◇ バブル崩壊の兆しなのか? = 野村ホールディングスは29日「アメリカ子会社による顧客取り引きを巡り、多額の損失を生じる可能性がある」と発表した。損失額は約20億ドル(約2200億円)にのぼると推定されている。取り引きの内容や経緯については発表していないが、時間が経つにつれて事件の実態が明らかになってきた。いまのところ事件が大きく発展する可能性は小さいが、バブル崩壊の兆しという見方も捨て切れない。
問題を起こしたのはニューヨークのファンドで、アルケゴス・キャピタル・マネジメントという投資会社。倍率の高いレバレッジ取り引きで株式を売買していたが、保有株の急落で保証金が払えなくなり倒産した。野村はアメリカの子会社を通じてこのファンドに融資しており、資金の回収が出来なくなった。ほかに三菱UFJ証券とスイスの金融機関クレディ・スイスが同様の損失が出たことを発表している。
野村ホールディングスは、昨年4-12月期に3095億円の純利益を計上している。それと比べても、今回の損失はかなり大きい。このため野村の株価は急落した。問題はこれ以上、事件が拡大しないかどうか。損失を受けた金融機関が続出したり、他のファンドが倒産したりすると、リーマン・ショックのような金融不安に発展しかねない。
現在までのところ、野村と三菱UFJ、クレディ・スイス以外に損失の発表はない。他のファンドが行き詰まったという報道もない。したがって事件がさらに発展する可能性は小さい。しかし市場では「バブル崩壊の兆し」という受け止め方が、静かに潜航している。というのも、こうした事件は、バブル崩壊に先駆けて起こることが多いからだ。ファンドに対する投資も抑えられるだろう。市場の心配は、もう少し続きそうだ。
≪31日の日経平均 = 下げ -253.90円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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問題を起こしたのはニューヨークのファンドで、アルケゴス・キャピタル・マネジメントという投資会社。倍率の高いレバレッジ取り引きで株式を売買していたが、保有株の急落で保証金が払えなくなり倒産した。野村はアメリカの子会社を通じてこのファンドに融資しており、資金の回収が出来なくなった。ほかに三菱UFJ証券とスイスの金融機関クレディ・スイスが同様の損失が出たことを発表している。
野村ホールディングスは、昨年4-12月期に3095億円の純利益を計上している。それと比べても、今回の損失はかなり大きい。このため野村の株価は急落した。問題はこれ以上、事件が拡大しないかどうか。損失を受けた金融機関が続出したり、他のファンドが倒産したりすると、リーマン・ショックのような金融不安に発展しかねない。
現在までのところ、野村と三菱UFJ、クレディ・スイス以外に損失の発表はない。他のファンドが行き詰まったという報道もない。したがって事件がさらに発展する可能性は小さい。しかし市場では「バブル崩壊の兆し」という受け止め方が、静かに潜航している。というのも、こうした事件は、バブル崩壊に先駆けて起こることが多いからだ。ファンドに対する投資も抑えられるだろう。市場の心配は、もう少し続きそうだ。
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◇ 非製造業は宿泊・飲食が重荷 = 日銀は1日、3月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数は3か月前より15ポイント改善してプラス5に。3四半期連続の改善で、コロナ前の19年9月の水準に戻している。9500社を対象にした調査で、景況感が前期より「いい」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いた数字を判断指数としている。
製造業の改善に最も貢献したのは、自動車産業だ。判断指数は前期より23ポイント改善して、プラス10にまで上昇した。コロナの影響で外食などの支出が減り、その分で車を購入する人が増えた。また公共交通機関を避け自家用車で移動する人が増えたことも、自動車への需要を増大させた。こうした風潮はアメリカや中国でも明らかで、輸出も拡大した。さらに自動車の生産増加で、鉄鋼や非鉄の景況感も上昇している。
一方、大企業・非製造業の業況判断指数はマイナス1で、前期より4ポイント改善した。しかし製造業に比べると、改善の程度はきわめて鈍い。コロナの影響が色濃く出ており、宿泊・飲食サービス業は判断指数がマイナス81、前期より15ポイント悪化した。また対個人サービス業もマイナス51となっている。この2業種が、非製造業の足を大きく引っ張った。
3か月後の先行き予想をみると、大企業・製造業は1ポイントの悪化。大企業・非製造業は横ばいとなっている。しかし製造業の場合はルネサスの工場火災、非製造業の場合は大阪府などに対する「まん延防止措置」の適用が織り込まれていない。したがって製造業、非製造業ともに、先行き予想は下方修正される公算が大きいだろう。
≪1日の日経平均 = 上げ +210.07円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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製造業の改善に最も貢献したのは、自動車産業だ。判断指数は前期より23ポイント改善して、プラス10にまで上昇した。コロナの影響で外食などの支出が減り、その分で車を購入する人が増えた。また公共交通機関を避け自家用車で移動する人が増えたことも、自動車への需要を増大させた。こうした風潮はアメリカや中国でも明らかで、輸出も拡大した。さらに自動車の生産増加で、鉄鋼や非鉄の景況感も上昇している。
一方、大企業・非製造業の業況判断指数はマイナス1で、前期より4ポイント改善した。しかし製造業に比べると、改善の程度はきわめて鈍い。コロナの影響が色濃く出ており、宿泊・飲食サービス業は判断指数がマイナス81、前期より15ポイント悪化した。また対個人サービス業もマイナス51となっている。この2業種が、非製造業の足を大きく引っ張った。
3か月後の先行き予想をみると、大企業・製造業は1ポイントの悪化。大企業・非製造業は横ばいとなっている。しかし製造業の場合はルネサスの工場火災、非製造業の場合は大阪府などに対する「まん延防止措置」の適用が織り込まれていない。したがって製造業、非製造業ともに、先行き予想は下方修正される公算が大きいだろう。
≪1日の日経平均 = 上げ +210.07円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 日本の死亡者数が2か月ぶりに拡大 = 世界的にみると、新型コロナの流行はまだ勢いを増している。感染者の総数は1億2891万人、死亡者は281万6081人に達した。この1週間の増加数を1か月前と比べてみると、感染者は261万人から412万人に。また死亡者は4万5400人から7万2500人に増えている。特にブラジルは感染者が1275万人、死亡者は32万1515人。この1週間で2万人以上が亡くなった。医療崩壊の状態に陥っている。
ワクチンの接種が進んだアメリカとイギリスは、状態が改善しつつある。アメリカの感染者は累計3046万人、死亡者は55万2076人と高い水準。しかし死亡者の週間当たり増加数は6794人で、1か月前の1万2515人を大きく下回った。またイギリスの感染者は436万人で、前週比3万3000人の増加。死亡者も12万1955人だが、増加数は334人に激減した。
死亡者数だけをみると、アメリカとブラジルに次いで多いのはメキシコで20万人を超えた。さらにインドが16万人台、イタリアが10万人台。続いてロシアとフランスが9万人台、ドイツとスペインが7万人台となっている。このうち前週より死亡者の数が増加したのは、ブラジル、イタリア、フランス、スペインだった。
日本の感染者は累計47万8487人。前週より1万4753人多かった。また死亡者は累計9207人、223人の増加だった。死亡者の数は2月初めの週間675人から減り続けていたが、約2か月ぶりに拡大に転じた。これはきわめて悪い兆候と言えるだろう。政府は大阪府などに「まん延防止措置」を発令したが、これで悪化の傾向を食い止められるかどうか。かなり心許ない。
≪2日の日経平均 =上げ +465.13円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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ワクチンの接種が進んだアメリカとイギリスは、状態が改善しつつある。アメリカの感染者は累計3046万人、死亡者は55万2076人と高い水準。しかし死亡者の週間当たり増加数は6794人で、1か月前の1万2515人を大きく下回った。またイギリスの感染者は436万人で、前週比3万3000人の増加。死亡者も12万1955人だが、増加数は334人に激減した。
死亡者数だけをみると、アメリカとブラジルに次いで多いのはメキシコで20万人を超えた。さらにインドが16万人台、イタリアが10万人台。続いてロシアとフランスが9万人台、ドイツとスペインが7万人台となっている。このうち前週より死亡者の数が増加したのは、ブラジル、イタリア、フランス、スペインだった。
日本の感染者は累計47万8487人。前週より1万4753人多かった。また死亡者は累計9207人、223人の増加だった。死亡者の数は2月初めの週間675人から減り続けていたが、約2か月ぶりに拡大に転じた。これはきわめて悪い兆候と言えるだろう。政府は大阪府などに「まん延防止措置」を発令したが、これで悪化の傾向を食い止められるかどうか。かなり心許ない。
≪2日の日経平均 =上げ +465.13円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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◇ ワクチン接種の差が株価にも = ニューヨーク市場の株価は、着実な上昇を続けている。先週はダウ平均が史上最高値を更新したほか、SP500も初めて4000ポイントに到達した。バイデン政権の積極財政政策に加えて、新型コロナの勢いが落ち着きをみせてきたこと。これで夏以降の正常化に対する期待が高まり、たとえばサプライ・マネジメント協会の景況感指数は37年ぶりの高さに回復した。こうした環境の好転で、ダウは週間80ドルの値上がり。
