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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
続伸か? 反落か? : 株価の行くえ (下)
2024-03-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京市場は自信満々だが・・・  = 「日経平均4万円は確実、その後の上昇も当たり前」--東京市場では、こんな強気がまかり通っている。じっさい予想される高値の水準について、大和証券は4万3000円、JPモルガン証券は4万2000円に上方修正した。こんな強気を生み出した大きな原因の一つが、史上最高値を付けた34年前との株価の比較。アメリカは14倍、英独仏などは3-5倍。これに対して日本は元に戻っただけ。つまり1倍でしかない。だから伸びしろは、きわめて大きい。

もう1つ、市場に安心感を与えているのは企業業績の回復。この30年間、GDPや給与は伸び悩んだが、企業の利益だけは増大した。その結果、上場企業のPER(株価収益率)は34年前が60倍以上だったのに対し、いまは16倍台にとどまっている。つまり現在の株価は企業業績を反映したもので、バブルの兆候はないというわけだ。この分析は、おそらく正しい。

だが少し掘り下げて考えてみると、心配な点も少なくない。その1つは、買いが半導体関連銘柄に集中し過ぎていること。たとえば日経平均は年初から急騰したが、プライム上場企業のうち日経平均を上回って上げたのは全体の2割に過ぎない。したがって、半導体関連だけはバブル状態なのかもしれない。そこが反落に転じると、どうなるだろうか。

また企業の増益は、円安と値上げによるところが大きい。日銀の政策修正で円高になったら。消費者の買い疲れで、値上げがしにくくなったら。それでも大幅な利益を出し続けられる企業は、どのくらいあるのだろう。そして東京市場の株価が上昇し続ける最大の条件は、やはりニューヨーク市場の動向。ニューヨークがこければ、東京もこける。

        ≪29日の日経平均 = 下げ -41.84円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

   
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理解できない 日銀総裁の発言
2024-03-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「インフレ」とは何なのか? = 植田日銀総裁は先週22日、衆院予算委員会で「消費者物価は昨年までと同じように右上がりの動きが続くと予想している」「いまはデフレではなく、インフレの状態にあると考えている」と発言した。野党議員から「現在はデフレなのか、インフレなのか」と質問され、答えたものだ。市場はこの発言を受けて「日銀は3月にもマイナス金利の解除に踏み切る」と了解している。だが日銀総裁のこの発言は、解ったようで解らない。

まず「インフレ」とは何なのだろう。経済学の教科書によると、インフレとは「物価高が長期にわたって続く現象」とある。ウクライナ戦争が始まってからの2年間、日本ではエネルギーから食料まで数多くの物価が高騰した。だから多くの庶民は、ずっとインフレだったと感じている。それをいまさら「インフレの状態にある」とは、認識が遅すぎるのではないか。国民と日銀との感覚的なギャップである。

インフレ、つまり物価の高騰は「通貨価値の下落」を意味する。中央銀行の最大の役割は、通貨価値の維持ではなかったか。それなら「インフレ状態にある」などと、のんびり構えていていいのだろうか。インフレならマイナス金利の解除どころか、政策金利の引き上げまで考えるべきではないのか。どうも植田総裁が使う「インフレ」の意味は、違うように思われる。

日本は過去30年にわたって、デフレ経済に陥った。供給に対して需要が不足し、物価が上がらない。その反対に需要が供給を上回って、物価が上がる状態。この状態を、植田総裁は「インフレ」と呼んでいるようだ。だが、そのとき物価はいくら上がるのだろう。植田総裁はご自分が使う「インフレ」の意味をもっと説明しなければ、誤解を生じる。とにかく総裁は経済学者なのだから、定義するのはお得意のはずでしょう。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +744.63円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

  
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今週のポイント
2024-03-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均はついに4万円台へ = ダウ平均は先週44ドルの小幅な値下がり。高値圏で利益確定売りが続出したが、なんとかこなして終り値は3万9000ドル台を死守した形。相変わらず半導体関連には買いが入り、IT関連銘柄の多いナスダックが木曜日、2年3か月ぶりに最高値を更新した。一方、債券市場では長期金利が上昇。このため外国為替市場ではドルが買われ、円安が進んでいる。

日経平均は先週812円の値上がり。終り値は3万9911円で、とうとう4万円の大台に超接近した。5週連続の上昇で、この間の上げ幅は4160円に達している。こちらも確定売りが出たが、金曜日にはナスダックの最高値更新を材料に大きく上げた。やはり半導体関連が買いの中心。また日銀のマイナス金利解除を当て込んで、金融株も上昇している。

3月入り。FRBが今月、利下げしないことはほぼ確定。したがってニューヨーク市場の関心は金融政策から離れ、実体経済へと傾く。物価や雇用関連の動向に、左右されやすくなるだろう。一方、日銀が今月の会合でマイナス金利政策を修正することはほぼ確実。だがゼロ金利政策には執着する公算が大きい。その場合、市場はどう反応するか。金利や株価の動きに注目が集まる。

