◇ 非正規雇用者数は5月に61万人減少 = 総務省は30日、5月の労働力調査を発表した。それによると、就業者数は6656万人で前年比71万人の減少だった。このうち自営業や会社役員などを除いた一般雇用者でみると、正規の雇用者は1万人しか減っていない。しかしパートやバイトなどの非正規雇用者は、61万人も減少した。新型コロナ対策での営業自粛などの影響は雇用面にも暗い影を落としているが、その大半は非正規雇用者にシワ寄せされていることが判る。
業種別にみると、就業者が最も減ったのは宿泊・飲食サービス業で38万人の減少。次いで卸・小売業と生活周辺サービス業・娯楽業が、それぞれ29万人の減少。製造業も27万人の減少だった。たとえば、ここでも正規の雇用者は1万人しか減っていないが、パートは37万人、バイトは31万人も減少している。
一方、完全失業者は198万人。前年比では33万人の増加だった。この結果、失業率は2.9%で4月より0.3ポイント悪化した。だが今回のコロナ不況では、失業者の数が少なめに出ている。その代りに休業者が多いことが、今回の特色だ。休業者というのは、解雇はされないが働いていない人たち。雇用調整助成金が効果を挙げていると言えるだろう。正規の就業者があまり減らないのも、このためだ。
その休業者は4月が597万人、5月も423万人と多い。これらの人たちは今後、職場に復帰するか、失業者に加わるか、あるいは就職自体を断念するか。この1-2か月以内に、行き先が決まるだろう。その結果次第で、就業者が増えたり、失業者が増えたりする。就業者が増える方向なら、非正規雇用者の環境も好転するのだが。
≪30日の日経平均 = 上げ +293.10円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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業種別にみると、就業者が最も減ったのは宿泊・飲食サービス業で38万人の減少。次いで卸・小売業と生活周辺サービス業・娯楽業が、それぞれ29万人の減少。製造業も27万人の減少だった。たとえば、ここでも正規の雇用者は1万人しか減っていないが、パートは37万人、バイトは31万人も減少している。
一方、完全失業者は198万人。前年比では33万人の増加だった。この結果、失業率は2.9%で4月より0.3ポイント悪化した。だが今回のコロナ不況では、失業者の数が少なめに出ている。その代りに休業者が多いことが、今回の特色だ。休業者というのは、解雇はされないが働いていない人たち。雇用調整助成金が効果を挙げていると言えるだろう。正規の就業者があまり減らないのも、このためだ。
その休業者は4月が597万人、5月も423万人と多い。これらの人たちは今後、職場に復帰するか、失業者に加わるか、あるいは就職自体を断念するか。この1-2か月以内に、行き先が決まるだろう。その結果次第で、就業者が増えたり、失業者が増えたりする。就業者が増える方向なら、非正規雇用者の環境も好転するのだが。
≪30日の日経平均 = 上げ +293.10円≫
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◇ 製造業は一転「人手過剰」に = 日銀は1日、6月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はマイナス34。前回調査から26ポイントも急減した。大企業・非製造業も、25ポイント低下してマイナス17に。中小企業も製造業がマイナス45、非製造業がマイナス26と大幅に悪化している。いずれもリーマン・ショック後の09年3月に近い水準で、コロナ不況の深刻さを示すものだ。
業況判断指数は、3か月前に比べて「業況が良くなった」と回答した企業の割合から「悪くなった」と回答した企業の割合を差し引いた数字。たとえば宿泊・飲食サービス業はマイナス91、レジャー施設などの対個人サービス業はマイナス64、自動車関連業はマイナス55まで落ち込んでいる。なかで小売り業だけはプラス2で、前回調査よりも9ポイント改善した。
この調査は全国9700社以上の企業を対象に、5月28日から6月30日にかけて実施された。緊急事態宣言が解除されたのは5月25日だったから、業況判断には活動規制中の影響が色濃く反映されたに違いない。また緊急事態が解除されたことで、将来にも多少の明るさが感じられた頃合いだ。このため3か月後の先行き見通しは、大企業ではやや」改善している。しかし中小企業では、改善の見通しがない。
外出自粛や店舗の休業などから、企業の景況感が大幅に悪化することは、ある程度まで予想された。しかし今回の短観で、驚いた点が一つある。それは製造業の雇用判断で、これまでの「人手不足」が一転して「人手過剰」に変わったこと。前回3月調査ではマイナス15だったものが、今回はプラス11に変化した。コロナ騒動は人々の生活様式を変えると言われるが、マクロ経済的には雇用面に最も大きな影響を及ぼすことになるのかもしれない。
≪1日の日経平均 = 下げ -166.41円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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業況判断指数は、3か月前に比べて「業況が良くなった」と回答した企業の割合から「悪くなった」と回答した企業の割合を差し引いた数字。たとえば宿泊・飲食サービス業はマイナス91、レジャー施設などの対個人サービス業はマイナス64、自動車関連業はマイナス55まで落ち込んでいる。なかで小売り業だけはプラス2で、前回調査よりも9ポイント改善した。
この調査は全国9700社以上の企業を対象に、5月28日から6月30日にかけて実施された。緊急事態宣言が解除されたのは5月25日だったから、業況判断には活動規制中の影響が色濃く反映されたに違いない。また緊急事態が解除されたことで、将来にも多少の明るさが感じられた頃合いだ。このため3か月後の先行き見通しは、大企業ではやや」改善している。しかし中小企業では、改善の見通しがない。
外出自粛や店舗の休業などから、企業の景況感が大幅に悪化することは、ある程度まで予想された。しかし今回の短観で、驚いた点が一つある。それは製造業の雇用判断で、これまでの「人手不足」が一転して「人手過剰」に変わったこと。前回3月調査ではマイナス15だったものが、今回はプラス11に変化した。コロナ騒動は人々の生活様式を変えると言われるが、マクロ経済的には雇用面に最も大きな影響を及ぼすことになるのかもしれない。
≪1日の日経平均 = 下げ -166.41円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ タンス預金が急増する理由は? = 日銀の集計によると、3月末時点で個人が保有していた金融資産の総額は1845兆円だった。前年同期に比べると0.5%減少している。これはことしに入ってからのコロナ不況で、株価が下落したことが大きい。株式の保有残高は178兆円で、前年比11.9%の減少。また投資信託も65兆円で11.7%減少した。
こうしたなかでも、現金と預金の保有額は着実に増加している。現金と預金の合計額は、ちょうど1000兆円。前年比では2.1%増加した。このうち現金は94兆円、前年比では1.5%の増加。預金は906兆円で2.2%の増加だった。現預金の合計額が500兆円に達したのは1991年度末だったから、この29年間で保有額は2倍になったわけだ。
1991年度末の預金残高は、498兆円だった。それがことし3月末には906兆円に。伸び率は82%で、金融資産全体の増加率には及ばない。ところが、この間に現金の保有額は18兆4000億円から94兆円へと5倍以上に達している。要するに、タンス預金が激増しているわけだ。しかし日銀の集計では、どんな人がタンス預金をせっせと増やしているのかは判らない。
いま銀行に預金しても、金利はほとんど付かない。それなら金庫にしまって手元に置いておく方がいい、と考える人が多いことは確かだろう。またマイナンバーの普及とともに、預貯金はいずれ税務署に把握されるかもしれない。それを嫌ってタンス預金を選ぶ人も少なくはないのだろう。その一方で、カード決済はどんどん増えて行く。いったい、日本銀行券の重みはどうなってしまうのだろう。
≪2日の日経平均 = 上げ +24.23円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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こうしたなかでも、現金と預金の保有額は着実に増加している。現金と預金の合計額は、ちょうど1000兆円。前年比では2.1%増加した。このうち現金は94兆円、前年比では1.5%の増加。預金は906兆円で2.2%の増加だった。現預金の合計額が500兆円に達したのは1991年度末だったから、この29年間で保有額は2倍になったわけだ。
1991年度末の預金残高は、498兆円だった。それがことし3月末には906兆円に。伸び率は82%で、金融資産全体の増加率には及ばない。ところが、この間に現金の保有額は18兆4000億円から94兆円へと5倍以上に達している。要するに、タンス預金が激増しているわけだ。しかし日銀の集計では、どんな人がタンス預金をせっせと増やしているのかは判らない。
いま銀行に預金しても、金利はほとんど付かない。それなら金庫にしまって手元に置いておく方がいい、と考える人が多いことは確かだろう。またマイナンバーの普及とともに、預貯金はいずれ税務署に把握されるかもしれない。それを嫌ってタンス預金を選ぶ人も少なくはないのだろう。その一方で、カード決済はどんどん増えて行く。いったい、日本銀行券の重みはどうなってしまうのだろう。
≪2日の日経平均 = 上げ +24.23円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ パンデミックは衰えず = 日本時間3日午前0時の集計。アメリカの死亡者数は12万8064人。ブラジルは6万0632人に。次いでイギリスが4万人台、イタリアが3万人台、フランスとスペインが2万人台、インドが1万人台。この順位は変わらなかった。アメリカの増加数は6068人で、前週より増えている。ブラジルは6802人の増加で、相変わらず急増が止まらない。
アメリカが“第2波”に襲われたことは、確実になった。1日の感染者が5万人を突破。50州中32州で、感染者数が過去最大を更新している。テキサスやフロリダ州などでは、再び経済活動を規制。小康状態になったニューヨーク州などでも、移動制限を再開した。経済再生の動きにはブレーキがかかったが、これでコロナ・ウイルスの拡大に歯止めがかかるかどうかはまだ不明だ。
