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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
頼みの綱は 生産の回復持続
2009-09-01-Tue  CATEGORY: 政治・経済
ゆっくりしたテンポではあるが、生産の回復が続いている。経済産業省が31日発表した7月の鉱工業生産は、前月に比べて1.9%の増加だった。これで3月から5か月連続の増加となったが、前年同月の水準からみるとまだ22.9%低い。また増加のテンポも4―5月に比べると、3分の1程度に落ちている。

7月の出荷は前月比2.3%の増加。在庫は0.2%減少した。生産の増加に寄与した業種は、輸送用機械工業や鉄鋼業。また品目別では普通乗用車や小型乗用車だった。やはりエコカーに対する減税や補助金などの優遇策が効いているようだ。

予測調査をみると、8月の生産は2.4%、9月も3.2%増加する見込み。この予測通りになると、9月の生産水準は最低に落ち込んだことし2月からは2割近くの回復になる。またリーマン・ショックで生産が減少し始めた昨年10月の水準に比べて、その9割近くを取り戻すことになる計算だ。

その辺まで生産が回復すると、多くの企業が設備投資や人員の増加を検討し始めるに違いない。いまの経済情勢では、個人消費の拡大はほとんど望めない。したがって4―6月期にやっと実現したプラス成長を持続するためには、生産の増勢だけが頼みの綱だと言っていい。もっとも民主党の新政権が、びっくりするような景気対策を打ち出せば話は別だが。

    ≪31日の日経平均 = 下げ -41.61円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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新内閣は 雇用増大策に集中せよ! (上)
2009-09-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
民主党内閣が発足する。新内閣に最も望みたいことは、雇用をピンポイントに置いた大胆な政策を素早く打ち出すこと。なぜなら雇用情勢が、予想以上に深刻になってきたからだ。総務省が発表した7月の完全失業率は、前月より0.3ポイント悪化して5.7%にまで上昇した。連続6か月の上昇で、過去最悪の水準。専門家はさらに悪化して、失業率は6%に達すると予想している。

就業者数は前年より136万人の減少となった。特に製造業では106万人も減少している。また失業者は359万人。前年より103万人増えて、初めて年間100万人を超える増加となった。なかでも若年労働者の失業は深刻で、15―24歳の失業率は9.9%。10人に1人が職に就けない状態となっている。

製造業の生産活動は、2月を底に回復傾向にある。生産指数は2月の前年比38.4%減少から、7月は22.9%減少にまで改善した。この生産の回復に支えられて、GDP成長率も4―6月期は年率プラス3.7%と5四半期ぶりに水面上に顔を出した。しかし雇用情勢は改善どころか、むしろ悪化のテンポを速めている。

その理由は、生産の回復がまだ前年の8割にも達していないこと。この程度の水準では、企業の人員に対する過剰感は消えない。さらに経営者を慎重にさせているのは、景気の先行きに対する不安感が少しも薄れない点。言い換えると、これまでの経済政策では、景気はよくならないのではないか。その疑いが払拭されない。問題の根本は、ここにある。

                                    (続きは明日)

    ≪1日の日経平均 = 上げ +37.53円≫

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新内閣は 雇用増大策に集中せよ! (中)
2009-09-03-Thu  CATEGORY: 政治・経済
4―6月期の生産やGDPを改善した原動力は、輸出の増勢だった。この輸出は欧米諸国や中国などアジア各国の景気が回復するのにつれて、今後も増加はするだろう。しかし急激な増加は、残念ながら期待できそうにない。政府が実施したエコカー減税や補助金、省エネ電気製品に対するエコポイント制度の効果も、間もなく出尽くすに違いない。

その一方で失業者が増え就業者が減少すれば、当然ながら全体の個人所得は縮小する。所得の縮小は、消費を減退させる。こうした状況からみると、日本の景気は秋以降あるいは来年早々にも、再び下降してしまう危険がないとは言えない。この心配は7月の雇用情勢が予想以上に悪化したことで、一気に現実味を帯びてきた。

こうした心配が強まれば、企業の経営者はさらなるリストラ路線に走りがちだ。その結果は、さらに失業者を増やし、所得を減らし、消費を抑制することになる。この悪循環が再び動き出すと、それを阻止するためには巨額の財政資金と膨大なエネルギーが必要になるだろう。

だから新内閣は、雇用の増大にマトを絞った新たな政策を断行すべきだ。民主党は選挙マニフェストで、子育て支援や失業者の職業訓練などを約束した。それも結構だが、子育て支援で失業者が減るとは考えにくい。職業訓練には時間がかかるし、企業がリストラ路線を転換しなければ、実効はあがらない。長い目でみればいいけれども、いまの急場には間に合わない政策である。

                                     (続きは明日)

    ≪2日の日経平均 = 下げ -249.60円≫

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新内閣は 雇用増大策に集中せよ! (下)
2009-09-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
政府が本気になって失業者を減らそうと思えば、方法はいろいろある。たとえば政府が失業者を、直接雇用する。仮に100万人の失業者を年間300万円の賃金で雇用しても、それに必要な資金は3兆円だ。100万人の失業者が職に就けば、失業者の総数は1年前の水準に戻ることになる。

失業者の場合は、貰った賃金をすぐに使う確率がきわめて高い。したがって、このケースでは消費も年間で3兆円近く増えると期待できる。即効的な景気対策としても、きわめて有効だ。しかし政府が100万人を監督して、働かせるわけにはいかない。そこでカネを出して、民間企業に仕事を発注する。これが公共事業の基本的な考え方である。

