あまり褒められた光景ではない:
アイオワ州党員集会の投票集計アプリの不具合と
ブティジェッジ候補の早すぎた勝利宣言との深い繋がり
・・・そしてヒラリー・クリントンとも
<記事原文 寺島先生推薦 Not a great look: Failed Iowa caucus app is deeply linked to self-declared winner Buttigieg… and Hillary Clinton>
RT Op-ed 2020年2月4日
Danielle Ryan
is an Irish freelance writer based in Dublin. Her work has appeared in Salon, The Nation, Rethinking Russia, teleSUR, RBTH, The Calvert Journal and others. Follow her on Twitter @DanielleRyanJ
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年2月20日>

アイオワ州党員集会の結果を迅速に報告するために作られたと思われるアプリが、民主党全国委員会(DNC)上層部と深く結びついている企業によって開発され、決定的な瞬間に不具合を起こした。これって偶然?
陰謀説のように聞こえるかもしれないが、2016年の大統領予備選で起きた事件のこともあり、アメリカ人が今回の集票システムに不信感を抱くことは当然だ。そして、不具合を起こしたシャドーアプリの背後にいるグループについて掘り出された複数の事実はあるが、その疑念を払拭するためにはあまり役に立たない。
問題の会社の社名は、寄りにもよってShadow Inc(「陰」)であり、連邦選挙委員会に提出された書類によると、2019年7月、数千ドルがピート・ブティジェッジの 「ソフトウェアの権利と購読」 キャンペーンで支払われている。
2020年の2月に話を早送りすると、このアプリはアイオワ州で信頼できる結果を出すことができなかったため、ブティジェッジは時期尚早にも、自分が勝者であると宣言し、#MayorCheat(「#詐欺市長」)がTwitterでトレンドになっている。
こういったアイオワ州党員集会での失態をめぐる疑惑に加え、同社の最高経営責任者 (CEO) 、最高技術責任者 (CTO) 、最高執行責任者 (COO) などが、ヒラリー・クリントンの大統領選挙キャンペーンに参加していた事実がある。サンダース支持者にとっては、DNCが同氏に不利な予備選挙を再び仕掛けようとしていると確信していることから、陰謀説は裏書きされる。
シャドー社は、2019年、タラ・マックゴーンが一人で立ち上げたデジタル系NPO法人アクロニムによって設立された。たまたまブティジェッジの大ファンだった彼女は、2019年の1月に「ブティジェッジが立候補する!」と興奮したツイートをしている。
シャドー社を昨年「立ち上げた」と宣言したにもかかわらず、アクロニムは、アイオワ州の大失敗の真っただ中にあった同社から突然距離を置こうとした。しかし、党員集会のほんの数週間前、マックゴーン自身、アクロニムがシャドーアプリを使って何を「築き上げ」ようとしているかを誇らしげにツイートしていた。ちなみに、マックゴーンはブティジェッジ事務所の最高顧問と結婚している。
疑問がさらに広がるのは、クリントンの2016年大統領選選挙参謀だったロビー・ムックが、このシャドーアプリに間接的に関与したという噂がある。ムック自身は「何も知らない」と述べており、実際の開発に関与した形跡はないが、調査報道記者のリー・ファンは、関与したのはムックのセキュリティ会社Defending Digital Democracyであるとツイートしている。このセキュリティ会社がアイオワ州党員大会で使われたシャドーアプリの「完璧な性能」を「厳密にチェックした」ともツイートで述べている。
サンダースの支持者たちは、この種のことで以前煮え湯を飲まされた経験がないわけではない。今では多くの人が認めていることではあるが、民主党全国委員会(DNC)が2016年のサンダースの選挙運動を密かに妨害し、民主党上層部の人気者であるヒラリー・クリントンとトランプの対決を確実にしようとしていた。2020年にも党組織が同じことをやろうとするかもしれないと推測することは不思議でも何でもない。その戦術は異なるにしても。
民主党全国委員会(DNC)上層部がサンダースをことごとく軽蔑していることを過小評価すべきではない。サンダースが最終的に2016年にクリントンを支持したという事実があったにもかかわらず、クリントン自身は当初、サンダースが2020年に民主党の候補になっても彼を支持しないと言い、民主社会主義者を「好きな人間は誰もいない」と言明した。そのサンダースは一貫してアメリカの人気のある政治家トップにランクされてはいるが、その社会主義的政治スタイルは企業の中枢部に嫌悪されているところだ。このアイオワ党員集会の失態劇は、ロシアが2016年に民主党全国委員会(DNC)をハッキングしたとされる事件を彷彿とさせる。モスクワが民主党本部をハッキングしてクリントンの選挙運動に損害を与えたという決定をほぼ瞬時に行ったのは、民主党の民間請負業者クラウドストライク社であり、この業者は兵器産業が出資しているあるシンクタンクと繋がりがある。この事実を取り繕うことなどできない相談だ。