今週は4日に、10-12月期の法人企業統計。5日に、2月の東京都区部・消費者物価。8日に、1月の家計調査、景気動向指数、2月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、2月のISM非製造業景況指数。7日に、1月の貿易統計。8日に、2月の雇用統計。また中国が7日に、2月の貿易統計。9日に、2月の消費者物価と生産者物価を発表する。

        ≪4日の日経平均は? 予想 =上げ

   
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日経平均株価4万円 の風景
2024-03-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ バブルなのか、バブルでないのか = 「ついに」と言うべきか、それとも「やっと」と言うべきか。とにかく日経平均株価が4万円の大台に跳ね上がった。3万円台に乗せてから、ちょうど3年かかっている。だが、ことしの年初は3万3000円台、そこからは超特急で上り詰めた。2月22日には1989年12月に記録した史上最高値を更新、そこから7日間で4万円に到達したことになる。34年前には新高値のあとバブルが崩壊、株価は急落した。今回は大丈夫なのか。

東京市場では、バブルを警戒する声は聞こえてこない。34年前と比べてみると、東京証券取引所の時価総額は606兆円から943兆円に増大した。しかし上場企業の経常利益は、この間に38兆円から95兆円に増えている。つまり現在の株価は、見合った企業収益という裏付けを持っているというわけだ。その証拠に、予想PER(株価収益率)も当時は61.7倍だったのに対して、現在は16.5倍にとどまっている。

しかしニューヨーク市場に目を向けると、景色がちょっと違う。ウオール街では、一部の銘柄に資金が集中し過ぎていることが問題視され始めた。なにしろ時価総額でみると、上位10社だけで全体の3割を超える。その大半が半導体・IT銘柄だ。これは異常だというので、パフェット氏やソロス氏といった著名な投資家がIT株を売り始めた。要するに、半導体関連だけはバブルだという考え方なのだろう。

こういう見方からすれば東京市場でも、資金は半導体・IT銘柄に偏っている。日経平均は今年初から急上昇したが、それを上回って上昇したのは全体の約2割。そのほとんどが半導体関連だ。これをバブルとみるかどうかは、非常に難しい。またことしは国内の政局、アメリカの大統領選挙、ウクライナとガザの戦争、中国の景況など、重要な不安値要素が山積。これらを乗り越えて、日経平均はいつ5万円に到達するのだろうか。

      ≪5日の日経平均 = 下げ -11.60円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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“裏ガネ”にかすんだ 少子化対策 (上)
2024-03-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国民の負担は実質ゼロなのか = 政府は「こども未来戦略」に盛り込んだ少子化対策の実現に必要な関連法の改正案を国会に提出した。その最大の柱は、児童手当の思い切った拡充。所得制限を撤廃し、支給対象の上限を現行の中学生から高校生にまで拡大する。また第3子以降に対しては、月額3万円を支給することになった。法律が成立すれば、ことし12月から実施する。岸田首相は「スピード感を持って実行に移して行く」と言明した。

さらに①親が就業していなくても、保育を受けられる「こども誰でも通園制度」を創設②両親がともに育休を取得した場合に、手取り収入が減らないようにする③子ども3人以上を扶養する世帯を対象に、25年度から大学や専門学校の授業料と入学金を支給する--などが新しい政策。岸田首相は少子化による人口減少を「わが国が直面する最大の危機」と捉え、これらの政策で出生率の反転上昇を目指す考えだ。

だが大きな問題は、必要な財源の確保。財源は24年度からしだいに膨らみ、28年度には3兆6000億円が必要になる。政府はこれを①新たに設ける「支給金制度」で1兆円②社会保障費の支出抑制で1兆1000億円③既定予算の組み換えで1兆5000億円--を捻出する方針。このうち新設する「支給金制度」は、公的医療保険料の徴収時に上乗せする形で負担してもらう。1人当たり月額500円の負担となるが、岸田首相は「負担は実質的にゼロとなるようにする」と公約した。

なぜゼロに出来るのか。岸田首相はこれについて「社会保障制度の改革と大幅な賃上げで、実質ゼロになる」と説明した。しかし社会保障制度の改革で、多額の資金を捻出できる見込みはきわめて小さい。また賃上げ出来なかった企業の社員は、どうなるのか。どうも岸田首相の「実質負担ゼロ」の公約は、守られそうにない。国会ではこんな疑問も解明してもらいたかったが、自民党の‟裏ガネ”事件追及で審議時間が圧縮されてしまった。

                       (続きは明日)

        ≪6日の日経平均 = 下げ -6.85円≫
 
        ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

   
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“裏ガネ”にかすんだ 少子化対策 (下)
2024-03-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ またもバラマキ、若者への配慮なし = 厚生労働省の発表によると、昨年の出生数は75万8631人で戦後最低。前年に比べて5.1%の減少、8年連続で前年を下回った。この減少率は想定を上回っており、少子化の進行が加速していることを示している。また昨年は婚姻数も48万9281組で、前年を5.9%下回った。岸田首相ならずとも、こうした現実には危機感を抱かざるをえない。