しかし不要な道路を造れば、将来の赤字要因になってしまうだけ。だから公共事業はダメだというのが、現在の大勢を占める考え方になっている。民主党も来年度予算では公共事業費を1兆3000億円削ると言っているが、不要な事業を止めることは大変に結構だ。

その代わりに、近い将来に必ず必要になる公共事業を、いまのうちに先取りしてやってしまう。たとえば老朽化した高速道路や公立病院・学校の根本的な改修など、プロジェクトはいくらでもある。これを今年度内に予算の組み換えで、すぐにも実行する。こうして100万人の雇用を生み出さなければ、失業率は記録を更新し続けるだろう。それが鳩山内閣の最初の大失点になる可能性は大きい。

    ≪3日の日経平均 = 下げ -65.82円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 太陽光発電への期待 ⑥
2009-09-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
6) 日差しは欧州から日米へ = いま太陽光発電の勢いはヨーロッパ諸国で陰りが見え、日米両国では活発になっている。民間の発電設備に補助金を出し、余剰電力の買い取り制度をはじめに整備したのはドイツだった。このため04年以降、ドイツの発電量は急増。ドイツの設備メーカ-・Qセルズは、07年に日本のシャープを抜き生産量で世界一になっている。

ヨーロッパでは、スペインやイギリス、イタリアなども追随。08年までは、太陽光発電の普及も生産も順調に伸びていた。ところが不況の影響を受けて、各国とも補助金を減額したり、買い取り価格の引き下げを余儀なくされた。このため09年になってから需要は大幅に落ち込み、ひところの勢いは全く影を潜めている。

代わって元気になったのが、アメリカと日本。アメリカはオバマ大統領のグリーン・ニュ-ディール政策が後押し、日本も買い取り制度の法制化などで勢いを取り戻した。このため日本のメーカー各社は、工場を新設するなど生産能力の増強を急いでいる。ただ、これまで大口の輸出先だったヨーロッパの失速は心配のタネ。

そのうえ日本市場に目をつけた外国メーカーの参入も始まっている。世界第3位の中国サンテック・パワー社は3月から日本国内で営業を開始、ドイツのショットソーラー社も近く販売を始める予定だ。その結果、競争が激しくなれば価格と使い勝手、それに発電効率の勝負になることは間違いない。

                              (続きは来週サタデー)

    ≪4日の日経平均 = 下げ -27.53円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-09-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第15章 エコカーって、なんだろう? ⑩

各国の政府は、自動車に対する規制(きせい)を強化しています。その方法は、ガソリンの燃費をよくするやり方と、CO2(二酸化炭素)の出方を規制するやり方に分かれます。たとえばアメリカは16年に、ガソリン1リットル当たりの走行距離を15.1キロメートルに。日本も15年度までに16.8キロメートルにするようメーカーに求めています。

いま日本で売っている車でみると、フィットが24キロメートル、プリウスは38キロメートルです。だから日本で最近売り出された代表的な車は、すでに合格しています。ところがCO2の規制は、たとえばEU(ヨーロッパ連合)の場合は、12年以降に発売する新車についてCO2の排出量を1キロメートル当たり130グラム以下と定めました。

いま日本で売っている車でみると、ガソリン車のフィットは967グラム、ハイブリッドのプリウスは610グラムですから、この規制は相当にきびしいものだと言えるでしょう。ガソリン車でこの規制に合格することはムリ。やはりハイブリッド車、それもガソリンの比重が小さいハイブリッド車への移行が急速に進みそうです。

電気自動車ならばCO2の排出はゼロになりますね。しかし電気自動車には1回の充電で走れる距離が短いこと。したがってガソリン・スタンドのような充電スタンドをたくさん作る必要があること。さらに価格が高いことなどの欠点があります。その欠点がなくなるまでは、ハイブリッドカーが主流になるのではないでしょうか。

                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-09-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
東京市場のムードが、少し変わってきたようだ。日経平均は「上げ」と「下げ」を規則正しく14日間続けたあと、先週末は3日続落して引けた。週間の値下がりは347円。アメリカの雇用統計や中国市場の動向に、神経を使いすぎたように見受けられる。たしかに円高の進行はあったものの、やはり民主党政権に対する懸念がじわりと広がってきたのではないか。

ダウ平均も週間では103ドル下落した。しかし週末は失業率が急増した雇用統計の発表にもかかわらず、続伸して終えた。アメリカ国内でも、景気の先行きに対する不安は再燃しているが、政府が「必要なら追加対策をただちに打ち出す」構えをみせていることが、心理的な下支えになっている。日本は政治の切れ目で、その安全網が構築できない。

今週も日経平均の軟調が続くようだと、不鮮明な経済政策から生じる景気動向への不安が濃くなるかもしれない。特に外国人投資家の感覚が、どう変化するかが重要だ。その不安を打ち消すような経済指標が、出現するかどうか。8日には、8月の景気ウォッチャー調査。9日には、7月の景気動向指数。10日には、8月の企業物価指数と7月の機械受注。11日には、4-6月期GDPの改定値と8月の消費動向調査が発表になる。

アメリカでは、10日に7月の貿易収支。11日には、7月の卸売り売上高とミシガン大学による9月の消費者信頼感指数。また11日には中国が重要な指標をまとめて発表する。8月の貿易収支、生産者物価、消費者物価、工業生産、それに固定資産投資。特に輸入の動向と固定資産投資には、注意が必要だろう。

