◇ 原発政策は順序が逆だろう = 経済産業省は28日、原子力政策に関する新しい行動計画の原案を有識者会議に提示した。その柱は①次世代原発を、廃炉となる原発の建て替えという形で建設する②運転期間の算定については安全審査などによる停止を算入せず、事実上60年を超える運転を認める--の2点。いずれも原発政策の大転換を意味するが、経産省は年末までに最終決定する方針。ウクライナ戦争が惹き起こしたエネルギー危機に便乗して、さっさと決めてしまおうという魂胆が丸見えだ。
政府は企業と家庭に対して、きょう1日から節電に協力するよう要請した。冬の電力需給が厳しいからである。いま14基の原発が地元の同意を取り付けて再稼働できる状態だが、実際には4基しか動いていない。この14基がすべて稼働すれば、冬の電力供給に心配はなくなる。したがって政府が第1になすべきことは、この14基を稼働させることだろう。
第2になすべきことは、再生エネルギーによる発電を出来る限り増加させること。現在の計画では、発電に占める再生エネルギーの比率を30年に36-38%まで引き上げることを目標にしている。この目標をさらに引き上げる。そのためには政府が先頭に立って、発電パネルの品質向上・送配電線の整備・蓄電池の開発・揚水発電の充実などに全力を傾ける必要がある。
それでも不足する分は原発に頼る。その原発を長期的にどう発展させて行くか、その計画は第3番目の仕事だろう。それをこの際、一気に決めてしまおうとするのは暴挙であり、国民の理解を得られない。安全性の問題・放射性廃棄物の処理・対テロ防御など、最重要な問題がからまってくるのだから、十分な検討期間が必要なはずだ。それを年末までに決めてしまおうとする政府の姿勢は、全く理解に苦しむ。
≪30日の日経平均 = 下げ -58.85円≫
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政府は企業と家庭に対して、きょう1日から節電に協力するよう要請した。冬の電力需給が厳しいからである。いま14基の原発が地元の同意を取り付けて再稼働できる状態だが、実際には4基しか動いていない。この14基がすべて稼働すれば、冬の電力供給に心配はなくなる。したがって政府が第1になすべきことは、この14基を稼働させることだろう。
第2になすべきことは、再生エネルギーによる発電を出来る限り増加させること。現在の計画では、発電に占める再生エネルギーの比率を30年に36-38%まで引き上げることを目標にしている。この目標をさらに引き上げる。そのためには政府が先頭に立って、発電パネルの品質向上・送配電線の整備・蓄電池の開発・揚水発電の充実などに全力を傾ける必要がある。
それでも不足する分は原発に頼る。その原発を長期的にどう発展させて行くか、その計画は第3番目の仕事だろう。それをこの際、一気に決めてしまおうとするのは暴挙であり、国民の理解を得られない。安全性の問題・放射性廃棄物の処理・対テロ防御など、最重要な問題がからまってくるのだから、十分な検討期間が必要なはずだ。それを年末までに決めてしまおうとする政府の姿勢は、全く理解に苦しむ。
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◇ 世界経済への影響は相当に大きい = ゼロ・コロナ政策に対する抗議活動で、中国全土が揺れている。一部が暴徒化したデモなどの抗議活動は、北京・上海・広州・成都・武漢など多くの主要都市に拡大。なかには「共産党の解散」「習近平主席の退陣」を求める集団さえ現れた。一党独裁・強権政治を貫いている中国としては、全く異例の事態と言ってよい。海外通信社のなかには「1989年の天安門事件の再来か」と報じたところもあった。
北京政府は各地の警備体制を強化する一方、ゼロ・コロナの規制を一部解除するなどして、事態の早期解決を図ろうとしている。だがコロナの感染者は1日4万人を超す勢いで、ゼロ・コロナ政策そのものを停止するわけにはいかない。したがって抗議活動が近日中に収まるかどうかは、いまのところ不明。反体制運動の裏に、景気の低迷で失業者が増えている事情も隠れているとすれば、解決までには日時を要するかもしれない。
ゼロ・コロナ政策の影響で、中国経済は元気がない。たとえば10月の小売り売上高は、前年の水準を下回った。このためGDP成長率も、ことしは3%台に落ち込むという見方が強い。そこへ今回のデモ事件。各都市では工場閉鎖が長引き、すでに部品や製品の出荷が出来ない状態が続いている。このため仮に抗議活動が長引くと、ことしのGDP成長率は2%台に落ち込むという予測も出始めた。
北京政府は内憂を外患にすり替えるため、たとえば台湾への攻勢を強めるかもしれないという指摘もある。だが政治的なリスクは別としても、中国の成長率が2%台にまで低下し、世界最大の‟生産工場”にひび割れを生じると、世界経済は大きなショックを受ける。製品や部品の供給が滞るし、中国向けの輸出も激減するだろう。世界経済への悪影響が予想外に大きくなる危険性は、無視することが出来ない。
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北京政府は各地の警備体制を強化する一方、ゼロ・コロナの規制を一部解除するなどして、事態の早期解決を図ろうとしている。だがコロナの感染者は1日4万人を超す勢いで、ゼロ・コロナ政策そのものを停止するわけにはいかない。したがって抗議活動が近日中に収まるかどうかは、いまのところ不明。反体制運動の裏に、景気の低迷で失業者が増えている事情も隠れているとすれば、解決までには日時を要するかもしれない。
ゼロ・コロナ政策の影響で、中国経済は元気がない。たとえば10月の小売り売上高は、前年の水準を下回った。このためGDP成長率も、ことしは3%台に落ち込むという見方が強い。そこへ今回のデモ事件。各都市では工場閉鎖が長引き、すでに部品や製品の出荷が出来ない状態が続いている。このため仮に抗議活動が長引くと、ことしのGDP成長率は2%台に落ち込むという予測も出始めた。
北京政府は内憂を外患にすり替えるため、たとえば台湾への攻勢を強めるかもしれないという指摘もある。だが政治的なリスクは別としても、中国の成長率が2%台にまで低下し、世界最大の‟生産工場”にひび割れを生じると、世界経済は大きなショックを受ける。製品や部品の供給が滞るし、中国向けの輸出も激減するだろう。世界経済への悪影響が予想外に大きくなる危険性は、無視することが出来ない。
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◇ ‟インフルエンザ並み”は時期尚早 = 世界の感染者は累計6億4667万人、この1週間で359万人増加した。この増加数は前週より75万人多い。4週連続で拡大している。死亡者は664万3831人、週間9632人の増加だった。この増加数は前週より1141人少ない。増加数が1万人を割ったのは7週間ぶり。感染者の増加傾向ははっきりしているが、死亡者はやや減少した。おそらく死亡者の減少は一時的であり、世界的にみてコロナは勢いを強めているように思われる。
国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万0444人。この1週間で1515人増加した。次いでブラジルが68万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランス・インドネシア・ドイツが15万人台となっている。大きく増えた国はないが、アメリカは108万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2494万6231人、この1週間で78万3501人増加した。この増加数は前週より14万5249人多い。7週連続で増加幅が拡大している。死亡者は5万0070人で、ついに5万人を突破した。この1週間で1162人増加した。水際対策の撤廃、旅行支援政策などを一気にやり過ぎたせいかもしれない。政府はさらにコロナを、インフルエンザ並みの感染症対策に引き下げる方針。そうなると、ワクチン接種も自費負担ということになる。
だがインフルエンザは年間平均で、感染者数が1000万人ほど。死亡者数は05年で1818人だった。1週間当たりにすると、35人程度に過ぎない。現在、コロナによる死亡者は1週間で1000人を超えている。こうした数値から考えると、コロナをインフルエンザ並みの感染症にするのは時期尚早。少なくとも1週間の死亡者数が100人を下回ったときにしてもらいたい。
≪2日の日経平均 = 下げ -448.18円≫
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国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万0444人。この1週間で1515人増加した。次いでブラジルが68万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランス・インドネシア・ドイツが15万人台となっている。大きく増えた国はないが、アメリカは108万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2494万6231人、この1週間で78万3501人増加した。この増加数は前週より14万5249人多い。7週連続で増加幅が拡大している。死亡者は5万0070人で、ついに5万人を突破した。この1週間で1162人増加した。水際対策の撤廃、旅行支援政策などを一気にやり過ぎたせいかもしれない。政府はさらにコロナを、インフルエンザ並みの感染症対策に引き下げる方針。そうなると、ワクチン接種も自費負担ということになる。
だがインフルエンザは年間平均で、感染者数が1000万人ほど。死亡者数は05年で1818人だった。1週間当たりにすると、35人程度に過ぎない。現在、コロナによる死亡者は1週間で1000人を超えている。こうした数値から考えると、コロナをインフルエンザ並みの感染症にするのは時期尚早。少なくとも1週間の死亡者数が100人を下回ったときにしてもらいたい。
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◇ 日本株は2万8000円台で売りが = ダウ平均は先週103ドルの値上がり。パウエルFRB議長が講演で「早ければ12月に利上げペースを減速する」と言明したため、30日には737ドルも急騰した。しかし、その前は議長が何をしゃべるか警戒して下げ。そのあともISM(サプライ・マネジメント協会)の景況指数が50を割ったり、雇用の強すぎる統計が発表されたりして下げ。結局は100ドルほどの上昇に落ち着いた。
日経平均は先週505円の値下がり。ニューヨークの急騰に合わせて1日だけは250円ほど上昇したが、あとはすべて下げた。7-9月期の企業業績が予想以上に好調だったこと、円相場が大きく上昇に振れたことにも、市場は動かない。ワールドカップで日本勢が大健闘したため関連銘柄には買いも入ったが、全体としては下げた。2万8000円を超えると、どうしても売りがかさむようだ。
FRBによる政策金利の引き上げ幅が、12月は0.5%になることがほぼ確定。しかし11月の雇用統計で、賃金の上昇率がいぜん高いことも判明。ここからFRBの利上げは長期化する可能性も見えてきた。市場としては、利上げが当面は減速することと将来的に長引きそうなことと、どちらを重視したらいいのか迷うに違いない。・