そこで政府が打ち出した少子化対策。はたして効果があるのだろうか。専門家の意見をまとめてみると、残念ながら「効果は希薄」ということになる。その最大の理由は、現在の子どもに対する支援を重視しすぎたこと。結果として、これから結婚し子どもを産む若者たちを無視した形になってしまった。したがって、将来の出生率向上にはつながりにくい。子ども重視は結構だが、少子化対策としては落第というわけである。

婚姻率の減少は、将来の雇用や所得に不安を抱える若者が増えたためだとの見方が多い。じっさい、バイトやパートで働く非正規雇用の若者に未婚者が多いことは、統計からも明らかだ。岸田内閣の新しい少子化対策は、この問題を全く疎かにしている。見方を変えると、政府は相変わらずのバラマキ作戦。将来を見通した戦略に欠けている。

国民の負担は、どうなるのか。この対策の効果は、どうなのか。--国会では、こうした点を十分に議論してほしかった。しかし自民党の“裏ガネ”問題に明け暮れ、その時間はほとんど無くなってしまった。新年度予算も年度内成立が確実となったから、少子化対策の関連法案もほとんど議論なしで成立してしまうだろう。きわめて残念だ。

        ≪7日の日経平均 = 下げ -492.07円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

    
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トランプ圧勝の 根本的な理由
2024-03-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 少数民族になる白人の不安 = 11月の大統領選挙に向けた共和党の指名争いで、トランプ前大統領が圧勝した。世論調査では、バイデン現大統領よりも支持率が高い。トランプ氏はいま4つの刑事事件を抱え、計51の罪で起訴されている。決して‟清廉潔白の士”とは言えないだろう。それなのに、なんで圧勝するのか。その根本的な理由は、アメリカが直面している歴史的な流れのなかに求められる。

米国勢調査局によると、白人がアメリカの全人口に占める比率は、1960年には88.8%もあった。ところが比率は急速に低下し、2020年には57.8%に下がっている。これはヒスパニックやアジア、アフリカからの移民が急増したこと。さらにこれら非白人の出生率が、白人よりもかなり高いことによるものだ。この調子だと、45年には49.7%にまで下がり、白人は全体の半分以下になると予測している。

つまり白人は少数民族となり、アメリカは白人国でなくなる。いまアメリカの白人は、この現実に恐怖さえ感じている。その‟救世主″となっているのが、トランプ前大統領。不法移民の流入を厳しく抑制する。海外からの輸入品に高い関税をかけて国内の産業を保護し、白人の雇用を確保する。軍事援助などの対外支出を減らし、その分を減税して国内の景気をよくする。

‟アメリカ・ファースト”--このスローガンは、白人にとっては「白人が社会の中心に位置していた過去のよき日」を思い出させる。だから白人の多くが、何があってもトランプ氏を支持する熱狂的な岩盤になる。そして奇妙なことは、ヒスパニック系にも、トランプ支持者が多いことだ。移民の流入を防いでくれないと、いまの自分の職が脅かされると考えるからである。こうして予備選では圧勝、‟もしトラ”の可能性も大きくなってきた。

        ≪8日の日経平均 = 上げ +90.23円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     

   
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今週のポイント
2024-03-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米ともに足取りは重い = ダウ平均は先週365ドルの値下がり。終り値は3万9000ドルを割り込んだ。高値圏で利益確定売りが出たことが、値下がりの主な原因。水曜日にはパウエルFRB議長が議会で証言。「利下げはそう遠くないうちに始めるのが適切」と述べたが、株価は小幅な上昇にとどまった。また金曜日には予想を上回る雇用者の増加が発表されたが、株価は小幅に下げただけ。方向感に乏しくなっている。

日経平均は先週222円の値下がり。月曜日には4万円台乗せを達成したが、あとは確定売りに値を下げた。木曜日には492円とことし最大の下げ幅を記録している。円相場が一時146円台まで上昇したことを嫌気した。こうした上げも下げも、半導体関連が中心。たとえば日経平均が4万円台に乗せた月曜日も、全体の6割の銘柄は下落している。

ニューヨーク市場は高値もみ合いのなか、今週は12日に発表される消費者物価に注目が集まる。一方、東京市場は来週18-19日に開く日銀の政策決定会合に注目が集中。円高がさらに進むのかどうか。こうしたなか、TOPIX(東証株価指数)が先週まで6週間の連騰。中身をみると、低位株が買われている。この現象を株価が天井に達した証拠とみるのかどうか。

今週は11日に、10-12月期のGDP改定値。12日に、2月の企業物価、1-3月期の法人企業景気予測調査。15日に、1月の第3次産業活動指数。アメリカでは12日に、2月の消費者物価。14日に、2月の小売り売上高、生産者物価。15日に、2月の工業生産、3月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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日銀 17年ぶりの利上げへ
2024-03-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 各種の金利はすでに上昇してきた = 日銀は来週18-19日に開く政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する可能性が大きい。植田総裁が2月29日に国会で「現状はデフレではなく、インフレの状態にある」と発言。内田副総裁も講演で「仮にマイナス金利を解除しても、緩和的な政策を維持して行くことになるだろう」と述べた。こうした日銀幹部の発言から、市場では解除の予想が急速に拡大した。実現すれば、なんと17年ぶりの金利引き上げとなる。