パンデミック(世界的大流行)の勢いは、全く衰えていない。全世界で感染者数は1000万人、死亡者数は50万人に達した。インドやペルーなどでもウイルスは拡大、ロシアやチリなどでも死亡者数が増えている。ヨーロッパ諸国は最悪期を乗り越え、小康状態になっているが、イギリスやイタリアでは局地的にクラスター感染が再発した。
中国と韓国では、死亡者が出なかった。日本の死亡者は累計990人で、前週より6人増えた。死亡者の増加数は少なくなっているが、感染者数は増えて2万人に近づいている。東京都では2日と3日に、感染者が100人を超えている。ここだけ見ると、緊急事態宣言が発令される前の状態に似ていて、なんとも不気味な感じがする。
≪3日の日経平均 = 上げ +160.52円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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アメリカが“第2波”に襲われたことは、確実になった。1日の感染者が5万人を突破。50州中32州で、感染者数が過去最大を更新している。テキサスやフロリダ州などでは、再び経済活動を規制。小康状態になったニューヨーク州などでも、移動制限を再開した。経済再生の動きにはブレーキがかかったが、これでコロナ・ウイルスの拡大に歯止めがかかるかどうかはまだ不明だ。
パンデミック(世界的大流行)の勢いは、全く衰えていない。全世界で感染者数は1000万人、死亡者数は50万人に達した。インドやペルーなどでもウイルスは拡大、ロシアやチリなどでも死亡者数が増えている。ヨーロッパ諸国は最悪期を乗り越え、小康状態になっているが、イギリスやイタリアでは局地的にクラスター感染が再発した。
中国と韓国では、死亡者が出なかった。日本の死亡者は累計990人で、前週より6人増えた。死亡者の増加数は少なくなっているが、感染者数は増えて2万人に近づいている。東京都では2日と3日に、感染者が100人を超えている。ここだけ見ると、緊急事態宣言が発令される前の状態に似ていて、なんとも不気味な感じがする。
≪3日の日経平均 = 上げ +160.52円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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◇ コロナ再拡大が株価の重石に = ダウ平均は先週812ドルの値上がり。先々週の下げをほぼ取り戻した。雇用情勢の改善などで買い進まれたが、コロナ感染者の急増で2万6000ドル台にはたどり着けない。一方、日経平均は206円の値下がり。こちらは前2週間の上げを、食いつぶす形となった。やはり東京都の感染者数が急増したことを嫌気している。
アメリカでは、1日の感染者増加数が5万人を超えた。全米50州のうち26州で、感染者数が過去の記録を更新している。あわてて行動規制や店舗の閉鎖などに踏み切る州も相次いでいる。また日本の1日当たり感染者数も200人を超えた。日米ともに言えることは、この1-2週間の状況しだいで、厳しい規制に逆戻りするかどうかが決まりそうだということ。
仮にそうなれば、経済再生の動きは止まる。状況は3-4月の厳しさに戻り、コロナ対策は一から出直しになりかねない。市場は再び財政・金融の出動に期待をかけるだろうが、政府も中央銀行も残された手段は少なくなってきている。こうした状態は今週も続き、株価に対する重石はむしろ大きくなって行くだろう。
今週は7日に、5月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。8日に、6月の景気ウオッチャー調査。9日に、5月の機械受注。10日に、6月の企業物価。アメリカでは6日に、6月のISM非製造業景況指数。10日に、6月の生産者物価。また中国が9日に、6月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカでは、1日の感染者増加数が5万人を超えた。全米50州のうち26州で、感染者数が過去の記録を更新している。あわてて行動規制や店舗の閉鎖などに踏み切る州も相次いでいる。また日本の1日当たり感染者数も200人を超えた。日米ともに言えることは、この1-2週間の状況しだいで、厳しい規制に逆戻りするかどうかが決まりそうだということ。
仮にそうなれば、経済再生の動きは止まる。状況は3-4月の厳しさに戻り、コロナ対策は一から出直しになりかねない。市場は再び財政・金融の出動に期待をかけるだろうが、政府も中央銀行も残された手段は少なくなってきている。こうした状態は今週も続き、株価に対する重石はむしろ大きくなって行くだろう。
今週は7日に、5月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。8日に、6月の景気ウオッチャー調査。9日に、5月の機械受注。10日に、6月の企業物価。アメリカでは6日に、6月のISM非製造業景況指数。10日に、6月の生産者物価。また中国が9日に、6月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 緊急事態宣言には戻れない = 新型コロナ・ウイルスの感染者が、再び急増し始めた。東京都では1日の感染者が連日120-130人に達し、全国でも200人を超える日が多くなった。こうした新規感染者の増加ぶりは、政府が緊急事態宣言を発令した直前の状態によく似ている。しかし西村経済再生担当相は「緊急事態宣言が必要な状態ではない」と、しばしば言明。経済活動を再び規制する考えを、明確に排除している。
西村大臣はその根拠として「PCR検査が拡充されたため、陽性者の検出が多くなった」「最近の感染者は若者が多く、重症者が少なくなっている」「病院のベッド数に余裕がある」などを挙げている。だがPCR検査の充実が原因だから安心だとは言えないだろう。若者が高齢者にウイルスをうつす行動が問題のはずだ。まして病院のベッドが空いているから平気という理屈にも、首をかしげざるをえない。
小池東京都知事は3月に感染者が急増したとき、政府に対して緊急事態宣言の発令を強く要請した。ところが今回は、妙におとなしい。現在の主張は「政府が緊急事態宣言を出せば、東京都も対策を考える」という受け身の姿勢。もっぱら「クラスター感染が出ているような店には行かないで」「周辺の県にはなるべく行かないで」と、もっぱらお願いに終始している。
西村大臣や小池知事が、規制の再強化に及び腰の理由は3つ。まず経済再生の重要性だ。ここで経済活動を再び規制すれば、日本経済はさらに失速する。それは何としても避けたい。再規制に対する各業界の抵抗も強いだろう。次に再規制をすれば、また補償の問題が持ち上がる。すでに国も東京都も巨額の財政支出を強いられており、これ以上の負担は困難だ。最後はメンツの問題。緊急事態を再宣言すれば、これまでの対応策は失敗だったと烙印を押されかねない。
(続きは明日)
≪6日の日経平均 = 上げ +407.96円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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西村大臣はその根拠として「PCR検査が拡充されたため、陽性者の検出が多くなった」「最近の感染者は若者が多く、重症者が少なくなっている」「病院のベッド数に余裕がある」などを挙げている。だがPCR検査の充実が原因だから安心だとは言えないだろう。若者が高齢者にウイルスをうつす行動が問題のはずだ。まして病院のベッドが空いているから平気という理屈にも、首をかしげざるをえない。
小池東京都知事は3月に感染者が急増したとき、政府に対して緊急事態宣言の発令を強く要請した。ところが今回は、妙におとなしい。現在の主張は「政府が緊急事態宣言を出せば、東京都も対策を考える」という受け身の姿勢。もっぱら「クラスター感染が出ているような店には行かないで」「周辺の県にはなるべく行かないで」と、もっぱらお願いに終始している。
西村大臣や小池知事が、規制の再強化に及び腰の理由は3つ。まず経済再生の重要性だ。ここで経済活動を再び規制すれば、日本経済はさらに失速する。それは何としても避けたい。再規制に対する各業界の抵抗も強いだろう。次に再規制をすれば、また補償の問題が持ち上がる。すでに国も東京都も巨額の財政支出を強いられており、これ以上の負担は困難だ。最後はメンツの問題。緊急事態を再宣言すれば、これまでの対応策は失敗だったと烙印を押されかねない。
(続きは明日)
≪6日の日経平均 = 上げ +407.96円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 「店は開け、客は行くな」は矛盾の塊 = 小池百合子知事は5日の選挙で大勝し、再選を果たした。その勢いで、今後はコロナ対策を局地戦に持ち込もうとしているように見受けられる。具体的には緊急事態宣言のような大網はかけず、たとえば新宿や池袋のホスト・クラブやカラオケ店に自粛を求めて行く方針のようだ。西村大臣も、これに同調している。だが規制を全面的に解除し「開店はしてもいい」と言う一方で、客には「行かないで」と頼む戦術は、大いなる矛盾だろう。
矛盾に満ちた局地戦を強行するのは、財源の問題があるからだ。これまでに国は60兆円、東京都は1兆円を超すコロナ対策費を予算に計上した。仮に再び緊急事態宣言を発令すれば、ほぼ同額の支出を求められることになる。これは何としても避けたい。とすればクラスター感染の温床を潰す局地戦しかないというわけである。
それでも個々のクラブやカラオケ店に、閉鎖を強要することは出来ない。強要すれば、ここでも休業補償の問題が発生するからだ。その費用はそんなに大きくないが、こうした店だけに補償すれば、また新たな問題を生んでしまう。周辺の多くの店舗が、いぜんとして苦しい経営を続けているからだ。そこで客の方に「行かないで」というお願いをすることになる。
こうした局地戦が効果を発揮するかどうかは、全く不明。ダメなら次の手は、限られた地域での行動制限となるだろう。それでも効果がなければ、やはり緊急事態宣言の再発令。その可能性もないとは言えない。どこでコロナの蔓延を食い止められるかは、実態を注視して行くしかない。当面のヤマは、この1-2週間。東京都と全国の感染者数から、目を離せない。
≪7日の日経平均 = 下げ -99.75円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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矛盾に満ちた局地戦を強行するのは、財源の問題があるからだ。これまでに国は60兆円、東京都は1兆円を超すコロナ対策費を予算に計上した。仮に再び緊急事態宣言を発令すれば、ほぼ同額の支出を求められることになる。これは何としても避けたい。とすればクラスター感染の温床を潰す局地戦しかないというわけである。
