株価を押し上げた。その一方、ワシントンの混乱やFRBの裏情報は、海の向こうの話なのであまり響かなかった。ただニューヨークも東京も、猛威を振るうコロナについては無関心。奇妙である。
バイデン次期大統領が、総額1兆9000億ドル(約200兆円)にのぼる追加のコロナ対策を正式に発表した。しかし市場は織り込み済みで、反応しなかった。またパウエルFRB議長が「利上げのチャンスはずっと先だ」と発言したが、株価は上がらなかった。FRBの緩和政策終了に関する問題は、今後に尾を引くことになるかもしれない。
今週は21日に、12月の貿易統計。22日に、12月の消費者物価。アメリカでは20日に、1月のNAHB住宅市場指数。21日に、12月の住宅着工戸数。22日に、12月の中古住宅販売。また中国が18日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお20日は、アメリカの大統領就任式。
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日経平均は先週380円の値上がり。3週連続の上昇で、終り値は2万8500円を維持している。アメリカの長期金利が上昇し、ドル高・円安が進んだこと。日銀のETF買い入れが、株価を押し上げた。その一方、ワシントンの混乱やFRBの裏情報は、海の向こうの話なのであまり響かなかった。ただニューヨークも東京も、猛威を振るうコロナについては無関心。奇妙である。
バイデン次期大統領が、総額1兆9000億ドル(約200兆円)にのぼる追加のコロナ対策を正式に発表した。しかし市場は織り込み済みで、反応しなかった。またパウエルFRB議長が「利上げのチャンスはずっと先だ」と発言したが、株価は上がらなかった。FRBの緩和政策終了に関する問題は、今後に尾を引くことになるかもしれない。
今週は21日に、12月の貿易統計。22日に、12月の消費者物価。アメリカでは20日に、1月のNAHB住宅市場指数。21日に、12月の住宅着工戸数。22日に、12月の中古住宅販売。また中国が18日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお20日は、アメリカの大統領就任式。
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ FRBの理事が次々と言及 = パウエルFRB議長は先週14日、プリンストン大学のセミナーに参加。「必要ならば利上げするが、そのときはすぐには来ない」「物価が2%に達しても、一時的ならば引き締めはしない」などと強調した。コロナ不況の真っ最中なのに、なぜ金融緩和政策の縮小について説明したのだろう。それは最近、FRBの理事たちが緩和政策の終了について言及、市場に動揺がみられたからである。
FRBは現在、毎月800億ドル(約8兆円)の国債を市場から買い入れている。これについてダラス連銀総裁は「減額の可能性がある」と明言した。またシカゴ連銀総裁は「今年の末から来年にかけて、金融緩和は縮小されるだろう。6月になれば、もっと明白になる」と述べている。一方、セントルイス連銀総裁は「この議論は時期尚早だ」とコメントした。
あす20日には、バイデン新政権が誕生する。そんなときに金融緩和の終了が議論されるのは好ましくない。パウエル議長はこう考えて、緩和の終了論にクギを刺したに違いない。だがパウエル議長の発言にもかかわらず、この日の株価は下落した。市場では、議長と理事たちは役割分担をしたのではないか、という疑念まで生まれている。
とにかく、いまの株価高騰は金融緩和のうえに成り立っている。その緩和が終了することは、最大の恐怖であることに間違いない。バイデン新大統領による未曽有の財政支出、ワクチンの普及によるコロナの終息。うまく行けば、景気は近く急回復するかもしれない。市場にとっては明るい材料になるが、同時に金融緩和もテイパリング(しだいに消える)可能性が大きくなる。いまの市場にとっては流行し始めたテイパリングという言葉が、恐ろしい呪文のように聞こえるようだ。
≪18日の日経平均 = 下げ ー276.97円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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FRBは現在、毎月800億ドル(約8兆円)の国債を市場から買い入れている。これについてダラス連銀総裁は「減額の可能性がある」と明言した。またシカゴ連銀総裁は「今年の末から来年にかけて、金融緩和は縮小されるだろう。6月になれば、もっと明白になる」と述べている。一方、セントルイス連銀総裁は「この議論は時期尚早だ」とコメントした。