今週は6日に、10月の家計調査、毎月勤労統計。7日に、10月の景気動向指数。8日に、7-9月期のGDP確定値、11月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、11月のISM非製造業景況指数。6日に、10月の貿易統計。9日に、11月の生産者物価、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、11月の貿易統計。9日に、11月の消費者物価と生産者物価を発表する。
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日経平均は先週505円の値下がり。ニューヨークの急騰に合わせて1日だけは250円ほど上昇したが、あとはすべて下げた。7-9月期の企業業績が予想以上に好調だったこと、円相場が大きく上昇に振れたことにも、市場は動かない。ワールドカップで日本勢が大健闘したため関連銘柄には買いも入ったが、全体としては下げた。2万8000円を超えると、どうしても売りがかさむようだ。
FRBによる政策金利の引き上げ幅が、12月は0.5%になることがほぼ確定。しかし11月の雇用統計で、賃金の上昇率がいぜん高いことも判明。ここからFRBの利上げは長期化する可能性も見えてきた。市場としては、利上げが当面は減速することと将来的に長引きそうなことと、どちらを重視したらいいのか迷うに違いない。・
今週は6日に、10月の家計調査、毎月勤労統計。7日に、10月の景気動向指数。8日に、7-9月期のGDP確定値、11月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、11月のISM非製造業景況指数。6日に、10月の貿易統計。9日に、11月の生産者物価、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、11月の貿易統計。9日に、11月の消費者物価と生産者物価を発表する。
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◇ インフレと景気後退の併存? = アメリカのサプライ・マネジメント協会は1日、11月のISM(製造業景況指数)が49.0になったと発表した。前月より1.2ポイントの低下で、景気の下降を意味する50割れは2年半ぶりのこと。また1週間前に発表されたPMI(購買担当者景況指数)も、5か月連続で50を下回っている。これらの指数は信頼性が比較的高く、エコノミストの間では「景気後退の到来は近い」という見方が急速に広まった。
アメリカ労働省が2日に発表した11月の雇用統計。非農業雇用者数は26万3000人の増加で、民間の事前予想を上回った。特に注目されたのは、平均時給が前年比で5.1%も増加したこと。いぜんとして人手不足が厳しいことを示している。ウィズ・コロナの進展で求人数は増えたが、高齢者や学生が職を探さず求職数が増えない。企業はやむなく賃金を上げて、人探しをする。だが賃金の上昇は物価を押し上げ、インフレを長期化させる原因となる。
景況指数の低下は、景気後退の到来を示唆している。一方、雇用統計はインフレの長期化を予想させる。両者が合わさればスタグフレーション、つまりインフレと不況の同時進行ということになる。スタグフレーションは1970年代に出現した用語。インフレを退治しようとすれば、景気はさらに悪化する。景気を刺激すれば、物価はさらに上がる。政策当局としては、まことにやっかいな‟経済の難病”だ。
市場にとっても、この問題は難解だ。FRBが今月の政策決定会合で、利上げ幅を0.5%に縮小することはほぼ確実。景気後退色が強まれば、来年の早い時期には「引き締めの終了」も期待できる。だがインフレ色が弱まらなければ、FRBは小幅でも利上げを長く続ける公算が強い。そうなれば最終的な政策金利の水準は、5%を超えるかもしれない。どちらを予想するかによって、株価の見通しも大きく変わってくる。投資家にとっては、最大の問題になってきた。
≪5日の日経平均 = 上げ +42.50円≫
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アメリカ労働省が2日に発表した11月の雇用統計。非農業雇用者数は26万3000人の増加で、民間の事前予想を上回った。特に注目されたのは、平均時給が前年比で5.1%も増加したこと。いぜんとして人手不足が厳しいことを示している。ウィズ・コロナの進展で求人数は増えたが、高齢者や学生が職を探さず求職数が増えない。企業はやむなく賃金を上げて、人探しをする。だが賃金の上昇は物価を押し上げ、インフレを長期化させる原因となる。
景況指数の低下は、景気後退の到来を示唆している。一方、雇用統計はインフレの長期化を予想させる。両者が合わさればスタグフレーション、つまりインフレと不況の同時進行ということになる。スタグフレーションは1970年代に出現した用語。インフレを退治しようとすれば、景気はさらに悪化する。景気を刺激すれば、物価はさらに上がる。政策当局としては、まことにやっかいな‟経済の難病”だ。
市場にとっても、この問題は難解だ。FRBが今月の政策決定会合で、利上げ幅を0.5%に縮小することはほぼ確実。景気後退色が強まれば、来年の早い時期には「引き締めの終了」も期待できる。だがインフレ色が弱まらなければ、FRBは小幅でも利上げを長く続ける公算が強い。そうなれば最終的な政策金利の水準は、5%を超えるかもしれない。どちらを予想するかによって、株価の見通しも大きく変わってくる。投資家にとっては、最大の問題になってきた。
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◇ 裏切られた国民の期待 = 今年度の第2次補正予算が2日夜、国会を通過して成立した。総額は28兆9222億円、このうち22兆8520億円は国債を発行して賄う。22年度は当初予算が107兆5964億円、さらに第1次補正予算が2兆7009億円。これらを合計すると、なんと140兆円近くになる。コロナによる被害を救済する必要があったとしても、実に巨額の出費である。国債も大幅に増発され、財政事情はまた一段と悪化した。
第2次補正予算は、5つの部門から成り立っている。①物価高騰・賃上げへの取り組み、予算額=7兆8200億円②円安の活用=3兆4900億円③新しい資本主義=5兆4900億円④防災・減災、国土強靭化、外交、安全保障=7兆5500億円⑤予備費=4兆7400億円--という内容。岸田首相が声高に叫んでいた「新しい資本主義」が、ここでようやく予算化された。
そこで5兆円を超す「新しい資本主義」の中身をみると、人材育成のためのリスキリング(再教育)やNISA(少額投資非課税制度)の改善、重要技術の育成、脱炭素化投資の促進など、いろいろな項目が並んではいる。しかし全体として各省庁からの要求が雑然と並べられた感じ。予算も分散化してしまっている。これでは「新しい資本主義」が、なにを目指しているのか、これによって将来の日本がどう変わるのか。全く見当が付かない。
岸田首相は昨年12月に行なった所信表明演説のなかで、「新しい資本主義」について「明治維新、戦後高度成長、日本は幾多の奇跡を実現してきました。『新しい資本主義』という数世代に一度の歴史的挑戦においても、日本の底力を示そうではありませんか」と高らかに訴えた。この演説を聞いた多くの国民は、これで何かが大きく変わることを期待したはずである。それから1年たったいま、補正予算となって現われた「新しい資本主義」は、全くの期待外れとなってしまった。
(続きは明日)
≪6日の日経平均 = 上げ +65.47円≫
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第2次補正予算は、5つの部門から成り立っている。①物価高騰・賃上げへの取り組み、予算額=7兆8200億円②円安の活用=3兆4900億円③新しい資本主義=5兆4900億円④防災・減災、国土強靭化、外交、安全保障=7兆5500億円⑤予備費=4兆7400億円--という内容。岸田首相が声高に叫んでいた「新しい資本主義」が、ここでようやく予算化された。
そこで5兆円を超す「新しい資本主義」の中身をみると、人材育成のためのリスキリング(再教育)やNISA(少額投資非課税制度)の改善、重要技術の育成、脱炭素化投資の促進など、いろいろな項目が並んではいる。しかし全体として各省庁からの要求が雑然と並べられた感じ。予算も分散化してしまっている。これでは「新しい資本主義」が、なにを目指しているのか、これによって将来の日本がどう変わるのか。全く見当が付かない。
岸田首相は昨年12月に行なった所信表明演説のなかで、「新しい資本主義」について「明治維新、戦後高度成長、日本は幾多の奇跡を実現してきました。『新しい資本主義』という数世代に一度の歴史的挑戦においても、日本の底力を示そうではありませんか」と高らかに訴えた。この演説を聞いた多くの国民は、これで何かが大きく変わることを期待したはずである。それから1年たったいま、補正予算となって現われた「新しい資本主義」は、全くの期待外れとなってしまった。
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◇ 「所得倍増計画」はどこへ行った? = 岸田首相は総理大臣に就任する前、しばしば「所得倍増計画」の推進を主張していた。当時、人々は「これで世の中が変わり、収入が増えるかもしれない」と期待したものである。というのも、日本の賃金は30年間にわたってほとんど上がらない状態が続いていたからだ。しかし首相になってからは、この言葉を口にしなくなった。魅力的だった「所得倍増計画」は、どこへ消えてしまったのだろう。
「所得倍増計画」は、もともと1960年に当時の池田首相が実行に移した経済政策。1960年代の10年間に、日本の実質GNPを2倍にすることを目標にした。だが実際は約7年間で、この目標を達成してしまう。その池田首相が創設した自民党の派閥が宏池会。岸田首相は60年後のいま、その宏池会を率いている人。それだけに「所得倍増計画」の再現は、説得力もあったと言えるだろう。
60年前の「所得倍増計画」は、なぜ大成功したのだろう。戦後の復興需要は強かったが、財政的な基盤はきわめて弱い。そうしたなかで池田内閣は、限られた財政資金をまず鉄道や道路のインフラ整備に注入。次いで産業を繊維→軽工業品→鉄鋼→電機→自動車へと、しだいに付加価値の大きい業種に誘導。その輸出代金によって、日本の高度成長を実現したのである。
そこには常に「日本経済の次の段階」を見る目があった。いまの政治には、それがない。その結果、日本は半導体・太陽光パネル・蓄電池・EV・水素燃料など、多くの先端分野で世界一の座を失った。賃金は上がらず、人々は将来への希望を見失っている。その閉塞感を打破して、世の中を変える。それが「新しい資本主義」だったのではないか。140兆円もの財政資金を使いながら、それが出来ないのはなぜか。それを真剣に考えないと、岸田内閣は間もなく行き詰まる。
≪7日の日経平均 = 下げ -199.47円≫
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「所得倍増計画」は、もともと1960年に当時の池田首相が実行に移した経済政策。1960年代の10年間に、日本の実質GNPを2倍にすることを目標にした。だが実際は約7年間で、この目標を達成してしまう。その池田首相が創設した自民党の派閥が宏池会。岸田首相は60年後のいま、その宏池会を率いている人。それだけに「所得倍増計画」の再現は、説得力もあったと言えるだろう。