マイナス金利政策というのは、金融機関が余った資金を日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を付ける制度。金融機関にとっては預金が目減りしてしまうので、出来るだけ貸し出しに回そうと努力する。16年1月に、景気拡大策として日銀が導入した。しかし、あくまで異常な政策。景気が回復し、インフレ状態になれば必要がなくなる。

日銀のこの政策修正を見越して、市中ではすでに金利が上がり始めている。現在、大銀行の定期預金は金利が0.002%。100万円を1年間預けておいても、利子は20円しか付かない。こうしたなかで、いくつかの銀行が1年もの定期預金に0.2-0.4%の金利を付け始めた。100万円の預金で、年2000-4000円の利子が付く。また住宅ローンについても、固定金利を引き上げた金融機関が多い。もちろん一般の貸出金利も上昇傾向にある。

ただし‟17年ぶりの利上げ”と言っても、実態はマイナス0.1%の金利をゼロ%に引き上げるだけ。理論的にはプラス0.5%に引き上げることも可能だが、日銀にそんな度胸はない。利上げで景気が悪化したら大変だと考えるからである。だから今後も政策金利がプラスになるまでには、かなりの時間がかかりそうだ。その間、アメリカの金利が下がりそうになると、11日のようにまた円高が進んで株価が大幅に下がることが繰り返されるかもしれない。

        ≪12日の日経平均 = 下げ -22.98円≫ 

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

   
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大ピンチ! 介護職員が足りない(上)
2024-03-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 来年は32万人も不足する見込み = 「22年ショック」という言葉が、介護関係者の間で定着している。この年、介護職員を辞めた人が61万人に達し、新たに就職してきた人を6万3000人も上回った。職員の数が純減したのは初めてのことで、ショックが業界を駆け巡った。主な原因は、給与の伸び悩み。物価が大幅に上昇したため、生活が苦しくなってしまった。しかし介護職員の給与は、政府が決める“公定価格”。財源が厳しく、思うように上げられない。

「25年問題」という言葉が、いま関係者の間に浸透しつつある。もう来年の話だが、あの団塊の世代590万人が75歳以上になる。当然、介護の必要な人が急増するが、介護職員の確保が追い付かない。32万人が不足するだろうと推計されている。だが、とにかく給与が低いから、人が集まらない。たとえば22年の平均給与は月額29万3000円。全産業の平均よりも6万8000円低かった。

政府も介護職員の賃上げに乗り出した。現在の仕組みは、①税金②40歳以上が納める保険料③利用者の自己負担--を原資とした介護報酬が、介護事業者に支払われる。その報酬を24年度は1.59%引き上げることを決めた。このうち0.98%分は、職員の賃上げに充てられることになっている。厚労省はこの結果、介護職員の平均給与は24年度に7500円、25年度に6000円引き上げられると試算した。

だが、これでは2年間で1万3500円の賃上げにしかならない。他産業の賃上げ幅が大きくなればなるほど、格差は開くばかり。効果はきわめて疑わしい。しかし、これ以上の賃上げをするための原資がない。今回も政府は①高所得者の保険料引き上げ②自己負担2割の対象者拡大--などを考えたが、反対論が強く結論を先送りしてしまった。だから「25年問題」を解決できる見込みは、いまのところ全くない。

                    (続きは明日)

        ≪13日の日経平均 = 下げ -101.54円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

    
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大ピンチ! 介護職員が足りない(下)
2024-03-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きな社会問題に発展する可能性 = 高齢化の進展で、福祉関係の費用が急激に増大している。たとえば、この20年間で医療費は6割、年金は5割も増えている。しかし介護費は別格、なんと4倍に跳ね上がった。00年の3兆3000億円が、23年には13兆5000億円に膨張している。この勢いは今後も衰えず、要介護者は00年の218万人から、40年度には2100万人に増大する見込みだ。

当然、必要な介護職員の数も急増する。厚労省によると、21年度に215万人だった介護職員は、25年度には243万人、40年度には280万人が必要になると推計した。だが、そんなに人を集められるとは考えられない。政府はセンサーによる見守りシステムや介護ロボットの導入に補助金を出して、生産性を向上させる方針。東京都などは見かねて、1人1-2万円の賃上げ支援金を出すことになった。

また政府は、外国人の活用にも力を入れることになった。しかし外国人にとって、介護は最もやりにくい仕事ではないだろうか。しかも賃金が安いのでは、外国人も集まらない。だいたい、介護は体力も神経も使う仕事。それなのに給料が低ければ、働き手が増えるはずもない。「でも政府が仕切る公共事業で、財源がないから仕方がない」というのが、現在の雰囲気だろう。しかし介護の必要な人で支援を受けられない人が何十万人も出れば、大変な社会問題になることは間違いない。

この際は、現行の介護制度を抜本的に見直す必要があるのではないか。介護報酬の原資となる保険料やサービス料金については、高所得者に限ってある程度まで引き上げる。そして税金については、予算の思い切った削減で数兆円の資金を捻出する。介護報酬の支出は、事業所の経費と職員の賃上げを初めから分けて支給する。現行の3年に1度の見直しを毎年行う--など。政府はもっと真剣に対処しないと、状況はどんどん悪くなる。