あす20日には、バイデン新政権が誕生する。そんなときに金融緩和の終了が議論されるのは好ましくない。パウエル議長はこう考えて、緩和の終了論にクギを刺したに違いない。だがパウエル議長の発言にもかかわらず、この日の株価は下落した。市場では、議長と理事たちは役割分担をしたのではないか、という疑念まで生まれている。
とにかく、いまの株価高騰は金融緩和のうえに成り立っている。その緩和が終了することは、最大の恐怖であることに間違いない。バイデン新大統領による未曽有の財政支出、ワクチンの普及によるコロナの終息。うまく行けば、景気は近く急回復するかもしれない。市場にとっては明るい材料になるが、同時に金融緩和もテイパリング(しだいに消える)可能性が大きくなる。いまの市場にとっては流行し始めたテイパリングという言葉が、恐ろしい呪文のように聞こえるようだ。
≪18日の日経平均 = 下げ ー276.97円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ コロナ前の成長率を回復 = 中国統計局は18日、昨年10-12月期の実質経済成長率を発表した。それによると、前年同期比の成長率は6.5%に拡大。コロナ以前の水準に戻っている。政府の景気対策、自動車や半導体を中心とする工業生産、それに輸出の増加が大きく寄与した。ただ地方政府が抱え込んだ過剰債務、不動産バブル、あるいは個人所得の伸び悩みなど、習政権が対処すべき問題も少なくない。
中国の成長率は、コロナに見舞われた昨年1-3月期にはマイナス6.8%まで落ち込んだ。それが4-6月期はプラス3.2%、7-9月期はプラス4.9%と徐々に上昇。さらに10-12月期も拡大を続けたため、20年を通じた成長率は2.3%にまで回復した。欧米諸国や日本などは20年の成長率がマイナスとなる見込み。そうしたなかで、中国が独り勝ちの形となった。
同時に発表された20年の主要な経済指標をみると、政府のインフラ投資・企業の設備投資・民間の不動産投資を合計した固定資産投資額は前年比2.9%の増加。輸出も3.6%伸びている。ただ小売り売上高は3.9%の減少で、94年以降では初めてのマイナスで終わった。これは大都市以外での雇用が増加せず、全体として所得が落ち込んでいるためだと考えられる。
新型コロナ・ウイルスは一昨年12月に、中国の武漢で発生したといわれる。だが中国は昨年4月ごろまでに、コロナの封じ込めに成功した。過去8か月間に感染者の増加は5000人以下、死亡者は1人しか出していない。その一方、欧米諸国や日本はいまだにコロナの急拡大に手を焼いている。この差が、経済成長率の明暗にもつながった。だが成長率にとどまらず、この差はもっと重大な問題にもつながっている。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +391.25円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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中国の成長率は、コロナに見舞われた昨年1-3月期にはマイナス6.8%まで落ち込んだ。それが4-6月期はプラス3.2%、7-9月期はプラス4.9%と徐々に上昇。さらに10-12月期も拡大を続けたため、20年を通じた成長率は2.3%にまで回復した。欧米諸国や日本などは20年の成長率がマイナスとなる見込み。そうしたなかで、中国が独り勝ちの形となった。
同時に発表された20年の主要な経済指標をみると、政府のインフラ投資・企業の設備投資・民間の不動産投資を合計した固定資産投資額は前年比2.9%の増加。輸出も3.6%伸びている。ただ小売り売上高は3.9%の減少で、94年以降では初めてのマイナスで終わった。これは大都市以外での雇用が増加せず、全体として所得が落ち込んでいるためだと考えられる。
新型コロナ・ウイルスは一昨年12月に、中国の武漢で発生したといわれる。だが中国は昨年4月ごろまでに、コロナの封じ込めに成功した。過去8か月間に感染者の増加は5000人以下、死亡者は1人しか出していない。その一方、欧米諸国や日本はいまだにコロナの急拡大に手を焼いている。この差が、経済成長率の明暗にもつながった。だが成長率にとどまらず、この差はもっと重大な問題にもつながっている。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +391.25円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 試されている民主主義 = 中国共産党は昨年11月、経済の長期計画をまとめて発表した。そのなかでは「35年に1人当たりGDPを2倍にする」ことが、大きな目標となっている。この目標を達成するためには、年平均4.7%の成長が必要だ。したがって20年の2.3%という成長率では足りない。しかし中国政府は21年の成長率は8%に達すると予測しているから、20-21年を通してみれば長期目標の達成は可能になる。