60年前の「所得倍増計画」は、なぜ大成功したのだろう。戦後の復興需要は強かったが、財政的な基盤はきわめて弱い。そうしたなかで池田内閣は、限られた財政資金をまず鉄道や道路のインフラ整備に注入。次いで産業を繊維→軽工業品→鉄鋼→電機→自動車へと、しだいに付加価値の大きい業種に誘導。その輸出代金によって、日本の高度成長を実現したのである。
そこには常に「日本経済の次の段階」を見る目があった。いまの政治には、それがない。その結果、日本は半導体・太陽光パネル・蓄電池・EV・水素燃料など、多くの先端分野で世界一の座を失った。賃金は上がらず、人々は将来への希望を見失っている。その閉塞感を打破して、世の中を変える。それが「新しい資本主義」だったのではないか。140兆円もの財政資金を使いながら、それが出来ないのはなぜか。それを真剣に考えないと、岸田内閣は間もなく行き詰まる。
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◇ やっぱり価格は高くなる? =ロシア産原油の輸出入取り引きを巡って、ロシアと西側諸国がツバ競り合いを演じている。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国連合は4日の閣僚級会合で「現行の日量200万バレル減産を継続する」と決定した。増産をすれば国際価格が下がってしまうし、これ以上の減産で価格が上がれば西側諸国の需要が減るかもしれない。このため現行の政策を継続する‟様子見”に出たのだと考えられている。
あくる5日、こんどはEUが「パイプライン経由以外のロシア産原油の輸入を禁止する」措置に出た。同時にEUとG7(日本を含む主要7か国)とオーストラリアは「ロシア産原油の輸入価格を最高60ドルとすること」で合意した。具体的には60ドルを超える原油を運ぶタンカーには保険をかけないよう、西側の保険会社に通達している。
いまロシアは日量490万バレルの原油を輸出している。ただ西側諸国への輸出は大幅に減っており、その分だけインド・中国・トルコへの輸出が増えている。西側の保険会社が手を引くと、こうした国へのタンカーも60ドル以上の原油は運べなくなる。ところがロシアは大胆な対抗策を打ち出しそうだ。まずタンカーを世界中から買い集め、自前の輸送手段を確保。さらに政府が支援するロシアの保険会社に保険をかけさせるという。そのうえロシアは「60ドル規制に合意した国への輸出を止めるかもしれない」と脅迫した。
この勝負、どちらに軍配が上がるのだろうか。まだ始まったばかりだから、なんとも言えない。しかしEUはいぜんとしてロシア産の天然ガスを買い続けている。また西側諸国の一部は、インドで加工されたロシア産の石油製品を購入している。一方、産油国側は価格の下落に対しては‟減産”という切り札を持っている。もちろん収入が減るので簡単には減産できないが、最後の手段となることは間違いない。原油の国際価格は、下がるより上がる可能性の方が大きいのではないか。
≪8日の日経平均 = 下げ -111.97円≫
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あくる5日、こんどはEUが「パイプライン経由以外のロシア産原油の輸入を禁止する」措置に出た。同時にEUとG7(日本を含む主要7か国)とオーストラリアは「ロシア産原油の輸入価格を最高60ドルとすること」で合意した。具体的には60ドルを超える原油を運ぶタンカーには保険をかけないよう、西側の保険会社に通達している。
いまロシアは日量490万バレルの原油を輸出している。ただ西側諸国への輸出は大幅に減っており、その分だけインド・中国・トルコへの輸出が増えている。西側の保険会社が手を引くと、こうした国へのタンカーも60ドル以上の原油は運べなくなる。ところがロシアは大胆な対抗策を打ち出しそうだ。まずタンカーを世界中から買い集め、自前の輸送手段を確保。さらに政府が支援するロシアの保険会社に保険をかけさせるという。そのうえロシアは「60ドル規制に合意した国への輸出を止めるかもしれない」と脅迫した。
この勝負、どちらに軍配が上がるのだろうか。まだ始まったばかりだから、なんとも言えない。しかしEUはいぜんとしてロシア産の天然ガスを買い続けている。また西側諸国の一部は、インドで加工されたロシア産の石油製品を購入している。一方、産油国側は価格の下落に対しては‟減産”という切り札を持っている。もちろん収入が減るので簡単には減産できないが、最後の手段となることは間違いない。原油の国際価格は、下がるより上がる可能性の方が大きいのではないか。
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◇ 中国の規制緩和は壮大な実験 = 世界の感染者は累計6億5029万人、この1週間で362万人増加した。この増加数は前週より3万人多く、10月下旬以来の水準。死亡者は665万5908人で、週間1万2877人の増加だった。この増加数は前週より3245人多い。感染者も死亡者も、明白に増加の傾向にある。規制を完全に解除した国が増え、北半球が冬に入ったためだろう。
国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万3362人。この1週間で2918人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランスとインドネシアが16万人台、ドイツが15万人台となっている。特に大きく増加した国はないが、ブラジルが69万人台、フランスとインドネシアがともに16万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2572万3242人、この1週間で77万7011人増加した。前週より4万3510人多く、8週連続で増加数は拡大している。死亡者は5万1350人、この1週間で1280人増加した。増加数は6週連続で拡大している。規制がほぼ解除されたことに加え、旅行支援も始まった結果だろう。年末年始に増加傾向が加速しないか、心配である。
中国政府は6日、ゼロ・コロナ政策を半分ほど解除すると発表した。国内旅行はほぼ自由化、商業施設への入場も陰性証明が不要になる。ゼロ・コロナ政策への抗議運動を鎮静するためだ。しかし中国製のワクチンは、オミクロンに効かないという。そうしたなかで中途半端な規制解除に踏み切った結果、どんなことになるのか。コロナは一定のピークに達して弱まるのか、それとも急激に悪化するのか。壮大な実験だと思う。
≪9日の日経平均 = 上げ +326.58円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】
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国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万3362人。この1週間で2918人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランスとインドネシアが16万人台、ドイツが15万人台となっている。特に大きく増加した国はないが、ブラジルが69万人台、フランスとインドネシアがともに16万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2572万3242人、この1週間で77万7011人増加した。前週より4万3510人多く、8週連続で増加数は拡大している。死亡者は5万1350人、この1週間で1280人増加した。増加数は6週連続で拡大している。規制がほぼ解除されたことに加え、旅行支援も始まった結果だろう。年末年始に増加傾向が加速しないか、心配である。
中国政府は6日、ゼロ・コロナ政策を半分ほど解除すると発表した。国内旅行はほぼ自由化、商業施設への入場も陰性証明が不要になる。ゼロ・コロナ政策への抗議運動を鎮静するためだ。しかし中国製のワクチンは、オミクロンに効かないという。そうしたなかで中途半端な規制解除に踏み切った結果、どんなことになるのか。コロナは一定のピークに達して弱まるのか、それとも急激に悪化するのか。壮大な実験だと思う。
≪9日の日経平均 = 上げ +326.58円≫
【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】
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◇ 業績予想の下方修正が重荷 = ダウ平均は先週953ドルの値下がり。終り値は3万3500ドルを割り込んだ。週初はISMが発表した非製造業の景況指数が予想外に堅調で、金融引き締めが長引くという観測が強まり、株価は下げた。さらに後半になると、企業業績の予想が下方修正されたことを嫌気している。堅調な経済指標が引き締めを長引かせるから株は売り、というパターンはいつも通り。だが業績の悪化が株価下落の要因となるのは、新しい現象だ。
日経平均は先週123円の値上がり。終り値は2万7900円台を確保した。ニューヨークが下げても、株価は堅調に推移。やはり東京市場の出遅れ感が強く、2万7000円台なら買い物が出てくる。コロナ規制の解除で景気が上向くという期待に加えて、過剰な円安が修正されたことも、株式市場に安心感をもたらしているようだ。特に海外投資家による物色買いが増えている。
FRBは今週14日に、0.5%の利上げを発表する予定。市場はすでに織り込み済みで、関心は来年1月には利上げ幅が0.25%に圧縮されるかどうかに移るだろう。同時にニューヨーク市場では、いっそう企業の業績に注目が集まりそうだ。ニューヨークの株価は反発に転じるかもしれないが、仮に軟調が続くようだと、日本株に食指を伸ばす投資家が増える可能性が生まれる。
今週は12日に、11月の企業物価、10-12月期の法人企業景気予測調査。14日に、12月の日銀短観、10月の機械受注。15日に、11月の貿易統計、10月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、11月の消費者物価。15日に、11月の小売り売上高、工業生産。また中国が15日に、工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお14日には、パウエルFRB議長が会見する予定。
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日経平均は先週123円の値上がり。終り値は2万7900円台を確保した。ニューヨークが下げても、株価は堅調に推移。やはり東京市場の出遅れ感が強く、2万7000円台なら買い物が出てくる。コロナ規制の解除で景気が上向くという期待に加えて、過剰な円安が修正されたことも、株式市場に安心感をもたらしているようだ。特に海外投資家による物色買いが増えている。
FRBは今週14日に、0.5%の利上げを発表する予定。市場はすでに織り込み済みで、関心は来年1月には利上げ幅が0.25%に圧縮されるかどうかに移るだろう。同時にニューヨーク市場では、いっそう企業の業績に注目が集まりそうだ。ニューヨークの株価は反発に転じるかもしれないが、仮に軟調が続くようだと、日本株に食指を伸ばす投資家が増える可能性が生まれる。