        ≪14日の日経平均 = 上げ +111.41円≫     

        ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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エヌビディア・ショック
2024-03-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 一時停止かUターンかは、この株しだい? = 日米の株価が大きく揺れ始めた。ダウ平均は2月23日に3万9132ドルの新高値を付けたあと、下げに転じた。日経平均も3月4日に4万円台乗せを達成したあと、11日にはことし最大の下げを記録している。これまで株価の大幅高を主導してきた半導体関連銘柄が、反落でも主役も演じた。そして、その半導体銘柄を先導したのがエヌビディアだ。市場では「エヌビディア・ショック」という言葉が使われ始めている。

エヌビディアはカリフォルニア州に本社を置く半導体メーカー。1993年に設立された新しい会社だが、ここへきて業績を驚異的に伸ばしている。売り上げは22年に世界12位だったものが、23年にはアップルやマイクロソフトを抑えて世界1位に。ことし1月期の純利益は43億ドルに達した。昨年2月に208ドルだった株価は、ことし3月7日には927ドルに上昇。ただ、その後は10%以上も値下がりし、時価総額を1300億ドル(20兆4000億円)も減少させている。

いまウオール街を大手を振って歩いているのが、MAG7と呼ばれる7企業だ。アップルやマイクロソフトなどの半導体・ITのビッグ5社に、EVのテスラと新興エヌビディアを加えたグループ。7社の時価総額は合計12兆ドル(1700兆円)、この1年間で70%も増加した。昨年、SP500の株価は24%上昇したが、この7社は74%も上昇。この7社以外の493社は10%の上昇にとどまっている。株価全体の上昇を、この7社が主導したことは明かだ。

東京市場でも、状況は同じ。アメリカで半導体関連銘柄が上がると、日本でも東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄が急騰して、株価全体を引っ張り上げた。その意味では、東京市場を先導したのも、新興エヌビディアだったと言える。だとすると、今後の株価動向は、エヌビディアの動きを見ていれば判るのではないか。もちろん、この考え方が正しいかどうかは不明だが、説得力があるようにも思えてしまう。

         ≪15日の日経平均 = 下げ -99.74円≫

         【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     

   
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今週のポイント
2024-03-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ マイナス金利解除は織り込んだが・・・ = ダウ平均は先週わずか8ドルの値下がり。週の前半は先々週に下げた反動もあって反発。特に火曜日は注目のエヌビディアが7.2%も上昇、SP500が最高値を更新した。しかし後半はだらだらと下げている。2月の消費者物価が予想を上回って上昇、利下げが遠のいたという推測が強まって金利が上昇。株式市場は、これを嫌気した。ただ終り値は、3月23日に付けた最高値を400ドルしか下回っていない。

日経平均は先週981円の大幅な値下がり。週初から3万9000円を割り込んだ。日銀が19日の政策決定会合で、マイナス金利の解除にやっと踏み切ることがほぼ確定。円高が進んだために、売り注文が膨らんだ。これで2週連続の下げ。終り値は3月4日の最高値に比べると、1400円ほどの下落。ニューヨークよりも、リスク回避の動きが強まっている。

FRBは19-20日に政策決定会合を開く。しかし政策に変更はない見込み。したがって市場は、あまり気にしていない。一方、日銀はマイナス金利を解除する。市場はすでに織り込んでいるから、大きな影響はないだろう。ただし日銀の今後の利上げ見通しに関心が集まると、債券・為替・株式市場に影響が現われる可能性は否定できない。

今週は18日に、1月の機械受注。19日に、3月の訪日外国人客数。21日に、2月の貿易統計。22日に、2月の消費者物価。アメリカでは18日に、3月のNAHB住宅市場指数。19日に、2月の住宅着工戸数。21日に、2月の中古住宅販売。また中国が18日に、2月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。なお19日に植田総裁、20日にパウエル議長が会見する予定。

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ
    

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呑み込みにくい 日銀の理屈
2024-03-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「インフレなら利上げ」ではダメなのか? = 日銀はきょう19日に開く政策決定会合で、マイナス金利の解除を決定する。同時にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を停止、またETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の買い入れも終了する。これまで17年も続けてきた金融の超緩和政策を、引き締めの方向へ転換するわけだ。だが、これで日銀が何を目指しているのか。説明がどうもすっきりとは呑み込めない。

マイナス金利の解除を決定した理由として、日銀は今春闘での大幅な賃上げを挙げている。植田総裁も記者会見で、この点を強調する見込みだ。企業は賃上げの原資を確保するため、製品やサービス料金の値上げに踏み切る。すると物価が上がって、日銀が目標として掲げる2%の物価上昇が達成される。だから金融引き締めは、もう不要になったという理屈である。

だが物価は、いろいろな原因の組み合わせで変動する。たとえば戦争によるエネルギーや資源の高騰、あるいは異常気象による食料不足などなど。こうした要因が加われば、物価は2%を大きく超えて上昇するだろう。ところが日銀は「2%程度の物価上昇が長期にわたって続く」と考えているようだ。そんな可能性はゼロに近いだろう。