中国経済は、いま数々の問題を抱えている。たとえば銀行が保有する不良債権は1兆5000億ドル。地方政府が持つ隠れ債務は50兆円、社債の債務不履行は昨年だけで25兆円にのぼるという推計もある。とにかく、政府も民間も借金漬けになってしまった。それに住宅を中心とした不動産バブル。これらの問題を解決しなければ、ことし8%の成長はムリになる。
だから、共産党の長期計画が達成されるという保証はまだない。しかし現時点でみる限り、主要国のなかで中国だけがプラス成長に戻ったことは事実である。それが中国流の厳しい統制で、コロナの封じ込めに成功した結果であることも確かだ。最近も河北省でコロナ患者が発生すると、ただちに1000万都市の石家荘市を完全封鎖してしまった。陽性者の行動は公開され、一般市民も健康コードなしには移動できない。
そこには個人の自由もプライバシーもない。一方、アメリカではマスクの着用も“自由の侵害”だと怒る人が少なくない。政府による強制的な個人の把握vs自由と民主主義。少なくともコロナに関する限りは、強権政治のほうが有効であり、それが経済の再生にも役立っている。この現実を、どのように評価したらいいのか。議論はまだ聞こえてこない。
≪20日の日経平均 = 下げ ー110.20円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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中国経済は、いま数々の問題を抱えている。たとえば銀行が保有する不良債権は1兆5000億ドル。地方政府が持つ隠れ債務は50兆円、社債の債務不履行は昨年だけで25兆円にのぼるという推計もある。とにかく、政府も民間も借金漬けになってしまった。それに住宅を中心とした不動産バブル。これらの問題を解決しなければ、ことし8%の成長はムリになる。
だから、共産党の長期計画が達成されるという保証はまだない。しかし現時点でみる限り、主要国のなかで中国だけがプラス成長に戻ったことは事実である。それが中国流の厳しい統制で、コロナの封じ込めに成功した結果であることも確かだ。最近も河北省でコロナ患者が発生すると、ただちに1000万都市の石家荘市を完全封鎖してしまった。陽性者の行動は公開され、一般市民も健康コードなしには移動できない。
そこには個人の自由もプライバシーもない。一方、アメリカではマスクの着用も“自由の侵害”だと怒る人が少なくない。政府による強制的な個人の把握vs自由と民主主義。少なくともコロナに関する限りは、強権政治のほうが有効であり、それが経済の再生にも役立っている。この現実を、どのように評価したらいいのか。議論はまだ聞こえてこない。
≪20日の日経平均 = 下げ ー110.20円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 就任演説で国民に“団結”を訴え = 「私の魂のすべては、アメリカを一つにすること、国民を団結させ、国を結束させることに向けられている」--バイデン新大統領は就任演説で、こう力説した。就任式の直後に行われるこの演説は、新大統領が国民に呼びかける第一声。常に新大統領が就任した時点で、何を最重要な課題と考えているのかが訴えられる。バイデン氏の場合は、やはり“分断の修復”が、最大のテーマとなった。
有名なのは、1961年に行われたケネディ大統領の就任演説。このなかでは「国家が諸君のために何が出来るを問うのではなく、諸君が国家のために何が出来るかを問うてほしい」と訴えている。また4年前、トランプ大統領は「今日この日から、ひたすらアメリカ第一に徹する」と、強い信念を披歴した。
たしかに現在のアメリカは、ずたずたに分断されている。中道・左派とトランプ氏を崇拝する右派の分断で、バイデン氏の大統領就任式も戒厳令下の状態で行わねばならなかった。だが分断はそれだけではない。人種間の分断、地域間の分断、宗教的な分断。そして何よりも強い分断は、貧富の差であり、これが多重分断を助長する温床ともなっている。
アメリカでは上位1%の高所得層が富の40%を握り、下位90%の低中所得層が20%の富を分け合っているといわれる。今回のコロナ禍でも、年収4万ドル以下の家庭の4割が一時的にせよ失職し、所得上位10%の大金持ちは4-6月だけで資産を6兆ドルも増やしている。この貧富の差をどうやって縮めて行くのか。バイデン大統領は、どんな秘策を持っているのか。