今週は12日に、11月の企業物価、10-12月期の法人企業景気予測調査。14日に、12月の日銀短観、10月の機械受注。15日に、11月の貿易統計、10月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、11月の消費者物価。15日に、11月の小売り売上高、工業生産。また中国が15日に、工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお14日には、パウエルFRB議長が会見する予定。
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◇ 不確実性を積み上げて審査 = 大手電力5社が家庭向け電気料金の値上げを申請した。値上げを申請したのは、東北・北陸・中国・四国・沖縄の電力5社。申請した値上げ率は最大が北陸電力の42.7%、最小が四国電力の27.9%となっている。経済産業省は専門部会を開いて審査、来年4月には値上げが実現する。ただ、この電力値上げ問題は多くの面で複雑、ある意味では怪奇な側面も少なくない。
まず複雑なのが、家庭向け電気料金の内訳。①使用しなくてもかかる基本料金②使用量に連動する電力量料金③燃料代に連動する燃料費調整額④再生エネルギー賦課金の4項目から成り立っている。今回、電力5社は燃料調整額の大幅引き上げのほか、基本料金、電力量料金についても値上げを申請した。
値上げの理由は、主として燃料費の高騰。ウクライナ戦争と円安の影響で、輸入する原油・石炭・天然ガスなどが暴騰、火力発電のコストが急激に上昇した。このため大手電力10社の経営は悪化、たとえば4-9月期の最終損益は合計5500億円の赤字となっている。したがって値上げはやむを得ないが、どの程度の値上げが適切かを、専門部会が審査することになる。
専門部会が最も重視するのは、燃料の輸入価格がどうなるかだろう。だが世界不況が到来するかもしれないという警戒感から、原油や石炭はここへきて値下がりした。しかし天然ガスはロシア産の供給不安で、価格は下がらない。またアメリカの景気後退不安でドルが下がり、円は目立って上昇した。ただ、いずれも不安定で、来年どうなるかは誰にも判らない。そんな不確実な推測を基に、電気料金の値上げ幅が決まる。なにやら気味が悪い。
(続きは明日)
≪12日の日経平均= 下げ -58.68円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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まず複雑なのが、家庭向け電気料金の内訳。①使用しなくてもかかる基本料金②使用量に連動する電力量料金③燃料代に連動する燃料費調整額④再生エネルギー賦課金の4項目から成り立っている。今回、電力5社は燃料調整額の大幅引き上げのほか、基本料金、電力量料金についても値上げを申請した。
値上げの理由は、主として燃料費の高騰。ウクライナ戦争と円安の影響で、輸入する原油・石炭・天然ガスなどが暴騰、火力発電のコストが急激に上昇した。このため大手電力10社の経営は悪化、たとえば4-9月期の最終損益は合計5500億円の赤字となっている。したがって値上げはやむを得ないが、どの程度の値上げが適切かを、専門部会が審査することになる。
専門部会が最も重視するのは、燃料の輸入価格がどうなるかだろう。だが世界不況が到来するかもしれないという警戒感から、原油や石炭はここへきて値下がりした。しかし天然ガスはロシア産の供給不安で、価格は下がらない。またアメリカの景気後退不安でドルが下がり、円は目立って上昇した。ただ、いずれも不安定で、来年どうなるかは誰にも判らない。そんな不確実な推測を基に、電気料金の値上げ幅が決まる。なにやら気味が悪い。
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◇ なぜか申請を遅らせている残り5社 = 中国・中部・九州の3電力会社は企業向けの電力供給でカルテルを結び、公正取引委員会から総額1000億円の課徴金を言い渡されたばかり。このうち推定700億円の課徴金を収めることになった中国電力も、値上げを申請している。ところが松野官房長官は「課徴金は燃料費とは関係がないから、値上げの審査には影響しない」と言明。しかし結果として、課徴金は値上げ分から支払われるのではないか。どうもおかしい気がする。
北海道・東京・中部・関西・九州の5社も4月から値上げする予定だが、まだ申請はしていない。必要な書類の作成が遅れているのか、それとも様子を窺っているのか。経産省の審議会はすでに東北電力など5社についての審査を始めているが、途中で後続5社の審査もするのだろうか。10社の経営状態を横並べにしてみないと、適切な値上げ幅を探りにくいのではないか。
加えて政府の補助金が、問題をいっそう複雑にしている。政府は来年1月から電力会社に補助金を出して、値上げ分の2割程度を補填する方針。したがって家庭の電気料金は、来年1-3月は2割ほど安くなる。しかし仮に4月から30%の値上げが実施されると、4月以降は10%高くなる。さらに政府の補助金は来年10月以降1割程度に引き下げられるので、その時点で電気料金はまた値上がりする。とにかく来年の電気料金は、ややこしい。
ウクライナ戦争の影響で燃料の輸入代金が高騰したのだから、電気料金が値上がりすることはやむを得ない。しかし、その過程はまとこに複雑怪奇だ。同時に心配なのは、こんな状態がいつまで続くかということ。長続きしたとき、持ち応えられるのかどうか。政府が長期的な対策を進めていないことが、最も‟怪奇”なのかもしれない。
≪13日の日経平均 = 上げ +112.52円≫
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北海道・東京・中部・関西・九州の5社も4月から値上げする予定だが、まだ申請はしていない。必要な書類の作成が遅れているのか、それとも様子を窺っているのか。経産省の審議会はすでに東北電力など5社についての審査を始めているが、途中で後続5社の審査もするのだろうか。10社の経営状態を横並べにしてみないと、適切な値上げ幅を探りにくいのではないか。
加えて政府の補助金が、問題をいっそう複雑にしている。政府は来年1月から電力会社に補助金を出して、値上げ分の2割程度を補填する方針。したがって家庭の電気料金は、来年1-3月は2割ほど安くなる。しかし仮に4月から30%の値上げが実施されると、4月以降は10%高くなる。さらに政府の補助金は来年10月以降1割程度に引き下げられるので、その時点で電気料金はまた値上がりする。とにかく来年の電気料金は、ややこしい。
ウクライナ戦争の影響で燃料の輸入代金が高騰したのだから、電気料金が値上がりすることはやむを得ない。しかし、その過程はまとこに複雑怪奇だ。同時に心配なのは、こんな状態がいつまで続くかということ。長続きしたとき、持ち応えられるのかどうか。政府が長期的な対策を進めていないことが、最も‟怪奇”なのかもしれない。
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◇ 全産業が3か月後は業況悪化を予想 = 日銀は14日、12月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス7で、3か月前の調査より1ポイント低下した。主たる原因は原材料価格の高騰。4四半期連続の悪化となった。一方、大企業・非製造業の判断指数はプラス19、前回より5ポイント改善している。コロナによる行動規制の解除が、業況判断の改善につながった。
この調査は、日銀が3か月ごとに実施している。業況判断指数は「業況がよくなった」と回答した割合から「悪くなった」と回答した割合を差し引いた数字。今回は9235社から回答があった。中小企業・製造業はマイナス2で、2ポイントの改善。中小企業・非製造業はプラス6で、4ポイントの改善となっている。このように現状の業況判断は、それほど悪くはない。
ところが3か月後の先行き予想になると、状況は一変する。大企業・製造業はプラス6で、1ポイントの悪化。大企業・非製造業はプラス11で、8ポイントの大幅な悪化。また中小企業・製造業はマイナス6で、3ポイントの悪化。中小企業・非製造業はマイナス1で、7ポイントの大幅な悪化。つまり来年3月の業況は、全産業が悪化を見込んでいるわけだ。
製造業の場合は、世界経済の低迷を警戒する。アメリカやヨーロッパ諸国は、金融引き締めの効果が表われて景気は下降局面に。中国もコロナ騒ぎで不調が続く。一方、非製造業の場合は物価高が続いて消費が伸び悩む。コロナに関する規制解除は進んでも、コロナ前の状態にはなかなか戻らない。企業はそういう事態を見越して、先行きを厳しくみている。短観からは、そんな企業の心理状態が見て取れる。
≪14日の日経平均 = 上げ +201.36円≫
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この調査は、日銀が3か月ごとに実施している。業況判断指数は「業況がよくなった」と回答した割合から「悪くなった」と回答した割合を差し引いた数字。今回は9235社から回答があった。中小企業・製造業はマイナス2で、2ポイントの改善。中小企業・非製造業はプラス6で、4ポイントの改善となっている。このように現状の業況判断は、それほど悪くはない。
ところが3か月後の先行き予想になると、状況は一変する。大企業・製造業はプラス6で、1ポイントの悪化。大企業・非製造業はプラス11で、8ポイントの大幅な悪化。また中小企業・製造業はマイナス6で、3ポイントの悪化。中小企業・非製造業はマイナス1で、7ポイントの大幅な悪化。つまり来年3月の業況は、全産業が悪化を見込んでいるわけだ。
製造業の場合は、世界経済の低迷を警戒する。アメリカやヨーロッパ諸国は、金融引き締めの効果が表われて景気は下降局面に。中国もコロナ騒ぎで不調が続く。一方、非製造業の場合は物価高が続いて消費が伸び悩む。コロナに関する規制解除は進んでも、コロナ前の状態にはなかなか戻らない。企業はそういう事態を見越して、先行きを厳しくみている。短観からは、そんな企業の心理状態が見て取れる。
≪14日の日経平均 = 上げ +201.36円≫
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◇ 石油・石炭の値下がりで一息ついたが = 日銀は12日、11月の企業物価を発表した。それによると、20年平均を100とした物価指数は118.5。前年比では9.3%の上昇だった。21か月連続で上昇している。このうち輸入物価は契約通貨ベースで8.6%の上昇、円ベースでは28.2%の上昇だった。まだ円安による輸入物価の押し上げが続いている。
品目別にみると、最も大きく値上がりしたのは電力・都市ガス・水道の49.7%上昇。次いで鉱産物が32.9%、鉄鋼が20.9%、紙・パルプが10.8%の上昇。飲食料品は7.2%の上昇だった。516品目中、438品目が上昇している。ただ、ここで注目されるのは石炭・石油製品の価格。前年比でわずか0.5%の上昇にとどまっている。この傾向が持続すれば、物価全体の上昇に歯止めがかかる。