アイオワ州の選挙でサンダースの勝利を期待する進歩派の民主党にとって、彼の勝利を予測するのは彼がかなりのリードを得た最近の世論調査があるからだが、今回の一連の流れはあからさまで厚顔無恥な腐敗のように思われる。あるいは、ジャーナリストのカイル・クリンスキーが言うように、「これは前代未聞の無能さか、あるいは結果を操作する試みかのどちらかである。この2つしか選択肢はない。」
本稿執筆時点で、アイオワ州の投票所閉鎖から14時間が経過したが、まだ公式な結果は得られておらず、シャドー社は遅れに対して心からの遺憾の意を表明した。ブティジェッジは自分の選挙運動だけを対象とした限られたデータに基づいて勝利を宣言したが、サンダース陣営は全候補者を対象としたデータを公開し、彼がこの夜の勝利者であることを表明した。
アイオワ州党員集会の混乱と、シャドーという訳の分からないアプリに対する疑惑が渦巻く中、サンダースが勝ったにせよ負けたにせよ、民主党全国委員会(DNC)は彼の支持者達の怒りを再燃させた。民主党全国委員会(DNC)は今後後悔の臍をかむことになるかもしれない。
民主党進歩派は昨日の党員集会が混乱する可能性があると予想していたが、「シャドー(影)アプリが不具合を起こし、ピート・ブティジェッジが結果が出る前に勝利宣言をする」ことなど、アイオワ州の誰のビンゴカードにもそんな項目はなかっただろう。
RT Op-ed 2020年2月4日
Danielle Ryan

is an Irish freelance writer based in Dublin. Her work has appeared in Salon, The Nation, Rethinking Russia, teleSUR, RBTH, The Calvert Journal and others. Follow her on Twitter @DanielleRyanJ
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年2月20日>

アイオワ州党員集会の結果を迅速に報告するために作られたと思われるアプリが、民主党全国委員会(DNC)上層部と深く結びついている企業によって開発され、決定的な瞬間に不具合を起こした。これって偶然?
陰謀説のように聞こえるかもしれないが、2016年の大統領予備選で起きた事件のこともあり、アメリカ人が今回の集票システムに不信感を抱くことは当然だ。そして、不具合を起こしたシャドーアプリの背後にいるグループについて掘り出された複数の事実はあるが、その疑念を払拭するためにはあまり役に立たない。
問題の会社の社名は、寄りにもよってShadow Inc(「陰」)であり、連邦選挙委員会に提出された書類によると、2019年7月、数千ドルがピート・ブティジェッジの 「ソフトウェアの権利と購読」 キャンペーンで支払われている。
Meet the Shadow team ☄️✨♥️ pic.twitter.com/906waWPEmE
— Tara McGowan (@taraemcg) January 18, 2019
2020年の2月に話を早送りすると、このアプリはアイオワ州で信頼できる結果を出すことができなかったため、ブティジェッジは時期尚早にも、自分が勝者であると宣言し、#MayorCheat(「#詐欺市長」)がTwitterでトレンドになっている。
こういったアイオワ州党員集会での失態をめぐる疑惑に加え、同社の最高経営責任者 (CEO) 、最高技術責任者 (CTO) 、最高執行責任者 (COO) などが、ヒラリー・クリントンの大統領選挙キャンペーンに参加していた事実がある。サンダース支持者にとっては、DNCが同氏に不利な予備選挙を再び仕掛けようとしていると確信していることから、陰謀説は裏書きされる。
Pete Buttigieg paid the firm Shadow Inc., who developed the Iowa voter tally app, tens of thousands of dollars in recent months.#MayorCheat pic.twitter.com/zxSRxHXRYr
— Michael Coudrey (@MichaelCoudrey) February 4, 2020
シャドー社は、2019年、タラ・マックゴーンが一人で立ち上げたデジタル系NPO法人アクロニムによって設立された。たまたまブティジェッジの大ファンだった彼女は、2019年の1月に「ブティジェッジが立候補する!」と興奮したツイートをしている。