それでも個々のクラブやカラオケ店に、閉鎖を強要することは出来ない。強要すれば、ここでも休業補償の問題が発生するからだ。その費用はそんなに大きくないが、こうした店だけに補償すれば、また新たな問題を生んでしまう。周辺の多くの店舗が、いぜんとして苦しい経営を続けているからだ。そこで客の方に「行かないで」というお願いをすることになる。
こうした局地戦が効果を発揮するかどうかは、全く不明。ダメなら次の手は、限られた地域での行動制限となるだろう。それでも効果がなければ、やはり緊急事態宣言の再発令。その可能性もないとは言えない。どこでコロナの蔓延を食い止められるかは、実態を注視して行くしかない。当面のヤマは、この1-2週間。東京都と全国の感染者数から、目を離せない。
≪7日の日経平均 = 下げ -99.75円≫
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◇ 消費増税やリーマン超える減少 = 総務省が発表した5月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出額は平均25万2017円だった。前年比では16.2%の減少で、消費増税やリーマン・ショック時の減少率を大きく上回っている。コロナ対策のための外出自粛が主たる原因。昨年5月は改元による10連休があって、消費が急増したことの反動も加わった。4月も11.1%の減少だったが、5月はそれを上回った。
費目別にみると、最も支出が減ったのは被服・履物で38.3%の減少。次いで宿泊料を含む教養娯楽が37.9%の減少。交通・通信が22.4%、食料が5.4%の減少など。増えたのはクーラーなどを含む家具・家事用品で、2.9%の増加となっている。被服・履物や交通費が減ったのは、外出が控えられたためだろう。また“巣ごもり”でスーパーなどでの買い物は増えたが、外食が減ったため食料費全体は減少した。
家計調査による2人以上世帯の消費支出は、昨年10月からずっと減り続けている。昨年はコロナ問題はまだ発生していなかった。ここからみると景気は昨年秋から後退期に入っており、消費も下向きになったところへコロナが重なった可能性が大きい。この点は、今後の消費動向を占ううえで重要な要素になるだろう。
緊急事態宣言は5月下旬に解除された。このため6月の消費支出は、V字型に回復する公算が大きい。ただ回復の勢いは長続きせず、消費水準が前年並みに戻るのには、かなりの日時がかかりそうだ。いずれにしても、コロナを終息させなければ、消費の正常化は覚束ない。したがって景気も良くならない。
≪8日の日経平均 = 下げ -176.04円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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費目別にみると、最も支出が減ったのは被服・履物で38.3%の減少。次いで宿泊料を含む教養娯楽が37.9%の減少。交通・通信が22.4%、食料が5.4%の減少など。増えたのはクーラーなどを含む家具・家事用品で、2.9%の増加となっている。被服・履物や交通費が減ったのは、外出が控えられたためだろう。また“巣ごもり”でスーパーなどでの買い物は増えたが、外食が減ったため食料費全体は減少した。
家計調査による2人以上世帯の消費支出は、昨年10月からずっと減り続けている。昨年はコロナ問題はまだ発生していなかった。ここからみると景気は昨年秋から後退期に入っており、消費も下向きになったところへコロナが重なった可能性が大きい。この点は、今後の消費動向を占ううえで重要な要素になるだろう。
緊急事態宣言は5月下旬に解除された。このため6月の消費支出は、V字型に回復する公算が大きい。ただ回復の勢いは長続きせず、消費水準が前年並みに戻るのには、かなりの日時がかかりそうだ。いずれにしても、コロナを終息させなければ、消費の正常化は覚束ない。したがって景気も良くならない。
≪8日の日経平均 = 下げ -176.04円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 東京の店頭売り価格は6870円に = 金(きん)の価格が上昇を続けている。東京の大手貴金属店では8日、消費税込みの売り渡し価格が1グラム=6870円に。過去最高値を更新した。主な原因は、ニューヨーク市場での国際価格が高騰したため。先物価格は今月に入って、8年8か月ぶりに1トロイ・オンス=1800ドルを超えている。コロナ・ウイルスの流行が収まらずに警戒感が高まり、安全資産の金が買われたと説明されている。だが金高騰の理由は、それだけではない。
一般的に言って、金価格は株価が下落したときに上がりやすい。経済状況に不安が生じて株価が下がると、安全資産の金に資金が移動するからだ。たしかに現在もコロナ終息の見通しが立たず、その不安から金が買われている面は否定できない。しかし、その一方で、株価は経済再生の動きに期待して反発している。にもかかわらず金も買われるのは、投資資金があり余っているためだろう。
つまり先行きに不安もある株式市場だけでは、資金を吸収できなくなってきた。このため資金が金市場にも流れ込んだ形となっている。金だけではなく、原油・銅・アルミといった商品価格も上昇しているのは、このためだ。このうち特に金が買われているのは、各国の中央銀行がゼロ金利政策をとったことによる。金利がゼロに近くなったことで、金利を産まない金の欠点が目立たなくなったわけだ。
コロナ対策で、各国政府は巨額の財政支出を余儀なくされている。その結果は、いずれインフレを惹き起こす可能性がある。インフレに強い金を買っておく。そんな思惑も、見え隠れしているようだ。コロナ不況で宝飾品としての実需は激減した。たとえば1-3月期のインドと中国の実需は、前年比39%も減っている。それなのに最高値を更新する魔性の金。多少の上下はあっても、しばらくは上昇し続けるのではないか。
≪9日の日経平均 = 上げ +90.64円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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一般的に言って、金価格は株価が下落したときに上がりやすい。経済状況に不安が生じて株価が下がると、安全資産の金に資金が移動するからだ。たしかに現在もコロナ終息の見通しが立たず、その不安から金が買われている面は否定できない。しかし、その一方で、株価は経済再生の動きに期待して反発している。にもかかわらず金も買われるのは、投資資金があり余っているためだろう。
つまり先行きに不安もある株式市場だけでは、資金を吸収できなくなってきた。このため資金が金市場にも流れ込んだ形となっている。金だけではなく、原油・銅・アルミといった商品価格も上昇しているのは、このためだ。このうち特に金が買われているのは、各国の中央銀行がゼロ金利政策をとったことによる。金利がゼロに近くなったことで、金利を産まない金の欠点が目立たなくなったわけだ。
コロナ対策で、各国政府は巨額の財政支出を余儀なくされている。その結果は、いずれインフレを惹き起こす可能性がある。インフレに強い金を買っておく。そんな思惑も、見え隠れしているようだ。コロナ不況で宝飾品としての実需は激減した。たとえば1-3月期のインドと中国の実需は、前年比39%も減っている。それなのに最高値を更新する魔性の金。多少の上下はあっても、しばらくは上昇し続けるのではないか。
≪9日の日経平均 = 上げ +90.64円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 消防車が来るから火事になってもいい = 日本時間10日午前0時の集計。アメリカ・ブラジル・インド・ロシアの死亡者増加が止まらない。アメリカの感染者数は300万人を突破、死亡者数も13万2310人に達した。ブラジルの死亡者は6万7964人、インドは2万1129人、ロシアは1万0825人となっている。一方、イギリス・フランス・イタリアなどのヨーロッパ諸国は死亡者数が少なく、落ち着いた状態が続いた。
アメリカでは全米50州のうち、39州で感染者数が過去最大になった。1日で4万7000人も増加している。経済再開を急ぎ過ぎた結果で、多くの州が再規制に乗り出した。しかしカリフォルニア・フロリダ・テキサスなどでは、死亡者の増加も目立つ。インドは全土で厳しい移動制限を実施、6月から解除したとたんに感染者が急増し始めた。
日本の感染者は2万人を超えた。死亡者数も995人となり、1000人に近づいている。特に9日と10日には東京都の感染者数が、過去最大の224人と243人を記録。東京の近県でも増加し、全国では400人を超えた。にもかかわらず、政府は10日から大型イベントに対する規制を緩和。たとえばプロ野球やJリーグでも、5000人程度の観客を入れられるようになった。
その理由の一つとして、安倍首相は「病院のベッド数に余裕があるから」と述べている。西村経済再生相や小池東京都知事も、同様のことをたびたび口にしている。だが、この理屈は「消防車が来るから、火事は怖くない」と言うのに等しい。あまりにも乱暴な言い分である。病院のベッドさえあれば、コロナ患者はいくら増えてもいいというのか。政治家が口にすべきことではないだろう。
≪10日の日経平均 = 下げ -238.48円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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アメリカでは全米50州のうち、39州で感染者数が過去最大になった。1日で4万7000人も増加している。経済再開を急ぎ過ぎた結果で、多くの州が再規制に乗り出した。しかしカリフォルニア・フロリダ・テキサスなどでは、死亡者の増加も目立つ。インドは全土で厳しい移動制限を実施、6月から解除したとたんに感染者が急増し始めた。
日本の感染者は2万人を超えた。死亡者数も995人となり、1000人に近づいている。特に9日と10日には東京都の感染者数が、過去最大の224人と243人を記録。東京の近県でも増加し、全国では400人を超えた。にもかかわらず、政府は10日から大型イベントに対する規制を緩和。たとえばプロ野球やJリーグでも、5000人程度の観客を入れられるようになった。
その理由の一つとして、安倍首相は「病院のベッド数に余裕があるから」と述べている。西村経済再生相や小池東京都知事も、同様のことをたびたび口にしている。だが、この理屈は「消防車が来るから、火事は怖くない」と言うのに等しい。あまりにも乱暴な言い分である。病院のベッドさえあれば、コロナ患者はいくら増えてもいいというのか。政治家が口にすべきことではないだろう。