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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失業率より 雇用者数を重視/米市場
2009-09-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
アメリカでも、失業者の増加が止まらない。米労働省の発表によると、8月の完全失業率は9.7%に上昇した。7月は前月比で0.1ポイント改善したが、8月は0.3ポイントも悪化。26年ぶりの高水準になっている。今後も上昇は続き、年末までには10%を超えるという見方が一般的だ。

失業率の上昇は20か月連続。この間に失業者数は690万人増加して、1493万人に達した。戦後間もない48年以来の記録だという。これは企業の経営者が景気の先行きに自信が持てず、まだ人員の増加に踏み切れないでいるため。特に建設業と製造業の失業者増が目立っている。

農業を除く雇用者数は、前月比21万6000人の減少だった。この数字は7月の27万6000人減少に比べると、6万人も改善した。こうした雇用統計の発表に関連して、興味深かったのはウォール街の受け止め方。前週末の金曜日、東京市場は失業率の上昇を見越して値下がりしている。だがダウ平均は100ドル近い上げ。失業率よりも雇用者数減少の改善を重視したため、と解釈されている。

投資家が悪い材料を捨てて、いいニュースを選んだことは確か。だが、その選択には合理的な理由もある。統計の性格上、失業保険を貰うための目的だけで就職を希望する人、あるいは家計の収入増を目指して急に就職活動をする人が増えると、失業率は上昇してしまう。それよりは確定値である雇用者数の増減をみる方が正確だという意見も多い。これからは、日本でも同様の傾向が強まるのではないだろうか。

    ≪7日の日経平均 = 上げ +133.83円≫

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ひと息ついた 日米の自動車 ; だが・・・ (上)
2009-09-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
日本でもアメリカでも、新車の販売台数がほぼ前年の水準を回復した。自動車メーカーは苦しいなかでも、ひと息ついた恰好。だが新車の売れ行き回復は政府の支援策に負うところが、きわめて大きい。その支援策が終了したあとの販売予測は、かなりきびしい。車はまた売れなくなるのだろうか?

まず日本の状況。8月の軽自動車を含む新車販売台数は、30万8552台だった。前年同月に比べると0.5%の減少で、ほぼ前年並みの成績に戻ったと言える。不況の影響で3月には前年比25.3%減と4分の3にまで落ち込んだのが、ここまで回復してきたわけだ。特に660ccを超える普通乗用車は前年比2.3%の増加、13か月ぶりのプラスを記録している。

次にアメリカの状況。8月の新車販売台数は126万1977台で、前年比1%の増加となった。前年の販売台数を上回ったのは1年10か月ぶりのこと。月間の販売台数が100万台を超えたのは、昨年9月にリーマン・ショックが起ってから初めて。メーカー別では、GM、トヨタ、フォード、ホンダ、日産の順で、日本勢の健闘が光っている。

販売台数が回復した底流には、もちろん日米両国の景気が最悪期を脱したことがある。だが最近になって販売を加速させた原動力は、やはり政府による支援策だ。日本は4月からの減税に加えて、6月からは補助金制度がスタート。アメリカでは7月下旬から、補助金を出した。しかしアメリカはすでにこの支援策を終了。日本は予算を使い切ったあと、どうするかを決めていない。

                                     (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +72.29円≫

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ひと息ついた 日米の自動車 ; だが・・・ (下)
2009-09-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの補助金制度は、予算総額が30億ドル(約2800億円)。7月下旬に開始したが、予算を使い果たしたために8月24日であっさり打ち切ってしまった。約70万台が恩恵を受けたとみられている。日本は4月から、新車の取得時にかかる取得税と重量税を免除。また6月19日から普通車には25万円、軽自動車には12万5000円の補助金を出している。

新車に対する支援策は有効だったが、アメリカは1か月で止めてしまった。財政的に追加措置が難しいというのが表向きの理由。背景には、自動車産業だけを優遇することへの批判や、結果的に日本車や韓国車がより恩恵を受けたことなどがあったようだ。

日本の場合は、補助金のための予算は3700億円。形の上では年度が終る来年3月末までとなっているが、もし予算を使い切れば途中でも終了せざるをえない。来年度も補助金制度を継続するかどうかについては、麻生内閣は何も言っていない。また民主党もマニフェストなどで全く触れていないので、いまのところは継続しない公算の方が大きい。

補助金制度は、新車の販売を促進した。ただ、それは需要の前倒しという側面も大きい。このため制度を停止すれば、販売は当然ながら減少するに違いない。問題は、その程度が大きいか小さいかだ。減少の程度が大きければ、工業生産を低下させ、景気を下降させることになるかもしれない。アメリカについては秋以降、日本については来年春以降、新車販売がどうなるかは予想以上に重大な問題に発展する可能性がある。

    ≪9日の日経平均 = 下げ -81.09円≫

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金相場1000ドル の読み方
2009-09-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
ニューヨーク市場の金先物相場が、1トロイオンス=1000ドルの大台に乗せている。過去の最高値は08年3月に付けた1014ドル60セント。9日の市場では、一時1009ドル70セントにまで上昇した。これにつれて東京市場でも、先物相場や店頭の小売価格が押し上げられている。

昨年9月のリーマン・ショックで、金相場も下落した。最近の安値は、ことし1月15日の805.6ドル。そこからは上げ歩調で、2月20日にはいったん1000ドルを回復した。その後はやや反落したが、ここへきて再び騰勢を取り戻している。専門家の分析によると、世界的に実需の買い圧力は弱い。にもかかわらず値上がりしているのは、投機マネーの流入によるものだという。

