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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
スタートから波乱を呼んだ 石破新総裁  
2024-10-01-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 異常な警戒感で迎えた市場 = いきなり一挙4円の円高、暴落した株価。自民党の新総裁を、市場はきわめて手荒な動きで出迎えた。先週27日に実施された自民党の総裁選挙。第1回投票で高市候補が1位になったとき、円は146円台、日経平均は900円も上昇していた。高市候補の「日銀の利上げに反対」を、好感したためである。ところが取り引き終了直後に石破候補が逆転勝ちすると、情勢は一変。円は142円台、株価は時間外取り引きで2400円も急落した。なぜなのか?

そこで石破茂氏の経済政策を、ざっとまとめてみよう。まず1本目の柱は、実質賃金のプラス化。これについては「物価上昇を上回る賃金上昇を実現するために、新しい資本主義をさらに加速させる」と述べ、24年度の補正予算を編成して財源を確保する方針だ。また企業に設備投資を促す環境の整備、企業の生産設備を海外から国内に回帰させることも重要だと説明している。ここまでは岸田路線を、そのまま継承した形と言えるだろう。

もう1本の柱は、地方の創生。地方経済・生活環境創造本部を新設、10年間で総合対策を講じる。その内容は地方への企業進出、事業継承・スタートアップの支援、中央官庁の地方移転、デジタル化など。地方交付税の増額も考える。また原発については「安全を大前提に活用する」考え方。最低賃金については「全国平均1500円の実現を、30年代半ばから20年代中に前倒しする」意向だ。

この辺までは、市場も納得するだろう。だが、ここから先‟石破色”が出てくると、市場の警戒感は一気に強くなる。それは①金融所得課税の強化②法人税体系の見直し③日銀の利上げ支持④財政の健全化--の4つ。特に金融所得課税の強化に対しては、反対論が強い。だが、それにしても異常なほどの警戒感だ。実は岸田首相も21年9月に新総裁となったとき、金融所得課税を打ち出して猛反発を食らった。そこですぐに撤回したという経緯がある。石破さんは、ここでも岸田路線を踏襲するのだろうか。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +732.42円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

 
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  ☆ 「経済なんでも研究会」は、10月1日から19年目に入りました。ここまで続けられたのも、読者の皆さまのご支援・ご協力によるものです。厚く御礼申し上げます。今後とも、よろしくお願いします。

  ☆ 日経平均予想は過去18年間3116勝1288敗。勝率は7割8厘でした。やっと大きなカベになっていた7割を確実に上回るようになりました。でも、この辺が限界でしょうか。

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非製造業が絶好調 でも株価は : 日銀短観
2024-10-03-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 宿泊・飲食サービス業は空前の好況 = 日銀は1日、9月の企業短期経済観測調査の結果を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス13で、前回調査と変わらなかった。業種別では電機が10ポイントの上昇、石油・石炭製品が26ポイントの下落だった。一方、大企業・非製造業の判断指数はプラス34で、前回より1ポイント上昇している。製造業も決して悪くはないが、非製造業は絶好調の状態を続けている。

この調査は、日銀が製造業3700社余り、非製造業5700社余りを対象に実施している。現在の業況が3か月前に比べて「よくなった」と回答した企業の割合から「悪くなった」と回答した企業の割合を差し引いた数字が業況判断指数。非製造業のプラス34という水準はきわめて高い。なかでも小売り業はプラス28、宿泊・飲食サービス業はプラス52で、過去最高となっている。

小売り業と宿泊・飲食サービス業が空前の好況状態となっているのは、まず値上げがうまく回っていること。値上げによる消費者の買い控えも心配されたが、いまのところ大きな影響は出ていないようだ。また外国人観光客の増加も、好況の大きな原因となっている。8月の外国人観光客は293万3000人、前年より36%も増えた。このインバウンド需要が、小売りや宿泊・飲食サービス業を潤している。

だが株価の面でみると、少数のデパートやホテルを除けば、ほとんど反映されていない。というのも小売りやサービス業の大半は小規模企業で、上場もされていないからである。その半面、大企業・製造業の業績は為替相場に左右されやすい。今回の短観によると、大企業・製造業が24年度に想定している対ドル相場は、平均で145円15銭。現在の相場では利益が出ない状態になっている。だから株価も上がりにくい。 

        ≪2日の日経平均 = 下げ -843.21円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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安売り競争へ 大転換? / 産油国 (上)
2024-10-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 減産ではなく増産で失地回復へ = ロイター通信は先週26日「OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、12月から原油の増産を始める」と報道した。またフィナンシャル・タイムズ紙も同じ日「サウジアラビアが12月から増産を始めるための準備を開始した」と報じた。こうした報道を受けて、ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物相場は1バレル=66ドル台にまで下落した。本当なら日本経済も非常に大きな好影響を受けることになるが、なぜか新聞やテレビはそれほど大きく取り上げていない。

