■ 残り4試合5位のC大阪は、残り4試合。3位の仙台との差は「4」。4位の京都との差は「3」。上位の札幌と東京Vに追いつくのは難しい状況だが、当面は、3位を目指して戦い続けたい。
C大阪は、U-18代表のFW柿谷を欠くが、同じくU-18代表のMF香川は怪我のため代表を辞退。天皇杯の川崎F戦を欠場したが、この試合から復帰。また、FW小松が怪我でベンチ外となり、五輪代表のFW森島が久々の先発出場。<4-4-2>で、GK吉田。DF柳沢・前田・羽田・カルロス。MFアレー・ジェルマーノ・濱田・香川。森島と古橋の2トップ。
対する福岡は、すでにJ1昇格の可能性はなくなっているが、意地を見せたい試合である。<3-5-2>で、GK神山。DF宮本・川島・長野・山形辰。MF布部・城後・宮崎・久永・アレックス。FW林。
■ デカモリシの先制弾試合は、J1昇格のためには4連勝がノルマとなるC大阪が優勢。両サイドからワイドな攻撃を見せて、福岡を圧倒する。しかしながら、福岡も前半15分を過ぎると、徐々に対応し始めて、一進一退の展開となるが、前半30分に待望の先制ゴールが生まれる。
右サイドに流れたMF濱田の折り返しをMF香川がペナルティーエリア内でキープ。そして、香川は振り向きざまで左足のシュートを放つと、そのシュートはポストにはじかれるが、その跳ね返りのボールをFW森島がフリーの状態から右足で押し込んで先制する。
C大阪は、ここ最近、古橋以外のフォワードの得点が止まっていたが、久々に古橋以外のフォワード陣が挙げたゴールとなった。森島自身も、リーグ戦では8月19日のサガン鳥栖戦以来のゴールであった。試合は、前半を1対0で折り返した。
■ 一気の追加点後半に入ると、福岡も盛り返してきて、MFアレックスのヘディングシュートなどきわどいシーンを作りはじめる。しかしながら、決定打を欠いて同点に追いつくことは出来ない。
すると、後半28分に、C大阪が待望の追加点を挙げる。右サイドでMF香川がボールをキープすると、DFラインの裏に飛び出した右サイドバックの柳沢に絶妙のスルーパス。柳沢が落ち着いて決めて、リードを2点に広げる。
さらに、後半30分にも、右サイドを抜け出した途中出場のFW苔口のロングクロスを福岡のGK神山が処理しきれずに、ファーサイドに走りこんでいたMF香川がフリーでボールを受けると、落ち着いてゴールに流し込んで3点目。
試合終了間際にも、DFゼ・カルロスのFKからMFジェルマーノが頭で決めて、4対0とリードを広げた。結局、C大阪がそのまま勝利し、貴重な勝ち点3とともに、大量ゴールで得失点差を稼ぐという、理想的な成果を得た。
■ 厳しい状況には変わりないが・・・C大阪は、この日の山形戦の勝利で3位に浮上した京都に「勝ち点差3」となった。依然として状況は厳しいが、とにかく最終節の東京V戦に可能性を残すためにも、アウェーの草津戦と水戸戦で確実に勝利をつかまなければならない。
そのためには、この試合で見せたように、攻守にアグレッシブに戦って、相手に主導権を渡さない展開にしたい。
3位の京都が札幌戦(H)と仙台戦(A)、4位の仙台も湘南戦(H)と京都戦(A)を残しているため、奇跡の大逆転昇格の可能性が徐々に膨らんできたといえる。
■ 1ゴール2アシストの香川C大阪は、怪我から復帰したMF香川が1ゴール2アシスト。チームの3得点に絡む大活躍を見せた。夏場以降、フル出場が続いていて、ここ数試合はややキレが失われていたが、2週間の休養がいい形に作用し、本来の切れ味を取り戻した。
この試合は、左サイドに張り付くだけではなく、柔軟に右サイドの濱田とポジションチェンジをして中央に進入し、1点目と2点目をお膳立てした。
ドリブル・パスといった攻撃的なセンスに優れているだけでなく、豊富な運動量でしっかりと守備も出来る点が魅力であり、シュート精度に難があることくらいしか、欠点は思いつかない。
■ 代表召集問題について普通であれば、U-18の代表として、タイ代表や台湾代表とアジアユース本大会出場権獲得を目指して戦っているはずの香川だが、C大阪がチームの主力である香川を大会に送り出すはずも無く、全治10日の捻挫の影響ということで代表は辞退した。
本来であれば、C大阪のフロントが日本サッカー協会に対して、「香川は出せるわけないだろ!!!」と一喝すれば済む話なのだが、「代表>>>Jリーグ」の傾向のある現在のサッカー界では、そう簡単にはいかず、小細工をして辞退をすることになった。
天皇杯の川崎F戦を欠場したことでチームは敗退を余儀なくされたが、その分、香川は福岡戦に爆発し、縦横無尽のプレーを見せた。実際には、全体練習に合流したのが試合の前日であり、強行出場だったはずだが、怪我の信憑性が疑われるほどのパフォーマンスを見せた。