だが投機筋がいまなぜ金を買うのかについては、見方が分かれている。なかでも多数説は、アメリカ経済の先行き不安。このため投機筋が、株式市場から金市場に資金を移し始めたという。アメリカ経済の先行き不安は、将来のドル安につながる。そこでドル資産から逃避して、通貨不安に強い金へ乗り換えているという説も根強い。

そう言えば、このところ原油価格も値上がりが目立つ。ニューヨークの原油市場では、WTIの先物相場が1バレル=75ドルと10か月ぶりの高値を付けている。だがオバマ政府は、近く原油や農産物市場に対する投資規制を打ち出す見込み。このため金市場には、余計に投機資金が集まりやすくなっている。1000ドル相場が長続きするのかどうか。ドル安・円高を占う材料の一つになるだろう。

    ≪10日の日経平均 = 上げ +201.53円≫

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サタデー自習室 -- 太陽光発電への期待 ⑦
2009-09-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
7) 太陽電池の原理 = 太陽の光を電気に変える装置を「太陽電池」と呼んでいる。半導体に光を当てると、電流が流れる。これが太陽電池の基本的な原理だ。具体的な構造は、シリコンにほう素などの不純物を混ぜたP型半導体と、N型半導体を張り合わせたもの。

この半導体に光を当てると、P型にはプラスの電子が、またN型にはマイナスの電子が集まる。PとNの電極を結べば、電流が流れるという仕組み。いま生産されている太陽電池の大部分は、シリコンの結晶を0.2ミリ程度にスライスした結晶シリコン型。残りはガス化したシリコンを吹き付けて作る薄膜シリコン型。薄膜型の方がコストは安いが、発電効率が悪い。

このため各メーカーは結晶型のコスト引き下げと、薄膜型の効率アップを目指して、研究開発を進めている。そのほかシリコンではなく、銅やインジウムなどを使った太陽電池の生産も始まった。いずれにしても太陽電池の開発競争は、コストと発電効率と使い勝手がカギになる。量産でコストを下げながら、いま結晶型で20%、薄膜型で10%程度の発電効率をどこまで上げられるか。

使い勝手についても、たとえば屋根瓦と同じ形のもの。折り曲げが自由で湾曲した場所にも貼り付けられる新製品も登場した。また半透明で、ガラス窓に張っても明るさが損なわれない太陽電池も出現した。今後はいろいろな製品があっと言う間に開発されるだろうと、専門家は予想している。

                               (続きは来週サタデー)

    ≪11日の日経平均 = 下げ -69.34円≫

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-09-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第15章 エコカーって、なんだろう? ⑪

10年先か15年先か。あなたが大人になったときには、きっと町中に電気自動車があふれていることでしょう。現在の電気自動車は、電池の性能がまだ十分でなく、その価格も高いことが問題点です。この欠点が改善されるにつれて、電気自動車の普及も早まって行くに違いありません。

経済産業省では、2015年度までに電気自動車が1回の充電で走れる距離を現在の1.5倍に。また車の値段も現在の6分の1にすることを、政府の目標としています。この目標が実現すると、走れる距離は240キロメートル程度になります。また価格も100万円を切って、ガソリン車やハイブリッドカー並みに下がるでしょう。

高速道路のパーキング・エリアや町角にも、充電するための設備が作られます。ガソリン・スタンドではなく、充電スタンドですね。もちろん、家庭の電気コンセントからも充電できますよ。ただ気をつけなければいけないのは、電気自動車の静かな走り。ゆっくり走ったとき歩行者に気付いてもらうために、なにか音が出るような研究も始まりました。

将来、日本中の自動車が電気自動車になったとします。すると、日本全体が出しているCO2の量が約1割も減ると計算されているのです。このほか、ずっと将来の話でしょうが、車の屋根に太陽光発電設備を付けて充電が不要な電気自動車。あるいは、モーターをタイヤのなかに埋め込んでしまうインホイール・モーターなどの研究も始まっています。楽しみですね。

                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-09-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週いちばんの関心事は、為替相場の動きだろう。米ドルはこのところ主要通貨に対して全面安の傾向を強めており、先週は円の対ドル相場も7か月ぶりに1ドル=90円台に上昇した。11日のニューヨーク市場では、90円21銭の高値を付けている。市場関係者の間では、今週中に90円を突破することは避けられないという見方が支配的だ。

この傾向がどこまで続き、円が80円台のどの辺まで上昇するのか。それによっては日本の景気や株価に与える影響は、予想以上に大きくなる懸念がある。そんな状況のなかで、16日には鳩山内閣が誕生。新首脳陣や17日中には決まる経済閣僚の発言も、円相場の動向には微妙な影響を与えるかもしれない。

15日はリーマン・ショックの1周年。改めて世界の金融情勢や実体経済の現状について、いろいろな角度からの分析が行なわれるだろう。今週発表される経済指標は、そのための恰好な材料にもなるはずだ。たとえば国内では、17日に7-9月期の法人企業景気予測調査と7月の第3次産業活動指数が公表される。

アメリカでは、15日に8月の生産者物価と小売り売上高、9月のニューヨーク連銀による製造業景況指数。16日には8月の消費者物価と工業生産。17日には、8月の住宅着工と9月のフィラデルフィア連銀による製造業景況指数。日米ともにあまり悪い数字は出そうにないから、やはり焦点は円の動向ということになる。