OPECは1960年に、サウジアラビアが中心となって設立された。現在はイラン、クウェートなど12か国が加盟している。1970年代には石油価格を一方的に引き上げ、いわゆる石油ショックを2回にわたって惹き起こした。日本も物価が高騰し景気が後退するなど、大混乱を経験している。2016年には、これにロシア・メキシコ・マレーシアなどの11か国が加わり、OPECプラスと呼ばれるようになった。

OPECやOPECプラスが一貫して追い求めてきたのは、原油を減産することで国際価格を上昇させること。たとえば22年3月にはウクライナ戦争が始まったこともあって、WTIは1バレル=125ドルまで上昇している。しかし最近は減産しても、原油の国際価格が上がらなくなった。それにはいくつかの重要な原因が重なり合っているためだと考えられる。

国際価格が上がらないと、産油国の収入は増えない。減産しても、価格が上がらない。そこでOPECプラスは減産によって価格を上昇させる戦略をあきらめ、逆に価格を下げることによって失われた市場を取り戻す戦略に切り替えたのではあるまいか。ある意味では“逆の石油ショック”であり、その影響は計り知れないほど大きい。
  
                      (続きは明日)
 
        ≪3日の日経平均 = 上げ +743.30円≫

        ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

 
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安売り競争へ 大転換? / 産油国 (下)
2024-10-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本は巨大な恩恵を受けるだろう = OPECプラスは9月5日「主要8か国が続けてきた日量220万バレルの減産を11月末まで延長する」と発表した。これを受けてWTIの先物相場は、1バレル=70ドル台に戻している。しかしその直後の10日に、世界の原油需要がやや減少するという予測が発表されると相場は65ドル台、1年4か月ぶりの安値に落ち込んだ。これはウクライナ戦争が始まる前の水準である。またイスラエルがレバノンに攻め込んでも価格は上昇せず、減産の効果は全く現われない。

減産しても価格が上昇しなくなった原因は、いくつかある。まずOPECプラスのなかで決定に従わず、増産を続けている国があること。イラクやUAEなどで、これらの国は減産すると収入が減って予算が組めない。その結果、OPECプラスはサウジやロシアなどが自主的に減産するという形をとらざるをえなかった。産油国同盟にとっては、最大の弱点だと言えるだろう。

次はアメリカとカナダが、シェール・オイルの増産に成功したこと。特にアメリカはエネルギーの輸入国から輸出国に転換、世界の原油需要にも少なからず影響を与えた。そんなとき中国が不動産不況に陥って原油の需要も激減、さらにアメリカの景気も下降に転じようとしている。また世界的に脱炭素の運動が進んでいることも、長期的に原油価格を押し下げる一因となった。

こうした状況から、サウジなどの産油国が減産政策を諦め、増産政策に乗り換えるとしても不思議ではない。仮にそうなら原油の大量輸入国である日本は、きわめて大きな恩恵を受けることになる。物価が下がって実質賃金は増加、景気も確実に上向く。中東情勢の緊迫化で、原油価格が70ドルに上昇した。しかし、これで産油国が増産政策を撤回することはないだろう。続報を期待したい。

        ≪4日の日経平均 = 上げ +83.56円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

 
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今週のポイント
2024-10-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ 反発力が弱くなった日本株 = ダウ平均は先週40ドルの小幅な値上がり。それでも終り値は4万2353ドルで、最高値をまた更新した。9月16日以来、実に8回も史上最高値を更新している。市場がアメリカ経済の‟軟着陸”を確信しているためで、高値警戒の売り物をこなしながら緩やかな上昇を続けた。金曜日には9月の雇用統計が発表され、非農業雇用者の増加数が予想をはるかに上回った。これでFRBによる次の利下げは遠のいたという見方が強まったものの、景気の底堅さが歓迎されて株価は上昇している。

日経平均は先週1194円の大幅な値下がり。石破新首相の経済政策に対する警戒感から、月曜日に1900円も下落。その後は反発もしたが、結局はその半分も戻せなかった。反発力が弱まったのは、中東情勢の緊迫化、アメリカの景気下降、中国市場の株価急騰など、世界的な環境の変化も影響した。しかし石破首相への警戒感が払しょくされなかったことも確かなようだ。

石破首相への警戒感は、主として金融所得課税の強化・法人税の引き上げ・日銀の利上げ容認の3点から生じている。このうち利上げについては、植田総裁を官邸に呼んで「当分の間は利上げしない」と約束させた。しかし金融所得課税と法人税については、所信表明演説でも全く触れず。ご本人は「触れないことは修正した証し」と考えているようだが、世間は必ずしも納得していない。そのミスマッチが株価の反発力を弱めているが、今週は少し改善されるだろう。。

今週は7日に、8月の景気動向指数。8日に、8月の家計調査、毎月勤労統計、9月の景気ウオッチャー調査。10日に、9月の企業物価。アメリカでは8日に、8月の貿易統計。10日に、9月の消費者物価。11日に、9月の生産者物価、10月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。

        ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

  
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倍増するのは“地方創生”交付金だった!
2024-10-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 予算1000億円が2000億円に増えるだけ = 石破新首相の所信表明演説を報じた新聞の紙面に「地方交付金を倍増」という大見出しが踊っていた。一瞬「これはすごい。でも財源はどうするのだろう」と心配してしまう。地方交付税交付金は政府が国税の一部を原資として、都道府県や市町村の財政を支援する制度。24年度予算でも17兆7863億円が計上されている。だから倍増するには17兆円が必要。そこで心配したわけだが、誤解はすぐに解けた。

所信表明演説の全文をよく読んでみると、その部分は「地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指します」と書いてある。まぎらわしいが、石破新首相が目指したのは地方交付税交付金ではなく、地方創生交付金の倍増だった。この交付金は、自治体が地方再生に関する事業を行うことに対する補助金。移住・起業・デジタル化・人材育成などを支援する。

交付金の種類はいくつかあるが、たとえば地方大学・地方産業創生交付金の実例。岐阜県には「日本一の航空宇宙事業群を目指す生産技術・人材育成・研究開発」を支援。また北九州市には「日本的技術を活用して、モノづくり企業の生産性を革命的に向上させる計画」を支援した。だが、まだ全体として政策の浸透は進んでいない。

この予算額はたったの1000億円。だから倍増するのにも、1000億円の新たな財源があれば足りる。慌てて見出しだけを読んで地方交付税交付金と早とちりした当方も悪いが、それにしても所信方針演説の見出しになるような出来事ではない。所信表明演説には、ほかに見出しとなるような内容がなかったということになるのだろうか。

        ≪8日の日経平均 = 下げ -395.20円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

    
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最低賃金1500円の前倒しは ムリ
2024-10-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 毎年89円の賃上げはとても出来ない = 「2020年代に全国平均1500円という高い目標に向かって努力を続けます」--石破新首相は所信表明演説のなかで、最低賃金についてさらりとこう言ってのけた。岸田前首相は「30年代の半ばまでに1500円にする」と公約していたが、それを5-6年早めることになる。最低賃金というのは、パートやバイトを含むあらゆる労働者に対して、使用者が支払わなければならない最低の時給額。その引き上げは労働者にとってはプラスだが、中小企業などにとっては大きなマイナスになりかねない。

人手不足を背景に、24年度の最低賃金は全国平均で51円も引き上げられ1055円となった。地域別にみると、最高が東京都の1163円、最低が秋田県の951円となっている。この51円という引き上げ幅は過去最大。人手の流出を恐れた地方自治体が、競って引き上げ額を増加させたためだとみられている。ただ最低賃金を支払えないことから、採用を控えるようになった企業が続出していることも確かなようだ。

仮に2029年度に、最低賃金1500円が実現したとしよう。現在との差は445円。これをあと5年で埋めるとすれば、単純計算で毎年89円の賃上げが必要だ。こんなことが実際に可能だろうか。経済学者に聞いても経営者に聞いても、答えは「ノー」だろう。たとえば韓国ではかつて最低賃金の引き上げを急いだ結果、企業が採用人数を減らし、失業者が急増したという事例もある。

石破新首相は経済政策に関しては、ほぼ岸田路線を継承した。それでも何とか独自色を出そうと、最低賃金1500円の前倒しを考えたのかもしれない。だが不可能なことを、総理大臣が口に出すべきではない。理論的に言って、この前倒しが実現する唯一の場合は、日本経済が激しいインフレに見舞われたとき。だが、そんなことになっては大変なのである。

        ≪10日の日経平均 =上げ +102.93円≫

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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自ら武装解除した 石破新首相
2024-10-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経済政策の独自色をすべて消去 = 石破新首相は7日の国会答弁で、金融所得課税について「現時点で具体的に検討することは考えていない」と言明した。またアベノミックスについても「GDPを高め、雇用を増大した」と、前向きに評価する発言を行っている。これまでの「金融所得課税を検討する」「アベノミックスには副作用も多い」という主張を、公式の場で改めて修正したことになる。

石破茂氏が自民党総裁に選出された9月27日、市場では円高が大きく進み、株価は急落した。石破氏がそれまでに発信してきた①金融所得課税の強化を検討する②法人税の体系を改めたい③アベノミックスは踏襲しない④日銀の利上げは容認する⑤財政再建を重視する--の5点を極度に警戒した結果だった。これに対して石破氏は、さっそく修正に取りかかる。

まず10月2日、植田日銀総裁を官邸に呼び「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」とクギを刺した。総理大臣が日銀の金融政策に注文をつけるのは、きわめて異例。だが市場は素直に好感して、円安・株高となった。これに続いての国会答弁。財政再建も「経済あっての財政」に切り換えた。法人税については所信表明演説でも国会答弁でも触れなかったから、これも放棄したのだろうと受け取られている。

