横浜FC→ シーズン終盤に中田仁司監督を諦めてタヴァレス監督を招へいした横浜FCだったがプレーオフ出場は逃した。最終的には10位だったので満足できる順位ではないが17勝13敗12分け。悪いシーズンではなかった。流出の可能性もあったFWイバは早々に残留が確定。途中加入ながら大きな存在感を発揮したMFレアンドロ・ドミンゲスの残留も決まったので「2枚看板」は2018年も横浜FCの大きな武器となるだろう。
日本人選手の流出を最小限に抑えることが出来れば2007年以来となる「J1復帰」が見えてくるが表7のとおり、横浜FCの平均身長は178.66センチでJ2の中では3番目に高かった。FWイバはテクニックがあって高さを前面に押し出してプレーするタイプのフォワードではないがそれでも190センチの高さは相手の脅威となる。チームの特徴になっている「サイズ」をさらにアップさせるのも今オフのテーマの1つになる。
クロスから得点は「11」。J2で7位タイなのでまずまずと言えるがセットプレーに関する数字はあまり良くない。得点数は「16」で11位、失点数は「15」で12位。±の数値は「+1」だった。MFレアンドロ・ドミンゲスというJ2では屈指のプレイスキッカーを擁しているチームなのでもっとセットプレーからの得点は増やせるはずである。セットプレーのときにターゲットになれる選手を何人か加えたいところである。
表7. 平均身長のランキング
順位 | クラブ名 | 身長(センチ) | 体重(キロ) | BMI |
1 | モンテディオ山形 | 178.85 | 73.50 | 22.98 |
2 | 名古屋グランパス | 178.70 | 73.96 | 23.16 |
3 | 横浜FC | 178.66 | 72.74 | 22.79 |
4 | アビスパ福岡 | 178.64 | 73.62 | 23.07 |
5 | 町田ゼルビア | 178.63 | 73.52 | 23.04 |
6 | ジェフ千葉 | 178.47 | 73.22 | 22.99 |
7 | 京都サンガ | 178.41 | 73.65 | 23.14 |
8 | 水戸ホーリーホック | 178.36 | 71.53 | 22.48 |
9 | ツエーゲン金沢 | 178.29 | 71.50 | 22.49 |
10 | ザスパクサツ群馬 | 177.98 | 73.15 | 23.09 |
11 | V・ファーレン長崎 | 177.91 | 71.86 | 22.70 |
12 | 松本山雅 | 177.84 | 71.87 | 22.72 |
13 | 東京ヴェルディ | 177.45 | 71.57 | 22.73 |
14 | カマタマーレ讃岐 | 177.30 | 71.39 | 22.71 |
15 | 湘南ベルマーレ | 177.25 | 72.87 | 23.19 |
16 | レノファ山口 | 177.07 | 71.06 | 22.66 |
17 | ファジアーノ岡山 | 177.06 | 72.96 | 23.27 |
18 | 大分トリニータ | 176.97 | 71.62 | 22.87 |
19 | ロアッソ熊本 | 176.75 | 70.18 | 22.47 |
20 | 徳島ヴォルティス | 176.64 | 69.85 | 22.39 |
21 | 愛媛FC | 175.96 | 70.24 | 22.69 |
22 | FC岐阜 | 175.86 | 69.08 | 22.34 |
湘南ベルマーレ→ ラスト4試合は未勝利だったので最終的には2位の長崎との勝ち点差は「3」だったが秋以降は独走してJ2優勝を決めることができた。目標だった「1年でのJ2復帰」を果たしたが前にJ2を制覇した2014年と比べると難しいシーズンになった。2014年は31勝3敗8分けと驚異的な強さを発揮したが2017年は24勝7敗11分け。2014年は86得点/25失点と相手を圧倒したが2017年は58得点/36失点だった。
タレント力では2014年と比べるとかなり見劣りするので「今オフの補強」が大事になってくるがMF山田直のレンタルバックが決定した。大きな穴になり得るが、表8のとおり、「クロスが得点につながった確率」はわずか0.96%。J2で17番目だった。FWジネイはボックス内で存在感を発揮したがシャドーの位置でプレーする選手は小柄な選手が多かったので「クロスからゴールを奪うシーン」は非常に少なかった。
そもそもとして平均身長が177.25センチでJ2では15番目。高さのあるチームではなかった。J1では押し込まれる展開が多くなることが予想されるので相手にセットプレーの機会を許す場面はJ2時代と比べるとはるかに多くなるだろう。ポジションは問わず、「サイズのある選手」や「空中戦に強い選手」は補強ポイントになる。大きな存在感を発揮したGK秋元も182センチなので空中戦の得意なキーパーではない。
表8. クロスが得点につながった確率
順位 | クラブ名 | 確率 | クロスからの得点 | 順位 | クロス数 | 順位 |
1 | 名古屋グランパス | 3.93% | 21 | 1 | 535 | 20 |
2 | 愛媛FC | 2.33% | 13 | 3 | 559 | 16 |
3 | 徳島ヴォルティス | 2.23% | 13 | 3 | 582 | 15 |