Looks like in addition to deep ties to the Buttigieg campaign, team Shadow is stacked with Clinton acolytes https://t.co/JwKEP3xlai
— Alex Rubinstein (@RealAlexRubi) February 4, 2020
シャドー社を昨年「立ち上げた」と宣言したにもかかわらず、アクロニムは、アイオワ州の大失敗の真っただ中にあった同社から突然距離を置こうとした。しかし、党員集会のほんの数週間前、マックゴーン自身、アクロニムがシャドーアプリを使って何を「築き上げ」ようとしているかを誇らしげにツイートしていた。ちなみに、マックゴーンはブティジェッジ事務所の最高顧問と結婚している。
疑問がさらに広がるのは、クリントンの2016年大統領選選挙参謀だったロビー・ムックが、このシャドーアプリに間接的に関与したという噂がある。ムック自身は「何も知らない」と述べており、実際の開発に関与した形跡はないが、調査報道記者のリー・ファンは、関与したのはムックのセキュリティ会社Defending Digital Democracyであるとツイートしている。このセキュリティ会社がアイオワ州党員大会で使われたシャドーアプリの「完璧な性能」を「厳密にチェックした」ともツイートで述べている。
Also on RT. Com Iowa caucus disaster: ‘Technical glitch’ spawns conspiracy theories & Democrats have only themselves to blame |
サンダースの支持者たちは、この種のことで以前煮え湯を飲まされた経験がないわけではない。今では多くの人が認めていることではあるが、民主党全国委員会(DNC)が2016年のサンダースの選挙運動を密かに妨害し、民主党上層部の人気者であるヒラリー・クリントンとトランプの対決を確実にしようとしていた。2020年にも党組織が同じことをやろうとするかもしれないと推測することは不思議でも何でもない。その戦術は異なるにしても。
民主党全国委員会(DNC)上層部がサンダースをことごとく軽蔑していることを過小評価すべきではない。サンダースが最終的に2016年にクリントンを支持したという事実があったにもかかわらず、クリントン自身は当初、サンダースが2020年に民主党の候補になっても彼を支持しないと言い、民主社会主義者を「好きな人間は誰もいない」と言明した。そのサンダースは一貫してアメリカの人気のある政治家トップにランクされてはいるが、その社会主義的政治スタイルは企業の中枢部に嫌悪されているところだ。このアイオワ党員集会の失態劇は、ロシアが2016年に民主党全国委員会(DNC)をハッキングしたとされる事件を彷彿とさせる。モスクワが民主党本部をハッキングしてクリントンの選挙運動に損害を与えたという決定をほぼ瞬時に行ったのは、民主党の民間請負業者クラウドストライク社であり、この業者は兵器産業が出資しているあるシンクタンクと繋がりがある。この事実を取り繕うことなどできない相談だ。
ALSO ON RT.COM Dems say Iowa caucus chaos caused by ‘coding issue,’ will release just over HALF of results first |
アイオワ州の選挙でサンダースの勝利を期待する進歩派の民主党にとって、彼の勝利を予測するのは彼がかなりのリードを得た最近の世論調査があるからだが、今回の一連の流れはあからさまで厚顔無恥な腐敗のように思われる。あるいは、ジャーナリストのカイル・クリンスキーが言うように、「これは前代未聞の無能さか、あるいは結果を操作する試みかのどちらかである。この2つしか選択肢はない。」
本稿執筆時点で、アイオワ州の投票所閉鎖から14時間が経過したが、まだ公式な結果は得られておらず、シャドー社は遅れに対して心からの遺憾の意を表明した。ブティジェッジは自分の選挙運動だけを対象とした限られたデータに基づいて勝利を宣言したが、サンダース陣営は全候補者を対象としたデータを公開し、彼がこの夜の勝利者であることを表明した。
アイオワ州党員集会の混乱と、シャドーという訳の分からないアプリに対する疑惑が渦巻く中、サンダースが勝ったにせよ負けたにせよ、民主党全国委員会(DNC)は彼の支持者達の怒りを再燃させた。民主党全国委員会(DNC)は今後後悔の臍をかむことになるかもしれない。
民主党進歩派は昨日の党員集会が混乱する可能性があると予想していたが、「シャドー(影)アプリが不具合を起こし、ピート・ブティジェッジが結果が出る前に勝利宣言をする」ことなど、アイオワ州の誰のビンゴカードにもそんな項目はなかっただろう。
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