≪10日の日経平均 = 下げ -238.48円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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◇ コロナが重たい株式市場 = ダウ平均は先週248ドルの値上がり。終り値は2万6075ドルだった。振り返ってみると、6月2日から1か月以上にわたって2万7000ドルを下回っている。一方、日経平均は先週16円の値下がり。終り値は2万2291円だった。こちらも6月10日以来、ずっと2万3000円を下回っている。日米ともに、株価は膠着状態に陥っているようだ。
株価の頭を抑えているのは、言うまでもなくコロナ感染の拡大。株価を下支えしているのは、投資家の豊富な資金力だ。コロナへの警戒感で株価が下がると、活発な下値買いが現われる。上がると、コロナの悪いニュースが出て売られる。こうした構図が、ここ1か月ほど定着してしまった。
アメリカでは、コロナの感染者が300万人を超えた。このため多くの州では、経済再生への歩みがストップしている。期待された景気のV字型回復は、どうやらムリのようだ。また日本でも、首都圏を中心に感染者が急増し始めた。したがって日米ともに、当面はコロナの圧力が弱まりそうにない。ワクチンや治療薬に関する朗報でも出ない限り、株価の膠着状態はまだ続くのではないだろうか。
今週は13日に、5月の第3次産業活動指数。15日に、6月の訪日外国人客数。アメリカでは14日に、6月の消費者物価。15日に、6月の工業生産。16日に、6月の小売り売上高と7月のNAHB住宅市場指数。17日に、6月の住宅着工戸数と7月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が14日に、6月の貿易統計。16日に、6月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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株価の頭を抑えているのは、言うまでもなくコロナ感染の拡大。株価を下支えしているのは、投資家の豊富な資金力だ。コロナへの警戒感で株価が下がると、活発な下値買いが現われる。上がると、コロナの悪いニュースが出て売られる。こうした構図が、ここ1か月ほど定着してしまった。
アメリカでは、コロナの感染者が300万人を超えた。このため多くの州では、経済再生への歩みがストップしている。期待された景気のV字型回復は、どうやらムリのようだ。また日本でも、首都圏を中心に感染者が急増し始めた。したがって日米ともに、当面はコロナの圧力が弱まりそうにない。ワクチンや治療薬に関する朗報でも出ない限り、株価の膠着状態はまだ続くのではないだろうか。
今週は13日に、5月の第3次産業活動指数。15日に、6月の訪日外国人客数。アメリカでは14日に、6月の消費者物価。15日に、6月の工業生産。16日に、6月の小売り売上高と7月のNAHB住宅市場指数。17日に、6月の住宅着工戸数と7月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が14日に、6月の貿易統計。16日に、6月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 「遠出は自粛」なのに大々的な補助金とは = このニュースを見て「変だな」と思わなかった人は、いないのではないか。国土交通省が発表した「GO TO トラベル」キャンペーンの繰り上げ実施である。個人が旅行する場合、国が宿泊や日帰り旅行代金の半額を補助する。もともとは8月から始める予定だったが、7月下旬の4連休に間に合わせるため、7月22日に繰り上げて実施するという内容だった。
東京都では連日200人を超える感染者が現われ、全国では400人を超えた。数のうえだけからみると、緊急事態宣言が発令された直前の状態によく似ている。国民の間にも緊張が走り、西村経済再生相や小池都知事も「夜の街には気を付けて。不要不急の遠出は避けよう」と呼びかけている。そんななかでのGO TO キャンペーン。どう考えても矛盾していると思う方がマトモだろう。
観光地の旅館・ホテルや小売り業などは、緊急事態宣言による外出自粛で甚大な被害を被った。それを救済するために、観光需要を増やそうとする試みは間違ってはいない。だがコロナ感染者が急増し始めているときに旅行者を増やせば、観光地にコロナを伝播する危険性が高い。そうなったら観光地はもっと深刻な状態に陥る。そして1兆6794億円の税金が、ドブに捨てられる。
また埼玉県では、夜の街の危ない営業に強く自粛を求める方針だ。ところが東京都は、こうした店にコロナ対策のための補助金を出すという。これでは、また例のパチンコ店騒動が繰り返されるだけだろう。整合性が全くない。さらに安倍首相をはじめ政府の責任者や自治体の首長は「緊張感を持って」と言いながら「病院のベッドが空いているから、緊急事態は宣言しない」のだと言い放つ。いまのコロナ対策には、こうした矛盾や疑問点が多すぎる。なぜだろうか。
≪13日の日経平均 = 上げ +493.93円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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東京都では連日200人を超える感染者が現われ、全国では400人を超えた。数のうえだけからみると、緊急事態宣言が発令された直前の状態によく似ている。国民の間にも緊張が走り、西村経済再生相や小池都知事も「夜の街には気を付けて。不要不急の遠出は避けよう」と呼びかけている。そんななかでのGO TO キャンペーン。どう考えても矛盾していると思う方がマトモだろう。
観光地の旅館・ホテルや小売り業などは、緊急事態宣言による外出自粛で甚大な被害を被った。それを救済するために、観光需要を増やそうとする試みは間違ってはいない。だがコロナ感染者が急増し始めているときに旅行者を増やせば、観光地にコロナを伝播する危険性が高い。そうなったら観光地はもっと深刻な状態に陥る。そして1兆6794億円の税金が、ドブに捨てられる。
また埼玉県では、夜の街の危ない営業に強く自粛を求める方針だ。ところが東京都は、こうした店にコロナ対策のための補助金を出すという。これでは、また例のパチンコ店騒動が繰り返されるだけだろう。整合性が全くない。さらに安倍首相をはじめ政府の責任者や自治体の首長は「緊張感を持って」と言いながら「病院のベッドが空いているから、緊急事態は宣言しない」のだと言い放つ。いまのコロナ対策には、こうした矛盾や疑問点が多すぎる。なぜだろうか。
≪13日の日経平均 = 上げ +493.93円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 専門家会議の解散が混乱の始まり = 政府は6月24日、突如としてコロナ対策を検討する専門家会議の廃止を発表した。医師12人で構成するこの専門家会議は2月に設置され、まずダイヤモンド・プリンセス号に対する措置を検討。3月に入って国内に感染者が広がると「人との接触を8割減らす」「3密の回避」など、数々の提言を公表した。だが政府は2つの点で専門家会議の活動を問題視し、廃止したのだろうと推定される。
1つは専門家会議が次々と提言を発表し、政府が完全に裏方に回ってしまったこと。もう1つは医師ばかりで構成されたためコロナ対策が重視され、経済活動の再開論が出にくかったことだ。そこで、この会議を廃止。代わりにコロナ感染症対策分科会を設置して、医師のほかに企業に所属する研究者や弁護士なども参加させた。だが、この分科会は専門家会議が廃止された理由を知っているから、ぷっつりと口を閉ざしている。
ところが世の中には、数多くの専門家が存在する。分科会のメンバーが表に出なくなったため、テレビや新聞はこうした野にいる専門家の意見を聞くようになった。そうした人たちは、感染者が増加に転じた現状を踏まえて、警戒論を強く主張しがちだ。その一方で分科会は何も言わないから、国土交通省は予算が認められたGO TO トラベルを予定通り実行しようとする。そして多くの国民は、矛盾を感じて混乱しているのが現状だ。
ウイズ・コロナは、感染症対策と経済再生のバランスが大事。だが、いまの政府にはそのバランスを考える責任者がいない。国土交通省や経済産業省と厚生労働省が、話し合う様子もみられない。その欠陥を埋めるべき人は、総理大臣なのか官房長官なのか。この無責任体制こそが、コロナ対策の最大の障害になっている。
≪14日の日経平均 = 下げ -197.73円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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1つは専門家会議が次々と提言を発表し、政府が完全に裏方に回ってしまったこと。もう1つは医師ばかりで構成されたためコロナ対策が重視され、経済活動の再開論が出にくかったことだ。そこで、この会議を廃止。代わりにコロナ感染症対策分科会を設置して、医師のほかに企業に所属する研究者や弁護士なども参加させた。だが、この分科会は専門家会議が廃止された理由を知っているから、ぷっつりと口を閉ざしている。
ところが世の中には、数多くの専門家が存在する。分科会のメンバーが表に出なくなったため、テレビや新聞はこうした野にいる専門家の意見を聞くようになった。そうした人たちは、感染者が増加に転じた現状を踏まえて、警戒論を強く主張しがちだ。その一方で分科会は何も言わないから、国土交通省は予算が認められたGO TO トラベルを予定通り実行しようとする。そして多くの国民は、矛盾を感じて混乱しているのが現状だ。
ウイズ・コロナは、感染症対策と経済再生のバランスが大事。だが、いまの政府にはそのバランスを考える責任者がいない。国土交通省や経済産業省と厚生労働省が、話し合う様子もみられない。その欠陥を埋めるべき人は、総理大臣なのか官房長官なのか。この無責任体制こそが、コロナ対策の最大の障害になっている。
≪14日の日経平均 = 下げ -197.73円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 人口の多い州が移動規制・店舗閉鎖 = アメリカでは、経済再生に向けて回り出した歯車が逆転し始めた。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、今週初めまでに9つの州が3月時点の厳しい規制に逆戻りした。この9州は人口が多く、GDPでは全米の37%に当たるという。たとえばカリフォルニア、ミシガン、フロリダ州などで、バーやレストラン、映画館や遊園地が閉鎖された。追随する州も多そうだと、同紙は伝えている。