≪21日の日経平均 = 上げ +233.60円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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有名なのは、1961年に行われたケネディ大統領の就任演説。このなかでは「国家が諸君のために何が出来るを問うのではなく、諸君が国家のために何が出来るかを問うてほしい」と訴えている。また4年前、トランプ大統領は「今日この日から、ひたすらアメリカ第一に徹する」と、強い信念を披歴した。
たしかに現在のアメリカは、ずたずたに分断されている。中道・左派とトランプ氏を崇拝する右派の分断で、バイデン氏の大統領就任式も戒厳令下の状態で行わねばならなかった。だが分断はそれだけではない。人種間の分断、地域間の分断、宗教的な分断。そして何よりも強い分断は、貧富の差であり、これが多重分断を助長する温床ともなっている。
アメリカでは上位1%の高所得層が富の40%を握り、下位90%の低中所得層が20%の富を分け合っているといわれる。今回のコロナ禍でも、年収4万ドル以下の家庭の4割が一時的にせよ失職し、所得上位10%の大金持ちは4-6月だけで資産を6兆ドルも増やしている。この貧富の差をどうやって縮めて行くのか。バイデン大統領は、どんな秘策を持っているのか。
≪21日の日経平均 = 上げ +233.60円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 日本の死亡者数が中国を上回った = 世界の感染者数は9685万人に。1日70万人の勢いで増加しているから、来週は確実に1億人を突破する。死亡者も207万人に達した。最悪のアメリカは感染者が2444万人、死亡者は40万6196人となり第2次世界大戦の戦死者を上回っている。バイデン新大統領はコロナ対策を最重要課題としたが、就任100日後に成果ガ現われなければ評判を落とすことになりそうだ。
日本時間22日午前0時の集計で各国の死亡者数をみると、2位のブラジルは21万人台。次いでインドが15万人台、メキシコが14万人台。イギリスが9万人台、イタリアが8万人台、フランスが7万人台、ロシアが6万人台。さらにイラン・スペイン・ドイツが5万人台となっている。1日当たりの死者数が多いのは、アメリカ、メキシコ、イギリスの順だった。
WHO(世界保健機関)の発表によると、イギリス由来の変異ウイルスは世界60か国で発見された。また南アフリカ由来の変異ウイルスは23か国に広まっている。日本でも静岡県と東京都で確認されたが、伝染経路は分かっていない。おそらく他の地域でも、これから感染者が発見されるのではないか。要注意だ。
日本の感染者は累計35万2689人。この1週間で4万2000人増加した。死亡者は531人増えて4886人に。中国の累計4635人を超えてしまった。いま政府は首都圏など11都府県に緊急事態宣言を発令しているが、期限切れの2月7日にどの程度まで改善できるのだろうか。もし宣言が延長されることになれば、その経済的・政治的影響はきわめて大きい。
≪22日の日経平均 = 下げ ー125.41円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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日本時間22日午前0時の集計で各国の死亡者数をみると、2位のブラジルは21万人台。次いでインドが15万人台、メキシコが14万人台。イギリスが9万人台、イタリアが8万人台、フランスが7万人台、ロシアが6万人台。さらにイラン・スペイン・ドイツが5万人台となっている。1日当たりの死者数が多いのは、アメリカ、メキシコ、イギリスの順だった。
WHO(世界保健機関)の発表によると、イギリス由来の変異ウイルスは世界60か国で発見された。また南アフリカ由来の変異ウイルスは23か国に広まっている。日本でも静岡県と東京都で確認されたが、伝染経路は分かっていない。おそらく他の地域でも、これから感染者が発見されるのではないか。要注意だ。
日本の感染者は累計35万2689人。この1週間で4万2000人増加した。死亡者は531人増えて4886人に。中国の累計4635人を超えてしまった。いま政府は首都圏など11都府県に緊急事態宣言を発令しているが、期限切れの2月7日にどの程度まで改善できるのだろうか。もし宣言が延長されることになれば、その経済的・政治的影響はきわめて大きい。
≪22日の日経平均 = 下げ ー125.41円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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◇ 目標を見失ったニューヨーク市場 = ダウ平均は先週183ドルの値上がり。週の半ばには3万1188ドルの史上最高値を付けたが、後半はやや反落した。IT企業が多いナスダックや上場銘柄数が多いSP500も、そろって最高値を更新。心配されたトラブルもなく発足したバイデン政権に、まずは“ご祝儀”を出した形となった。日経平均も先週は112円の値上がり。ほとんどニューヨークに追随した。