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

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下半期の景気は かなり心配だ (上)
2009-09-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
きょう15日はリーマン・ショックから、ちょうど1年。あす16日には、民主党の鳩山内閣が誕生する。日本経済はやっとプラス成長に復帰したが、まだリハビリ中の状態。政府の財政支出というカンフル剤によって、なんとか少しずつ快方に向かっているところだ。ところがこのカンフル剤が突然、中断される恐れが濃厚になってきた。

内閣府が11日発表した4-6月期のGDP改定値は、前期比の年率でプラス2.3%だった。麻生内閣の置き土産となった総額14兆7000億円の補正予算がなかったら、プラス成長にはならなかったに違いない。エコカーに対する減税や補助金の効果はまだ続いており、7-9月期も2%程度のプラス成長になるという予測が一般的だ。

民主党は、この補正予算の執行に「待った」をかけた。新聞報道によると、各省庁がまだ執行していない分は、現時点で8兆3000億円ほどある。さらに未使用の分まで加えると、総額10兆円近くになるかもしれない。鳩山内閣はこの未執行分を、民主党のマニフェストに沿った方向で再配分する方針だという。

だが、それを実行するのには相当な時間を必要とする。各省庁と再折衝をしたあと、法案を準備し国会を通さなければならない。民主党が衆参両院で多数を占めたとはいっても、再配分された資金が実際に使われるのは、どんなに早くても来年になるだろう。その間、日本経済に対するカンフル剤は使用中止。財政面からの景気対策に“真空地帯”が生じるわけだ。

                                      (続きは明日)

    ≪14日の日経平均 = 下げ -242.27円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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下半期の景気は かなり心配だ (中)
2009-09-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
内閣府の外郭団体である経済企画協会が民間エコノミスト38人に聞いた予測調査によると、7-9月期のGDP成長率は前期比の年率で平均プラス1.96%だった。その後も成長率は少しずつ下がり、来年4-6月期はプラス0.42%になるという。ことし4-6月期にプラス2.3%にまで回復した景気は、ずるずると低下し再びゼロ成長に近づく見通しになっている。

この調査時点では、民主党政権による補正予算の組み替えは織り込まれていない。自民党が作った補正予算が実行されても、こういう予測になるわけだ。エコカーへの補助金や家電に対するエコポイントなどの効果が、しだいに薄れると考えられるからである。そこへカンフル剤の中断が起きたら、どうなるのだろうか。

鳩山内閣は来年度予算に関しても、すでに終了した各省庁からの概算要求を白紙に戻して、ゼロからやり直すと言っている。この作業も容易ではない。年内にやり直しを終えなければ、来年度予算が4月から執行できないかもしれない。その作業と並行して、補正予算の組み直しも行うことになる。菅副総理が主宰する国家戦略室に、それだけの能力があるのだろうか。

民主党はマニフェストのなかで、子ども手当て、ガソリンなどにかかる暫定税率の廃止、高校授業料の無償化などを約束した。これらに要する財政負担は7兆1000億円。その分は確かに景気を刺激する力になるのかもしれない。だが、これらの財政支出はあくまで来年4月以降のことだ。それ以前、つまり本年下半期の景気対策は、どうみても“中抜き”になる恐れが強い。

                                     (続きは明日)

    ≪15日の日経平均 = 上げ +15.56円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ

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下半期の景気は かなり心配だ (下)
2009-09-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
自民党の景気対策は、重点が企業に置かれた。民主党のそれは、家計に置かれる。そのどちらが効果的かは、また別の問題である。ここで重要な点は、民主党がいまのやり方を進めると、景気対策に“真空地帯”が生じるのではないかという問題提起だ。もし“真空地帯”が生じれば、下半期のGDPは再びマイナスに陥る危険性が大きい。

ごく最近の経済指標をみても、景気は“息切れ”の感触が濃厚になっている。たとえば7月の機械受注は、前月比で9.3%の減少。受注金額は過去最低に落ち込んだ。また8月の景気ウォッチャー調査は現状判断が8か月ぶりに前月比でマイナスに、先行き判断も低下に転じている。加えて円高も進行してきた。

下半期の景気が下降しないための前提条件は、おそらく次の3つに絞られるだろう。1つは民主党が補正予算の大々的な修正をあきらめ、そのうえ追加の景気対策を早急に策定する。2つ目は民主党が来年度から実施する予定の子ども手当てなどを当て込んで、個人消費が早めに増加する。3つ目は世界経済の回復が進んで、輸出が予想外に伸びる。

だが、この3つの可能性は、どれをとってもあまり期待できそうにない。リーマン・ショックから1年。やっと水面上に顔を出した日本経済は、再び沈み込む危険性が大きくなっている。民主党の首脳部や新しい経済閣僚は、こうした問題点を正しく認識しているのだろうか。来年の参院選挙を前に「鳩山リセッション」が流行語にならないよう期待したいのだが・・・。

    ≪16日の日経平均 = 上げ +53.15円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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大企業の景況判断は、やっとプラスに
2009-09-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
内閣府と財務省は17日、7-9月期の法人企業景気予測調査を発表した。それによると、大企業の景況判断指数がプラス0.3%に上昇、7四半期ぶりにプラスを回復した。前4-6月期はマイナス22.4%だったから、大幅に改善したことになる。

この調査は全国1万1000社以上の企業を対象に、8月25日に実施した。各社の景況が「前期より上昇した」と答えた割り合いから「下降した」と答えた割り合いを差し引いて、指数を算出している。大企業の景況判断指数がプラスになったのは、製造業の指数が前期のマイナス13.2%からプラス15.5%に好転したことが大きく響いている。