トランプ大統領は11月の大統領選挙を控えて経済再生を重視、各州の知事に早期の規制緩和を呼びかけてきた。これに応じたのは、共和党系の知事。早めに規制を解除したためコロナ感染者が急増、今回の再規制を余儀なくされた。一方、民主党系の知事は大統領の呼びかけに応じなかったため、たとえばニューヨーク州のように感染者の多発を免れている。だが、そのニューヨーク州も他州からの流入者に規制をかけ始めた。
アメリカのコロナ感染者数は、14日の時点で336万5000人に達した。8日に300万人を超えたから、この6日間で36万人以上も増えている。死亡者の数も13万5600人という恐るべき多さに。WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「あまりに多くの国が、誤った方向に進んでいる」と警告を発したが、これは明かにアメリカも念頭に置いた発言だろう。アメリカは、コロナ戦争に勝てるのか。心配になってくる。
じっさい、アメリカが第1波を上回る第2波に襲われる可能性は、きわめて高いと言えそうだ。そうなると2ケタのマイナス成長が長引くことになる。アメリカにとっては大きな痛手で、トランプ氏の再選も難しくなるだろう。そして日本を含む世界経済への打撃も、さらに大きくなる。すでにコロナを制圧したかにみえる中国との対比でも、アメリカは見劣りすることになってしまう。
≪15日の日経平均 = 上げ +358.49円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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トランプ大統領は11月の大統領選挙を控えて経済再生を重視、各州の知事に早期の規制緩和を呼びかけてきた。これに応じたのは、共和党系の知事。早めに規制を解除したためコロナ感染者が急増、今回の再規制を余儀なくされた。一方、民主党系の知事は大統領の呼びかけに応じなかったため、たとえばニューヨーク州のように感染者の多発を免れている。だが、そのニューヨーク州も他州からの流入者に規制をかけ始めた。
アメリカのコロナ感染者数は、14日の時点で336万5000人に達した。8日に300万人を超えたから、この6日間で36万人以上も増えている。死亡者の数も13万5600人という恐るべき多さに。WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「あまりに多くの国が、誤った方向に進んでいる」と警告を発したが、これは明かにアメリカも念頭に置いた発言だろう。アメリカは、コロナ戦争に勝てるのか。心配になってくる。
じっさい、アメリカが第1波を上回る第2波に襲われる可能性は、きわめて高いと言えそうだ。そうなると2ケタのマイナス成長が長引くことになる。アメリカにとっては大きな痛手で、トランプ氏の再選も難しくなるだろう。そして日本を含む世界経済への打撃も、さらに大きくなる。すでにコロナを制圧したかにみえる中国との対比でも、アメリカは見劣りすることになってしまう。
≪15日の日経平均 = 上げ +358.49円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 4-6月期のGDPは3.2%増加 = 中国統計局は16日、4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、前年同期比でみた実質GDP成長率はプラス3.2%。1-3月期のマイナス6.8%から、一気にプラス成長に回復した。前期比でみても、1-3月期のマイナス10.0%からプラス11.5%へ大きく改善している。工業生産と固定資産投資が伸びて、大方の予想を上回るV字型の回復となった。
同時に発表された主要な経済指標をみると、鉱工業生産は1-6月で前年比マイナス1.3%。1-3月期のマイナス7.1%から大幅に改善した。6月だけでは4.8%の増加となっている。自動車や半導体関連の生産が伸びた。また固定資産投資は1-6月で前年比マイナス3.1%、1-3月のマイナス16.1%から大きく改善している。1-6月のインフラ投資は前年比マイナス2.7%、不動産投資はプラス1.9%だった。
一方、小売り売上高は1-6月で前年比マイナス11.4%。1-3月のマイナス19%よりは改善しているが、生産や投資に比べると回復の足取りは重い。また輸出は1-6月で前年比マイナス6.2%。都市部の6月の失業率は5.7%で、前月より0.2ポイントの改善にとどまった。こうした結果からみると、政府がテコ入れした生産や投資の回復は順調だが、消費と輸出、それに雇用の回復は遅れがちなことが判る。
問題含みの景気回復であることに間違いないが、それでもコロナ不況からの脱出では一番乗り。とにかく感染者の増加をいち早く食い止めたことが勝因となった。ただ今後もV字型の回復を続けることは、かなり難しそうだ。コロナへの不安が完全に払しょくされたとは言えず、個人消費は停滞気味。また世界中でコロナが猛威を振るっているから、輸出も伸びにくい。中国政府が次にどんな手を打つのか、注目される。
≪16日の日経平均 = 下げ -175.14円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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同時に発表された主要な経済指標をみると、鉱工業生産は1-6月で前年比マイナス1.3%。1-3月期のマイナス7.1%から大幅に改善した。6月だけでは4.8%の増加となっている。自動車や半導体関連の生産が伸びた。また固定資産投資は1-6月で前年比マイナス3.1%、1-3月のマイナス16.1%から大きく改善している。1-6月のインフラ投資は前年比マイナス2.7%、不動産投資はプラス1.9%だった。
一方、小売り売上高は1-6月で前年比マイナス11.4%。1-3月のマイナス19%よりは改善しているが、生産や投資に比べると回復の足取りは重い。また輸出は1-6月で前年比マイナス6.2%。都市部の6月の失業率は5.7%で、前月より0.2ポイントの改善にとどまった。こうした結果からみると、政府がテコ入れした生産や投資の回復は順調だが、消費と輸出、それに雇用の回復は遅れがちなことが判る。
問題含みの景気回復であることに間違いないが、それでもコロナ不況からの脱出では一番乗り。とにかく感染者の増加をいち早く食い止めたことが勝因となった。ただ今後もV字型の回復を続けることは、かなり難しそうだ。コロナへの不安が完全に払しょくされたとは言えず、個人消費は停滞気味。また世界中でコロナが猛威を振るっているから、輸出も伸びにくい。中国政府が次にどんな手を打つのか、注目される。
≪16日の日経平均 = 下げ -175.14円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ アメリカ・ブラジル・インドの状況が悪化 = 日本時間17日午前0時の集計。アメリカ・ブラジル・インドの死亡者増加数が拡大した。アメリカの感染者数は350万人、死亡者数は13万7419人に達した。この1週間で、死亡者は5109人も増えている。ブラジルの感染者数は197万人、死亡者は7万5000人で、その増加数は7402人。インドの感染者数は97万人、死亡者は2万5000人で増加数は3786人だった。死亡者の増加数は、いずれも前週を上回っている。
死亡者数でみると、イギリスが4万人台。イタリアとフランスが3万人台。スペインが2万人台だが、これらのヨーロッパ諸国では死亡者の数がほとんど増えていない。たとえばイギリスは611人の増加、スペインは33人の増加にとどまっている。このようにヨーロッパ諸国では鎮静しているのに、アメリカの状態が悪化しているのは、やはり経済再生を急ぎ過ぎたためなのだろうか。
中国の死亡者数は4634人で、過去5週間にわたって1人も増えていない。このため経済活動の再開も順調に進んでおり、4-6月期のGDP成長率はプラスに転じている。また韓国も死亡者数は291人と少なく、前週比でも4人増加しただけだった。一方、日本の死亡者数は998人で、前週比では3人の増加にとどまった。
しかし規制の解除を急ぎ過ぎたせいか、このところ東京都を中心に感染者数が急増している。東京都では1日に300人近く、全国では500人を超える増加を記録した。そんななかで政府はGO TO トラベルのキャンペーンを22日から強行する。東京都からの往来は除外したが、この結果が吉と出るか凶と出るか。GO TO トラブルにならないか、少々心配だ。
≪17日の日経平均 = 下げ -73.94円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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死亡者数でみると、イギリスが4万人台。イタリアとフランスが3万人台。スペインが2万人台だが、これらのヨーロッパ諸国では死亡者の数がほとんど増えていない。たとえばイギリスは611人の増加、スペインは33人の増加にとどまっている。このようにヨーロッパ諸国では鎮静しているのに、アメリカの状態が悪化しているのは、やはり経済再生を急ぎ過ぎたためなのだろうか。
中国の死亡者数は4634人で、過去5週間にわたって1人も増えていない。このため経済活動の再開も順調に進んでおり、4-6月期のGDP成長率はプラスに転じている。また韓国も死亡者数は291人と少なく、前週比でも4人増加しただけだった。一方、日本の死亡者数は998人で、前週比では3人の増加にとどまった。
しかし規制の解除を急ぎ過ぎたせいか、このところ東京都を中心に感染者数が急増している。東京都では1日に300人近く、全国では500人を超える増加を記録した。そんななかで政府はGO TO トラベルのキャンペーンを22日から強行する。東京都からの往来は除外したが、この結果が吉と出るか凶と出るか。GO TO トラブルにならないか、少々心配だ。
≪17日の日経平均 = 下げ -73.94円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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◇ 今週の株価は動けない? = コロナ情勢は厳しさを増しているのに、日米の株価は先週そろって上昇した。ダウ平均は597ドル、日経平均は406円の値上がりだった。あり余る投資資金が自動車や機械などの出遅れ株に向かって、全体を押し上げた。それでもダウ平均は2万7000ドル、日経平均は2万3000円のカベを乗り越えることは出来なかった。カベの上には、コロナが居座っているからである。