さらに原発についても「ゼロを目指す」から「出来る限り活用する」に変わった。要するに経済政策のなかの独自色を、いっさい消し去った。ほとんど岸田内閣の政策を、そのまま継承することになったと言える。選挙に勝つためには、そうするしかないのか。君子豹変か。その石破氏の気持ちも判らなくはないが、なんとも淋しい気もする。

        ≪11日の日経平均 = 上げ +224.91円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

   
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今週のポイント
2024-10-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米ともに選挙が次のカベに = ダウ平均は先週511ドルの値上がり。5週間の連騰で、終り値は4万2844ドル。またまた史上最高値を更新した。9月の雇用統計が予想より強く、消費者物価が予想より弱かったことから、経済の‟軟着陸”に対する期待がより高まっている。このため利益確定売りや中東情勢の緊迫があっても、株価は崩れない。長期金利は4%台に上昇、ドル高・円安が進んだ。

日経平均は先週970円の大幅な値上がり。終り値は3万9606円で、2週間ぶりの高値となった。しかし市場の空気は、あまり冴えない。というのも買いの大半は、決算を控えた企業の自社株買いだからだ。円安にもかかわらず海外投資家の目は、むしろ上海市場に向いている。企業業績の先行きが不透明なこともあるが、急に実施されることになった総選挙の結果を心配して買い控えているようだ。

ダウ平均は4万3000ドルを目指す勢いだが、こちらも大統領選挙が近づいてきた。これが一つのカベになるだろう。しかしアメリカの場合、市場は共和党が勝てば買いだが、民主党が勝っても現状と同じ。それよりも中東情勢と年末商戦の見通しに、注目が集まるかもしれない。東京市場の方は、27日の投開票日までは、動きがとれない。

今週は16日に、8月の機械受注。17日に、9月の貿易統計、8月の第3次産業活動指数。18日に、9月の消費者物価。アメリカでは16日に、9月の輸出入物価。17日に、9月の小売り売上高、工業生産、10月のNAHB住宅市場指数。18日に、9月の住宅着工戸数。また中国が14日に、9月の貿易統計。18日に、7-9月期のGDP速報、9月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

        ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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牙を抜かれた? 日本銀行
2024-10-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 次の利上げは出来るのか = 「日銀の金融政策に対する政府の口先介入は厳に慎まなければならない。ただし期待を申し上げることはありうる」--石破首相は先週12日に行なわれた日本記者クラブ主催の7党首討論会で、こんな弁明をした。石破氏は首相に選出された直後に植田日銀総裁を官邸に呼んで会談、そこで「金利の引き上げは慎重にしてほしい」と圧力をかけたのではないかと推測されている。ちなみに赤沢経済再生相は記者会見で「利上げは慎重にしていただきたい」と言明した。

総理大臣や閣僚が日銀の金融政策に注文を付けることは、過去にもあったようだ。ただ、こうした‟介入”は水面下で秘かに行われ、今回のように表沙汰になることはきわめて異例。石破氏としては‟介入”の印象を拭いたかったようだが、かえって‟期待を申し上げた”のではないかという印象が強まった。ここで問題となるのは、その内容である。

市場では「日銀は来年夏の参院選前に、1-2回の追加利上げを実施するだろう」という予想が広く行き渡っている。こう予想する人たちは「石破首相が日銀総裁に頼んだのは、総選挙前に利上げの声を上げないこと」だったと推測する。事実、いま日銀側から利上げに関する発言はいっさい聞かれない。つまり日銀としては、しばらく牙を隠していればいいわけだ。

だが「来年の参院選まで静かにしていてほしい」という”期待”となると、状況は著しく変わってくる。これだと日銀は、牙を抜かれた状態になってしまう。この場合、日銀はなかなか巻き返せない。というのも、いまの日銀の利上げ論は世間が納得しにくいからだ。日銀は利上げの環境が整うかどうかだけを重視し、何のために利上げするのかを説明しない。だから石破首相の‟不当な?介入”に対する批判も、予想外に少ない。

        ≪16日の日経平均 = 下げ -730.25円≫

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

   
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驚き! 7党首に産業政策ナシ (上)
2024-10-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ これでは‟曲がる太陽電池”も中国にやられる = 総選挙を前に7党首の討論会が12日、日本記者クラブの主催で開かれた。その内容を詳細に報じた大新聞の記事を見て、びっくり仰天。それは7党首の誰もが、ひと言も「日本経済の将来を左右する産業育成政策」に触れなかったことだ。みなさんはどちらかというと、減税や補助金などバラまき型の政策を主張するばかり。日本経済を強くする発想は、お持ちではないようだ。こんな人たちに政治を任せていいのだろうか。