日経平均も先週は677円の値上がり。先々週の下げを取り戻した。ニューヨーク市場に引っ張られたが、円相場が下落して1年ぶりに110円台になったことが大きい。アメリカの金利が上昇したためで、円のじり安傾向はしばらく続きそうだ。ただ日経平均は、このところ3万円に近づくと押し戻されている。
雇用情勢も予想以上の改善をみせたことから、ニューヨーク市場は今週も強気相場となりそうだ。一方、東京市場は大阪府などに対する「まん延防止措置」の適用で、やや警戒的。コロナのリバウンド傾向が現われると、警戒感はさらに強まるに違いない。結局、ニューヨークと東京の差は、ワクチン接種の多少によると言えるのかもしれない。
今週は6日に、2月の家計調査と毎月勤労統計。7日に、2月の鉱工業生産と景気動向指数。8日に、3月の消費動向調査と景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、3月のISM非製造業景況指数。7日に、2月の貿易統計。9日に、3月の生産者物価。また中国が9日に、3月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均も先週は677円の値上がり。先々週の下げを取り戻した。ニューヨーク市場に引っ張られたが、円相場が下落して1年ぶりに110円台になったことが大きい。アメリカの金利が上昇したためで、円のじり安傾向はしばらく続きそうだ。ただ日経平均は、このところ3万円に近づくと押し戻されている。
雇用情勢も予想以上の改善をみせたことから、ニューヨーク市場は今週も強気相場となりそうだ。一方、東京市場は大阪府などに対する「まん延防止措置」の適用で、やや警戒的。コロナのリバウンド傾向が現われると、警戒感はさらに強まるに違いない。結局、ニューヨークと東京の差は、ワクチン接種の多少によると言えるのかもしれない。
今週は6日に、2月の家計調査と毎月勤労統計。7日に、2月の鉱工業生産と景気動向指数。8日に、3月の消費動向調査と景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、3月のISM非製造業景況指数。7日に、2月の貿易統計。9日に、3月の生産者物価。また中国が9日に、3月の消費者物価と生産者物価を発表する。
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 製造業プラス、非製造業マイナス = 円の対ドル相場が110円台にまで下落した。約1年ぶりの安値水準である。昨年の平均値は106円73銭だったから、それに比べると5円ほど安くなった。専門家は「そろそろ下げ止まるが、当分は安値圏で推移する」と予想している。この円安で恩恵を受けるのは主として製造業、逆に打撃を受けるのは非製造業。コロナによる業種間の格差が、円安でさらに広がりそうだ。
円安が進んだ原因は、日米間の金利差が拡大したこと。アメリカではバイデン政権による大規模な財政支出とワクチンの接種で、夏以降の景気拡大が確実視されている。このため長期金利が急上昇、先週は10年もの国債の利回りが1.75%にまで上昇した。これに対して日本の金利は、日銀ががっちり押さえ込んでいる。結果として金利差が拡大、資金がアメリカに流れたためドル高・円安になった。
円安で利益が増えるのは、自動車や機械などの輸出産業。仮に5%の円安になれば、輸出代金が5%増加する。さらに海外で得た利益を円建てに換算すれば、ここでも5%の増益になる。たとえば「トヨタは1%の円安で利益が350億円増える」というのは、有名な話。鉄鋼や電機など輸出比率の高い製造業が、その恩恵を受けやすい。
その一方、輸入に頼る業種は円安がデメリットになりやすい。たとえば食料や燃料に対する依存度が高い企業は、それだけコスト増加になる。いまコロナ不況で苦しんでいる小売り業や飲食業などは、原材料の仕入れ価格や光熱費が上昇して負担が増える。すでにコロナによる悪影響は、製造業より非製造業にずっと重くのしかかっているが、円安はその格差を一段と広げることになりそうだ。
≪5日の日経平均 = 上げ +235.25円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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円安が進んだ原因は、日米間の金利差が拡大したこと。アメリカではバイデン政権による大規模な財政支出とワクチンの接種で、夏以降の景気拡大が確実視されている。このため長期金利が急上昇、先週は10年もの国債の利回りが1.75%にまで上昇した。これに対して日本の金利は、日銀ががっちり押さえ込んでいる。結果として金利差が拡大、資金がアメリカに流れたためドル高・円安になった。
円安で利益が増えるのは、自動車や機械などの輸出産業。仮に5%の円安になれば、輸出代金が5%増加する。さらに海外で得た利益を円建てに換算すれば、ここでも5%の増益になる。たとえば「トヨタは1%の円安で利益が350億円増える」というのは、有名な話。鉄鋼や電機など輸出比率の高い製造業が、その恩恵を受けやすい。
その一方、輸入に頼る業種は円安がデメリットになりやすい。たとえば食料や燃料に対する依存度が高い企業は、それだけコスト増加になる。いまコロナ不況で苦しんでいる小売り業や飲食業などは、原材料の仕入れ価格や光熱費が上昇して負担が増える。すでにコロナによる悪影響は、製造業より非製造業にずっと重くのしかかっているが、円安はその格差を一段と広げることになりそうだ。
≪5日の日経平均 = 上げ +235.25円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 米中経済戦争のとばっちり = レアメタルの熾烈な争奪戦が始まった。まず中国政府が1月に「レアアースの管理を強化する条例」を発表、採掘から精製・輸出に至るまでを政府の管理下に置く体制を整えた。アメリカとの経済戦争を意識した措置で、これで政府はいつでも輸出を規制することが出来るようになった。これを受けてバイデン大統領は2月、レアアース供給網の強化を指示。この問題は、近く実現する日米首脳会談でも議題にのぼるようだ。
レアメタルというのは、ニッケルやコバルトなど流通量が少ない金属31種類の総称。EV(電気自動車)やハイテク製品の生産には欠かせない。レアアースはレアメタルの一部で、希土類と呼ばれる17種類。鉄などの金属に少量を混ぜるだけで、強度や磁性が増す“産業のビタミン剤”。これもEVやスマホなどの生産には不可欠だ。そしてレアアースの生産は、中国が世界の58%を占めている。
日本はレアアースを含むレアメタルのすべてを、輸入に頼っている。2010年には尖閣諸島周辺で起きた漁船衝突事件がきっかけで、中国が日本向けレアアースの輸出を制限したことがある。そこで輸入先をブラジルやオーストラリアなどに広げようとしたが、現実にはほとんど進展なし。ただ漁船の衝突事件などは一過性のものだったが、今回は米中の対立が原因で短期的に解決する問題ではない。米中両国によるアフリカや中南米での獲得競争も激化するだろう。
対策としては、レアメタルを使わない生産技術の開発。海底資源の実用化。廃棄される電子機器からの回収・再利用など、いろいろある。最近も政府は、南鳥島の海域での採掘商業化や再利用の拠点作りなど、対応策を考えているようだ。しかし、これらは何度も試みたことの繰り返し。いずれも挫折している。こんどこそは成功させないと、日本の先端工業は原材料を失うことになりかねない。政府はそれだけの危機感を持っているのだろうか。
≪6日の日経平均 = 下げ -392.62円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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レアメタルというのは、ニッケルやコバルトなど流通量が少ない金属31種類の総称。EV(電気自動車)やハイテク製品の生産には欠かせない。レアアースはレアメタルの一部で、希土類と呼ばれる17種類。鉄などの金属に少量を混ぜるだけで、強度や磁性が増す“産業のビタミン剤”。これもEVやスマホなどの生産には不可欠だ。そしてレアアースの生産は、中国が世界の58%を占めている。
日本はレアアースを含むレアメタルのすべてを、輸入に頼っている。2010年には尖閣諸島周辺で起きた漁船衝突事件がきっかけで、中国が日本向けレアアースの輸出を制限したことがある。そこで輸入先をブラジルやオーストラリアなどに広げようとしたが、現実にはほとんど進展なし。ただ漁船の衝突事件などは一過性のものだったが、今回は米中の対立が原因で短期的に解決する問題ではない。米中両国によるアフリカや中南米での獲得競争も激化するだろう。
対策としては、レアメタルを使わない生産技術の開発。海底資源の実用化。廃棄される電子機器からの回収・再利用など、いろいろある。最近も政府は、南鳥島の海域での採掘商業化や再利用の拠点作りなど、対応策を考えているようだ。しかし、これらは何度も試みたことの繰り返し。いずれも挫折している。こんどこそは成功させないと、日本の先端工業は原材料を失うことになりかねない。政府はそれだけの危機感を持っているのだろうか。
≪6日の日経平均 = 下げ -392.62円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 1京1600兆円 ← 世界の株式時価総額 = QUICK・ファクトセットの集計によると、世界の株式時価総額は3月末時点で106兆ドルに膨れ上がった。日本円に直すと1京1600兆円。京というのは、兆の1万倍。なんとも想像を絶する大きさである。時価総額というのは、発行株式数に時価を掛け合わせた数字。言い換えると、世界の上場株式をぜんぶ買うには、これだけの金額が必要になるわけだ。
さらに驚くべきことは、この1年間で時価総額が6割も増えた事実。世界中が新型コロナで苦しんだなかで、株価は想像以上に高騰したことになる。各国の中央銀行が超緩和政策を続けた結果、大量の資金が放出され、これが株式投資の資金源になったことは間違いない。市場では買いが買いを呼んで、株価が上昇を続けた。