アメリカでは先週から、企業の4-6月期決算発表が始まった。事前の予想では主要500社の1株当たり利益は、前年比で44%減少する。さらに各企業が7月以降の業績を、どう見通しているのか。今週のニューヨーク市場は、その結果待ち。加えてコロナの感染状況を注目することになるだろう。したがって、大きくは動けないか。
東京市場も今週は4連休を控えて、様子見になりそうだ。やはり東京都をはじめとするコロナ感染の推移が、いちばんの気がかりだ。連休中に悪い数字が出るかもしれないから、積極的には買いにくい。もう1つ、トランプ政権が打ち出した中国IT企業の製品を使っている企業を、アメリカ政府との取り引きから締め出す政策。まだ詳細は不明だが、企業によっては大きな打撃になる可能性がある。投資家は要注意だ。
今週は20日に、6月の貿易統計。21日に、6月の消費者物価。22日に、GO TO トラベル開始。アメリカでは22日に、5月のFHFA住宅価格と6月の中古住宅販売。21日に、6月のカンファレンス・ボード景気先行指数。24日に、6月の新築住宅販売が発表される。
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカでは先週から、企業の4-6月期決算発表が始まった。事前の予想では主要500社の1株当たり利益は、前年比で44%減少する。さらに各企業が7月以降の業績を、どう見通しているのか。今週のニューヨーク市場は、その結果待ち。加えてコロナの感染状況を注目することになるだろう。したがって、大きくは動けないか。
東京市場も今週は4連休を控えて、様子見になりそうだ。やはり東京都をはじめとするコロナ感染の推移が、いちばんの気がかりだ。連休中に悪い数字が出るかもしれないから、積極的には買いにくい。もう1つ、トランプ政権が打ち出した中国IT企業の製品を使っている企業を、アメリカ政府との取り引きから締め出す政策。まだ詳細は不明だが、企業によっては大きな打撃になる可能性がある。投資家は要注意だ。
今週は20日に、6月の貿易統計。21日に、6月の消費者物価。22日に、GO TO トラベル開始。アメリカでは22日に、5月のFHFA住宅価格と6月の中古住宅販売。21日に、6月のカンファレンス・ボード景気先行指数。24日に、6月の新築住宅販売が発表される。
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 抜け穴だらけのキャンペーンが始まった = 安倍内閣が鳴り物入りで打ち出したGO TO トラベル キャンペーンが、あす22日スタートする。土壇場になって東京都からの発着が除外されるなど、ドタバタの発車だった。このため実際に旅行者がどれだけ増えるか、コロナの勢いがどうなるかも全く不明。賛否も大きく分かれているが、国民が共通して感じたのは「なんとズサンな政策なのか」という点だろう。
たとえば地方の人が東京見物をしたいと思えば、浦安とか所沢のホテルに泊まればいい。また行き先を金沢にしておけば、夜まで東京で遊んで新幹線に乗ればいいことになる。さらに東京都民は外に出られないが、都内の豪華ホテルに泊まったら補助金を貰えるのだろうか。こんな抜け穴を探せば、いくらでも見つけられそうだ。
赤羽国土交通相は「若者や高齢者のグループ旅行は遠慮してほしい」と強調した。しかし若者や高齢者とは何歳の人かは、説明していない。またグループとは何人以上なのかも判らない。これまたズサンな発言である。もっとひどいのは、東京居住者を除外したことで発生したキャンセル料を、政府は負担しませんという方針。政府の政策変更で生じた損害なので、これは政府が払うべきだろう。裁判にでもなったら、国は勝てるのだろうか。
GO TO トラベルは、来年春まで続けることになっている。しかし仮にコロナの感染が予想以上に拡大すれば、中止せざるをえなくなるに違いない。だからコロナの状態がどうなれば中止するというとう条件を、初めから明示しておくべきだろう。そうでないとまた混乱が生じ、損失補てんなどの問題が起きるかもしれない。とにかく政府のメンツだけで強行し、民間に損失が出ても知りませんという姿勢はいただけない。
≪20日の日経平均 = 上げ +21.06円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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たとえば地方の人が東京見物をしたいと思えば、浦安とか所沢のホテルに泊まればいい。また行き先を金沢にしておけば、夜まで東京で遊んで新幹線に乗ればいいことになる。さらに東京都民は外に出られないが、都内の豪華ホテルに泊まったら補助金を貰えるのだろうか。こんな抜け穴を探せば、いくらでも見つけられそうだ。
赤羽国土交通相は「若者や高齢者のグループ旅行は遠慮してほしい」と強調した。しかし若者や高齢者とは何歳の人かは、説明していない。またグループとは何人以上なのかも判らない。これまたズサンな発言である。もっとひどいのは、東京居住者を除外したことで発生したキャンセル料を、政府は負担しませんという方針。政府の政策変更で生じた損害なので、これは政府が払うべきだろう。裁判にでもなったら、国は勝てるのだろうか。
GO TO トラベルは、来年春まで続けることになっている。しかし仮にコロナの感染が予想以上に拡大すれば、中止せざるをえなくなるに違いない。だからコロナの状態がどうなれば中止するというとう条件を、初めから明示しておくべきだろう。そうでないとまた混乱が生じ、損失補てんなどの問題が起きるかもしれない。とにかく政府のメンツだけで強行し、民間に損失が出ても知りませんという姿勢はいただけない。
≪20日の日経平均 = 上げ +21.06円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ V字型の回復は望めない = 財務省は20日、6月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は4兆8600億円で前年比26.2%の減少。5月の28.3%減少よりは、やや改善した。一方、輸入は5兆1300億円で14.4%の減少だった。その結果、貿易収支は2700億円の赤字となっている。各国の経済再生で輸出の減少率はやや縮小し、底入れはしたものの、今後の回復力はきわめて弱々しい。
輸出を地域別にみると、中国向けは1兆2400億円で前年比0.2%の減少。3月の8.7%減少から、着実な改善ぶりを示している。EU向けは7200億円で28.4%の減少。またアメリカ向けは7200億円で46.6%の減少だった。このアメリカ向けも5月の50.6%減少よりは、やや改善している。ASEAN向けも6570億円で、35.1%の減少と振るわない。
輸出を商品別にみると、自動車は5100億円で49.9%の減少。一般機械は1兆円で24.5%の減少、電気機械も9000億円で18.5%の減少だった。ずっと見渡しても、前年に比べて増加したのは医薬品、非鉄金属、船舶ぐらいなもの。世界的なコロナ不況の影響は、まだまだ日本の輸出に暗い影を落としている。
今後の見通しは、各国の経済再生しだいということになるだろう。その観点からすると、中国向けの輸出は来月にも前年比プラスになりそうだ。またEU向けも、減少率が縮小する可能性は大きい。しかし最大の輸出先であるアメリカ向けの回復には、かなりの時間がかかるだろう。したがって今後の輸出は、全体として非常にゆっくりした回復になると予想される。
≪21日の日経平均 = 上げ +166.74円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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輸出を地域別にみると、中国向けは1兆2400億円で前年比0.2%の減少。3月の8.7%減少から、着実な改善ぶりを示している。EU向けは7200億円で28.4%の減少。またアメリカ向けは7200億円で46.6%の減少だった。このアメリカ向けも5月の50.6%減少よりは、やや改善している。ASEAN向けも6570億円で、35.1%の減少と振るわない。
輸出を商品別にみると、自動車は5100億円で49.9%の減少。一般機械は1兆円で24.5%の減少、電気機械も9000億円で18.5%の減少だった。ずっと見渡しても、前年に比べて増加したのは医薬品、非鉄金属、船舶ぐらいなもの。世界的なコロナ不況の影響は、まだまだ日本の輸出に暗い影を落としている。
今後の見通しは、各国の経済再生しだいということになるだろう。その観点からすると、中国向けの輸出は来月にも前年比プラスになりそうだ。またEU向けも、減少率が縮小する可能性は大きい。しかし最大の輸出先であるアメリカ向けの回復には、かなりの時間がかかるだろう。したがって今後の輸出は、全体として非常にゆっくりした回復になると予想される。
≪21日の日経平均 = 上げ +166.74円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 中国IT企業から手を引け = アメリカ政府は先週14日、国防権限法の規定に基づき「中国の大手IT社の製品を使用する企業が、アメリカ政府と取り引きすることを禁止する」と発表した。対象となる中国のIT企業は、ファーウェイやZTEなどの5社。これはアメリカ政府の情報が中国側に漏れるのを防ぐためで、8月13日から施行する方針だ。現在アメリカ政府と取り引きのある日本企業は約800社。アメリカ政府を選ぶか、中国企業を選ぶか。最終的に選択を迫られることになった。
国防権限法は18年に成立。まず中国5社の製品を、アメリカ政府の調達から除外した。次いで20年8月には、世界中の企業にも規定を適用すると決めている。しかしアメリカ国内でも反対論が強く、政府が強行するかどうか注目されていた。個々の企業によって、中国IT製品との関係はまちまちだろう。たとえば簡単な部品を取り換えれば済む企業は、これまでに対処したかもしれない。
しかし工場の心臓部分に、中国製品を使っている企業もある。こんな企業は8月13日までに、製品を入れ替えることなど不可能だろう。したがって個々の企業によって、トランプ大統領の“踏み絵”の影響度は違ってくる。なかには経営戦略を抜本的に見直さざるをえない企業もあるはずだ。ところが不思議なことに、そうした企業の経営判断に関するニュースは報道されていない。