戦後の日本は、常に経済を主導する産業の育成に努めてきた。終戦直後は玩具などの雑貨、次は繊維、鉄鋼、電気機械、自動車・・・というように。ところが、いまは‟その次”がない。歴史的にみると、雑貨から衣料品・鉄鋼・テレビなどの電気製品まで、一貫して首位の座を中国に譲ってきている。そして現在は自動車の戦い。少なくともEV(電気自動車)の分野では、すでに中国に抜かれた。

いま世界の主要国が産業の柱に育成しようと狙っているのが、薄くて折り曲げられる太陽電池だ。正式にはプロブスカイト型電池。厚さ1ミリで非常に薄く、自由に折り曲げることができるから、湾曲した壁面や屋根にも張り付けられる。既存のシリコン型電池に代わる次世代電池と位置付けられているが、実はこれが日本人科学者の発明。原料となるヨウ素は、日本が世界第2の生産国。日本にとっては、世界をリードする産業に育成する絶好のチャンスと言える。

シリコン型電池に比べると、初めは発電効率・耐久性・製造コストの面で見劣りがした。しかし研究が進み、現在では大きく改善されている。たとえば中国では、22年から量産が開始された。思えばカラーテレビから半導体チップ・液晶・シリコン型電池・EVに至るまで、最初は日本がリードしていたのに、すべて中国に負けてしまった。産業政策をひと言も口にしない7党首を見ていると、またもやチャンスを失うのではと心配になる。

                          (続きは明日)

        ≪17日の日経平均 = 下げ -269.11円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

  
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驚き! 7党首に産業政策ナシ (下)
2024-10-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本再生のラスト・チャンス = 日本人が発明した、薄くて曲げられるプロブスカイト型太陽電池。中国ではすでに量産体制に入っている。たとえば極電光能は江蘇省に100万㌔㍗級の工場を建設中、大正微納は福建省で25年に量産を始める予定。このほか数社が大工場を建設中だという。生産するのは薄くて曲げられる電池と、従来型のガラス製基盤にプロブスカイト型を張り合わせた改良型に分かれた模様。この改良型は発電効率はいいが、曲げることは出来ない。

なぜ中国では、こんなに早く量産化できるのか。それは政府が生産面と販売面で、多額の補助金を支給しているためだ。発電効率や耐久性に多少の難があっても、企業は大工場を建てて製品を売る出すことができる。こうして国内で基礎的な体制を造り、海外へ進出する。従来型のシリコン型電池でもEVでも、中国はこういう戦略で世界市場に進出した。

もちろん、日本の企業もプロブスカイト型電池の実用化には力を入れている。たとえば積水化学は25年に事業化、パナソニックは26年に参入の予定。またキヤノンは耐用年数が長い素材を開発中、ENEOSはヨウ素の生産を倍増する計画。京大発の新興会社は26年の量産化を目指している。政府も官民の協議会を作ったり、補助金などの支援も予算化する方針だ。

しかし全体としての動きは、どうも遅いように感じられる。シリコン型電池の場合も、日本の世界シェアは2000年に50%だったものが、現在はたった1%に。この失敗を繰り返さない覚悟があるのかどうか。高品質のプロブスカイト型太陽光発電装置を量産し、世界に供給する。そうすれば燃料の輸入を減らし、景気も安定的に上向く。日本が先進国として再生する最後のチャンス。政治家のみなさんもバラまきではなく、日本を強くする政策に目を向けてほしいものである。

        ≪18日の日経平均 = 上げ +70.56円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】     


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今週のポイント
2024-10-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウは底堅く、日経平均は軟弱 = ダウ平均は先週412ドルの値上がり。6週連続の上昇で、終り値は4万3276ドル。またもや新高値を更新した。しかし10月に入ってからは946ドルしか上げていない。高値圏での利益確定売りをこなしながら、着実に値を切り上げているわけだ。先週も予想を上回る小売り売上高の発表があったが、これで経済の軟着陸が確実になったという見方が強まり、FRBの利下げが遠のくという心配を抑え付けた。ニューヨーク市場は、とにかく底堅い。

日経平均は先週624円の値下がり。火曜日には一時4万円台を回復したが、その後は下げ相場に。終り値は3万9000円を割り込んだ。台湾のTSMCが過去最高の業績を発表、アメリカのエヌビディア株が最高値を更新。しかも円相場が150円にまで下落したが、日本株は売られた。東京市場では弱気の風が吹き始めており、地盤はかなり軟弱となっている。

ニューヨーク市場の堅調は、少なくとも11月5日の大統領選挙までは続きそうだ。一方、東京市場は27日の総選挙を控えて動きがとれない。とにかく自民党は議席を減らしそう。政局が不安定になるかもしれない。これで株価は上を向けない。もう1つ、中国市場の株価が異常に高騰している。これも日本株の下げ要因だ。海外投資家の目線が、東京よりも上海に向きがちだからである。

今週は25日に、10月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは23日に、9月の中古住宅販売。24日に、10月のPMI製造業景況指数、9月の新築住宅販売が発表される。なお27日は総選挙。

        ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ
   

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前代未聞のバブル : 中国株ETF (上)
2024-10-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株価が11日間で58倍に大暴騰 = 9月20日には1220円だった株価が、10月8日には7万0400円になった。営業日にしてわずか11日の間に、なんと58倍に大暴騰したことになる。その銘柄は東京証券取引所に上場している中国株ETF(上場投資信託)のうちの「One ETF 南方」という銘柄。中国政府が株価対策を実施するというニュースが上昇のきっかけ。ところが中国本土は10月1-7日が国慶節で市場はお休み、売り物が全く出ない状態で買い物が殺到した。

典型的なバブルであることに間違いない。バブルの歴史は古く、有名なのは16世紀半ばにオランダで起きたチューリップ・バブル。根拠のない値上がり期待から、球根の値段が大暴騰。そのあと一気に値崩れした。このほかルイ14世の死後、フランスではミシシッピ計画と称する事業を巡って起きた株価バブルなど。今回は規模こそ小さいが、これらに匹敵するバブルだと言う専門家も現れている。

上海株式取引所の総合指数も暴騰した。9月23日には2749だったが、10月8日には3490に上昇した。この間、国慶節の長い休みがあったから、ほんの数日間で株価は27%も上昇したことになる。これも立派なバブルだと言えるだろう。やはり政府が発表した株価対策と財政出動に期待した結果だが、対策の内容はまだ明らかになっていない。

政府はこれまで不動産不況に対処するため、地方政府による住宅の買い取りや金利の引き下げを実施してきた。しかし実効が上がらないため、10月初めに大規模な財政支出を検討していると発表した。しかし、その内容はまだ不明。このため市中では「3兆元(63兆円)の規模になる」という推測が広がり、これが株価を押し上げることとなった。

                   (続きは明日)

        ≪21日の日経平均 = 下げ -27.15円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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前代未聞のバブル : 中国株ETF (下)
2024-10-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気が回復しなければバブルは崩壊 = 中国の不動産不況は厳しく、景気の回復はまだ見えてこない。統計局が18日に発表した7-9月期のGDP速報によると、前年同期比の実質成長率は年率4.6%。1-3月期の5.3%、4-6月期の4.7%から低下する傾向がまだ続いている。1-9月期でみると4.8%の成長率。政府が目標としている「5%前後」に、ぎりぎり収まっている状態だ。

同時に発表された主要指標をみると、鉱工業生産は1-9月期に5.8%の増加。1-6月期の6.0%増より減少。小売り売上高は3.3%の増加で、同じく3.7%増より減少。固定資産投資額も3.4%の増加で、同じく3.9%増より減少した。不動産開発投資額は1-9月期に10.1%も減少している。失業者の増加で所得が減り、個人消費に伸び悩みの兆しが見えてきた点は見逃せない。

このように中国経済の現状は、決してよくない。この状態で政府が巨額の財政を支出しても、生産が増えれば安値輸出をするしかない。減税で所得を増やせば、インフレになりかねない。そのさじ加減はかなり難しく、習政権も具体策の策定に苦労しているのではないか。結果的に景気の回復は難しいという予測が出れば、株価は反落、バブルは崩壊せざるを得ない。

いま日本株は元気がない。その原因はいろいろあるが、海外ファンドの資金が中国に流れていることも影響している。専門家によると、最近は上海総合が上がると日本株が下がる日が増えているそうだ。したがって中国の株価がどう動くかは、東京市場にとっても大きな関心事になってくる。

        ≪22日の日経平均 = 下げ -542.64円≫

        ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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不気味な輝き 金(きん)の高騰 (上)
2024-10-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 結局は“不安”の集大成なのかも = 金(きん)の値段が、着実に上昇している。国際価格の指標となるニューヨーク市場の先物相場は23日、1トロイオンス=2772.2ドルの最高値を記録した。年初来の上げ幅は630ドルを超え、年間の上げ幅としても過去最大。ニューヨーク市場の株価よりも、上昇率が大きくなっている。

国際価格の上昇を反映して、日本国内の相場も高騰している。東京市場では23日の小売価格が1グラム=1万4748円で、これまた史上最高値。日本の相場は、ほぼアメリカの価格を反映する。ただアメリカは単位がトロイオンス(31.1034768グラム)。貴金属の重量を示す単位として国際的に使われているが、日本ではグラムが単位。加えて円建てとなるため、円安になると価格が上昇してしまう。

金価格が高騰する原因は、いくつもある。まずはインフレ。物価の上昇は通貨価値の下落を意味するが、その価値が下落した通貨で金の価値を計れば上昇することになる。また国際情勢の緊張が高まると、一国の政府が発行する通貨の信用が下落。どこでも通貨として使用できる金が重用される。昔から人々は戦争が起きると、金を抱いて逃げ回った。