IMF(国際通貨基金)の推計によると、世界のGDPはことし91兆ドルになる。時価総額はこれを大きく上回った。世界中の人がことし1年働いて生み出す経済的な価値より、株式の価値の方が大きい。なんとも釈然としないが、これが現実。よく「いまの株価は経済の実体と乖離している」と言われるが、それどころではない。まさにバブルの実態が、時価総額に表われていると言えるだろう。
株価の上昇は、景気にとっても大きなプラス材料であることに間違いはない。しかし株高で大儲けをしたのは、機関投資家とごく一部の個人投資家に限られる。これらの人たちとコロナ不況で苦しむ人たちの経済格差は、残念ながら広がるばかり。こうした観点からみると、時価総額の巨大化を喜んでばかりはいられない。
≪7日の日経平均 = 上げ +34.16円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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さらに驚くべきことは、この1年間で時価総額が6割も増えた事実。世界中が新型コロナで苦しんだなかで、株価は想像以上に高騰したことになる。各国の中央銀行が超緩和政策を続けた結果、大量の資金が放出され、これが株式投資の資金源になったことは間違いない。市場では買いが買いを呼んで、株価が上昇を続けた。
IMF(国際通貨基金)の推計によると、世界のGDPはことし91兆ドルになる。時価総額はこれを大きく上回った。世界中の人がことし1年働いて生み出す経済的な価値より、株式の価値の方が大きい。なんとも釈然としないが、これが現実。よく「いまの株価は経済の実体と乖離している」と言われるが、それどころではない。まさにバブルの実態が、時価総額に表われていると言えるだろう。
株価の上昇は、景気にとっても大きなプラス材料であることに間違いはない。しかし株高で大儲けをしたのは、機関投資家とごく一部の個人投資家に限られる。これらの人たちとコロナ不況で苦しむ人たちの経済格差は、残念ながら広がるばかり。こうした観点からみると、時価総額の巨大化を喜んでばかりはいられない。
≪7日の日経平均 = 上げ +34.16円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ まさかフジテレビは潰せない = フジ・メディア・ホールディングスが、放送法に違反していたことが判明した。放送法は外国人による報道機関への支配を防ぐため、外国人株主の議決権比率を20%未満とするよう定めている。フジ・メディアは12年から14年にかけて株主名簿の確認を誤り、この規定に違反していたという内容。この会社はフジテレビの親会社。放送法には、違反した場合「テレビ放送の認定を取り消さなければならない」と書いてあるから、理論的にはフジテレビの電波が止まる可能性もないではない。
だが違反したのは、ずいぶん前のこと。実害もなかったから、こんなことで天下のフジテレビを潰すわけにはいかない。普通なら社長を総務省に呼びつけて「厳重注意」するぐらいで終わるはずだ。ところが今回は、そうもいかない。つい最近、東北新社が同様の違反を犯し、経営する衛星テレビの認定が取り消されたばかり。
東北新社というのは、菅首相の長男が勤めている会社。総務省の幹部が接待されていたことが問題となり、多数の幹部が処分を受けた。業界では、東北新社の衛星放送を潰したのは「総務省の報復だ」という陰口も囁かれている。そんななかで、飛び出したフジ・メディアの事件。巨大な全国メディアだからといって軽く処理すれば「不公平」の声が高まるのは、目に見えている。
武田総務相は「事実であれば重く受け止める。調査結果を踏まえて適切に対処する」と述べたが、さてどんな決断を下すのだろう。それと、もう1つ。なぜフジ・メディアがいまになって、過去の過ちを公表したのか。その意図にも、多少の疑問が残る。この問題には、まだ隠された総務省対放送業界の何かが存在しているような気がしてならない。
≪8日の日経平均 = 下げ -21.81円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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だが違反したのは、ずいぶん前のこと。実害もなかったから、こんなことで天下のフジテレビを潰すわけにはいかない。普通なら社長を総務省に呼びつけて「厳重注意」するぐらいで終わるはずだ。ところが今回は、そうもいかない。つい最近、東北新社が同様の違反を犯し、経営する衛星テレビの認定が取り消されたばかり。
東北新社というのは、菅首相の長男が勤めている会社。総務省の幹部が接待されていたことが問題となり、多数の幹部が処分を受けた。業界では、東北新社の衛星放送を潰したのは「総務省の報復だ」という陰口も囁かれている。そんななかで、飛び出したフジ・メディアの事件。巨大な全国メディアだからといって軽く処理すれば「不公平」の声が高まるのは、目に見えている。
武田総務相は「事実であれば重く受け止める。調査結果を踏まえて適切に対処する」と述べたが、さてどんな決断を下すのだろう。それと、もう1つ。なぜフジ・メディアがいまになって、過去の過ちを公表したのか。その意図にも、多少の疑問が残る。この問題には、まだ隠された総務省対放送業界の何かが存在しているような気がしてならない。
≪8日の日経平均 = 下げ -21.81円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ オリンピックに向けた最後の勝負 = 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、増勢にやや落ち着きをみせている。感染者数は累計1億3313万人、死亡者数は288万7888人。感染者の増加数は前週より10万人増えたが、死亡者の増加数は700人減った。ブラジルやインドの増勢はなお高水準だが、ワクチン接種が進んだイギリスやアメリカの改善が貢献している。しかしアメリカでは規制の緩和とともに感染がぶり返す兆しも現れており、全く油断は出来ない。
ワクチンの接種率は9日の時点で、イギリスが56.1%、アメリカが51.7%。主要国のなかでは、この2か国が断トツに高い。そのイギリスはこの1週間で感染者が2万人の増加、死亡者は216人の増加にとどまった。アメリカも感染者は46万人、死亡者は7042人の増加。ひところに比べると激減している。しかしアメリカの場合は感染者がここへきて増え始め、コロナの再拡大が真剣に心配されている。
死亡者数だけをみると、ブラジルが34万人台。次いでメキシコが20万人台で、この2か国は医療崩壊の状態に陥っている。続いてインドが16万人台、イギリスが12万人台、イタリアが11万人台。さらにロシアが10万人台、フランスが9万人台、ドイツとスペインが8万人台に達している。このうちインドとフランスでは情勢が悪化、フランスでは全土に外出規制が実施された。
日本の感染者は累計49万7596人、この1週間で1万9109人増えた。来週は確実に50万人に達する。死亡者は9351人で、144人の増加だった。変異ウイルスが全国に広がり始め、政府は東京都などに「まん延防止措置」を適用することになった。5月11日まで実施するが、その時点でコロナが収まらず再延長したり緊急事態宣言の再発令になれば、もう時間がない。オリンピックの開催には赤い点滅信号が灯ることになる。
≪9日の日経平均 = 上げ +59.08円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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ワクチンの接種率は9日の時点で、イギリスが56.1%、アメリカが51.7%。主要国のなかでは、この2か国が断トツに高い。そのイギリスはこの1週間で感染者が2万人の増加、死亡者は216人の増加にとどまった。アメリカも感染者は46万人、死亡者は7042人の増加。ひところに比べると激減している。しかしアメリカの場合は感染者がここへきて増え始め、コロナの再拡大が真剣に心配されている。
死亡者数だけをみると、ブラジルが34万人台。次いでメキシコが20万人台で、この2か国は医療崩壊の状態に陥っている。続いてインドが16万人台、イギリスが12万人台、イタリアが11万人台。さらにロシアが10万人台、フランスが9万人台、ドイツとスペインが8万人台に達している。このうちインドとフランスでは情勢が悪化、フランスでは全土に外出規制が実施された。
日本の感染者は累計49万7596人、この1週間で1万9109人増えた。来週は確実に50万人に達する。死亡者は9351人で、144人の増加だった。変異ウイルスが全国に広がり始め、政府は東京都などに「まん延防止措置」を適用することになった。5月11日まで実施するが、その時点でコロナが収まらず再延長したり緊急事態宣言の再発令になれば、もう時間がない。オリンピックの開催には赤い点滅信号が灯ることになる。
≪9日の日経平均 = 上げ +59.08円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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◇ NYは“新型バブル”の花盛り = ダウ平均は先週647ドルの値上がり。終り値は3万3800ドル台に乗せて、またまた最高値を更新した。好調な雇用統計やISM(サプライ・マネジメント協会)の景況感調査が、明るい材料に。同時に長期金利も1.75%にまで上昇、バイデン大統領の大増税計画も発表されたが、ほとんど無視してしまう。3月には下げたハイテク株が買われ、コロナで打撃を受けた飲食・宿泊・航空関連も反騰した。ニューヨーク市場はいま、膨大な資金に支えられて崩壊しない新型バブルの恩恵を十分に楽しんでいる。
日経平均は先週86円の値下がり。週初には3万円台を回復したが、あと反落した。2月半ばに3万円を超えたが、これで4回押し戻されている。この3週間でダウ平均は1173ドル上昇したが、日経平均は24円の下落だった。日経平均も新型バブルの影響で底堅いが、やはりコロナの再燃と景気の先行き不安が株価の足を引っ張っている。
各国中央銀行によってばら撒かれた、壮大なカネ余り。株式市場で運用せざるをえないから、少々の悪材料には目をつぶる。これが新型バブルの特長で、なかなか破裂しない。この傾向はまだ続きそうだから、ニューヨーク市場の活況は持続する可能性が大きい。東京市場はコロナの勢いしだい。今週も3万円の征服は難しそうだ。