先週の最高値を年初に比べてみると、ダウ平均は582ドル上昇した。昨年初からは2650ドルも上昇している。この間、市場はあらゆる材料を飲み込んできた。最近でもバイデン大統領による未曽有の財政支出計画、ブルー・ウエーブ(大統領と上下両院を民主党が制覇)、そしてFRBによる超金融緩和政策の継続。さらにコロナ収束後の景気上昇まで。
これらの材料をすべて織り込んで、株価は上がってきた。しかし実際にバイデン政権がスタートしたいま、市場が目標とするべき新しい材料が見当たらない。それどころか国債の大増発が見込まれることから、早くも長期金利が上昇し始めている。市場が新しい目標を見付けるまで、株価は一休みするのではないか。こんな観測さえ出始めてきている。
今週は26日に、12月の企業向けサービス価格。28日に、12月の商業動態統計。29日に、12月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数と1月の消費動向調査。アメリカでは28日に、10-12月期のGDP速報、12月の新築住宅販売。29日に、中古住宅販売。また中国が31日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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先週の最高値を年初に比べてみると、ダウ平均は582ドル上昇した。昨年初からは2650ドルも上昇している。この間、市場はあらゆる材料を飲み込んできた。最近でもバイデン大統領による未曽有の財政支出計画、ブルー・ウエーブ(大統領と上下両院を民主党が制覇)、そしてFRBによる超金融緩和政策の継続。さらにコロナ収束後の景気上昇まで。
これらの材料をすべて織り込んで、株価は上がってきた。しかし実際にバイデン政権がスタートしたいま、市場が目標とするべき新しい材料が見当たらない。それどころか国債の大増発が見込まれることから、早くも長期金利が上昇し始めている。市場が新しい目標を見付けるまで、株価は一休みするのではないか。こんな観測さえ出始めてきている。
今週は26日に、12月の企業向けサービス価格。28日に、12月の商業動態統計。29日に、12月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数と1月の消費動向調査。アメリカでは28日に、10-12月期のGDP速報、12月の新築住宅販売。29日に、中古住宅販売。また中国が31日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 譲渡課税の引き上げはいつ = ニューヨーク株式市場では先週、ダウ平均・ナスダック・SP500の3指数がそろって史上最高値を更新した。これまでFRBの超金融緩和政策と、バイデン政権による超大型財政支出を手掛かりに、急ピッチで上げてきた株価。すべてを織り込んできたために、実際にバイデン政権が発足してしまうと、市場は次の目標を見失ったようだ。と同時に、バイデン政権の本質を見極めようとする動きも活発になってきている。
当面の目標を見失った市場にとって、最も有難いのは“鶴の一声”だろう。政府やFRBの高官が景気のいいことを言ってくれれば、市場は間違いなく活況を取り戻す。たとえば商売人でもあったトランプ前大統領なら、株価の上昇を積極的に支援してくれたに違いない。だがバイデン大統領は、もともと大企業に厳しい人。期待できないかもしれない。
たしかにバイデン大統領の財政政策は、市場にとっても心強い。だが議会がそれをOKするかどうかは、まだ不透明だ。民主党は議長である副大統領の票を入れて、かろうじて上院の過半数を占めた。しかし民主党の議員のなかには反対を表明している人もあって、もし1人でも造反者が出れば予算は通過しない。
またバイデン大統領は、法人税と株式譲渡課税の引き上げも公約している。さすがにコロナ不況下での増税はムリだろうが、いつ増税の話が持ち上がるのか。市場にとってもコロナの終息と不況からの脱出は大歓迎だが、そうなると増税の話が現実の問題になってくる。市場としてはバイデン政策の甘い部分だけを先食いしてしまったから、今後は辛い部分と向き合わなければならないことになる。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 上げ +190.84円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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当面の目標を見失った市場にとって、最も有難いのは“鶴の一声”だろう。政府やFRBの高官が景気のいいことを言ってくれれば、市場は間違いなく活況を取り戻す。たとえば商売人でもあったトランプ前大統領なら、株価の上昇を積極的に支援してくれたに違いない。だがバイデン大統領は、もともと大企業に厳しい人。期待できないかもしれない。