4 | 東京ヴェルディ | 1.98% | 15 | 2 | 759 | 2 |
5 | 横浜FC | 1.83% | 11 | 7 | 601 | 12 |
6 | FC岐阜 | 1.82% | 11 | 7 | 603 | 11 |
7 | モンテディオ山形 | 1.74% | 12 | 5 | 690 | 4 |
8 | ツエーゲン金沢 | 1.60% | 10 | 9 | 624 | 9 |
9 | V・ファーレン長崎 | 1.48% | 8 | 12 | 540 | 18 |
10 | レノファ山口 | 1.40% | 7 | 15 | 500 | 21 |
11 | アビスパ福岡 | 1.37% | 10 | 9 | 730 | 3 |
12 | 松本山雅 | 1.36% | 9 | 11 | 661 | 7 |
13 | ジェフ千葉 | 1.32% | 12 | 5 | 909 | 1 |
14 | 京都サンガ | 1.28% | 8 | 12 | 623 | 10 |
15 | 大分トリニータ | 1.21% | 8 | 12 | 662 | 6 |
16 | 町田ゼルビア | 1.02% | 7 | 15 | 689 | 5 |
17 | 湘南ベルマーレ | 0.96% | 6 | 17 | 628 | 8 |
18 | カマタマーレ讃岐 | 0.90% | 5 | 18 | 556 | 17 |
19 | ロアッソ熊本 | 0.80% | 4 | 19 | 500 | 21 |
20 | ザスパクサツ群馬 | 0.74% | 4 | 19 | 539 | 19 |
21 | 水戸ホーリーホック | 0.69% | 4 | 19 | 583 | 14 |
22 | ファジアーノ岡山 | 0.68% | 4 | 19 | 587 | 13 |
松本山雅→ 昇格候補と言われながら8位に終わった松本山雅は「退任濃厚」と思われていた反町監督を引き留めた。賛否両論ある中で来シーズンも反町監督に任せることになったが平均年齢はJ2では2番目に高い29.98才。もちろん、好成績を残してJ2に復帰することが1つの大きな目標になるがそれ以上に世代交代を推し進めなければいけないシーズンになる。このまま放置しておくと、近い将来、大変なことになる。
意図的に若返りを進めなければいけない時期になったが幸いにして水戸で飛躍のシーズンを送ったFW前田大の復帰が確定した。C大阪が興味を示した中、レンタルバックが決まったのは大きい。FW高崎とFW前田大の2人が攻撃の中心になる可能性が高まっているが、表9のとおり、今シーズンもセットプレーが大きな武器になった。得点が多くて失点が少ないのでセットプレーは松本山雅の1番の武器になっている。
要となる187センチのDF飯田真の残留もすでに確定しているのでセットプレーは引き続いて松本山雅の大きな武器になると思うが総得点自体はそこまで多くないチームなので裏を返すと「セットプレー以外のゴールが少ない。」と言える。スピードのあるFW前田大が復帰するのでカウンターからのゴールが増える可能性が高いが攻撃がスローダウンした時に変化や違いを生み出すことが出来る選手はやはり必要である。
表9. セットプレーからの得点数/失点数
順位 | クラブ名 | ± | 得点 | 順位 | 失点 | 順位 |
1 | 松本山雅 | 16 | 25 | 2 | 9 | 1 |
2 | V・ファーレン長崎 | 13 | 25 | 2 | 12 | 4 |
2 | 京都サンガ | 13 | 27 | 1 | 14 | 8 |
4 | アビスパ福岡 | 11 | 21 | 5 | 10 | 2 |
5 | 湘南ベルマーレ | 8 | 22 | 4 | 14 | 8 |
6 | ジェフ千葉 | 7 | 20 | 6 | 13 | 5 |
7 | 名古屋グランパス | 5 | 19 | 7 | 14 | 8 |
8 | 東京ヴェルディ | 3 | 19 | 7 | 16 | 13 |
9 | 水戸ホーリーホック | 1 | 14 | 12 | 13 | 5 |
9 | 横浜FC | 1 | 16 | 11 | 15 | 12 |
9 | ファジアーノ岡山 | 1 | 18 | 9 | 17 | 15 |
12 | 町田ゼルビア | -1 | 18 | 9 | 19 | 16 |
13 | 大分トリニータ | -2 | 9 | 21 | 11 | 3 |
13 | 徳島ヴォルティス | -2 | 11 | 16 | 13 | 5 |
15 | モンテディオ山形 | -3 | 11 | 16 | 14 | 8 |
16 | FC岐阜 | -6 | 10 | 20 | 16 | 13 |
17 | ロアッソ熊本 | -9 | 11 | 16 | 20 | 17 |
17 | ザスパクサツ群馬 | -9 | 12 | 15 | 21 | 18 |
17 | レノファ山口 | -9 | 14 | 12 | 23 | 21 |
20 | 愛媛FC | -10 | 11 | 16 | 21 | 18 |
21 | カマタマーレ讃岐 | -11 | 14 | 12 | 25 | 22 |
22 | ツエーゲン金沢 | -17 | 5 | 22 | 22 | 20 |
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