今週は12日に、3月の企業物価。14日に、2月の機械受注。アメリカでは13日に、3月の消費者物価。15日に、3月の小売り売上高と工業生産、4月のNAHB住宅市場指数。16日に、3月の住宅着工戸数、4月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、3月の貿易統計。16日に、1-3月期のGDP速報、3月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。なお16日に、ワシントンで日米首脳会談の予定。
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均は先週86円の値下がり。週初には3万円台を回復したが、あと反落した。2月半ばに3万円を超えたが、これで4回押し戻されている。この3週間でダウ平均は1173ドル上昇したが、日経平均は24円の下落だった。日経平均も新型バブルの影響で底堅いが、やはりコロナの再燃と景気の先行き不安が株価の足を引っ張っている。
各国中央銀行によってばら撒かれた、壮大なカネ余り。株式市場で運用せざるをえないから、少々の悪材料には目をつぶる。これが新型バブルの特長で、なかなか破裂しない。この傾向はまだ続きそうだから、ニューヨーク市場の活況は持続する可能性が大きい。東京市場はコロナの勢いしだい。今週も3万円の征服は難しそうだ。
今週は12日に、3月の企業物価。14日に、2月の機械受注。アメリカでは13日に、3月の消費者物価。15日に、3月の小売り売上高と工業生産、4月のNAHB住宅市場指数。16日に、3月の住宅着工戸数、4月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、3月の貿易統計。16日に、1-3月期のGDP速報、3月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。なお16日に、ワシントンで日米首脳会談の予定。
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ ここでも米中が激突するか = イエレン米財務長官が「各国の法人税率に共通した下限を設ける案」を公表した。すでにG20(主要20か国)に提案、ことし半ばの決着を目指して協議中だという。イエレン長官は「過去30年にわたって、各国は外国企業を誘致するため法人税率の引き下げ競争を演じてきた。これは改めなければいけない」と強調している。コロナ対策で財政難に陥っている各国からは賛成の声が上がっており、麻生財務相も歓迎の意を表明した。いいところに目を付けた提案だと評価できるだろう。
バイデン大統領は、今後8年で2兆ドルを投入する新インフラ投資計画。その財源として、今後15年で2兆5000億ドルの増税を実施する方針を発表した。増税の内訳は、法人税率を現行の21%から28%に引き上げる。企業の海外収益に対する課税を現行の2倍の21%に引き上げる。巨大企業へのデジタル課税を最低15%とするなど。
ここから判断すると、新設される各国共通の最低法人税率は28%ということになるだろう。日本の実効税率は現在29.74%なので、仮に最低税率が28%になれば変更の必要はない。麻生財務相としては引き上げたいかもしれないが、コロナ不況を完全に克服しなければムリだろう。当面は動かしようがない。
主要国の間では、いま巨大企業に対するデジタル課税も問題になっている。フェイスブックやグーグルなどは、拠点を置かない国でも盛んに使われている。その課税をどうするかだ。アメリカとEUでは対立しているから、これも解決しなければ法人税の問題も合意できないかもしれない。そして中国。いまの法人税率は25%だが、中国が引き上げに応じるかどうかは全く不明。もし中国が反対すると、この問題でも米中は衝突することになりかねない。
≪12日の日経平均 = 下げ -229.33円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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バイデン大統領は、今後8年で2兆ドルを投入する新インフラ投資計画。その財源として、今後15年で2兆5000億ドルの増税を実施する方針を発表した。増税の内訳は、法人税率を現行の21%から28%に引き上げる。企業の海外収益に対する課税を現行の2倍の21%に引き上げる。巨大企業へのデジタル課税を最低15%とするなど。
ここから判断すると、新設される各国共通の最低法人税率は28%ということになるだろう。日本の実効税率は現在29.74%なので、仮に最低税率が28%になれば変更の必要はない。麻生財務相としては引き上げたいかもしれないが、コロナ不況を完全に克服しなければムリだろう。当面は動かしようがない。
主要国の間では、いま巨大企業に対するデジタル課税も問題になっている。フェイスブックやグーグルなどは、拠点を置かない国でも盛んに使われている。その課税をどうするかだ。アメリカとEUでは対立しているから、これも解決しなければ法人税の問題も合意できないかもしれない。そして中国。いまの法人税率は25%だが、中国が引き上げに応じるかどうかは全く不明。もし中国が反対すると、この問題でも米中は衝突することになりかねない。
≪12日の日経平均 = 下げ -229.33円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 緊急事態宣言より軽い措置なのか? = 政府は東京・京都・沖縄の3都府県に「まん延防止等重点措置」の適用を決め、今週12日から実施した。記者会見で「効果がなければ緊急事態宣言を発令するのか」と聞かれた菅首相は「そうならないように努力する」と答えている。このやりとりを聞いていると、「緊急事態」は「まん防」より重い措置。できれば発令したくない最後の切り札だという印象を受ける。
たしかに「緊急事態」は、発令される対象が都道府県単位。これに対して「まん防」は、対象が市区町村単位だ。また「まん防」では、店舗に対して休業要請は出来ない。命令に違反した場合の過料も、「緊急事態」は30万円以下、「まん防」は20万円以下となっている。しかし「まん防」でも時間短縮の要請はできる。両者の間に、大きな相違があるとは思えない。菅首相は「コロナの勢いは想像以上に強い」と言っているのに、なぜ「緊急事態」を宣言しないのか。
次なる疑問は、専門家を集めた諮問委員会の役割。政府は対策を決定する直前に、必ず会議を招集して意見を聞いている。しかし政府の方針が、諮問委員会によって修正されたことはない。そしてテレビに出演した諮問委員会のメンバーは、その多くが「政府はもっと厳しい対策をとるべきだ」と主張している。では諮問委員会とは、いったい何なのか。国民には解らない。
もう1つ。蛇足かもしれないが、「まん延防止等重点措置」の“等”とは何なのか。政府が作る法律にはよく使われるが、何か意味があるのだろうか。これも「流行防止対策」というように、もっと解りやすくしたら、どうだろう。そうすれば、一般人も「まんぼう」とか「マンボ」とかを連想せずに済んだものを。
≪13日の日経平均 = 上げ +212.88円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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たしかに「緊急事態」は、発令される対象が都道府県単位。これに対して「まん防」は、対象が市区町村単位だ。また「まん防」では、店舗に対して休業要請は出来ない。命令に違反した場合の過料も、「緊急事態」は30万円以下、「まん防」は20万円以下となっている。しかし「まん防」でも時間短縮の要請はできる。両者の間に、大きな相違があるとは思えない。菅首相は「コロナの勢いは想像以上に強い」と言っているのに、なぜ「緊急事態」を宣言しないのか。
次なる疑問は、専門家を集めた諮問委員会の役割。政府は対策を決定する直前に、必ず会議を招集して意見を聞いている。しかし政府の方針が、諮問委員会によって修正されたことはない。そしてテレビに出演した諮問委員会のメンバーは、その多くが「政府はもっと厳しい対策をとるべきだ」と主張している。では諮問委員会とは、いったい何なのか。国民には解らない。
もう1つ。蛇足かもしれないが、「まん延防止等重点措置」の“等”とは何なのか。政府が作る法律にはよく使われるが、何か意味があるのだろうか。これも「流行防止対策」というように、もっと解りやすくしたら、どうだろう。そうすれば、一般人も「まんぼう」とか「マンボ」とかを連想せずに済んだものを。
≪13日の日経平均 = 上げ +212.88円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ アメリカ向け輸出は75%の増加 = 中国税関総署は13日、ことし1-3月期の貿易統計を発表した。それによると、輸出は7099億ドルで前年比49%の増加。輸入は5936億ドルで28%の増加だった。輸出額も輸入額も過去最大となっている。昨年1-3月期はコロナの影響で、輸出入ともに激減した。その反動だけではなく、新たな需要の増加も加わった数字だとみられている。その結果、貿易収支は1163億ドルの大幅な黒字を記録。昨年同期の約9倍に膨らんだ。
輸出品目をみると、パソコンやスマホなどの電子機器。それにマスクやワクチンなどのコロナ関連製品も大きく増加した。ワクチンの輸出額は1-2月だけで9億ドルを超えている。また衣料品や玩具など伝統的な輸出品も大きく伸びた。一方、輸入品は鉄鉱石が8割も増えるなど資源が急増。国内経済活動の回復を反映している。
注目すべきは、アメリカとの貿易状況。輸出は74.7%、輸入は69.2%と大幅に伸びた。この結果、対米貿易収支は726億ドルの黒字となっている。全体の黒字の6割以上が、アメリカとの貿易で生まれたわけだ。かつてトランプ前大統領はこの大幅な貿易不均衡を重視、中国製品に高率の輸入関税を設定した。この輸入制限は現在も継続されている。にもかかわらず、中国のアメリカ向け輸出は記録的な伸びをみせた。