ウクライナ戦争の勃発によって、エネルギーや資源・食料の国際価格が急騰。日本も物価の高騰に見舞われた。だが日銀は実体経済の需要が不足している状態を重視し、緩和政策を継続した。つまり不況の場合は、インフレになっても対応しない前例を作ったわけである。通貨価値の維持、物価の安定を最大の使命とする中央銀行が、これでいいのか。もっと解りやすく「インフレだから利上げする」と言えないのだろうか。

        ≪19日の日経平均 = 上げ +263.16円≫       


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原油が80ドル台に上昇 (上)
2024-03-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ OPECプラスの自主減産延長で = 原油の国際価格が上昇してきた。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物相場は、3月に入ってから1バレル=80ドル台を維持している。昨年秋からはずっと60-70ドル台で推移していたが、ここへきて値を上げた。直接のきっかけは、OPEC(石油輸出国機構)プラスと呼ばれる産油国連合が自主減産を6月末まで延長したこと。この措置で、世界の原油見通しが供給過剰から不足へと変わったためである。

サウジアラビアを盟主とするOPECとロシアなどの産油国は、原油価格の値下がりを防ぐため協調減産を続けてきた。現在は3月末までを期限に、合計で日量450万バレルを減産中。この減産計画を6月末まで延長することになった。IEA(国際エネルギー機関)の試算によると、これによって世界の原油見通しは日量162万バレルの余剰から48万バレルの不足へと変化する。

ただOPECプラスの結束力は、明らかに低下した。カタール、エクアドルに続いて、アンゴラも減産に反対して脱退したからである。このためOPECプラスは従来の協調減産ではなく、各国の自主減産という形で減産目標を達成することになった。さらに最近はアメリカとカナダが、日量100万バレルと50万バレルを増産している。紅海を通じる原油積み出しが制限されているにもかかわらず、原油の国際価格が大きく上昇しないのはそのためだ。

原油価格はアメリカや中国の景気動向、世界の気象状況などにも大きな影響を受ける。したがって将来の価格を予測することは、きわめて難しい。しかし専門家は現状から判断する限り、90ドル以上に跳ね上がる可能性は小さいとみている。ただ原油価格の高騰は、天然ガスや石炭の価格にも影響を及ぼす。輸入燃料に大きく依存する日本にとっては、1バレル=10ドルの値上がりでも影響はきわめて大きい。

                    (続きは明日)
       
         ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

    
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原油が80ドル台に上昇 (下)
2024-03-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 90ドル台が続けば影響が大きい = 北半球はこれから行楽シーズン入り、ガソリンの消費が増える。このため専門家の間では「原油の国際価格は90ドル台に乗せるかもしれない」という見方が強い。仮に90ドル台になると、直近の安値60ドル台に比べて5割高。その日本経済に与える影響は、決して無視できない。電気やガス代、それにガソリン価格が急騰。物価の上昇は加速する。

日銀はマイナス金利政策を解除、17年ぶりの利上げに踏み切った。それでも当面は緩和政策を維持すると表明したため、円安・ドル高が進行。株価も上昇基調を続けている。だが物価が高騰すれば、そんなことを言ってはいられない。日銀は意図に反して、金利を引き上げざるをえなくなる。外国為替市場では円高・ドル安、債券市場では金利が上昇する。株価にとってはマイナス材料だ。

財務省がきのう発表した2月の貿易統計をみると、輸入額が輸出額を上回ったため、貿易収支は3800億円の赤字だった。これは貿易が、景気に対してはマイナス要因になっていることを示している。輸入額が多かった理由の一つは、相変わらず燃料の輸入額が大きいこと。鉱物性燃料の輸入額は2兆2000億円に達している。輸入総額の約4分の1だ。

この輸入代金は最終的に、値上げを受け入れるという形で個人や企業が負担する。それだけ購買力が産油国に移転してしまうわけだ。景気にとっては、大きなマイナス要因になる。なかで原油・粗油の輸入額は約9000億円。もし価格が5割近くも上昇すれば、金額はさらに増大する。このように原油の国際価格が高値で推移すれば、日本経済はまた重たい荷物を背負うことになる。

        ≪21日の日経平均 = 上げ +812.06円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ
   

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世界24位に後退 : 日本の‟豊かさ”
2024-03-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 香港・シンガポール・韓国に及ばず = UNDP(国連開発計画機関)が、各国の‟豊かさ”を測る24年度版「人間開発指数」の世界ランキングを発表した。それによると、日本は2年前よりも2つ順位を下げて24位となった。1位はスイス、次いでノルウェー、アイスランド、香港、デンマークが続いている。アジアでは香港のほかシンガポールが9位、韓国が19位となっており、日本はアジアで4番目にランク付けされた。

この「人間開発指数」は物価や賃金、年金や税金、教育格差や所得格差など多数の項目について指数化。193か国・地域をランク付けする。また、この報告書でUNDPは「先進国の指数はコロナ前の水準を取り戻したが、最貧国の半数はまだコロナ前の水準に及ばない。世界的に経済活動が一極集中し、不平等に拍車がかかっている」と警告した。