判りにくいのは、利下げとの関係。仮に金利が高い世界では、保有していても金利を産まない金は見劣りがする。しかし金利が下がれば、その不利な面が縮小するというわけだ。そのほかドルへの依存度を軽減しようとする諸国の政策。半導体の普及に伴う産業用需要の拡大・・・。しかしインフレや国際緊張など、人々の不安が金価格を押し上げているとも言えるわけで、金の輝きには妖しい光も見て取れる。

                       (続きは明日)

        ≪23日の日経平均 = 下げ -307.10円≫

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫   

   
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不気味な輝き 金(きん)の高騰 (下)
2024-10-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 投資の対象としては最高の実績 = 金に対する需要は①宝飾・アクセサリー②中央銀行による買い付け③投資④産業用--の4つに分けられる。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によると、23年の実績では宝飾・アクセサリーが全体の49%を占めて最大。次いで中央銀行が23%、投資用が21%、産業用が7%となっている。このうち宝飾用としての個人の購入は、中国とインドが圧倒的に多い。

最近になって増えたのが、中央銀行による購入。たとえば中国の人民銀行は、23年に224.9トンの金を買い入れている。このほかロシアやポーランドなども大量に買い付け、中央銀行全体では23年に1037トン。10年前の6割増になった。外貨準備に占める米ドルの割合を減らし、金を増やした国が多い。国際情勢の緊張激化を反映したものだと考えられる。

驚くことは、長期的にみた金価格の上昇率だ。たとえば2000年末と現在を比べると、金の国際価格は8.5倍に上昇した。これはニューヨーク市場の株価上昇率6.5倍よりも高い。またアメリカが金本位制を離脱したのが1971年。それ以前の金価格は1トロイオンス=35ドルだったから、現在の価格はその77倍になっている。投資対象としては、抜群の成績だ。

今後も燃料や食料は、長期的にみて不足気味。したがって世界はインフレ傾向が強いだろう。また欧米と中露の対立は、なかなか解消しそうにない。しかもIT技術の発展で、産業用の需要は大きく拡大する。一方、金の産出コストは上昇。産出高が急増する見込みはない。したがって金価格の上昇は、まだ続く。専門家の多くはこう予測している。

        ≪24日の日経平均 = 上げ +38.43円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

    
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最悪の観光公害が 広がる
2024-10-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人が締め出されて行く悲劇 = 観光局の集計によると、1-9月期の外国人観光客数は累計2688万0200人になった。早くも23年の年間客数2506万人を超えている。ことし中には3500万人に達するとみられ、過去最多になる見通し。また観光庁の発表によると、1-9月期の訪日外国人による消費額は5兆8582億円。こちらも23年の消費額を抜いて、過去最多になった。円安で訪日客が増え、高騰している宿泊費などが消費額を押し上げている。

9月だけを取り出してみると、訪日客数は287万2200人。前年同月比では31.5%の増加だった。韓国からの客数が65万6700人で最多。しかし中国が前年比で倍増の65万2300人で、ほぼ肩を並べた。一時は中国政府の規制もあって激減した中国人観光客が、完全に復活したようである。第3位は台湾、次いで香港、タイの順となっている。

外国人観光客の増加で、宿泊や飲食サービス、あるいは高級みやげ物店などは売り上げを伸ばしている。しかし、いわゆる観光公害も大問題になってきた。交通の大渋滞、私有地への立ち入り、ゴミの放棄、騒音・・・。自治体は特定地域への入場料を導入するなど対策を講じているが、効果はいま一つ。政府は旅行客の分散化を推奨しているが、これも問題の解決には役立っていない。

そして政府もマスコミも取り上げない、もう1つの最悪な観光公害が。それはホテルや旅館、また高級飲食店の大幅な値上げ。外国人は円安で助かっているが、日本人にはその恩恵がない。ごく一部の金持ちを除けば、ふつうの日本人は高くて利用できない。しだいに旅行や高級料理店から締め出されつつあるわけだ。この最悪な観光公害をなくすためには、円高にするしかない。

        ≪25日の日経平均 = 下げ -229.37円≫

        【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】     

   
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今週のポイント
2024-10-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「選挙は売り」に変わった日米株式市場 = ダウ平均は先週1162ドルの大幅な値下がり。5日間の続落だったが、終り値は4万2000ドルをなんとか維持した。アメリカの景気はゆっくりと下降しているが底堅い面も見せていて、経済の軟着陸に対する期待はいぜん高い。にもかかわらず株価が続落したのは、大統領選挙の結果に対する心配。特に政治的な混乱と分断が加速するのではないかという心配が、急速に強まったことが響いているようだ。

日経平均も先週は1068円の大幅な値下がり。終り値は3週間ぶりに3万8000円を割り込んだ。陰線(始め値が終り値を下回る状態)が長く続いたが、それにしては市場は静か。売りが殺到したのではなく、買いが集まらなかったからである。こちらも最大の原因は、総選挙の結果に対する心配。自民・公明で過半数がとれるか。とれなかったら、どうなるのか。その不安である。