トランプ氏だったら、激怒してさらに関税を引き上げたかもしれない。だがバイデン大統領は、いまのところ反応なし。バイデン政権はウイグルや香港などに関わる人権問題、あるいは台湾を巡る覇権争いについては、中国に対して強硬な態度をみせている。しかしトランプ氏があれほどこだわった貿易不均衡の問題には、音沙汰なし。これから対策を講じるのかどうか、注意しておく必要があるだろう。
≪14日の日経平均 = 下げ -130.62円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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輸出品目をみると、パソコンやスマホなどの電子機器。それにマスクやワクチンなどのコロナ関連製品も大きく増加した。ワクチンの輸出額は1-2月だけで9億ドルを超えている。また衣料品や玩具など伝統的な輸出品も大きく伸びた。一方、輸入品は鉄鉱石が8割も増えるなど資源が急増。国内経済活動の回復を反映している。
注目すべきは、アメリカとの貿易状況。輸出は74.7%、輸入は69.2%と大幅に伸びた。この結果、対米貿易収支は726億ドルの黒字となっている。全体の黒字の6割以上が、アメリカとの貿易で生まれたわけだ。かつてトランプ前大統領はこの大幅な貿易不均衡を重視、中国製品に高率の輸入関税を設定した。この輸入制限は現在も継続されている。にもかかわらず、中国のアメリカ向け輸出は記録的な伸びをみせた。
トランプ氏だったら、激怒してさらに関税を引き上げたかもしれない。だがバイデン大統領は、いまのところ反応なし。バイデン政権はウイグルや香港などに関わる人権問題、あるいは台湾を巡る覇権争いについては、中国に対して強硬な態度をみせている。しかしトランプ氏があれほどこだわった貿易不均衡の問題には、音沙汰なし。これから対策を講じるのかどうか、注意しておく必要があるだろう。
≪14日の日経平均 = 下げ -130.62円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 日経平均は3万円がカベに = 日経平均株価は2月15日、約30年ぶりに3万円の大台を回復した。ただ1週間で反落。その後も3回にわたって3万円台に乗せたが、いずれも押し戻されている。そこから先週末まででは316円安。この間、ダウ平均が2278ドルも上げているのとは対照的だ。最大の原因はワクチンの接種で、コロナ収束にメドが立ったかどうかの違い。しかし、もう1つ。日銀がETF(上場投資信託)の買い入れを停止したことも大きく響いている。
日銀がETFの買い入れを始めたのは10年12月。株価を引き上げて、景気を刺激することが目的である。現在までの買い入れ総額は約36兆円。日本で最大の株主になった。だが、この政策には大きな副作用を伴う。なんと言っても、自由な市場での公正な価格形成機能を損なうからだ。このため主要国の中央銀行は、この政策を実施していない。
買い入れ総額は20年が6兆8450億円。ことし1-3月は5210億円で、約3分の1のペースに落ちている。それが4月に入ると、買い入れを全く止めた。黒田総裁は「大きく下落した場合にだけ買う」と説明したが、たとえば4月6日や12日のように200円―300円と下げても、日銀は出動しなかった。
なぜ日銀は、ETFの買い入れを停止したのだろう。やはり副作用の大きさを無視できなくなった。株価が3万円の水準を回復したので、ほぼ目的は達成した。今後は“暴落”場面にだけ買い入れる。--いろいろ理由は取り沙汰されているが、真相は不明。コロナ不況が続いているのに、止めるのはおかしいという批判も出ている。いずれにしても、今後は日銀の助けに頼らない株式市場になりそうだ。
≪15日の日経平均 = 上げ +21.70円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日銀がETFの買い入れを始めたのは10年12月。株価を引き上げて、景気を刺激することが目的である。現在までの買い入れ総額は約36兆円。日本で最大の株主になった。だが、この政策には大きな副作用を伴う。なんと言っても、自由な市場での公正な価格形成機能を損なうからだ。このため主要国の中央銀行は、この政策を実施していない。
買い入れ総額は20年が6兆8450億円。ことし1-3月は5210億円で、約3分の1のペースに落ちている。それが4月に入ると、買い入れを全く止めた。黒田総裁は「大きく下落した場合にだけ買う」と説明したが、たとえば4月6日や12日のように200円―300円と下げても、日銀は出動しなかった。
なぜ日銀は、ETFの買い入れを停止したのだろう。やはり副作用の大きさを無視できなくなった。株価が3万円の水準を回復したので、ほぼ目的は達成した。今後は“暴落”場面にだけ買い入れる。--いろいろ理由は取り沙汰されているが、真相は不明。コロナ不況が続いているのに、止めるのはおかしいという批判も出ている。いずれにしても、今後は日銀の助けに頼らない株式市場になりそうだ。
≪15日の日経平均 = 上げ +21.70円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ コロナ vs ワクチンの暗闘 = 世界各国のワクチン接種率。NHKの集計で少なくとも1回の接種を終えた人の人口比をみると、①イスラエル61.67%②イギリス47.62%③チリ39.35%④アメリカ37.05%⑤カナダ21.35%--となっている。このうちイスラエルとイギリスでは効果が表われて、感染者や死亡者が目に見えて減ってきた。ところがチリでは日常生活の正常化を急ぎ過ぎたため、状況はむしろ悪化。アメリカでも中西部のミシガン州やミネソタ州では、ぶり返しの兆候が出始めた。コロナ・ウイルスも少し隙をみせると、変異株に化けたりして攻めたててくる。
一般に接種率が60-70%に達しないと、集団免疫は生まれないと言われている。だから、そこまではじっと我慢が必要だ。一方、接種率が低い国ではコロナの勢いは収まらない。ブラジルやメキシコ、それにインドやフランスでは、状況が悪化している。インドやブラジル、トルコなどでは、1日の感染者増加数が過去最大に。医療崩壊の状態に陥っている。
死亡者数の累計をみると、アメリカが56万4387人。ただ1週間の増加数は5200人と落ち着いてきた。次いでブラジルが36万人台、前週比では2万人以上も増えている。さらにメキシコが21万人台、インドが17万人台。イギリスが12万人台、イタリアが11万人台、ロシアが10万人台、フランスが9万人台、ドイツとスペインが7万人台となっている。
日本の感染者は累計で52万2300人。この1週間で2万4704人の増加だった。死亡者数は9559人、この1週間で208人増えた。前週より64人増加している。イギリス型の変異ウイルスが全国に広がり、この1週間で1500人以上が検知されている。なにしろ日本のワクチン接種率はまだ0.91%に過ぎない。政府は「まん防」の適用を10都府県に拡大したが、またしても手遅れの感じは否めない。
≪16日の日経平均 = 上げ +40.68円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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一般に接種率が60-70%に達しないと、集団免疫は生まれないと言われている。だから、そこまではじっと我慢が必要だ。一方、接種率が低い国ではコロナの勢いは収まらない。ブラジルやメキシコ、それにインドやフランスでは、状況が悪化している。インドやブラジル、トルコなどでは、1日の感染者増加数が過去最大に。医療崩壊の状態に陥っている。
死亡者数の累計をみると、アメリカが56万4387人。ただ1週間の増加数は5200人と落ち着いてきた。次いでブラジルが36万人台、前週比では2万人以上も増えている。さらにメキシコが21万人台、インドが17万人台。イギリスが12万人台、イタリアが11万人台、ロシアが10万人台、フランスが9万人台、ドイツとスペインが7万人台となっている。
日本の感染者は累計で52万2300人。この1週間で2万4704人の増加だった。死亡者数は9559人、この1週間で208人増えた。前週より64人増加している。イギリス型の変異ウイルスが全国に広がり、この1週間で1500人以上が検知されている。なにしろ日本のワクチン接種率はまだ0.91%に過ぎない。政府は「まん防」の適用を10都府県に拡大したが、またしても手遅れの感じは否めない。
≪16日の日経平均 = 上げ +40.68円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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◇ 分厚い3万円のカベ = 一方は利益確定売りをこなして、着実に最高値を更新中。他方は3万円のカベに阻まれて、足踏み中。ニューヨーク市場と東京市場の差が、歴然としてきた。ダウ平均は先週400ドルの値上がり。終り値は3万4200ドル台に乗せている。日経平均は先週85円の値下がり。終り値は2万9700円を割り込んだ。年初と比べると、ダウ平均は3595ドルの上昇。日経平均は2239円の上昇である。
アメリカでは先週、景気の回復を示す経済指標が次々と発表された。3月の小売り売上高は予想を大きく上回って、前月比9.8%の増加。雇用統計も改善するなかで、長期金利の上昇が止まった。コロナ・ワクチンの接種が進み、経済・社会の正常化に向けた人々の期待が膨らんでいる。企業の業績見通しも好転、株式市場には“心配事”がなくなった。
こうしたニューヨーク市場の活況をみて、東京市場では出遅れ感も強まっている。しかしワクチン接種の遅れから、コロナの再拡大が進行し始めた。これから3月期の決算発表が本格化するが、経営者の先行き見通しは慎重にならざるをえない。それに日銀がETFの買い入れを停止したことも、不安材料となっている。ニューヨークに引っ張られて株高になるかもしれないが、やはり足取りは重いだろう。
今週は19日に、3月の貿易統計。20日に、2月の第3次産業活動指数。23日に、3月の消費者物価。アメリカでは22日に、3月の中古住宅販売。23日に、3月の新築住宅販売が発表される。
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカでは先週、景気の回復を示す経済指標が次々と発表された。3月の小売り売上高は予想を大きく上回って、前月比9.8%の増加。雇用統計も改善するなかで、長期金利の上昇が止まった。コロナ・ワクチンの接種が進み、経済・社会の正常化に向けた人々の期待が膨らんでいる。企業の業績見通しも好転、株式市場には“心配事”がなくなった。