企業物価の上昇が、いちばん激しかったのは9月。前年比で10.3%上昇した。それに比べれば、11月はちょうど1ポイント上昇率が縮小したことになる。ところが品目別に比べてみると、鉄鋼以外はみな11月の方が大きく上昇している。たとえば電力・都市ガス・水道の9月の上昇率は38.8%で、11月を下回っていた。飲食料品も、9月は6.4%の上昇だった。にもかかわらず11月の指数が9月を下回ったのは、石油・石炭製品の価格がほぼ横ばいとなったことが大きい。
エネルギーの国際価格は、ロシア産の供給に不安のある天然ガスが強含み。しかし原油や石炭は目立って下げた。それに加えて円相場が円高に振れたため、日本が輸入する石油・石炭製品も上げ止まったことになる。エネルギーの面からみる限り、これで一息つけたという感じが強い。ただ原油や石炭の国際価格が値下がりしたのは、世界経済に不況の影が忍び寄ったため。そういう意味では、喜んでばかりはいられない。
≪15日の日経平均 = 下げ -104.51円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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品目別にみると、最も大きく値上がりしたのは電力・都市ガス・水道の49.7%上昇。次いで鉱産物が32.9%、鉄鋼が20.9%、紙・パルプが10.8%の上昇。飲食料品は7.2%の上昇だった。516品目中、438品目が上昇している。ただ、ここで注目されるのは石炭・石油製品の価格。前年比でわずか0.5%の上昇にとどまっている。この傾向が持続すれば、物価全体の上昇に歯止めがかかる。
企業物価の上昇が、いちばん激しかったのは9月。前年比で10.3%上昇した。それに比べれば、11月はちょうど1ポイント上昇率が縮小したことになる。ところが品目別に比べてみると、鉄鋼以外はみな11月の方が大きく上昇している。たとえば電力・都市ガス・水道の9月の上昇率は38.8%で、11月を下回っていた。飲食料品も、9月は6.4%の上昇だった。にもかかわらず11月の指数が9月を下回ったのは、石油・石炭製品の価格がほぼ横ばいとなったことが大きい。
エネルギーの国際価格は、ロシア産の供給に不安のある天然ガスが強含み。しかし原油や石炭は目立って下げた。それに加えて円相場が円高に振れたため、日本が輸入する石油・石炭製品も上げ止まったことになる。エネルギーの面からみる限り、これで一息つけたという感じが強い。ただ原油や石炭の国際価格が値下がりしたのは、世界経済に不況の影が忍び寄ったため。そういう意味では、喜んでばかりはいられない。
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◇ 中国が無症状感染者の集計を取り止め = 世界の感染者は累計6億5416万人、この1週間で387万人増加した。この増加数は前週より25万人多い。死亡者は666万8400人で、週間1万2492人の増加だった。この増加数は前週より405人少ない。感染者は微増、死亡者は微減したが、全体としてコロナの勢いはやや強まっている。こうしたなかで日本の状態だけが明白に悪化。また中国が無症状感染者の集計を取り止めた。
国別の死亡者数をみると、アメリカが累計108万6199人。この1週間で2837人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランスとインドネシアが16万人台、ドイツが15万人台となっている。ヨーロッパ大陸諸国でやや増加したが、全体として大きな変化はない。
日本の感染者は累計2670万3839人、この1週間で98万0597人増加した。この増加数は前週より20万3586人多い。9週連続で増加数が拡大している。死亡者は5万2879人、この1週間で1529人増加した。この増加数は前週より249人多い。増加数の拡大は7週連続。世界中でこのように状態が悪化しているのは日本だけ。政府はコロナの扱いをインフルエンザ並みに格下げしようとしているが、死亡者が週間で1500人も出ているようでは、とても無理だと言わざるをえない。
ゼロ・コロナ政策の修正に走っている中国政府は14日、全国民に対する検査を停止、無症状感染者の集計も取り止めると発表した。この結果、感染者の増加数は全国で7700人に減ったが、北京市だけで発熱患者が2万2000人に達したという不可解な現象も現れている。一般市民はむしろ感染を恐れて外出しない。このためゼロ・コロナ政策を修正しても、経済活動が回復しないという状況に追い込まれている。
≪16日の日経平均 = 下げ -524.58円≫
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国別の死亡者数をみると、アメリカが累計108万6199人。この1週間で2837人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランスとインドネシアが16万人台、ドイツが15万人台となっている。ヨーロッパ大陸諸国でやや増加したが、全体として大きな変化はない。
日本の感染者は累計2670万3839人、この1週間で98万0597人増加した。この増加数は前週より20万3586人多い。9週連続で増加数が拡大している。死亡者は5万2879人、この1週間で1529人増加した。この増加数は前週より249人多い。増加数の拡大は7週連続。世界中でこのように状態が悪化しているのは日本だけ。政府はコロナの扱いをインフルエンザ並みに格下げしようとしているが、死亡者が週間で1500人も出ているようでは、とても無理だと言わざるをえない。
ゼロ・コロナ政策の修正に走っている中国政府は14日、全国民に対する検査を停止、無症状感染者の集計も取り止めると発表した。この結果、感染者の増加数は全国で7700人に減ったが、北京市だけで発熱患者が2万2000人に達したという不可解な現象も現れている。一般市民はむしろ感染を恐れて外出しない。このためゼロ・コロナ政策を修正しても、経済活動が回復しないという状況に追い込まれている。
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◇ 3つの数字に翻弄された株価 = ダウ平均は先週556ドルの値下がり。終り値は3万3000ドルを割り込んだ。週初は11月の消費者物価が上げ率を7.1%に縮小したため上昇。週央はFRBが0.5%の利上げを発表。この上げ幅は織り込み済みだったが、23年末の政策金利が5.1%まで上がるという見通しが出て下落。さらに週末は11月の小売り売上高が前月比マイナス0.6%。景気後退の恐れが一挙に増大して下げている。
日経平均は先週374円の値下がり。終り値は2万8000円を割り込んだ。だがニューヨーク市場に比べると、下げ方は小さい。前週もニューヨークが下落したのに、日経平均は上げている。なぜなのか。出遅れ株への物色もあるようだが、外国人投資家は手を引いている。早くもクリスマス休暇のムードに入ったのか。それとも日本株に対する見方に、変化を生じたのか。
ニューヨーク市場は利上げと小売りの軟調が重なり、景気後退への警戒感が拡大した。まだカネ余り状態は続いているから、今週は反発する可能性もある。しかし景気後退への警戒感が続くと、株価は下降局面に入るかもしれない。年末商戦の行く方、企業業績の見通しなど、関心は実体経済の指標に集中するだろう。
今週は21日に、11月の訪日外国人客数。23日に、11月の消費者物価。アメリカでは19日に、12月のNAHB住宅市場指数。20日に、11月の住宅着工戸数。21日に、11月の中古住宅販売、12月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。22日に、7-9月期のGDP確定値。23日に、11月の新築住宅販売が発表される。
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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日経平均は先週374円の値下がり。終り値は2万8000円を割り込んだ。だがニューヨーク市場に比べると、下げ方は小さい。前週もニューヨークが下落したのに、日経平均は上げている。なぜなのか。出遅れ株への物色もあるようだが、外国人投資家は手を引いている。早くもクリスマス休暇のムードに入ったのか。それとも日本株に対する見方に、変化を生じたのか。
ニューヨーク市場は利上げと小売りの軟調が重なり、景気後退への警戒感が拡大した。まだカネ余り状態は続いているから、今週は反発する可能性もある。しかし景気後退への警戒感が続くと、株価は下降局面に入るかもしれない。年末商戦の行く方、企業業績の見通しなど、関心は実体経済の指標に集中するだろう。
今週は21日に、11月の訪日外国人客数。23日に、11月の消費者物価。アメリカでは19日に、12月のNAHB住宅市場指数。20日に、11月の住宅着工戸数。21日に、11月の中古住宅販売、12月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。22日に、7-9月期のGDP確定値。23日に、11月の新築住宅販売が発表される。
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◇ 投資家の行動も様変わり = ニューヨーク株式市場の空気が一変した。FRBは先週14日、政策金利の0.5%引き上げを決定。同時に、23年末の政策金利が5.1%になるという見通しも公表した。これで23年中に利下げが始まるという公算はほぼ消滅、アメリカは景気後退に入る――と、多くの市場関係者が懸念した。その結果、一部の投資家たちは「景気後退に備えるための行動」をとり始めている。
パウエルFRB議長は、利上げ発表後の記者会見で「23年中に利下げを実施できる可能性はない」とバッサリ。また「景気後退になるかどうかは判らない。仮になったとしても、その深さがどのくらいになるかは判らない」と発言。さらに「23年末の金利予想を再び引き上げないという自信はない」とまで言い切った。これで市場関係者の景気後退に関する懸念は、一気に確信に変わっている。
これまで市場は「実体経済が悪化すれば、FRBの金融引き締めテンポは緩和される。だから株式は買い」という、やや奇妙な論理を貫いてきた。これは景気後退を‟遠くの幻影”としか考えていなかったからである。しかし現実に景気後退の影が目に見えてくると、そうは言っていられない。これからは実体経済を映す経済指標を注視、素直に反応して行く必要に迫られた。
その経済指標は、これから悪い結果が出てくる可能性が高い。すでに工業生産が2か月連続で減少、小売り高も11月は前月を下回った。各種の景況感指数も低下している。だとすれば、株式一辺倒の資産運用は危ない。投資先は安全性の高い国債などに分散することを考えよう――投資家の行動に変化が現われ、市場のムードは一変した。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 下げ -289.48円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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パウエルFRB議長は、利上げ発表後の記者会見で「23年中に利下げを実施できる可能性はない」とバッサリ。また「景気後退になるかどうかは判らない。仮になったとしても、その深さがどのくらいになるかは判らない」と発言。さらに「23年末の金利予想を再び引き上げないという自信はない」とまで言い切った。これで市場関係者の景気後退に関する懸念は、一気に確信に変わっている。