日本でもアメリカでも、これまでは「選挙は買い」だった。どの政党も、景気対策を公約するからである。たとえば日本の場合、1963年以降に実施された19回の総選挙では、解散前に比べて投票日の株価はすべて上昇している。今回はそれが「売り」になった。それだけ日米ともに、選挙の結果を予測しにくい。選挙後の政局を予想しにくい。株価はいつでも‟不明瞭”を最も嫌う。

今週は29日に、9月の労働力調査。30日に、10月の消費者態度指数。31日に、9月の鉱工業生産、商業動態統計。アメリカでは29日に、10月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、7-9月期のGDP速報。31日に、9月の個人消費支出。1日に、10月の雇用統計、ISM製造業景況指数。また中国が31日に、10月のPMI景況指数を発表する。なお31日には、植田日銀総裁が記者会見。

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ

    
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国民民主党が 台風の目に
2024-10-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 石破政権は国民と連立するしかない? = 自民・公明の与党が大敗、議席数を215に減らした。過半数に18議席も足りない。石破首相の早期解散戦術で、野党は9割の選挙区で候補者の調整が出来なかった。それでも立憲民主党など野党が議席を伸ばせたのは、それだけ自民党の‟裏金”問題に対する有権者の怒りが大きかったために違いない。石破首相は、この事態をどう打開しようとしているのか。

とりあえずは、無所属で当選した議員に自民党への入党を勧める。だが18議席はとても埋まらない。すると残るは、野党のどこかと連立する手段しかない。そういう視点から野党各党を点検すると、ほとんどの党が憲法改正や防衛力増強など重大な問題で、自公両党とは相容れない主張をしている。とても連立どころの話ではない。なかで1つだけ可能性がありそうなのは、国民民主党である。

国民民主党は今回の選挙で、議席を28に伸ばした。2020年9月、旧・国民民主党の議員で立憲民主党の設立に参加しなかった人たちが立ち上げた政党で、現在の代表は玉木雄一郎氏。憲法や原発などについての主張は、自民・公明党とあまり変わらない。ただ消費税の減税と社会保険料の引き下げを公約しており、この点で石破内閣と妥協できるかどうか。

近く召集される特別国会では石破首相と野田立憲民主党代表が、総理大臣の指名を巡って争うことになるだろう。その際、国民民主党が石破氏に投票すれば、石破氏の続投が決まる。逆に国民民主党が野田氏を支持し、他の野党も結束して野田氏に投票すれば、政権交代。第2次野田内閣が発足することになる。要するに、国民民主党が台風の目だ。

国民民主党の玉木代表は28日「連立する考えはない。野党連合にも組しない。与党に対しては是々非々で行く」と語った。たとえば与党が国民民主党の政策を受け入れれば、石破氏の総理指名に賛成するかもしれない。だが、いつか野党側が石破首相の不信任決議案を出した場合、それに同調するかもしれない。こうして国民民主党は文字通りキャスティング・ボートを握ることになりかねない。

        ≪29日の日経平均 = 上げ +298.15円≫

        ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ復活に備える NY市場
2024-10-31-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 早くも「財政悪化→金利上昇→ドル高・円安」 = 来週11月5日はアメリカの大統領選挙。ハリス、トランプ両候補の勢いは全く伯仲と伝えられるが、ニューヨーク金融市場は早くもトランプ氏の返り咲きに備えて動き始めた。ただし金融市場はもともと共和党寄り。法人税の減税や所得減税を公約するトランプ氏の復活は歓迎されるはずだが、今回はやや様子が違う。どちらかと言うと、警戒感の方が前面に浮き出ているようだ。

議会筋の計算によると、トランプ氏の公約をすべて実現した場合、財政の赤字は今後10年間で7兆5000億ドル増大するという。すると国債の価格が下落して金利は上昇。ドル高が進行すると考えられる。こうした推定をもとに、たとえば10年もの長期金利は先週4.26%まで上昇した。またダウ平均は先週1100ドルも下げている。円相場も下落した。

財政支出の膨張は、インフレを助長しやすい。するとFRBは、次の利下げを断行しにくくなる。さらにトランプ氏はかつて利上げを続けたパウエルFRB議長はクビと述べたり、8月の記者会見では「FRBの決定に大統領が発言権を持つべきだ」とも言っている。これでは利上げはしにくくなり、インフレは抑えられない。またトランプ氏が輸入関税を高めたり、移民の流入を抑制すれば、インフレ圧力はいっそう強まることになる。

トランプ氏が大統領になった8年前、金融市場は大いに歓迎した。しかし今回は必ずしも歓迎できない。と言って民主党のハリス氏が当選して、金融所得課税を強化するのも困る。さらに2人のどちらが勝つにしても、選挙後の混乱と国民の分断が続く可能性も強い。金融市場としては、今回の選挙に何を期待していいのか。不透明になってしまったようだ。

        ≪31日の日経平均 = 下げ -196.14円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

   
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