こうしたニューヨーク市場の活況をみて、東京市場では出遅れ感も強まっている。しかしワクチン接種の遅れから、コロナの再拡大が進行し始めた。これから3月期の決算発表が本格化するが、経営者の先行き見通しは慎重にならざるをえない。それに日銀がETFの買い入れを停止したことも、不安材料となっている。ニューヨークに引っ張られて株高になるかもしれないが、やはり足取りは重いだろう。
今週は19日に、3月の貿易統計。20日に、2月の第3次産業活動指数。23日に、3月の消費者物価。アメリカでは22日に、3月の中古住宅販売。23日に、3月の新築住宅販売が発表される。
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 経産省に実効ある計画が作れるのか = ワシントンで行われた日米首脳会談では、温室効果ガスの削減について「30年までに断固たる行動をとる」ことで一致した。共同声明では「日米が世界の脱炭素をリードして行く」とも明記された。驚いたのは、その後の記者会見で、菅首相が「日本としては、22-23日に開く予定の気候変動サミットまでに具体的な計画を提案する」と言明したことである。本当に、そんなことが出来るのだろうか。
アメリカはトランプ前大統領が環境問題には全く消極的で、脱炭素は進まなかった。これに対して、バイデン大統領はきわめて積極的。地球温暖化防止の国際ワク組みであるパリ協定に復帰したほか、4年で2兆ドルの対策費も計上した。だから脱炭素に向けた動きは急速に具体化するだろう。一方、日本の場合はこの10年間、対策はすべて裏目に。首脳会談で決まったからといって、すぐに計画が出来上がるとは思えない。
温暖化防止で日米両国がモタついていた間に、ヨーロッパ諸国は大きな前進を遂げた。たとえば電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は、日本が約18%。これに比べてドイツは42%、イギリスは39%、スペインでも38%となっている。EU全体としても、20年には再生エネルギーの比率が38%に達し、化石燃料の37%を上回った。こうした動きを見て、日米会談では「今後は日米がリード」という姿勢を打ち出したわけである。
温暖化ガスの排出を、実質的にゼロにする。これをカーボン・ニュートラルと言い、国連の専門家グループが「2050年までの達成が必要」と報告した。このため世界で120以上の国が同調、日本も目標とすることを宣言した。しかし、そこへ到達するまでの2030年の目標も作ろうという機運が高まり、日本も「13年比で26%削減」という目標を発表した。ところが国際的にみても数字が低すぎ、各国から非難を浴びた。だが日本は今日に至るまで、この数字を変えていない。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +2.00円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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アメリカはトランプ前大統領が環境問題には全く消極的で、脱炭素は進まなかった。これに対して、バイデン大統領はきわめて積極的。地球温暖化防止の国際ワク組みであるパリ協定に復帰したほか、4年で2兆ドルの対策費も計上した。だから脱炭素に向けた動きは急速に具体化するだろう。一方、日本の場合はこの10年間、対策はすべて裏目に。首脳会談で決まったからといって、すぐに計画が出来上がるとは思えない。
温暖化防止で日米両国がモタついていた間に、ヨーロッパ諸国は大きな前進を遂げた。たとえば電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は、日本が約18%。これに比べてドイツは42%、イギリスは39%、スペインでも38%となっている。EU全体としても、20年には再生エネルギーの比率が38%に達し、化石燃料の37%を上回った。こうした動きを見て、日米会談では「今後は日米がリード」という姿勢を打ち出したわけである。
温暖化ガスの排出を、実質的にゼロにする。これをカーボン・ニュートラルと言い、国連の専門家グループが「2050年までの達成が必要」と報告した。このため世界で120以上の国が同調、日本も目標とすることを宣言した。しかし、そこへ到達するまでの2030年の目標も作ろうという機運が高まり、日本も「13年比で26%削減」という目標を発表した。ところが国際的にみても数字が低すぎ、各国から非難を浴びた。だが日本は今日に至るまで、この数字を変えていない。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +2.00円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ エネルギー計画がない日本 = 2050年にカーボン・ニュートラル(実質的に温暖化ガスの排出をゼロ)を実現するという理想を掲げた。しかし30年も先のことだから、そこへ至るまでの中間的な目標として、2030年の姿を描き出そう。世界でこの考え方が強まったため、日米首脳会談でも「30年までに確固とした行動をとる」ことが合意された。では、日本は“30年の目標”をどのように作り上げるのだろうか。
そこで最も重要なのが、電気をどんな方法で造るかを決める電源構成だ。いま日本の電源構成は、30年度に「原子力20-22%、再生可能エネルギー22-24%、石炭26%、天然ガス27%、石油3%」という内容。6年も前の15年に作成された。だが現状は原子力が6%、再生エネルギーが18%で、この目標の達成は明かに不可能だ。にもかかわらず、政府は新しい電源構成を作れずにいる。実現できない電源構成のままということは、エネルギー計画がないと言うに等しい。
新しい電源構成を作成できないのは、責任官庁である経産省がこの10年間、失敗を繰り返したことが大きい。東日本大震災の前には54基あった原発は、災害対策を強化したため、現在は9基しか再稼働できない。太陽光発電は強制買い取り価格を高く設定しすぎて、電気料金の高騰を招く。慌てて引き下げたため、こんどは普及しなくなってしまった。それならと洋上風力発電に力を入れ出したが、これもコスト高で見通しが立たない。
こうした状態での日米共同声明。経産省は本当に実現性のある電源構成計画を作れるのだろうか。ヨーロッパ諸国の半分にも満たない再生エネルギーの比率を高めるため、たとえば‟50%”などという数字を並べることは簡単だ。しかし実効性がなければ、全く意味がない。菅首相が約束した「環境サミットまでに提案する」の内容が、全世界からも注目されているのはこのためだ。
≪20日の日経平均 = 下げ -584.99円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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そこで最も重要なのが、電気をどんな方法で造るかを決める電源構成だ。いま日本の電源構成は、30年度に「原子力20-22%、再生可能エネルギー22-24%、石炭26%、天然ガス27%、石油3%」という内容。6年も前の15年に作成された。だが現状は原子力が6%、再生エネルギーが18%で、この目標の達成は明かに不可能だ。にもかかわらず、政府は新しい電源構成を作れずにいる。実現できない電源構成のままということは、エネルギー計画がないと言うに等しい。
新しい電源構成を作成できないのは、責任官庁である経産省がこの10年間、失敗を繰り返したことが大きい。東日本大震災の前には54基あった原発は、災害対策を強化したため、現在は9基しか再稼働できない。太陽光発電は強制買い取り価格を高く設定しすぎて、電気料金の高騰を招く。慌てて引き下げたため、こんどは普及しなくなってしまった。それならと洋上風力発電に力を入れ出したが、これもコスト高で見通しが立たない。
こうした状態での日米共同声明。経産省は本当に実現性のある電源構成計画を作れるのだろうか。ヨーロッパ諸国の半分にも満たない再生エネルギーの比率を高めるため、たとえば‟50%”などという数字を並べることは簡単だ。しかし実効性がなければ、全く意味がない。菅首相が約束した「環境サミットまでに提案する」の内容が、全世界からも注目されているのはこのためだ。
≪20日の日経平均 = 下げ -584.99円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 中国向け輸出だけが大幅増加 = 財務省が発表した20年度の貿易統計には、コロナの影響がすみずみにまで現われている。輸出額は69兆4873億円で、前年度比8.4%の減少。リーマン・ショック後の09年度に次ぐ大幅な落ち込みで、世界がコロナ不況に陥ったことを如実に反映している。一方、輸入額は68兆1803億円で11.6%の減少。日本国内の需要がコロナで縮小したためだった。この結果、貿易収支は1兆3070億円の黒字となっている。
輸出を相手国別にみると、大きく伸びたのは中国だけ。輸出額は15兆8937億円で、前年度比9.6%の増加だった。アメリカ向けは12兆4416億円で16.5%の減少。EU向けも12.5%減少した。国別でもコロナの被害が大きかったイギリス、スペイン向けが大幅に減少している。いち早くコロナの制圧に成功した中国、その影響が日本の貿易面にも大きく表れた。
商品別では、自動車の減退が著しい。前年度比では19.0%の減少だった。コロナの巣ごもりでパソコンやスマホの需要が増加、そのあおりで半導体が不足し、自動車の生産が抑えられたことも響いている。一方、輸入面では原粗油が49.2%も減少した。これは世界的なコロナ不況で需要が減り価格が下がったうえ、日本国内でも経済活動が抑制されたためである。
日本の貿易動向は、今後も世界のコロナ情勢を反映することになるだろう。たとえば現時点でみる限り、アメリカとイギリスはコロナ制圧にメドが付いた。ブラジルを初めとする南米諸国やインドは、なお最悪の状態から抜け切れない。結局はワクチンの接種率が高い国への輸出が伸びそうだ。そういう視点からみると、日本の輸入はあまり伸びない?