これまで市場は「実体経済が悪化すれば、FRBの金融引き締めテンポは緩和される。だから株式は買い」という、やや奇妙な論理を貫いてきた。これは景気後退を‟遠くの幻影”としか考えていなかったからである。しかし現実に景気後退の影が目に見えてくると、そうは言っていられない。これからは実体経済を映す経済指標を注視、素直に反応して行く必要に迫られた。
その経済指標は、これから悪い結果が出てくる可能性が高い。すでに工業生産が2か月連続で減少、小売り高も11月は前月を下回った。各種の景況感指数も低下している。だとすれば、株式一辺倒の資産運用は危ない。投資先は安全性の高い国債などに分散することを考えよう――投資家の行動に変化が現われ、市場のムードは一変した。
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≪19日の日経平均 = 下げ -289.48円≫
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◇ 危険なのは低格付け債券への投資増加 = 株式市場では、投資する銘柄の厳しい選別が始まった。景気動向との関連性が高いハイテクや商業、金融が売られ、関連性が低い公益事業やヘルスケアなどの銘柄が買われる。もちろん株価が十分に下がれば、ハイテクや商業も買い直されるだろう。しかし傾向的には、こうした選別が当分は続くに違いない。
資金は安全性を求めて、株式市場から債券市場へと移動する。特に国債市場には資金が流入、価格が上昇して金利が低下した。たとえば10年国債の利回りは、一時の4.2%台から3.4%台へ下落。このため日米間の金利差が縮小して、円の対ドル相場も上昇した。またアメリカでは優良債券も買われ、その利回りも同様に低下している。
MMF市場にも、大量の資金が流入した。MMFというのは、短期国債や格付けの高いコマーシャル・ペーパーを中心に運用する投資信託の一種。7月以降の流入額は2570億ドルに達したと推定され、利回りは3.5%程度に上昇している。この金利に惹かれた投資も多いが、MMFはすぐに現金化できるため次の投資先を探す間の‟待合所”的な感じも濃い。
問題なのは、低格付け債券にも資金が流れ始めたこと。もともとリスクが高いために、金利を高くしなければ売れない。最近は周囲の金利が上昇したため、いっそう高い金利を付けるようになった。現在の利回りは平均9%、なかには15%のものもあるという。この高い金利に釣られて、一部の投資家が手を出す。ただリーマン・ショックの経験から、金融機関については買い入れが厳しく規制されてはいる。
≪20日の日経平均 = 下げ -669.61円≫
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資金は安全性を求めて、株式市場から債券市場へと移動する。特に国債市場には資金が流入、価格が上昇して金利が低下した。たとえば10年国債の利回りは、一時の4.2%台から3.4%台へ下落。このため日米間の金利差が縮小して、円の対ドル相場も上昇した。またアメリカでは優良債券も買われ、その利回りも同様に低下している。
MMF市場にも、大量の資金が流入した。MMFというのは、短期国債や格付けの高いコマーシャル・ペーパーを中心に運用する投資信託の一種。7月以降の流入額は2570億ドルに達したと推定され、利回りは3.5%程度に上昇している。この金利に惹かれた投資も多いが、MMFはすぐに現金化できるため次の投資先を探す間の‟待合所”的な感じも濃い。
問題なのは、低格付け債券にも資金が流れ始めたこと。もともとリスクが高いために、金利を高くしなければ売れない。最近は周囲の金利が上昇したため、いっそう高い金利を付けるようになった。現在の利回りは平均9%、なかには15%のものもあるという。この高い金利に釣られて、一部の投資家が手を出す。ただリーマン・ショックの経験から、金融機関については買い入れが厳しく規制されてはいる。
≪20日の日経平均 = 下げ -669.61円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫.
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◇ 超緩和政策の終わり→引き締めの始まり = 日銀は20日の政策決定会合で、長期金利の変動幅を上下0.25%から上下0.5%に拡大することを決めた。仕組みはややこしいが、実質的には政策金利を0.25%から0.5%に引き上げたことと同じ。この決定を受けて、長期金利は0.25%から0.462%に急上昇。円の対ドル相場は一気に6円も急騰、日経平均は668円の急落となった。
黒田総裁は記者会見で「これは金融政策の小幅な修正だ。利上げではないし、引き締めの意図も全くない」と強調した。しかし、これは完全な詭弁。というのも総裁自身が以前「変動幅の拡大は、利上げを意味する」と繰り返し述べていたからだ。こんな詭弁を弄したのも、10年間続けてきた超緩和政策への思い入れがあったからだろう。しかし市場は0.25%の利上げと受け取り、大きく震動した。
日銀が超緩和政策を守り切れなかった理由は2つ。1つは長期金利が0.25%を超えるのを防ぐため、大量の国債を買い続けたこと。その結果、10年国債の取り引きが阻害され、企業が発行する社債の市場にも悪影響が及んだこと。もう1つは円安の進行で、輸入物価が上昇し過ぎたこと。つまり超緩和政策の悪影響が、限度を超したためとも言えるだろう。
だが、こうした2つの悪影響はウクライナ戦争が始まったころから問題となっていた。その後、アメリカやヨーロッパ諸国が利上げを始めても、日銀はひとり孤高の道を歩んできた。それが、とうとう限界に達したわけである。しかし、いったん中央銀行の姿勢が崩れると、市場はさらなる利上げを要求してくる。日銀の今回の決定は「超緩和政策の終わり」と考えるよりは「新たな引き締め政策の始まり」と、捉えるべきだろう。
(続きは明日)
≪21日の日経平均 = 下げ -180.31円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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黒田総裁は記者会見で「これは金融政策の小幅な修正だ。利上げではないし、引き締めの意図も全くない」と強調した。しかし、これは完全な詭弁。というのも総裁自身が以前「変動幅の拡大は、利上げを意味する」と繰り返し述べていたからだ。こんな詭弁を弄したのも、10年間続けてきた超緩和政策への思い入れがあったからだろう。しかし市場は0.25%の利上げと受け取り、大きく震動した。
日銀が超緩和政策を守り切れなかった理由は2つ。1つは長期金利が0.25%を超えるのを防ぐため、大量の国債を買い続けたこと。その結果、10年国債の取り引きが阻害され、企業が発行する社債の市場にも悪影響が及んだこと。もう1つは円安の進行で、輸入物価が上昇し過ぎたこと。つまり超緩和政策の悪影響が、限度を超したためとも言えるだろう。
だが、こうした2つの悪影響はウクライナ戦争が始まったころから問題となっていた。その後、アメリカやヨーロッパ諸国が利上げを始めても、日銀はひとり孤高の道を歩んできた。それが、とうとう限界に達したわけである。しかし、いったん中央銀行の姿勢が崩れると、市場はさらなる利上げを要求してくる。日銀の今回の決定は「超緩和政策の終わり」と考えるよりは「新たな引き締め政策の始まり」と、捉えるべきだろう。
(続きは明日)
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◇ 経済全体に活、景気は上昇の公算 = 金利が多少でも上がると、まず活気付くのは金融機関だ。これまではゼロ金利で預金は集まらないし、貸し出しても儲からない。それが少しでも多く預金を集めて貸し出せば、ある程度は利益が出せる。本来の銀行業務が、10年ぶりに復活するわけだ。借りる側の企業も、金利を取られるからおカネを効率的に使おうと努力するようになる。ゾンビ企業は潰れるが、それだけ経済全体の生産性は向上する。
住宅ローンが上がるから、建築業界には打撃とよく言われる。だが実際は、もっと上がらないうちにローンを借りて家を建てようと考える人の方が多い。企業も同じ理屈で、早めに融資を受けて設備を更新してしまおうと考える経営者が多いに違いない。政策金利が3%以上にもなれば、金利負担の重さで経済にはマイナス圧力がかかる。しかし2%未満の金利なら、プラス効果の方が強い。
たとえ0.25%の利上げでも、円相場が大幅に上昇した。これが輸入物価に及ぼす効果は、きわめて大きい。少なくともエネルギーや食料品の、これ以上の値上がりにはブレーキがかかるだろう。電気料金やガソリンなどは、値下がりする可能性もある。企業や家計にとっては大助かりで、設備投資や消費を増やす原動力になるかもしれない。
利上げが預金金利にまで波及すれば、景気を押し上げる力は加速する。いま個人と企業は合計700兆円に近い預金を保有している。これにもし0.1%の金利が付けば、年間7000億円。仮にその半分が消費や投資に向けられれば、どうなるか。ゼロ金利政策を止めれば、こうして経済に活が入る。日銀は少なくとも半年前にそうするべきだった。
≪22日の日経平均 = 上げ +120.15円≫
≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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住宅ローンが上がるから、建築業界には打撃とよく言われる。だが実際は、もっと上がらないうちにローンを借りて家を建てようと考える人の方が多い。企業も同じ理屈で、早めに融資を受けて設備を更新してしまおうと考える経営者が多いに違いない。政策金利が3%以上にもなれば、金利負担の重さで経済にはマイナス圧力がかかる。しかし2%未満の金利なら、プラス効果の方が強い。
たとえ0.25%の利上げでも、円相場が大幅に上昇した。これが輸入物価に及ぼす効果は、きわめて大きい。少なくともエネルギーや食料品の、これ以上の値上がりにはブレーキがかかるだろう。電気料金やガソリンなどは、値下がりする可能性もある。企業や家計にとっては大助かりで、設備投資や消費を増やす原動力になるかもしれない。
利上げが預金金利にまで波及すれば、景気を押し上げる力は加速する。いま個人と企業は合計700兆円に近い預金を保有している。これにもし0.1%の金利が付けば、年間7000億円。仮にその半分が消費や投資に向けられれば、どうなるか。ゼロ金利政策を止めれば、こうして経済に活が入る。日銀は少なくとも半年前にそうするべきだった。
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◇ あなどれないパンデミックの勢い = 世界の感染者は累計6億5804万人、この1週間で388万人増加した。この増加数は前週より1万人多い。死亡者は668万1928人で、週間1万3528人の増加だった。この増加数は前週より1036人多い。感染者は前週とほぼ同じだが、7週連続で拡大している。死亡者の増加数は10月中旬以来の多さ。全体として悪化の傾向が続いている。ただ実際のパンデミック(世界的流行)は、もっと勢いが強い可能性も出てきている。