ただ大企業の非製造業や中堅企業、中小企業の判断指数はまだいずれもマイナス。特に中小企業はマイナス36.7%と、前期より景況が悪化したとみる企業が圧倒的に多い。なかでも製造業はマイナス37.1%で、プラスになった大企業との格差が鮮明になっている。

大企業・製造業の改善は、エコカーに対する減税や補助金あるいは家電に対するエコポイント制度が貢献した。だが、その恩恵が中小企業にまでは及んでいない。またプラスになった大企業にしても、雇用に関してはきびしい判断をしている。人員が「不足気味」から「過剰気味」を差し引いた指数は、大企業・製造業でもまだマイナス18.9%だった。

    ≪17日の日経平均 = 上げ +173.03円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 太陽光発電への期待 ⑧
2009-09-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
8) 民主党政権も追い風に = 鳩山内閣の誕生も、太陽光発電にとっては追い風になりそうだ。自民党政権が決めた太陽光発電装置の設置に対する補助金制度や、電力会社による余剰電力の強制買い取り政策は、民主党内閣もそのまま踏襲する。それに加えて大きなインパクトがあるのは、鳩山首相が公約した地球温暖化ガスの排出規制目標だろう。

鳩山首相はガス排出規制の中期目標として、20年までに90年比で25%削減すると公約した。麻生前内閣の中期目標は05年比で15%の削減。これは90年比に換算すると8%の削減だから、ハードルは一気に高くなった。政府の試算によると、この目標を達成するためには、国内の太陽光発電を現状の55倍に拡大する必要がある。

メーカーはすでに動き出している。たとえば昭和シェル石油は、宮崎県に年産90万キロワットの新工場を建設する。いま最大の生産工場は、奈良県にあるシャープの71万キロワット工場だ。そのシャープは大阪府に年産119万キロワットの新工場を建てて、日本一の座を守るといったぐあい。その他のメーカーも生産能力の増大と、販売網の整備拡充に急ピッチだ。

太陽光発電協会の集計によると、4-6月期の発電設備出荷量は8万3260キロワット。前年同期の1.8倍にのぼった。その92%が住宅向けだったという。この調子で行けば、09年度に新しく太陽光発電パネルを設置する住宅は、確実に10万戸を超えることになるだろう。

                                (続きは来週サタデー)

    ≪18日の日経平均 = 下げ -73.26円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-09-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第15章 エコカーって、なんだろう? ⑫

自動車の重要な部分は、これまでのガソリン・エンジンから電気モーターへと急速に変わろうとしています。モーターの歴史は長く、電車から冷蔵庫、携帯電話やパソコンなど幅広く使われており、その技術は完成されていると言ってもいいでしょう。そこで自動車の場合は、電池(バッテリー)の性能が最大の問題点になってきます。

電池はこれまでニッケルという金属を使ったニッケル水素電池が主流でしたが、最近はもっと性能がいいリチウムイオン電池に代わっています。この電池の分野でも、日本は技術力あるいは売上高の面で世界をリードしているのです。たとえば日本は電池の生産高で世界の6割を占め、「電池大国」と言われているほどです。

電池を作る材料としては、コバルト酸リチウムやカーボン、絶縁体(ぜつえんたい)、電解液(でんかいえき)などがありますが、日本はこの材料についても優秀なメーカーが揃っています。材料だけでみると、世界の生産額の8割を占めているのです。

自動車の心臓部が電池になるため、自動車会社と電池メーカーが協力するケースも増えてきました。たとえばトヨタ自動車は三洋電機、日産はNEC、ホンダはGSユアサと組むといった動きです。エコカー用の電池は、20年になると世界で1兆円も売れるようになるそうです。このためアメリカ、ドイツ、中国、韓国なども、性能のいい電池の開発に一生懸命取り組んでいるのです。

                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-09-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
東京市場は23日まで連休。この間、ウォール街や上海の株価がどう動くか。また海外市場での円相場が気になるところだ。先週のニューヨーク市場は着実な値上がりぶりをみせて、ダウ平均は週間215ドルの上昇。昨年10月以来の高値を回復した。S&P指数は3月の安値から58%も値上がりしている。

小売り売上高や生産、住宅着工などの数字がそろって予想を上回る成績だったこと。さらにP&Gなど大手企業の業績見通しが好転したことが、株価を押し上げた。まだ雇用面などには不安も残っているが、市場関係者は「警戒感を伴った楽観ムード」に支配されたとコメントしている。

そのアメリカでは、21日にコンファレンスボードの景気先行指数。24日には8月の中古住宅販売。25日には8月の新築住宅販売件数が発表になる。これらの結果が、市場の楽観ムードをさらに広げる可能性は小さくない。

国内では、24日に8月の貿易収支。25日には8月の企業向けサービス価格が発表される。輸出の回復テンポが注目のマトだ。このほか今週は鳩山新首相が訪米。国連総会で演説するほか、ピッツバーグで開くG20にも出席する。

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ガス25%削減の大看板 : 肉付け急げ (上)
2009-09-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
鳩山首相は22日の国連・気候変動サミットで演説、そのなかで地球温暖化ガスの排出規制について「日本は20年までに90年比で25%の削減を目標にする」と正式に表明した。この中期目標は民主党のマニフェストにも明記されており、新しいニュースではない。しかし国連での態度表明は、この目標が日本の国際的な公約になったことを意味している。