この問題に関しては、日本政府も経団連や業界団体も全く口を閉ざしている。また取り引き禁止令の細部も伝わってこない。たとえば企業グループの子会社が中国製品を使っている場合、親会社も取り引き禁止の対象になるのか。さらにスマホやパソコンのように、ファーウェイ部品を使った製品を売ってしまった場合など。肝心な点が不明なので、動きようがないのかもしれない。禁止令の施行まで、あと3週間。政府や経済界は、この問題について押し黙っている。その静けさが、むしろ不気味である。
≪22日の日経平均 = 下げ -132.61円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】
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国防権限法は18年に成立。まず中国5社の製品を、アメリカ政府の調達から除外した。次いで20年8月には、世界中の企業にも規定を適用すると決めている。しかしアメリカ国内でも反対論が強く、政府が強行するかどうか注目されていた。個々の企業によって、中国IT製品との関係はまちまちだろう。たとえば簡単な部品を取り換えれば済む企業は、これまでに対処したかもしれない。
しかし工場の心臓部分に、中国製品を使っている企業もある。こんな企業は8月13日までに、製品を入れ替えることなど不可能だろう。したがって個々の企業によって、トランプ大統領の“踏み絵”の影響度は違ってくる。なかには経営戦略を抜本的に見直さざるをえない企業もあるはずだ。ところが不思議なことに、そうした企業の経営判断に関するニュースは報道されていない。
この問題に関しては、日本政府も経団連や業界団体も全く口を閉ざしている。また取り引き禁止令の細部も伝わってこない。たとえば企業グループの子会社が中国製品を使っている場合、親会社も取り引き禁止の対象になるのか。さらにスマホやパソコンのように、ファーウェイ部品を使った製品を売ってしまった場合など。肝心な点が不明なので、動きようがないのかもしれない。禁止令の施行まで、あと3週間。政府や経済界は、この問題について押し黙っている。その静けさが、むしろ不気味である。
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◇ パンデミックは衰えず = 日本時間24日午前0時の集計。新型コロナ・ウイルスの世界的大流行には、全く終息の兆しがみられない。世界の感染者は1500万人を超え、死亡者は60万人に達した。特に厳しいのはアメリカ、ブラジル、そしてインドの3か国。アメリカの感染者は397万人、死亡者はこの1週間で5774人増え14万3193人となった。ブラジルでは222万人が感染、死亡者は7405人増えて8万2771人に。またインドの感染者は123万人、死亡者は4946人増えて2万9861人となっている。
一方、ヨーロッパ諸国の状態は落ち着いている。死亡者数でみると、イギリスが4万人台、イタリアとフランスが3万人台、スペインが2万人台。イギリスでは448人増加したが、あとは2ケタの増加にとどまっている。このためインドの死亡者数がスペインを上回り、世界で6番目の多さになった。増加の勢いからみると、インドが近くフランスやイタリアを抜く可能性が高そうだ。
日本の周辺に目を転じると、中国の死亡者数は4634人で、この人数は5月22日以来ずっと変わっていない。感染者は増えているものの、死亡者は出ていないわけだ。また同じ期間に、韓国では死亡者が33人増えて297人に。日本では193人増えて1005人となっている。欧米に比べれば人数は少ないが、日本の死亡者数が1000人を超えたことには世界の注目が集まっている。
その日本では、コロナの第2波が発生した可能性が高い。23日には、東京都の感染者数が過去最高の366人。愛知・埼玉・福岡県などでも第1波のときを上回る感染者数を記録した。全国の感染者数は981人に達している。こうした状況にもかかわらず、GO TO トラベル・キャンペーンを強行した政府の責任が問われることになりそうだ。
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一方、ヨーロッパ諸国の状態は落ち着いている。死亡者数でみると、イギリスが4万人台、イタリアとフランスが3万人台、スペインが2万人台。イギリスでは448人増加したが、あとは2ケタの増加にとどまっている。このためインドの死亡者数がスペインを上回り、世界で6番目の多さになった。増加の勢いからみると、インドが近くフランスやイタリアを抜く可能性が高そうだ。
日本の周辺に目を転じると、中国の死亡者数は4634人で、この人数は5月22日以来ずっと変わっていない。感染者は増えているものの、死亡者は出ていないわけだ。また同じ期間に、韓国では死亡者が33人増えて297人に。日本では193人増えて1005人となっている。欧米に比べれば人数は少ないが、日本の死亡者数が1000人を超えたことには世界の注目が集まっている。
その日本では、コロナの第2波が発生した可能性が高い。23日には、東京都の感染者数が過去最高の366人。愛知・埼玉・福岡県などでも第1波のときを上回る感染者数を記録した。全国の感染者数は981人に達している。こうした状況にもかかわらず、GO TO トラベル・キャンペーンを強行した政府の責任が問われることになりそうだ。
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◇ コロナ+米中関係が重荷に = ダウ平均は先週202ドルの値下がり。週央にはいったん2万7000ドルを超えたが、すぐに押し戻された。上げ材料はEUが93兆円にのぼる復興基金の創設で合意したこと、それにトランプ政権が追加のコロナ対策費として210兆円の財政支出を決めたこと。下げ材料は衰えを見せないコロナの感染、それに米中関係がいっそう悪化したことだった。
東京市場は先週、月-水3日間だけの営業だった。最初はニューヨークにつられて上昇したが、連休を控えて水曜日には反落した。それでも週間55円の値上がり。中国に対する強硬な姿勢を表明したポンペオ米国務長官の演説は、連休中に伝えられた。したがって今週は、まずその評価から始めなければならない。東京市場も、コロナ+米中関係が重荷になりそうだ。
米中ともに、今週は4-6月期の企業決算が集中する。それに関連して注目されるのは、米中関係の悪化に伴って、先週は円の対ドル相場が一時105円台まで上昇したこと。有事の安全資産として買われたらしいが、米中間の緊張は日中間の緊張にも通じる。はたして安全な資産なのか、首をかしげる人も少なくないのでは。
今週は28日に、6月の企業向けサービス価格。30日に、6月の商業動態統計。31日に、6月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。アメリカでは28日に、7月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、4-6月期のGDP速報。またEUが31日に、4-6月期のGDP速報。中国が31日に、7月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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東京市場は先週、月-水3日間だけの営業だった。最初はニューヨークにつられて上昇したが、連休を控えて水曜日には反落した。それでも週間55円の値上がり。中国に対する強硬な姿勢を表明したポンペオ米国務長官の演説は、連休中に伝えられた。したがって今週は、まずその評価から始めなければならない。東京市場も、コロナ+米中関係が重荷になりそうだ。
米中ともに、今週は4-6月期の企業決算が集中する。それに関連して注目されるのは、米中関係の悪化に伴って、先週は円の対ドル相場が一時105円台まで上昇したこと。有事の安全資産として買われたらしいが、米中間の緊張は日中間の緊張にも通じる。はたして安全な資産なのか、首をかしげる人も少なくないのでは。
今週は28日に、6月の企業向けサービス価格。30日に、6月の商業動態統計。31日に、6月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。アメリカでは28日に、7月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、4-6月期のGDP速報。またEUが31日に、4-6月期のGDP速報。中国が31日に、7月の製造業と非製造業のPMIを発表する。
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◇ ポンぺオ国務長官の重大発言 = 香港に対する優遇措置を停止。南シナ海で空母2隻が演習。中国IT企業の製品を使った企業をアメリカ政府の取り引きから排除。そしてテキサス州ヒューストンの中国領事館を閉鎖。このところ、アメリカの中国に対する厳しい報復措置が相次いでいる。大統領選挙を前に反中国の有権者を取り込もうとするトランプ氏の作戦かと思っていたが、どうもそれだけではないようだ。ポンぺオ国務長官の先週の演説が、アメリカ政府の考え方を明示した。
ポンぺオ長官は23日、カリフォルニア州で「共産党中国と自由世界の未来」と題して演説。このなかで「習近平総書記は共産主義に基づく覇権への野望を持っている」と断じ、また「私たちが共産主義の中国を変えなければ、彼らが私たちを変えることになるだろう」と、強烈に中国政府を批判した。さらに「中国を他国と同じような普通の国として扱うことは出来ない」とさえ発言している。
アメリカはこれまで「中国の経済発展を支援することで、中国が自由貿易を尊重する民主的な国に変化すること」を期待してきた。この政策は1972年に中国を電撃訪問して国交を切り拓いたニクソン元大統領以来、歴代の大統領が貫いてきた基本的な姿勢だ。ポンぺオ長官の発言は、この姿勢を根本的に改めることを示唆している。
この2年間、アメリカと中国は厳しい関税交渉を通じて、互いにその真意を探り合ってきた。その結果、アメリカはニクソン政権以来の“アメとムチ”外交では、中国は決して変わらないことに気付いたのだろう。これからはアメが姿を消し、ムチだけが使われる。要するに米中関係は、新しい次元に入る可能性が強い、そして、その影響は限りなく大きい。日本も要警戒である。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 下げ -35.76円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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ポンぺオ長官は23日、カリフォルニア州で「共産党中国と自由世界の未来」と題して演説。このなかで「習近平総書記は共産主義に基づく覇権への野望を持っている」と断じ、また「私たちが共産主義の中国を変えなければ、彼らが私たちを変えることになるだろう」と、強烈に中国政府を批判した。さらに「中国を他国と同じような普通の国として扱うことは出来ない」とさえ発言している。