たしかにバイデン大統領の財政政策は、市場にとっても心強い。だが議会がそれをOKするかどうかは、まだ不透明だ。民主党は議長である副大統領の票を入れて、かろうじて上院の過半数を占めた。しかし民主党の議員のなかには反対を表明している人もあって、もし1人でも造反者が出れば予算は通過しない。
またバイデン大統領は、法人税と株式譲渡課税の引き上げも公約している。さすがにコロナ不況下での増税はムリだろうが、いつ増税の話が持ち上がるのか。市場にとってもコロナの終息と不況からの脱出は大歓迎だが、そうなると増税の話が現実の問題になってくる。市場としてはバイデン政策の甘い部分だけを先食いしてしまったから、今後は辛い部分と向き合わなければならないことになる。
(続きは明日)
≪25日の日経平均 = 上げ +190.84円≫
≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ FRBの変節も気がかり = バイデン大統領は、総額1兆9000億ドル(約200兆円)にのぼる新型コロナ対策を打ち出した。このため国債の増発は必至。ということで、早くも債券市場では国債の金利が上昇している。10年もの国債の利回りは、10か月ぶりに1.15%にまで上昇した。国債の利回りが高くなると、投資資金が株式から債券に移動しやすくなる。したがって株価は下がる。それでもFRBが国債を大量に買い入れれば利回りは抑えられ、株価は下がりにくくなる。ところが最近、FRBはむしろ国債の買い入れを減らし気味なのだ。
しかもFRBの理事を務める地区連銀の総裁が、相次いで「金融緩和政策の終了」について言及し始めた。たとえばシカゴ連銀の総裁は「金融緩和はことしの暮れから来年にかけて縮小されるだろう」とまで言い切った。パウエル議長は慌ててこの考え方を否定したが、市場は疑心暗鬼の状態だ。トランプ前大統領ならツイッターで激しく抗議したかもしれないが、バイデン大統領は無視するに違いない。
折しもイエレン新財務長官の発言が、市場を驚かせた。議会の公聴会で「大企業や富裕層に対する増税について、議会との協議を始めたい」「暴騰を続ける仮想通貨は不正利用との関わりが多く、新たな規制措置を考えたい」と発言したのである。特に仮想通貨についての発言は、金融商品全体のバブル的な状態への警告とも受け取られた。
イエレン財務長官は、言うまでもなく前のFRB議長。だからFRBに対する影響力も強い。しかも最近は民間調査機関の間で「コロナが終息し経済が回復すると、インフレになる可能性が大きい」という予測が広まっている。こうした状況を総合すると、FRBが本当に緩和政策の終結を考え始めたとしても不思議はない。市場はまだ迷いつつも、警戒感を強めていることは間違いない。
≪26日の日経平均 = 下げ ー276.11円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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しかもFRBの理事を務める地区連銀の総裁が、相次いで「金融緩和政策の終了」について言及し始めた。たとえばシカゴ連銀の総裁は「金融緩和はことしの暮れから来年にかけて縮小されるだろう」とまで言い切った。パウエル議長は慌ててこの考え方を否定したが、市場は疑心暗鬼の状態だ。トランプ前大統領ならツイッターで激しく抗議したかもしれないが、バイデン大統領は無視するに違いない。
折しもイエレン新財務長官の発言が、市場を驚かせた。議会の公聴会で「大企業や富裕層に対する増税について、議会との協議を始めたい」「暴騰を続ける仮想通貨は不正利用との関わりが多く、新たな規制措置を考えたい」と発言したのである。特に仮想通貨についての発言は、金融商品全体のバブル的な状態への警告とも受け取られた。
イエレン財務長官は、言うまでもなく前のFRB議長。だからFRBに対する影響力も強い。しかも最近は民間調査機関の間で「コロナが終息し経済が回復すると、インフレになる可能性が大きい」という予測が広まっている。こうした状況を総合すると、FRBが本当に緩和政策の終結を考え始めたとしても不思議はない。市場はまだ迷いつつも、警戒感を強めていることは間違いない。
≪26日の日経平均 = 下げ ー276.11円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 国税庁が大阪3地点の路線価を引き下げ = 国税庁は26日、大阪市の繁華街3地点の路線価を4%引き下げると発表した。路線価というのは、相続税や贈与税の算定基準にするため、国税庁が毎年1月1日時点で調査している主要道路沿いの地価。引き下げられるのは、大阪市中央区の心斎橋筋2、宗右衛門町、道頓堀1の3地点。外国人旅行者が激減して実際に取引される地価が23%も下がったため、国税庁も修正を余儀なくされた。