≪21日の日経平均 = 下げ -591.83円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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輸出を相手国別にみると、大きく伸びたのは中国だけ。輸出額は15兆8937億円で、前年度比9.6%の増加だった。アメリカ向けは12兆4416億円で16.5%の減少。EU向けも12.5%減少した。国別でもコロナの被害が大きかったイギリス、スペイン向けが大幅に減少している。いち早くコロナの制圧に成功した中国、その影響が日本の貿易面にも大きく表れた。
商品別では、自動車の減退が著しい。前年度比では19.0%の減少だった。コロナの巣ごもりでパソコンやスマホの需要が増加、そのあおりで半導体が不足し、自動車の生産が抑えられたことも響いている。一方、輸入面では原粗油が49.2%も減少した。これは世界的なコロナ不況で需要が減り価格が下がったうえ、日本国内でも経済活動が抑制されたためである。
日本の貿易動向は、今後も世界のコロナ情勢を反映することになるだろう。たとえば現時点でみる限り、アメリカとイギリスはコロナ制圧にメドが付いた。ブラジルを初めとする南米諸国やインドは、なお最悪の状態から抜け切れない。結局はワクチンの接種率が高い国への輸出が伸びそうだ。そういう視点からみると、日本の輸入はあまり伸びない?
≪21日の日経平均 = 下げ -591.83円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 日銀がリポートで警告 = 日銀は20日、金融システム・リポートを発表。このなかで「大手銀行などの海外投融資先には、不適格な物件が増えている」と警告した。たとえば海外企業向けの融資は7割弱が適格と分析、つまり3割強は不適格だと指摘している。さらに資源開発などの事業融資は6割が、また航空機ファイナンスなどは7割が不適格だと断定した。有価証券投資についても低格付け債が多いと指摘しているが、その具体的な割合には触れていない。
慢性的なカネ余り状態が続くなかで、たしかにリスクの大きい投資物件が急増している。たとえば格付けがトリプルBに達しない低格付け債の発行は、ことし1-3月だけで2083億ドルに達した。また企業買収のみを目的とする特別目的買収会社、いわゆる“空箱”の上場は、これまでに累計2179億ドル。さらに金融規制が及ばないファミリー・オフィスと呼ばれる個人資産の運用会社は、時価総額が5兆9000億ドルにも及んでいる。
国内では、適切な投融資物件がなかなか見付からない。このため利回りにもつられて、こうしたリスキーな案件に手を出してしまう。つい最近もアメリカのファミリー・オフィスであるアルケゴス・キャピタル・マネジメントが破たん。野村證券や三菱UFJ証券が大きな損害を被った。こんな事件が連鎖的に生じると、金融不安が発生する可能性もないではない。
だから日銀がいま、リポートの形で警鐘を鳴らしたことはうなずける。だが、よくよく考えてみると、問題の発生源は日銀ではないのか。ゼロ金利にしたから、金融機関は本来の預金・貸出業務で儲けられなくなった。市場で国債を買い占めてしまうから、債券売買も出来なくなった。だから海外の危ない物件にも手を出さざるをえなくなった。日銀はリポートで、この問題にはいっさい触れていない。
≪22日の日経平均 = 上げ +679.62円≫
≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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慢性的なカネ余り状態が続くなかで、たしかにリスクの大きい投資物件が急増している。たとえば格付けがトリプルBに達しない低格付け債の発行は、ことし1-3月だけで2083億ドルに達した。また企業買収のみを目的とする特別目的買収会社、いわゆる“空箱”の上場は、これまでに累計2179億ドル。さらに金融規制が及ばないファミリー・オフィスと呼ばれる個人資産の運用会社は、時価総額が5兆9000億ドルにも及んでいる。
国内では、適切な投融資物件がなかなか見付からない。このため利回りにもつられて、こうしたリスキーな案件に手を出してしまう。つい最近もアメリカのファミリー・オフィスであるアルケゴス・キャピタル・マネジメントが破たん。野村證券や三菱UFJ証券が大きな損害を被った。こんな事件が連鎖的に生じると、金融不安が発生する可能性もないではない。
だから日銀がいま、リポートの形で警鐘を鳴らしたことはうなずける。だが、よくよく考えてみると、問題の発生源は日銀ではないのか。ゼロ金利にしたから、金融機関は本来の預金・貸出業務で儲けられなくなった。市場で国債を買い占めてしまうから、債券売買も出来なくなった。だから海外の危ない物件にも手を出さざるをえなくなった。日銀はリポートで、この問題にはいっさい触れていない。
≪22日の日経平均 = 上げ +679.62円≫
≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ インドは壊滅状態に = 世界の感染者数は1億4386万人、前週より557万人増加した。勢いはまだ加速している。死亡者数は305万8140人、前週より8万5000人増えた。WHO(世界保健機構)の発表によると、17日は世界で感染者が76万6000人と過去最大の増加を記録した。ブラジルが最悪の状態を続けているが、加えてインドでは完全に医療体制が崩壊。病院では酸素が供給不足になり、葬儀も出来ない地域さえ出現している。
アメリカの感染者数は累計3186万人。死亡者数は56万9405人となった。死亡者の増加数は前週比5018人で、ピーク時の4分の1に減っている。ワクチンの接種が進んだためで、政府の発表によると21日の時点で、18歳以上の52%が少なくとも1回の接種を終えた。ただ、ここへきて新たな問題も生じている。というのは、若者の接種拒否が目立ってきたこと。日本でも同様の現象が起きる可能性があるから、いまから注意しておく必要があるだろう。
ブラジルの感染者数は1412万人、死亡者数は38万1475人に達した。相変わらず医療崩壊の状態に苦しんでいる。またインドの感染者数は1594万人。23日には感染者の増加数が1日で31万人を超え、世界でも過去最大を記録した。死亡者数は18万4057人、この1週間で1万1534人増えている。両国ともに、変異ウイルスの拡大が著しい。
日本の感染者数は累計55万3751人、1週間で3万1451人増加した。死亡者数は9829人、前週より270人増えている。来週は1万人の大台を突破するだろう。政府は東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令したが、どの程度の効果を挙げられるかは不明。なにしろワクチンの接種率は、まだ1%に過ぎない。
≪23日の日経平均 = 下げ -167.54円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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アメリカの感染者数は累計3186万人。死亡者数は56万9405人となった。死亡者の増加数は前週比5018人で、ピーク時の4分の1に減っている。ワクチンの接種が進んだためで、政府の発表によると21日の時点で、18歳以上の52%が少なくとも1回の接種を終えた。ただ、ここへきて新たな問題も生じている。というのは、若者の接種拒否が目立ってきたこと。日本でも同様の現象が起きる可能性があるから、いまから注意しておく必要があるだろう。
ブラジルの感染者数は1412万人、死亡者数は38万1475人に達した。相変わらず医療崩壊の状態に苦しんでいる。またインドの感染者数は1594万人。23日には感染者の増加数が1日で31万人を超え、世界でも過去最大を記録した。死亡者数は18万4057人、この1週間で1万1534人増えている。両国ともに、変異ウイルスの拡大が著しい。
日本の感染者数は累計55万3751人、1週間で3万1451人増加した。死亡者数は9829人、前週より270人増えている。来週は1万人の大台を突破するだろう。政府は東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令したが、どの程度の効果を挙げられるかは不明。なにしろワクチンの接種率は、まだ1%に過ぎない。
≪23日の日経平均 = 下げ -167.54円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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◇ 市場のムードは明かに変化 = ダウ平均は先週157ドルの値下がり。終り値では、かろうじて3万4000ドル台をキープした。日経平均も先週は663円の値下がり。3週連続の下落となったが、こちらも終り値では2万9000円台をキープした。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が一向に収まらないことを嫌気して、世界中の株価が値下がりしている。ただ悪材料は、それだけではない。
ニューヨーク市場は、これまでバイデン大統領の積極的な財政政策を高く評価し、株価を上げてきた。ところが先週は多くのメディアが、その財源政策について具体的に報道した。法人税の引き上げ、さらに富裕税の大幅な引き上げ。株式売買益に対するキャピタル・ゲイン課税率を現行の2倍の39.6%へ。また所得100万ドル以上の富裕層に対する所得税の最高税率も37%から39.6%に引き上げるなどである。
市場はバイデン政策の暗い面にも、注目せざるをえなくなった。これでムードは変わる。加えて東京市場は、3度目の緊急事態宣言にも直面した。しかも日銀が国債の買い入れを減額、ETF(上場投資信託)の購入をほぼ停止したことも、警戒要因となっている。それでも過剰な投資資金に支えられて、株価が暴落する心配は薄い。しかし上値の追及は、きわめて困難な状況になってきた。
今週は26日に、3月の企業向けサービス価格。28日に、3月の商業動態統計と住宅着工戸数。30日に、3月の労働力調査と鉱工業生産。アメリカでは27日に、2月のFHFA住宅価格と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、1-3月期のGDP速報と3月の中古住宅販売。またEUが30日に、1-3月期のGDP速報。中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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ニューヨーク市場は、これまでバイデン大統領の積極的な財政政策を高く評価し、株価を上げてきた。ところが先週は多くのメディアが、その財源政策について具体的に報道した。法人税の引き上げ、さらに富裕税の大幅な引き上げ。株式売買益に対するキャピタル・ゲイン課税率を現行の2倍の39.6%へ。また所得100万ドル以上の富裕層に対する所得税の最高税率も37%から39.6%に引き上げるなどである。