国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万9340人。この1週間で3141人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランス・インドネシア・ドイツが16万人台となっている。このうちドイツが16万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2780万0850人。この1週間で109万7011人増加した。この増加数は前週より11万6414人多い。増加数が週間100万人を超えたのは8月下旬以来。21日には、1日の感染者が20万人を超えた。死亡者は5万4729人、この1週間で1850人増加している。9月上旬以来の多さで、前週より321人多い。日本の悪化ぶりは、世界でも群を抜いている。
感染者の集計については、日本もそうだが無症状患者を含めない国が多くなった。また死亡者の集計も、中国は基礎疾患によるものを除外した。また、この1週間をみてもインドは死亡者が18人、メキシコは105人しか出ていない。情報はないけれども、こうした国でも基礎疾患による死亡者を除外しているのではないか。実際のパンデミックは、もっと拡大している可能性が疑われる。油断は禁物だ。
≪23日の日経平均 = 下げ -272.62円≫
【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】
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国別の死亡者数をみると、アメリカは累計108万9340人。この1週間で3141人増加した。次いでブラジルが69万人台、インドが53万人台、ロシアが38万人台、メキシコが33万人台。さらにイギリスが21万人台、イタリアが18万人台、フランス・インドネシア・ドイツが16万人台となっている。このうちドイツが16万人台に乗せた。
日本の感染者は累計2780万0850人。この1週間で109万7011人増加した。この増加数は前週より11万6414人多い。増加数が週間100万人を超えたのは8月下旬以来。21日には、1日の感染者が20万人を超えた。死亡者は5万4729人、この1週間で1850人増加している。9月上旬以来の多さで、前週より321人多い。日本の悪化ぶりは、世界でも群を抜いている。
感染者の集計については、日本もそうだが無症状患者を含めない国が多くなった。また死亡者の集計も、中国は基礎疾患によるものを除外した。また、この1週間をみてもインドは死亡者が18人、メキシコは105人しか出ていない。情報はないけれども、こうした国でも基礎疾患による死亡者を除外しているのではないか。実際のパンデミックは、もっと拡大している可能性が疑われる。油断は禁物だ。
≪23日の日経平均 = 下げ -272.62円≫
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◇ 関心は「景気後退の長さ・深さ」へ = ダウ平均は先週283ドルの値上がり。終り値はまた3万3000ドル台を回復した。消費者信頼感指数が予想を上回ると上げたが、7-9月期のGDP確定値が上方修正されると下げた。またPCE(個人消費支出物価)が鈍化すると、株価は上げている。発表される経済指標をそのまま素直に受け取るか、それともFRBの政策に対する影響を重視するか。市場は迷い始めたようだ。
日経平均は先週1292円の大幅な値下がり。日銀が20日に超緩和政策を終了、事実上の利上げに踏み切ったことで、金利と円相場が急上昇。市場の空気は一変した。金融株は買われたが、輸出関連株などは売られた。政府・与党が決めた税制改正や過去最大114兆円の予算案にも、ほとんど反応していない。
これまでニューヨーク市場は「景気の下降を示す指標=引き締めテンポの鈍化」と受け取ってきた。だが最近は、景気の下降そのものを警戒するように傾いてきている。つまり「景気の下降を示す指標=買い」ではなくなりつつある。カネ余りが生んだ異常な論理も、説得力を失ってきたわけだ。そして市場の関心は「景気後退の長さと深さ」に移行しつつあると言える。
今週は26日に、11月の企業向けサービス価格。27日に、11月の労働力調査、商業動態統計。28日に、11月の鉱工業生産。アメリカでは27日に、10月のFHFA住宅価格指数。28日に、11月の中古住宅販売。また中国が31日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。なお30日は、東京市場の大納会。
≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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日経平均は先週1292円の大幅な値下がり。日銀が20日に超緩和政策を終了、事実上の利上げに踏み切ったことで、金利と円相場が急上昇。市場の空気は一変した。金融株は買われたが、輸出関連株などは売られた。政府・与党が決めた税制改正や過去最大114兆円の予算案にも、ほとんど反応していない。
これまでニューヨーク市場は「景気の下降を示す指標=引き締めテンポの鈍化」と受け取ってきた。だが最近は、景気の下降そのものを警戒するように傾いてきている。つまり「景気の下降を示す指標=買い」ではなくなりつつある。カネ余りが生んだ異常な論理も、説得力を失ってきたわけだ。そして市場の関心は「景気後退の長さと深さ」に移行しつつあると言える。
今週は26日に、11月の企業向けサービス価格。27日に、11月の労働力調査、商業動態統計。28日に、11月の鉱工業生産。アメリカでは27日に、10月のFHFA住宅価格指数。28日に、11月の中古住宅販売。また中国が31日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。なお30日は、東京市場の大納会。
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◇ 経済を底上げすることに使われていない = 政府は23日、23年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は114兆3812億円。22年度より6兆7848億円多く、当初予算としては過去最大。22年度は2回にわたって補正予算を編成、予算の総合計は140兆円近くに達した。加えて23年度も巨大な予算案。にもかかわらず、23年度も低成長が続くと予測されている。どうしてなのだろう。
新予算案の内容をみると、社会保障費が36兆8889億円、国債費が25兆2503億円、地方交付税が16兆3992億円。自然増で膨れるこの3費目だけで、全体の7割近くを占める。これに急増した防衛費を含めると、比率は75%に近づく。残りの25%も大半がコロナ対策などに使われ、脱炭素やAIなど積極的に経済成長に貢献すると考えられる支出は2兆円程度しかない。
一方、歳入は税収が69兆4400億円。国債発行が35兆6280億円となっている。歳入に占める借金の比率は31.1%に上昇する見込み。財政状態は、先進国のなかでも断トツに悪い。しかも、その国債は日銀がほとんどを買い取っている。こんな状態が、いつまで続けられるのか。国債の格下げ問題さえ、心配される様相になってきた。
こうした悲劇的な状況を改善するには、経済成長率を上げて税収の増加を図るしかない。しかし成長分野への財政投入が少ないから、それが出来ない。政府は肥大した歳出を削り、バラマキ的な支出を止める。その一方で、将来の経済成長をもたらす分野への支出を増やす。それが出来なければ、日本は地盤沈下するばかりだろう。
(続きは明日)
≪26日の日経平均 = 上げ +170.62円≫
≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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新予算案の内容をみると、社会保障費が36兆8889億円、国債費が25兆2503億円、地方交付税が16兆3992億円。自然増で膨れるこの3費目だけで、全体の7割近くを占める。これに急増した防衛費を含めると、比率は75%に近づく。残りの25%も大半がコロナ対策などに使われ、脱炭素やAIなど積極的に経済成長に貢献すると考えられる支出は2兆円程度しかない。
一方、歳入は税収が69兆4400億円。国債発行が35兆6280億円となっている。歳入に占める借金の比率は31.1%に上昇する見込み。財政状態は、先進国のなかでも断トツに悪い。しかも、その国債は日銀がほとんどを買い取っている。こんな状態が、いつまで続けられるのか。国債の格下げ問題さえ、心配される様相になってきた。
こうした悲劇的な状況を改善するには、経済成長率を上げて税収の増加を図るしかない。しかし成長分野への財政投入が少ないから、それが出来ない。政府は肥大した歳出を削り、バラマキ的な支出を止める。その一方で、将来の経済成長をもたらす分野への支出を増やす。それが出来なければ、日本は地盤沈下するばかりだろう。
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◇ これでは賃上げも難しい = 政府は22日、23年度の経済見通しを閣議了解した。それによると、実質GDP成長率は1.5%になる見通し。22年度の見込みは1.7%なので、やや鈍化することになる。理由は世界経済が減速するためだという。一方、民間調査機関の予測は平均で1.0%。年末に発表する政府の予測は、たいてい民間よりも高くなる。目いっぱい高く見積もらないと税収が伸びず、予算編成が困難になるからだ。
それでも成長率は1.5%だから、低成長から抜け出せない。22年度は140兆円、23年度は当初予算で114兆円。これだけの予算を組んでも低成長から抜け出せないのは、予算のなかに成長を積極的に刺激する費目が少なすぎるからに他ならない。工場の修理をするとき屋根や壁ばかりを綺麗にして、肝心の設備にはカネをかけない。見栄えはよくなるが、これでは経営はよくならない。
政府の経済見通しが低成長だと、企業の経営者は将来に確信を持てない。だから一部の大企業を除けば、設備投資や人件費を大幅に増やすことには躊躇してしまう。エネルギーや原材料費が高騰しているから、特に中小企業は賃上げするだけの余裕がない。政府や経団連が「賃上げを」と叫んでも、好循環が始まらないのはこのためだ。
社会保障費などの自然増や防衛費の増額などで、予算編成が苦しいことはよく理解できる。そこで、この際は「選択と集中」に専念する。たとえば5兆円ぐらいの予算を投じて、蓄電池の研究・開発に全力を挙げる。次世代型の電池を大量生産できるようになれば、再生可能エネルギーやEVの普及が促進される。近い将来「電池は日本製に限る」という評判になれば、輸出産業の軸にもなる。そういう展望が開けば、成長率も上昇する。