というのも、路線価は実際の取引価格より20%ほど低めに設定されている。このため取引価格が20%以上安くなると、路線価が取引価格を上回ってしまう。そこで国税庁は修正したわけだ。路線価が下方修正されるのは、自然災害の場合を除けば初めてのこと。それだけコロナ禍で、外国人旅行者の来日が減少した影響は大きかった。
だが、この措置には疑問も残る。たとえば名古屋市中区錦3の地価は15%、東京の台東区浅草1の地価は、同じ理由で12%下がっている。下げ幅が20%に達しないから、路線価の引き下げはない。この結果、相続税や贈与税の負担について不公平が生じる。国税庁は、今後も取引価格の下落が20%を超えた地点については引き下げるのだろうか。
また国土交通省は、民間取引や公共用地取得の際の目安として公示地価を調査・発表している。さらに都道府県は基準地価を、市町村は固定資産評価額としての地価を発表している。路線価が下がった場合、これらの地価も下げられるのだろうか。これらも修正されるとすれば、コロナ・ショックは全国の地価に対しても、上昇する地点と下落する地点の格差を拡大する方向に働くことになりそうだ。
≪27日の日経平均 = 上げ +89.03円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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というのも、路線価は実際の取引価格より20%ほど低めに設定されている。このため取引価格が20%以上安くなると、路線価が取引価格を上回ってしまう。そこで国税庁は修正したわけだ。路線価が下方修正されるのは、自然災害の場合を除けば初めてのこと。それだけコロナ禍で、外国人旅行者の来日が減少した影響は大きかった。
だが、この措置には疑問も残る。たとえば名古屋市中区錦3の地価は15%、東京の台東区浅草1の地価は、同じ理由で12%下がっている。下げ幅が20%に達しないから、路線価の引き下げはない。この結果、相続税や贈与税の負担について不公平が生じる。国税庁は、今後も取引価格の下落が20%を超えた地点については引き下げるのだろうか。
また国土交通省は、民間取引や公共用地取得の際の目安として公示地価を調査・発表している。さらに都道府県は基準地価を、市町村は固定資産評価額としての地価を発表している。路線価が下がった場合、これらの地価も下げられるのだろうか。これらも修正されるとすれば、コロナ・ショックは全国の地価に対しても、上昇する地点と下落する地点の格差を拡大する方向に働くことになりそうだ。
≪27日の日経平均 = 上げ +89.03円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ なぜ3億回分も必要なのか? = ワクチンの季節が来たようだ。国会でもワクチンについての質疑ばかりやっている。でも素人にとっては、理解に苦しむことが多い。たとえば諸外国に比べて、なぜ日本の接種開始はこんなに遅れているのだろう。政府によると、2月下旬から医療従事者を対象に接種を始め、一般人に行き渡るのは6月以降になるという。だが世界ではすでに54か国がワクチン接種を開始しており、イスラエルなどはもう国民の3割近くが接種を終えている。
そのイスラエルでは、ネタニヤフ首相が自らファイザー社の経営者と掛け合い、ワクチンの早期入手に成功したといわれる。では日本は誰が製薬会社と交渉したのだろう。交渉の責任者も、これまでの経緯も全く闇のなかだ。さらに買い入れ価格は、どうなっているのだろう。ワクチンの入手は重要だが、結局は税金で支払うことになる。はっきりさせなければ変だ。
菅首相は21日の参院本会議で、ワクチンは「3億1400万回分を確保できる見込み」と答弁した。だが日本人の人口は1億2000万人あまり。幼児は射たないから、1人2回射つとしても2億回分あれば十分なのではないか。6割も余計に買い込んで、どうするのだろう。一般人にとっては素朴な疑問だが、なぜか政治家は国会で質問しない。
接種の遅れは、厚生労働省がワクチンの承認に手間取っているせいでもある。独立行政法人の医薬品医療機器総合機構というところが、海外での審査データを検証しているというが、なぜそんな作業が必要なのだろう。しかも2月15日には承認することが決まっている。全くのお役所仕事ではないのか。不明なところが多すぎる。