市場はバイデン政策の暗い面にも、注目せざるをえなくなった。これでムードは変わる。加えて東京市場は、3度目の緊急事態宣言にも直面した。しかも日銀が国債の買い入れを減額、ETF(上場投資信託)の購入をほぼ停止したことも、警戒要因となっている。それでも過剰な投資資金に支えられて、株価が暴落する心配は薄い。しかし上値の追及は、きわめて困難な状況になってきた。
今週は26日に、3月の企業向けサービス価格。28日に、3月の商業動態統計と住宅着工戸数。30日に、3月の労働力調査と鉱工業生産。アメリカでは27日に、2月のFHFA住宅価格と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、1-3月期のGDP速報と3月の中古住宅販売。またEUが30日に、1-3月期のGDP速報。中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。
≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 驚くべき財政支出ラッシュ = バイデン大統領はあす28日、議会で初めての施政方針演説を行う。経済政策については、「アメリカ雇用計画」と「アメリカ家庭計画」と題した2つの財政支出政策を打ち出す予定だ。このうち「雇用計画」は8年間で2兆ドルを支出。道路・橋・鉄道などの整備やEV電源設備、半導体の供給網再建などを実施、800万人の雇用創出を目指す。また「家族計画」は数年間で1兆ドルの支出、医療や育児の支援を目的とする。
バイデン政権は、すでに総額1兆9000億ドルのコロナ対策費を成立させた。加えて、この財政支出政策。いま議会で審議中の22会計年度予算案が1兆5000億ドルであるのに比べれば、こうした追加予算の規模がいかに大きいかが判るだろう。ニューヨーク株式市場は、これまでこの超積極予算を評価して株価を上げてきた。
ところが、ここへきて財源の問題も明確になってきた。法人税を21%から28%に引き上げる。所得税の最高税率を37%から39.6%に引き上げる。年収100万ドル以上の富裕層については、株式売買利益にかかるキャピタル・ゲイン課税の税率を20%から39.6%に引き上げる。先週はこんな内容が一斉に伝えられた。
アンチ大企業・アンチ富裕層。やっぱりバイデン大統領は民主党なんだ。--ウオール街は改めて、思い知らされた形である。しかも超大型の追加予算が成立すれば、インフレになる可能性が高い。するとFRBは金融引き締め政策に転じるかもしれない。もちろん共和党は、こうしたバイデン政策に猛反対。議会で修正される可能性もないではない。ニューヨーク市場は、その望みに賭けることになってきた。
≪26日の日経平均 = 上げ +105.60円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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バイデン政権は、すでに総額1兆9000億ドルのコロナ対策費を成立させた。加えて、この財政支出政策。いま議会で審議中の22会計年度予算案が1兆5000億ドルであるのに比べれば、こうした追加予算の規模がいかに大きいかが判るだろう。ニューヨーク株式市場は、これまでこの超積極予算を評価して株価を上げてきた。
ところが、ここへきて財源の問題も明確になってきた。法人税を21%から28%に引き上げる。所得税の最高税率を37%から39.6%に引き上げる。年収100万ドル以上の富裕層については、株式売買利益にかかるキャピタル・ゲイン課税の税率を20%から39.6%に引き上げる。先週はこんな内容が一斉に伝えられた。
アンチ大企業・アンチ富裕層。やっぱりバイデン大統領は民主党なんだ。--ウオール街は改めて、思い知らされた形である。しかも超大型の追加予算が成立すれば、インフレになる可能性が高い。するとFRBは金融引き締め政策に転じるかもしれない。もちろん共和党は、こうしたバイデン政策に猛反対。議会で修正される可能性もないではない。ニューヨーク市場は、その望みに賭けることになってきた。
≪26日の日経平均 = 上げ +105.60円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 自民が全敗した原因はコロナ対策の失敗 = 自民党は25日に実施された北海道2区・長野・広島の国政選挙で全敗した。政治とカネの問題などで情勢は厳しかったが、それにしても無残な結果。菅政権のコロナ対策に、有権者が「ノー」を突き付けたことが大きかったと専門家は分析している。たしかに東京・大阪など4都府県に発令された今回の非常事態宣言についても、国民の多くが批判的だ。なぜなのか。
まず政府の行動がダラダラしていて、迅速さと真剣味に欠けること。たとえば新聞やテレビなどで「緊急事態の発令は必至」と伝えられてから、実際に発令されるまでには1週間もかかってしまう。もちろん地方自治体との調整などに時間がかかるのだろうが、国民の目には「何をぐずぐず」としか映らない。ニュージーランドのように、感染者が発生するとその日のうちに都市封鎖を断行する例もあるではないか。
さらに専門家は口を揃えて「もっと早く、もっと厳しく」と言っている。それなのに、こうした専門家の意見は無視されているようだ。政府はいつも専門家会議を開いてから政策の発動を決めているが、会議の内容は公表されない。しかも、その会議で政府の提案が修正された試しはない。国民にとっては、大きな疑問となっている。
政府は「政治的に配慮すべきことが多い」と言うかもしれない。また「リーダーシップは握っていたい」のかもしれない。だが結果的にコロナを制圧できず、中途半端な規制を繰り返していたのでは、落第ということになるだろう。今後も菅内閣が「専門家の意見を重視せず」「迅速に物事を処理できない」とすれば、自民党の敗北はまだ続くに違いない。
≪28日の日経平均 = 上げ +62.08円≫
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まず政府の行動がダラダラしていて、迅速さと真剣味に欠けること。たとえば新聞やテレビなどで「緊急事態の発令は必至」と伝えられてから、実際に発令されるまでには1週間もかかってしまう。もちろん地方自治体との調整などに時間がかかるのだろうが、国民の目には「何をぐずぐず」としか映らない。ニュージーランドのように、感染者が発生するとその日のうちに都市封鎖を断行する例もあるではないか。
さらに専門家は口を揃えて「もっと早く、もっと厳しく」と言っている。それなのに、こうした専門家の意見は無視されているようだ。政府はいつも専門家会議を開いてから政策の発動を決めているが、会議の内容は公表されない。しかも、その会議で政府の提案が修正された試しはない。国民にとっては、大きな疑問となっている。
政府は「政治的に配慮すべきことが多い」と言うかもしれない。また「リーダーシップは握っていたい」のかもしれない。だが結果的にコロナを制圧できず、中途半端な規制を繰り返していたのでは、落第ということになるだろう。今後も菅内閣が「専門家の意見を重視せず」「迅速に物事を処理できない」とすれば、自民党の敗北はまだ続くに違いない。
≪28日の日経平均 = 上げ +62.08円≫
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◇ デパート↓ 家電量販店↑ = 経済産業省は28日、20年度(昨年4月-本年3月)の商業動態統計を発表した。それによると、小売り業の総販売額は147兆8570億円。前年度比で2.8%の減少だった。この期間は日本経済がコロナに翻弄された時期。それにしては減少率が小さくて済んだ。コロナで痛めつけられた業種が多かった半面、その恩恵を受けた業種も少なくなかったからである。
業種別にみて、打撃を受けたのはデパートとコンビニ。デパートの販売額は4兆5612億円で、前年度に比べて24.5%も減少した。ほぼ4分の1の縮小である。緊急事態宣言の発令などで都心への人出が減り、休業も余儀なくされた結果だ。またコンビニは11兆5600億円の売り上げ、前年度比5.0%の減少だった。コンビニも都心部の店の売り上げが激減している。
一方、スーパー・ドラッグストア・ホームセンター・家電量販店は、逆に売り上げを伸ばしている。スーパーの販売額は15兆0700億円、前年度比2.9%の増加。ドラッグストアは7兆2342億円で3.2%の増加。ホームセンターは3兆5220億円で6.7%の増加。家電量販店は4兆9157億円で8.4%の増加だった。いずれも“巣ごもり”の影響が大きい。
この統計では、デパートとスーパーを合算した商品別の動向も表示している。それをみると、販売額が大幅に減ったのは紳士服28.1%減、婦人・子供服27.6%減、食堂・喫茶43.4%減など。増加したのは飲食料品の3.4%増だけだった。また、この統計でみると、デパートとスーパーの従業員1人当たりの売上高は3191万円で、前年度を6.0%下回った。
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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業種別にみて、打撃を受けたのはデパートとコンビニ。デパートの販売額は4兆5612億円で、前年度に比べて24.5%も減少した。ほぼ4分の1の縮小である。緊急事態宣言の発令などで都心への人出が減り、休業も余儀なくされた結果だ。またコンビニは11兆5600億円の売り上げ、前年度比5.0%の減少だった。コンビニも都心部の店の売り上げが激減している。
一方、スーパー・ドラッグストア・ホームセンター・家電量販店は、逆に売り上げを伸ばしている。スーパーの販売額は15兆0700億円、前年度比2.9%の増加。ドラッグストアは7兆2342億円で3.2%の増加。ホームセンターは3兆5220億円で6.7%の増加。家電量販店は4兆9157億円で8.4%の増加だった。いずれも“巣ごもり”の影響が大きい。
この統計では、デパートとスーパーを合算した商品別の動向も表示している。それをみると、販売額が大幅に減ったのは紳士服28.1%減、婦人・子供服27.6%減、食堂・喫茶43.4%減など。増加したのは飲食料品の3.4%増だけだった。また、この統計でみると、デパートとスーパーの従業員1人当たりの売上高は3191万円で、前年度を6.0%下回った。
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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