‟豊かさ”というのは人間の感覚だから、指数化して比べることは困難だと言ってしまえばそれまでだ。しかし1人当たりGDPなどをみても、日本の存在感が低下していることは否定できない。やはり、この30年間、低成長を続けたことが大きかった。大リーグの開幕戦が日本でなく、韓国で行われたことの意味を少しは考えてみる必要があるのではないか。

いま日本はマイナス金利からの脱却を機に、新しい国造りを始めようとしている。だが政府も日銀も、過去30年の総括をしていない。どうして低成長が続いたのか。どうして賃金が上がらなかったのか。どうして円がこんなに下落したのか。どの政策が間違っていたのか。こういう検証をきちんとしないと、また間違いを繰り返すことになりかねない。国連が発表したランキングを、あまり軽視しない方がいい。

        ≪22日の日経平均 = 上げ +72.77円≫

        【今週の日経平均予想 =1勝3敗】     

   
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今週のポイント
2024-03-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米市場で最高値更新ラッシュ = ダウ平均は先週761ドルの値上がり。水曜日と木曜日には、ダウ・ナスダック・SP500の3指数がそろって史上最高値を更新という素晴らしい記録を作っている。FRBが政策金利を据え置き、さらに年内3回の利下げ可能性を維持したことを好感した。ニューヨーク市場では「当面の懸案事項はすべて消滅した」という感じが広まっている。高値警戒感はあるが、4万ドルを狙う勢いは衰えていない。

日経平均は先週2181円の大幅な値上がり。こちらも木曜日と金曜日に、続けて最高値を更新した。終り値は4万0888円まで上昇している。日銀がマイナス金利の解除を決め、当面は緩和政策を続けると発表した。このため東京市場でも安心感が広がった。加えて円安が進行。金利上昇を見込んで金融株が買われ、円安で輸出関連株が物色されている。

ダウ平均は着実な上昇ぶりをみせているが、それでも年初来の上げ幅は1800ドルに満たない。一方の日経平均は年初来7400円も上昇しており、スピードがかなり速い。このため日経平均の今期予想ベースPER(株価収益率)は17.3倍にまで上昇した。専門家によると、市場は今期どころか25年3月期の増益予想まで織り込んでいるという。当然、高値警戒感は強くなる。それを乗り越えて行けるかどうかは、今後の企業業績にかかっていると言えるだろう。

今週は26日に、2月の企業向けサービス価格。29日に、3月の東京都区部・消費者物価、2月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは25日に、2月の新築住宅販売。26日に、1月のFHFA住宅価格指数、3月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、10-12月期のGDP確定値、2月の中古住宅販売が発表される。

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 


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次の焦点は 円相場の転換点
2024-03-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 早ければ4月にも円高へ向かう可能性 = 日銀がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。一方、FRBは金利を据え置いたから、日米間の金利差はわずかに縮小。したがって理論的には、円高が進むはずだった。ところが実際は円安が進行。円の対ドル相場は151円台にまで下落している。株式市場はこれを好感して日経平均は先週、史上最高値を更新した。この円安は、いつまで続くのだろうか。

アメリカのインフレは予想以上に根強く、FRBはなかなか利下げが出来ない。日銀はマイナス金利を止めても、緩和政策は続けると説明している。すると日米間の金利差は縮小しないから、円安は当分続く。--これが市場の見方であり、株高の材料ともなっている。だが、はたしてそうだろうか。たしかに日銀には、物価の急騰でもない限り、追加の利上げをするだけの度胸はない。

しかしアメリカの事情は少し違う。FRBは先週の政策決定会合で「ことし中に3回の利下げ」という見通しを維持した。市場では「最初の利下げは6月」という推測が、しだいに強まっている。さらに11月の大統領選挙を控えて、バイデン政権としては景気をよくしておきたい。だからFRBに対しても、早く金利を下げるようシグナルを送っている。

トランプ前大統領はFRBによる急激な利上げ政策を酷評し、パウエル議長の再選には反対だと言っている。もちろん、FRBがこうした政治的な風圧に動かされることはないだろう。しかし建前は建前、出来れば早く利下げをしたいに違いない。こうした見方が強まれば、6月の利下げは実現性を増す。市場がそんな空気を察知するのは、早ければ4月にも。そこが円相場の転換点になる可能性は十分にある。

        ≪26日の日経平均 = 下げ -16.09円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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ガソリン補助金 またも延長 (上)
2024-03-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 予算規模は防衛費並みに膨張 = 岸田首相は先週の参院予算委員会で、ガソリンに対する補助金について「国民経済や経済活動への影響を考慮して、検討して行くことが重要だ」と述べ、4月末で終了する予定の補助金政策を延長することに前向きな姿勢をみせた。この制度で、たしかにガソリンの小売り価格は1リットル=175円程度に抑えられている。しかし反対論も多いなかで、補助金はまたしても延長されることになりそうだ。