だが肝心の国内では、産業界をはじめ反対論や疑心暗鬼の風潮が強い。温暖化ガスの大幅な削減は、子どもたちの生活環境にとっても大きなプラス。だから国際的に約束をしたからだけではなく、もっと積極的にやるだけやってみよう--という国民的な合意の形成が絶対に必要だ。そのために政府が急ぐべきことは2つある。

1つは負担の問題を、早急に明らかにすること。麻生前内閣のときに、政府は民主党のマニフェストを批判するため、25%の削減だと家計の負担は年間36万円にのぼるという試算を発表した。この試算には、鳩山首相が公表した排出権取り引きや温暖化対策税の効果は含まれていない。だが政府がぐずぐずしていると、こうした負担額の大きさが国民の間に浸透してしまう。

排出権取り引きについては、まだ国際ルールが決まらないので正確な計算はできないかもしれない。しかし大まかな見当は付くはずだ。もし排出権で5%分を賄えれば、国内の努力目標は20%削減ということになり、家計の負担も30万円を下回る。また対策税についても、その内容を明確にして欲しい。特に暫定税率の廃止との関係を、はっきりさせることが求められる。

                                    (続きは明日)

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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ガス25%削減の大看板 : 肉付け急げ (下)
2009-09-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
鳩山首相が世界に向かって宣言した90年比25%のガス削減目標は、05年比にすると30%の削減になる。これは各国の姿勢に比べても、かなりきびしい。05年比でみた各国の削減目標は、EU(ヨーロッパ連合)が13%、アメリカが14%だから、日本は欧米の2倍以上の努力をしなければならない。

国民がこれだけの努力を覚悟するためには、政府も発想を大転換する必要があるだろう。ガスの削減を地球温暖化防止の観点からだけではなく、日本経済を立て直すための基本戦略に作り直すべきである。つまりガス削減に、政府も最大限の投資をする。それによって関連産業を振興し、輸出や海外投資も促進する。

たとえば太陽光発電や風力発電。またエコカーや省エネ家電だけでなく、エコ住宅や学校、病院、省エネ事務所、工場にいたるまで、政府がその推進に積極的な施策を講じる。こうしてエコ産業の振興を当面は景気対策の柱とし、さらに10年後の日本経済を見据えた構造改革への青写真を描き出す。

要するに日本版グリーン・ニューディール計画を、政府の戦略として明確に打ち出すこと。こうすれば産業界の反対論も、鎮めることが可能だろう。それによって、内外から懸念されている民主党政府の“成長政策なし”の批判にも応えられるにちがいない。25%削減による負担の説明と、これを積極的な国家戦略に格上げすることを、通常国会の前にはっきり決めてもらいたい。

    ≪24日の日経平均 = 上げ +173.68円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 太陽光発電への期待 ⑨
2009-09-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
9) グリーン・ニューディール = アメリカでも、太陽光発電は表舞台に躍り出た。オバマ大統領がグリーン・ニューディール政策を、アメリカ経済再生の基本戦略に据えたからである。グリーン・ニューディールというのは、簡単に言ってしまえば再生可能なエネルギーの供給を急速に増大させることだ。

アメリカ政府は、まず今後3年間に再生可能エネルギーの供給を倍増。さらに10年間に1500億ドル(約14兆円)の予算を投じて、500万人の新しい雇用を創出する方針だ。再生可能エネルギーにはバイオ燃料や風力発電なども含まれるが、いま最も注目されているのが太陽光発電とこれを利用するプラグイン電気自動車の結合である。

グリーン・ニューディール政策の根底にある考え方は、きわめて重要だ。単に環境問題に対処するだけではなく、脱石油・温暖化防止ビジネスを振興することによって、不況を克服しながらアメリカ経済の体質を変えて行くことを目指している。80年前の大不況に際しては公共事業を主柱とするニューディール政策が実施されたが、今回はその主柱を再生可能エネルギーに置き換えたものだ。

この大方針が固まったことから、アメリカは温暖化ガスの規制についても姿勢を大転換することになった。日本の民主党が公共事業をできるだけ圧縮し、温暖化ガスの規制にきびしい中期目標を掲げたのも、このアメリカのグリーン・ニューディ-ルに影響されたとみることができる。ただ日本の場合は、これらの方針が景気対策あるいは経済体質の変革にまで結び付いていない。

                            (続きは来週サタデー)

    ≪25日の日経平均 = 下げ -278.24円≫

    【今週の日経平均予想 = 1勝1敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-09-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第15章 エコカーって、なんだろう? ⑬

そう遠くないうちに、電気自動車の時代がやってくることは間違いないでしょう。街には充電スタンドが並び、自動車の排気ガスは全くなくなります。また自動車産業も大きく変わります。さらに電気自動車は全く別の目的のために使われ、みなさんの生活にも大きな役割を果たすことになるかもしれません。

ガソリン自動車の仕組みは、かなり複雑です。その部品の数は3万もあると言われています。電気自動車の部品は、その4分の1。エンジンや変速機(へんそくき)などの複雑な機械は使いません。このためガソリン自動車は作るのがむずかしかったのですが、電気自動車はわりに簡単に作れます。このため新しい会社も、たくさん出現すると考えられています。

みなさんは、住宅の屋根の上に敷かれた太陽光発電のパネルを見たことがあるでしょう。この太陽の光で電気を起こす装置(そうち)も、これからはどんどん増えて行きそうです。そこで起こした電気は、電池に貯めておくことができますね。