≪28日の日経平均 = 下げ -437.79円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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そのイスラエルでは、ネタニヤフ首相が自らファイザー社の経営者と掛け合い、ワクチンの早期入手に成功したといわれる。では日本は誰が製薬会社と交渉したのだろう。交渉の責任者も、これまでの経緯も全く闇のなかだ。さらに買い入れ価格は、どうなっているのだろう。ワクチンの入手は重要だが、結局は税金で支払うことになる。はっきりさせなければ変だ。
菅首相は21日の参院本会議で、ワクチンは「3億1400万回分を確保できる見込み」と答弁した。だが日本人の人口は1億2000万人あまり。幼児は射たないから、1人2回射つとしても2億回分あれば十分なのではないか。6割も余計に買い込んで、どうするのだろう。一般人にとっては素朴な疑問だが、なぜか政治家は国会で質問しない。
接種の遅れは、厚生労働省がワクチンの承認に手間取っているせいでもある。独立行政法人の医薬品医療機器総合機構というところが、海外での審査データを検証しているというが、なぜそんな作業が必要なのだろう。しかも2月15日には承認することが決まっている。全くのお役所仕事ではないのか。不明なところが多すぎる。
≪28日の日経平均 = 下げ -437.79円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 致死率が高い? 変異ウイルス = 世界の感染者は1億0087万人となり、ついに1億人を超えた。死亡者は217万4143人に達している。死亡者は25日だけで1万4200人も増加、過去最多を記録した。最悪のアメリカは感染者が2560万人、死亡者は42万9214人にのぼっている。死亡者だけをみると、ブラジルが22万0161人、インドが15万3847人と多い。パンデミックの勢いは、少しも衰えていない。
累計の死亡者数をみると、世界第4位はメキシコで15万人台。次いでイギリスが10万人台、イタリアが8万人台。さらにフランスとロシアが7万人台、イラン・スペイン・ドイツが5万人台と続く。またアジアでもインドネシアが3万人に近づき、フィリピンも1万人を超えた。変異ウイルスも世界50か国以上に拡散している。
こうしたなかで、致死率つまり感染者に対する死亡者の割合を調べてみた。すると世界全体の致死率は2.1%。アメリカは1.67%、インドは1.43%だったのに対し、イギリスは2.74%、ブラジルは2.44%、南アフリカは2.97%と、明らかな相違が出た。言うまでもなく、致死率が高い国は、変異ウイルスが発生した国である。変異ウイルスは感染率が高いと言われているが、致死率も高いという報道はまだない。
日本の感染者は38万1137人、死亡者は5514人となった。致死率は1.44%と比較的に低い。しかし死亡者の増加傾向は続いており、この1週間では628人と過去最多。この調子だと、緊急事態宣言を2月7日に解除することはとてもムリ。政府はメンツもあって部分的な解除あるいは縮小を考えているようだが、この際は小手先の修正に走らない方がいい。
≪29日の日経平均 = 下げ -534.03円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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累計の死亡者数をみると、世界第4位はメキシコで15万人台。次いでイギリスが10万人台、イタリアが8万人台。さらにフランスとロシアが7万人台、イラン・スペイン・ドイツが5万人台と続く。またアジアでもインドネシアが3万人に近づき、フィリピンも1万人を超えた。変異ウイルスも世界50か国以上に拡散している。
こうしたなかで、致死率つまり感染者に対する死亡者の割合を調べてみた。すると世界全体の致死率は2.1%。アメリカは1.67%、インドは1.43%だったのに対し、イギリスは2.74%、ブラジルは2.44%、南アフリカは2.97%と、明らかな相違が出た。言うまでもなく、致死率が高い国は、変異ウイルスが発生した国である。変異ウイルスは感染率が高いと言われているが、致死率も高いという報道はまだない。
日本の感染者は38万1137人、死亡者は5514人となった。致死率は1.44%と比較的に低い。しかし死亡者の増加傾向は続いており、この1週間では628人と過去最多。この調子だと、緊急事態宣言を2月7日に解除することはとてもムリ。政府はメンツもあって部分的な解除あるいは縮小を考えているようだが、この際は小手先の修正に走らない方がいい。
≪29日の日経平均 = 下げ -534.03円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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