アメリカはこれまで「中国の経済発展を支援することで、中国が自由貿易を尊重する民主的な国に変化すること」を期待してきた。この政策は1972年に中国を電撃訪問して国交を切り拓いたニクソン元大統領以来、歴代の大統領が貫いてきた基本的な姿勢だ。ポンぺオ長官の発言は、この姿勢を根本的に改めることを示唆している。
この2年間、アメリカと中国は厳しい関税交渉を通じて、互いにその真意を探り合ってきた。その結果、アメリカはニクソン政権以来の“アメとムチ”外交では、中国は決して変わらないことに気付いたのだろう。これからはアメが姿を消し、ムチだけが使われる。要するに米中関係は、新しい次元に入る可能性が強い、そして、その影響は限りなく大きい。日本も要警戒である。
(続きは明日)
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≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 冷戦に逆戻りする危険性 = ポンぺオ国務長官は56歳。軍人、弁護士を経て共和党の下院議員に当選。トランプ政権ではCIA(中央情報局)長官から、国務長官に抜擢された。生粋の右派で、もともと中国には批判的だったが、国務長官としてここまで中国を敵視するのはむしろ異例。ホワイトハウスの内部で、反中国派が発言権を高めたことを反映しているように思われる。
演説のなかで、ポンぺオ長官は「中国の覇権伸長を抑えるため、自由主義諸国は新しい同盟を結び団結する必要がある」とも言っている。この主張は、第2次大戦後にアメリカが共産主義の拡大を抑えるためにとったコンテインメント(封じ込め)政策を想起させる。旧ソ連や中国を封じ込めた結果は冷戦を招いたが、やがてはベルリンの壁の崩壊につながったと言えるだろう。
しかし現在の中国は、当時に比べれば経済的にも軍事的にも飛躍的な増大を遂げている。またアフリカや中南米諸国との関係も、強固になっている。この中国を封じ込めることは、容易ではない。ただファーウェイ製品の排除などを巡っては、すでにイギリスのほかにフランスも同調するなど、コンテインメント的な動きが進行していることには注意すべきだろう。
11月の大統領選挙で、民主党のバイデン候補が勝つとどうなるのか。この点は、全く不明と言うしかない。ただ過去の言動からみると、バイデン氏の中国に対する姿勢は、オバマ前大統領ほど融和的ではない。またオバマ時代に比べると、アメリカ国民の反中国感情が大幅に高まっている。このためバイデン政権になっても、新冷戦に突入する可能性は大きいのではないか。日本はどう対処するのか、考えておいた方がいい。
≪28日の日経平均 = 下げ -58.47円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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演説のなかで、ポンぺオ長官は「中国の覇権伸長を抑えるため、自由主義諸国は新しい同盟を結び団結する必要がある」とも言っている。この主張は、第2次大戦後にアメリカが共産主義の拡大を抑えるためにとったコンテインメント(封じ込め)政策を想起させる。旧ソ連や中国を封じ込めた結果は冷戦を招いたが、やがてはベルリンの壁の崩壊につながったと言えるだろう。
しかし現在の中国は、当時に比べれば経済的にも軍事的にも飛躍的な増大を遂げている。またアフリカや中南米諸国との関係も、強固になっている。この中国を封じ込めることは、容易ではない。ただファーウェイ製品の排除などを巡っては、すでにイギリスのほかにフランスも同調するなど、コンテインメント的な動きが進行していることには注意すべきだろう。
11月の大統領選挙で、民主党のバイデン候補が勝つとどうなるのか。この点は、全く不明と言うしかない。ただ過去の言動からみると、バイデン氏の中国に対する姿勢は、オバマ前大統領ほど融和的ではない。またオバマ時代に比べると、アメリカ国民の反中国感情が大幅に高まっている。このためバイデン政権になっても、新冷戦に突入する可能性は大きいのではないか。日本はどう対処するのか、考えておいた方がいい。
≪28日の日経平均 = 下げ -58.47円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 審議会は引き上げ指針を出せず = 厚生労働省の中央最低賃金審議会は先週22日、ことしの最低賃金引き上げに関する指針の取りまとめを断念した。経営者側の委員は「コロナ不況のため中小企業には賃上げの余裕がない」と強く主張。労働者側の委員は「賃上げによって消費が増え、景気の回復にもつながる」と強く反論。結局は意見の調整がつかず、ことしは指針を出さないことになった。この審議会が指針を示さないのは、リーマン・ショック後の09年以来のこと。
最低賃金というのは、あらゆる労働者に支払われる最低の時給額。中央最低賃金審議会の指針を基に、各都道府県が毎年8月末までに独自の賃上げ率を決める仕組みになっている。安倍首相が「賃上げによって経済の好循環を生み出す」と推奨したため、16-19年は毎年3%の引き上げが実現した。この結果、現在の最低賃金は全国平均で901円となっている。
ただ地域格差は大きい。最高の東京都が1013円なのに対して、鹿児島など15県は790円。時給で223円の差は、月収や年収にすればきわめて大きい。これが東京一極集中の大きな原因になっていることは明らかだ。また国際的にみても日本の最低賃金は、かなり低い。これが優秀な外国人労働者の誘致に、大きな障害になっている。
にもかかわらず、中央審議会は最低賃金引き上げの指針を出せなかった。そこで調べてみると、なんと安倍首相が6月3日に厚労相を呼んで「コロナ不況で、いまは雇用が最優先事項だ。最低賃金は据え置く方向で」と指示していたことが判明した。これでは中央審議会も、指針を出しようがない。安倍首相はコロナに怯え、自らの好循環理論を捨てたことになる。
≪29日の日経平均 = 下げ -260.27円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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最低賃金というのは、あらゆる労働者に支払われる最低の時給額。中央最低賃金審議会の指針を基に、各都道府県が毎年8月末までに独自の賃上げ率を決める仕組みになっている。安倍首相が「賃上げによって経済の好循環を生み出す」と推奨したため、16-19年は毎年3%の引き上げが実現した。この結果、現在の最低賃金は全国平均で901円となっている。
ただ地域格差は大きい。最高の東京都が1013円なのに対して、鹿児島など15県は790円。時給で223円の差は、月収や年収にすればきわめて大きい。これが東京一極集中の大きな原因になっていることは明らかだ。また国際的にみても日本の最低賃金は、かなり低い。これが優秀な外国人労働者の誘致に、大きな障害になっている。
にもかかわらず、中央審議会は最低賃金引き上げの指針を出せなかった。そこで調べてみると、なんと安倍首相が6月3日に厚労相を呼んで「コロナ不況で、いまは雇用が最優先事項だ。最低賃金は据え置く方向で」と指示していたことが判明した。これでは中央審議会も、指針を出しようがない。安倍首相はコロナに怯え、自らの好循環理論を捨てたことになる。
≪29日の日経平均 = 下げ -260.27円≫
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◇ 構造変化は今後も続きそう = 経済産業省は30日、6月の商業動態統計を発表した。それによると、小売り業の販売額は1兆2295億円で前年比1.2%の減少だった。4月の13.9%減少、5月の12.5%減少から、大幅に改善している。季節調整済みの前月比でみても、6月は13.1%の増加と大きく回復した。緊急事態宣言が5月下旬に解除されたことが、こうしたた結果をもたらしたと言えるだろう。
ただ業種別・業態別にみると、“巣ごもり”の影響がきわめて明確に表われている。業種別にみると、たとえば自動車小売り業が前年比17.2%、燃料小売り業が14.6%減少だったのに対して、機械器具小売り業は15.9%、無店舗小売り業は8.1%の増加だった。外出の自粛が続き、自動車や燃料に対する需要が伸び悩む一方で、家電製品や通信販売は売り上げを伸ばしている。
業態別では、デパートとコンビニが苦戦している。デパートの販売額は前年比18.4%の大幅減。コンビニも5.1%減少と冴えなかった。両者とも、繁華街への人出減少が響いている。一方、スーパーは4.7%、家電大型専門店は25.6%、ドラッグストアは6.5%の販売増加だった。ホームセンターも17.3%増加している。
全体として、小売り業の販売額は6月に急回復した。しかしコロナの勢いは再び強まっており、7月以降の販売額が順調に伸び続ける可能性は少ない。その一方で“巣ごもり”効果は今後も続き、業種や業態間の格差はますます開く可能性が大きい。コロナがもたらした小売り業の構造変化は、まだ進んで行くだろう。
≪30日の日経平均 = 下げ -57.88円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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ただ業種別・業態別にみると、“巣ごもり”の影響がきわめて明確に表われている。業種別にみると、たとえば自動車小売り業が前年比17.2%、燃料小売り業が14.6%減少だったのに対して、機械器具小売り業は15.9%、無店舗小売り業は8.1%の増加だった。外出の自粛が続き、自動車や燃料に対する需要が伸び悩む一方で、家電製品や通信販売は売り上げを伸ばしている。
業態別では、デパートとコンビニが苦戦している。デパートの販売額は前年比18.4%の大幅減。コンビニも5.1%減少と冴えなかった。両者とも、繁華街への人出減少が響いている。一方、スーパーは4.7%、家電大型専門店は25.6%、ドラッグストアは6.5%の販売増加だった。ホームセンターも17.3%増加している。
全体として、小売り業の販売額は6月に急回復した。しかしコロナの勢いは再び強まっており、7月以降の販売額が順調に伸び続ける可能性は少ない。その一方で“巣ごもり”効果は今後も続き、業種や業態間の格差はますます開く可能性が大きい。コロナがもたらした小売り業の構造変化は、まだ進んで行くだろう。
≪30日の日経平均 = 下げ -57.88円≫
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