アメリカでは、この太陽光発電で起こした電気を、電気自動車に貯める実験が始まっています。電気自動車は必ず電池を積んでいますから、そこに余った電気を溜め込むわけです。しかも電気自動車を電灯線につないで、電気が不足している家庭や工場に、この電気を売れるようにする実験です。みなさんが大人になったときには、日本でもこんなことが実現しているかもしれません。

                            (エコカーって は終わり)

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今週のポイント
2009-09-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日米の株式市場は、今週ともに重要な局面を迎えそうだ。ダウ平均は先週155ドルの値下がり。FRBが「経済は上向いてきた」と景気の底入れ宣言を出したにもかかわらず、耐久財受注や住宅関連指標が予想より悪かったことに反応した。S&P株価指数は7月初め以来の大幅な下げ。要するに市場のムードが、弱気に傾いてきたように見受けられる。

そのアメリカでは、今週30日に4-6月期のGDP確定値。2日には9月の雇用統計が発表になる。GDPが下方修正されたり、雇用情勢が予想よりも悪化すれば、市場の空気は一気に冷え込む危険性をはらんでいる。また1日に発表される8月の中古住宅販売と9月の新車販売台数にも注目。特に政府のエコカー補助制度が終った影響が、どのように出るか。

日本の場合は、円相場の動向が最大の材料だ。1ドル=80円台に突入した相場がさらに上昇するようだと、市場の警戒感は増幅してしまうだろう。ほかに国内では、29日に8月の消費者物価。30日には、8月の鉱工業生産と住宅着工件数。そして1日には日銀短観と9月の新車販売台数。2日には、8月の家計調査と労働力調査が発表になる。

日銀短観については、企業の景況感指数は改善するものの、改善のテンポは鈍る公算が大きい。昨年のリーマン・ショックから1年を経て、日米ともに景気回復の歩みに息切れの兆候が見え始めるのかもしれない。今週の経済指標は、その最初のシグナルとなる可能性が大きいのではないだろうか。

    ≪28日の日経平均予想 = 下げ

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輸出は足踏み : 心配な景気の先行き
2009-09-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
財務省が発表した8月の通関統計によると、輸出額は4兆5100億円。輸入額は4兆3300億円で、貿易黒字額は1857億円だった。このうち景気の動向に関連が深い輸出の前年比は、36.0%の減少になっている。最悪だった2月の49.4%減少からは改善しているが、7月の36.5%減少に比べるとほとんど変化がない。

8月の輸出を地域別にみると、アジア向けは前年比30.0%減少。うち中国向けは27.6%減少だった。またアメリカ向けは34.4%減少、EU向けも45.9%減少と振るわなかった。商品別では、鉄鋼が43.3%、一般機械が43.8%、電気機器が30.7%、自動車が50.0%のいずれも減少。輸出の回復は、足踏み状態になっている。

ただ輸出を数量ベースでみると、改善の度合いはもう少し進んでいる。たとえば2月の輸出量は前年比45.4%減少にまで落ち込んでいたが、8月は25.3%減少に戻している。数量ベースに比べて金額ベースでみた輸出の改善が遅れているのは、価格の下落によるためだ。8月の輸出価格は、前年比で14.3%も下がっている。

世界的な需要不足が、価格低下の基本的な原因だ。加えて円高の影響がじわっと現れ始めている。9月-10月は、その影響がもっと強まるかもしれない。こうした輸出金額の伸び悩みは、景気にとってのプラス要因が薄れることを意味している。内需の拡大にも期待できない状況のなかで、鳩山内閣はどんな景気観と対策案を持っているのだろうか。

    ≪28日の日経平均 = 下げ -256.46円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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霧消した 金融機関の報酬規制
2009-09-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
米ピッツバーグで先週末に開かれたG20サミット。この会議で最重要議題となるはずだった金融機関の報酬に対する規制の問題は、結局のところ骨抜きにされて終った。サブプライム証券など悪質な商品を売り出して、世界を金融不安・同時不況に陥れた張本人の巨大金融機関。それが税金の投入で経営が立ち直ると、経営者も上級職員も巨額の報酬を受け取っている。

たとえばシティ・グループ。08年の最終赤字は277億ドル、公的資金を450億ドル注入してもらって立ち直ったが、賞与の支給総額は53億ドル。メリルリンチは276億ドルの赤字、100億ドルの支援を受けたが、賞与総額は36億ドルといったぐあい。サミットでは独仏の首脳が「国際的に上限を設定すべきだ」と主張したが、アメリカの反対で立ち往生。声明では「健全な報酬慣行の即時実施を要請する」ことで折り合ってしまった。

ウォール街はもともと「優秀な人材が流出する」という理由で大反対。オバマ大統領も、この反対論を支持したようだ。もう1つ、成功すれば大金持ちになれるというアメリカン・ドリームを否定したくなかったという、アメリカ人独自の国民感情も影響したのだろう。とすれば、今回の報酬規制は経営者に限るべきだったような気もする。

そのアメリカでは、経営者の平均所得が一般労働者の300倍に達している。これについては国民の間でも、格差の拡大だという批判が高まっている。もう1つ、経営者は高給を得るために短期的な利益の追求に走りがちだ。このシステムが景気の変動を増幅しているとの指摘も強い。G20は終ったが、報酬規制の問題は今後も折に触れて表面化するだろう。

    ≪29日の日経平均 = 上げ +90.68円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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