ガソリンに対する補助金制度は、22年1月に導入された。原油の輸入価格が上昇した場合、政府が元売り会社に補助金を支給することで小売り価格を抑制する仕組み。たとえば最近の小売り価格は、レギュラーの全国平均が1リットル=174.3円。もし補助金がなければ196.0円になっているはずだと試算されている。当初はごく短期で終える計画だったが、これまで6回も延長された。現在は4月末で終了の予定になっているが、これをまたまた延長する。

必要な経費は、想像以上に多い。この4月末までに支給される補助金の総額は、約4兆4000億円にのぼる。予算ベースでみると、累計は6兆4000億円。1年間の防衛費にほぼ匹敵する。これだけ巨額の税金を使うわけだが、その恩恵は黒字を出している企業や大金持ちの個人にも及ぶ。これが反対論の一つの根拠だ。

ガソリンの値段が上昇すれば、消費が抑えられるはず。しかし価格を抑えれば、その機能が働かない。したがって補助金政策は、脱炭素の方向と矛盾する。また価格が175円前後で統一されるため、小売り市場ではほとんど競争がなくなった。と言うより、ガソリンの小売り市場は消滅してしまった。このように副作用も大きく、反対論は根強い。

                   (続きは明日)

        ≪27日の日経平均 = 上げ +364.70円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ガソリン補助金 またも延長 (下)
2024-03-29-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 岸田内閣はバラマキ依存症 = ガソリン補助金は延長せず、代わりにトリガー条項の凍結を解除したらどうか。トリガー条項というのは、ガソリン価格が高騰した場合に、ガソリン税の暫定上乗せ分の約25%分を免除できる仕組み。現在は東日本大震災の復興財源とするため凍結されている。国民民主党がこの方式を強く主張、予算の成立に協力までして自民党に迫ったが、結局は“裏ガネ問題”で霧消してしまった。

この交渉の自民党の責任者は、当時の萩生田政調会長だった。その責任者が“裏ガネ問題”で失脚してしまったのだから、どうにも仕方がない。自民党のなかでも、ガソリン補助金問題に対する意見集約ができなくなってしまった。岸田首相が補助金の延長を示唆したのも、このためだったと考えられる。だが延長はせず、4月末をもって補助金を止める選択肢はなかったのだろうか。

補助金を止めれば、ガソリンの小売り価格は200円近くに跳ね上がる。消費者にとってみれば、突然の大幅値上げとなるわけだ。当然、不満の大合唱が起きるだろう。岸田内閣としては、これが怖い。かつてG7(主要7か国)首脳会議では「エネルギーに対する補助金は脱炭素にも反するから、出来るだけ早く停止する」ことで合意した。そのとき議長国は日本だから、国際的にも批判は免れない。にもかかわらず補助金を延長するのは、これでまた支持率が下がることを警戒するためである。

コロナ被害に対する補助金に始まり、電気やガス、それにガソリン。とにかく岸田内閣は、補助金をバラ播いてきた。たしかに補助金の恩恵に浴した人たちは喜ぶだろう。だが停止すると、不満が高じる。だから、なかなか止められない。長期になると必要経費がかさみ、財政の圧迫要因となってしまう。それでも止められないのは、一種の依存症だ。その治療薬は、まだない。

        ≪28日の日経平均 = 下げ -594.66円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

  
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誇大広告には 課税せよ!
2024-03-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費者庁は手ぬる過ぎる = 悪質な誇大広告が、テレビやSNSで野放しになっている。全く効果がないのに、飲むだけで痩せるとか、病気が治るとか。こういう広告がよく使う表現が「何万個売れた」とか「業界一の売り上げ」とか。消費者庁ではこうした事例を規制するために、景品表示法を改正。悪質な事例に対しては、罰則を強化する方針だ。しかし摘発には時間と人手がかかるため、措置命令を出す件数はごく僅か。実効はきわめて小さい。

消費者庁によると、誇大広告には①性能を優れていると思わせる優良誤認②他社製品より安いと思わせる有利誤認--の2つがあるという。いちばん目立つのが、いわゆる「ナンバー・ワン広告」と呼ばれるCM。たとえば「業界一の売り上げ」とか「満足度いちばん」などの表現。この「ナンバー・ワン広告」は、そういう調査を行ったと称する会社が企業に売り込む事例も多い。消費者庁はそこまで監視の手を伸ばす方針だ。

だが、そうした調査と摘発には時間がかかる。そこで提案を一つ。こうした広告を出した企業に対して、消費者庁は国税庁と手を組んだらどうか。たとえば「何万個売れた」と広告した企業の納税申告と照合し、何万個分の申告がなければ、直ちにその差について課税。延滞料もきちんと取る。こうすれば、企業もうっかり広告に過大な表現を使えなくなるだろう。「日本一」という表現も危なくなる。もちろん本当にその分を納税している企業は表現を使えるし、国税庁のお墨付きを貰えることになる。

また最近、目立つのは「初回限定の安売り」だろう。申し込むと長期契約が成立したことになって、トラブルが多く発生しているという。消費者庁はこれについて何も言っていないが、明らかに景品表示法が禁じる「二重価格」に抵触するのではないか。この際、消費者庁は「初回限定の安売り」を禁止する方向で、法律の改正に当たってほしい。

        ≪29日の日経平均 = 上げ +201.37円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

   
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