≪27日の日経平均 = 上げ +42.00円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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それでも成長率は1.5%だから、低成長から抜け出せない。22年度は140兆円、23年度は当初予算で114兆円。これだけの予算を組んでも低成長から抜け出せないのは、予算のなかに成長を積極的に刺激する費目が少なすぎるからに他ならない。工場の修理をするとき屋根や壁ばかりを綺麗にして、肝心の設備にはカネをかけない。見栄えはよくなるが、これでは経営はよくならない。
政府の経済見通しが低成長だと、企業の経営者は将来に確信を持てない。だから一部の大企業を除けば、設備投資や人件費を大幅に増やすことには躊躇してしまう。エネルギーや原材料費が高騰しているから、特に中小企業は賃上げするだけの余裕がない。政府や経団連が「賃上げを」と叫んでも、好循環が始まらないのはこのためだ。
社会保障費などの自然増や防衛費の増額などで、予算編成が苦しいことはよく理解できる。そこで、この際は「選択と集中」に専念する。たとえば5兆円ぐらいの予算を投じて、蓄電池の研究・開発に全力を挙げる。次世代型の電池を大量生産できるようになれば、再生可能エネルギーやEVの普及が促進される。近い将来「電池は日本製に限る」という評判になれば、輸出産業の軸にもなる。そういう展望が開けば、成長率も上昇する。
≪27日の日経平均 = 上げ +42.00円≫
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◇ 成長政策がなければ意味がない = NISA(少額投資非課税制度)を、大幅に改正することが決まった。年間投資ワクを、積み立て型は40万円から120万円に、一般型は120万円から240万円に引き上げる。両者を使うと、年間360万円の投資が非課税となる。さらに、この制度を恒久化し、生涯の投資限度を1800万円とした。こうした大改正は、24年1月から実施される。
このNISA大改正は、岸田首相の強い意向によって実現した。6月末時点でNISAの口座数は約1700万、投資総額は28兆円。非課税ワクを大幅に拡大し、個人の資金を‟貯金から投資へ”強く誘導することを狙っている。だが実際には、すでにNISAのワクを使い切っている投資家が、手持ちの株式をNISAに移動させるケースが多くなりそうだ。これだと‟貯金から投資へ”にはならず、富裕層が非課税の恩恵を受けることになってしまう。
10月の毎月勤労統計をみると、パートタイム労働者は1635万人。全労働者に占める比率は31.64%にも達する。これらの人たちの平均的な月収は9万9556円だ。例外はあるかもしれないが、これではNISAを利用する余裕もないに違いない。したがって今回のNISAの大改正は、約3分の1の労働者には恩恵が及ばないことになる。
こうした人たちにもNISAの恩恵を受けられるようにするには、まず所得の増加が必要。そのためには成長政策が伴わなければならない。また‟貯金から投資へ”が進んだとしても、企業が設備投資や人件費を増やさなければ意味がない。このためにも成長政策が必要だ。NISAの改正は結構だが、いまの岸田内閣には肝心の成長政策が欠けている。
≪28日の日経平均 = 下げ -107.37円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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このNISA大改正は、岸田首相の強い意向によって実現した。6月末時点でNISAの口座数は約1700万、投資総額は28兆円。非課税ワクを大幅に拡大し、個人の資金を‟貯金から投資へ”強く誘導することを狙っている。だが実際には、すでにNISAのワクを使い切っている投資家が、手持ちの株式をNISAに移動させるケースが多くなりそうだ。これだと‟貯金から投資へ”にはならず、富裕層が非課税の恩恵を受けることになってしまう。
10月の毎月勤労統計をみると、パートタイム労働者は1635万人。全労働者に占める比率は31.64%にも達する。これらの人たちの平均的な月収は9万9556円だ。例外はあるかもしれないが、これではNISAを利用する余裕もないに違いない。したがって今回のNISAの大改正は、約3分の1の労働者には恩恵が及ばないことになる。
こうした人たちにもNISAの恩恵を受けられるようにするには、まず所得の増加が必要。そのためには成長政策が伴わなければならない。また‟貯金から投資へ”が進んだとしても、企業が設備投資や人件費を増やさなければ意味がない。このためにも成長政策が必要だ。NISAの改正は結構だが、いまの岸田内閣には肝心の成長政策が欠けている。
≪28日の日経平均 = 下げ -107.37円≫
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◇ 「健康寿命」で競い合おう = 厚生労働省は先週、20年の都道府県別の平均寿命を発表した。それによると、全国平均では男性が81.49歳、女性が87.60歳。前回5年前の調査に比べて男性は0.72歳、女性は0.60歳それぞれ延びている。コロナの影響は寿命を短くする方向に働いたが、それでも平均寿命は延びた。ちなみにアメリカの21年の平均寿命は、コロナの影響で前年より0.6歳縮んでいる。
都道府県別では、全国1位が男性は滋賀県の82.73歳。前回に続いてトップの座を維持した。長野県、奈良県が続いている。女性は岡山県の88.29歳が1位、長野県を抜いてトップの座に躍り出た。あと滋賀県、京都府と続いている。長野県は4位に落ちた。また最下位は男女ともに青森県。男性は79.27歳、女性は86.33歳だった。
新聞各紙は都道府県別の一覧表を掲載、大きく報道した。それが悪いとは言わないが、世の中は変わってきている。もう単なる長寿を競い合う時代ではないのではないか。寿命が延びても、健康でなければ意味がない。多くの人は、こう考えるようになっている。したがって「平均寿命」よりは「健康寿命」を重視したい。
それなのに、厚労省は「健康寿命」調査を3年に1度しか実施しない。健康寿命が延びれば、介護の必要な人が減る。その結果、介護費や医療費も減るはずだ。厚労省は社会保障費の膨張を嘆いているのに、なぜもっと健康寿命を重要視しないのか。国民にとっても厚労省にとっても、各自治体が「健康寿命」で競い合う方がよっぽどいいだろうに。
≪29日の日経平均 = 下げ ー246.83円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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都道府県別では、全国1位が男性は滋賀県の82.73歳。前回に続いてトップの座を維持した。長野県、奈良県が続いている。女性は岡山県の88.29歳が1位、長野県を抜いてトップの座に躍り出た。あと滋賀県、京都府と続いている。長野県は4位に落ちた。また最下位は男女ともに青森県。男性は79.27歳、女性は86.33歳だった。
新聞各紙は都道府県別の一覧表を掲載、大きく報道した。それが悪いとは言わないが、世の中は変わってきている。もう単なる長寿を競い合う時代ではないのではないか。寿命が延びても、健康でなければ意味がない。多くの人は、こう考えるようになっている。したがって「平均寿命」よりは「健康寿命」を重視したい。
それなのに、厚労省は「健康寿命」調査を3年に1度しか実施しない。健康寿命が延びれば、介護の必要な人が減る。その結果、介護費や医療費も減るはずだ。厚労省は社会保障費の膨張を嘆いているのに、なぜもっと健康寿命を重要視しないのか。国民にとっても厚労省にとっても、各自治体が「健康寿命」で競い合う方がよっぽどいいだろうに。
≪29日の日経平均 = 下げ ー246.83円≫
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◇ ‟出遅れ感”に明け暮れた1年 = 日経平均株価は大納会の30日、2万6095円で引けた。年間を通じて2697円の値下がり。4年ぶりに下落の年となった。寅年だったが、結果はあまり芳しくない。高値は年明け早々1月5日の2万9332円。安値はロシアのウクライナ侵攻が始まったあと3月9日の2万4718円。したがって年末の終り値は、高値と安値のほぼ中間だったことになる。
株価に影響を及ぼした大きな出来事はウクライナ戦争のほか、FRBによる金融引き締めの開始、中国経済の低迷、それに日銀の金融政策修正など。しかし年間の株価変動幅は、比較的に小幅だった。特徴的なことは、日本株が年間を通じて‟出遅れ感”を持たれた現象。現在もダウ平均のPBR(株価純資産倍率)が5倍を超えているのに対して、日経平均のそれは1.1倍に過ぎない。このため株価がある程度にまで下がると、特に海外からの買いが入った。
日経平均のこうした推移は、日本が2流国に成り下がったことの表れかもしれない。少子高齢化の進行、低成長の長期化、1人当たりGDPの伸び悩み、貿易収支の大赤字、財政状況の悪化・・・。国際競争力の観点からみても、一時は世界トップ・クラスの地位を占めていた産業がほとんどなくなった。たとえば半導体、太陽光発電施設、コンピュータ、スマホ、EV・・・。
それでも巻き返しが期待されるため、株価には‟出遅れ感”が付きまとうのだろう。だが、こんな状態が続くと、日本は完全な2流国になってしまい、株価の‟出遅れ感”も消滅してしまうかもしれない。再起を図るには、まず永田町や霞が関が「2流国になりつつある日本の現状」を認識することが最も重要だ。23年をその最初の年にしたいものである。
≪30日の日経平均 = 上げ +0.83円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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☆☆ 22年の「日経平均予想」は191勝54敗、勝率は7割7分9厘でした。ご支援ありがとうございました。23年は勝率8割を目指します。
株価に影響を及ぼした大きな出来事はウクライナ戦争のほか、FRBによる金融引き締めの開始、中国経済の低迷、それに日銀の金融政策修正など。しかし年間の株価変動幅は、比較的に小幅だった。特徴的なことは、日本株が年間を通じて‟出遅れ感”を持たれた現象。現在もダウ平均のPBR(株価純資産倍率)が5倍を超えているのに対して、日経平均のそれは1.1倍に過ぎない。このため株価がある程度にまで下がると、特に海外からの買いが入った。
日経平均のこうした推移は、日本が2流国に成り下がったことの表れかもしれない。少子高齢化の進行、低成長の長期化、1人当たりGDPの伸び悩み、貿易収支の大赤字、財政状況の悪化・・・。国際競争力の観点からみても、一時は世界トップ・クラスの地位を占めていた産業がほとんどなくなった。たとえば半導体、太陽光発電施設、コンピュータ、スマホ、EV・・・。
それでも巻き返しが期待されるため、株価には‟出遅れ感”が付きまとうのだろう。だが、こんな状態が続くと、日本は完全な2流国になってしまい、株価の‟出遅れ感”も消滅してしまうかもしれない。再起を図るには、まず永田町や霞が関が「2流国になりつつある日本の現状」を認識することが最も重要だ。23年をその最初の年にしたいものである。
≪30日の日経平均 = 上げ +0.83円≫
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