ここ数年、ユース世代で所属チームの核になる選手はほとんどおらず、問題にはなっていなかったが、今後、優秀な若手選手が続々と現れてくれば、トラブルになりかねない問題である。
■ 香川真司が切り開く未来C大阪は、残りは3試合。1年でJ1に戻るためには、残りは全勝が必要となる。
思い起こしてみると、C大阪は、1年前にJ2に降格し、FW西沢、FW大久保、MF下村といった主力選手が軒並み移籍し、新たなスタートを迫られた。仮に、今シーズンもJ1に残っていれば、MF香川やFW柿谷やFW森島といった優秀な若手に出番が回っていたかというと、疑問である。チームの降格というのは大きなアクシデントだったが、その分、若手に成長の機会を与えることが出来たという意味では幸いともいえる。
この1年間は、非常にいい経験を積んだが、もう一年、J2でプレーするというのが、彼らの将来につながるかどうかは、わからない。自分たちの未来を切り開くためにも、残り3試合での、香川の活躍が不可欠である。
■ 自滅した福岡対する福岡は、完全に自滅した。試合開始当初は、宮本・川島・長野・山形辰の4バックだったが、開始5分でDF長野をセンターフォワードに挙げる奇策を用いるが、なかなか効果を発揮せず、前半25分過ぎには、長野を本来のCBに戻した。そして、先制ゴールを許すと、後半は、再び、DF長野を前線に上げるパワープレーにシフトチェンジした。
高さのある長野だが、足元の技術は乏しく空中戦であれば力を発揮するが、チーム全体に空中戦で勝負するという意思統一が無く、長野のよさを生かせず、逆につなぎの段階で長野の技術不足が露呈する最悪の展開となった。
C大阪の前田と江添のセンターバックコンビは、ともに高さと強さには定評があるが、スピードに欠けるきらいがある。だから、MF田中やMFアレックスの走力を生かした攻撃をされると、危険度が増したはずだが、リトバルスキー監督の考えは違ったようだ。
福岡にはタレントは十分に集まっていて目指すサッカーも悪くないが、どうも試合運びに難があって、自滅するケースが多いが、その今シーズンの課題を露呈する試合となった。
■ セレッソ大阪(カテゴリー)0166 2006/04/18
二人の監督の交代 広島とC大阪 0189 2006/05/07
【川崎×C大阪】 首位チームと最下位チーム 0278 2006/07/22
【磐田×C大阪】 ジュビロらしいサッカーが復活!!! 0285 2006/07/28
【C大阪×FC東京】 オールラウンダー・今野泰幸 0310 2006/08/19
【C大阪×横浜FM】 さびしいゲーム 0314 2006/08/23
【京都×C大阪】 名波浩は死せず 0351 2006/09/17
【C大阪×千葉】 美しいナイトマッチ LIVE 0410 2006/11/12
【C大阪×磐田】 名波ダービー 0423 2006/11/21
【新潟×C大阪】 オープンな打ち合い 0572 2007/04/29
【C大阪×草津】 柿谷曜一郎という才能 0680 2007/08/06
【C大阪×仙台】 センス溢れる香川真司0726 2007/09/09
【福岡×C大阪】 新しいタイプのドリブラー0735 2007/09/17
【C大阪×愛媛FC】 モリシの復帰を待っている。0753 2007/09/23
【鳥栖×C大阪】 連勝は続く。 0772 2007/10/10
【C大阪×札幌】 大黒柱の決勝ゴール0775 2007/10/14
【京都×C大阪】 劇的な同点ゴール■ アビスパ福岡(カテゴリー)0170 2006/04/23
【福岡×新潟】 J2テイストの試合 0138 2006/03/18
【千葉×福岡】 苦しむジェフ千葉 0151 2006/04/02
【京都×福岡】 J1復帰後初勝利 0315 2006/08/24
【福岡×京都】 新進気鋭のサイドアタッカー 0419 2006/11/19
【川崎×福岡】 等々力初体験 LIVE 0429 2006/11/25
中村北斗の怪我は人災である。 0442 2006/12/06
【入替戦:神戸×福岡】 運命の入れ替え戦 1st 0598 2007/05/28
【福岡×札幌】 勝てるチーム 0702 2007/08/23
【福岡×山形】 躍動する右サイドの田中佑昌0712 2007/08/30
【京都×福岡】 宿命のライバル対決 0718 2007/09/02
【鳥栖×福岡】 ヒートアップする九州ダービー0726 2007/09/09
【福岡×C大阪】 新しいタイプのドリブラー0781 2007/10/20
【福岡×札幌】 ラストスパートと三浦サッカー
- 関連記事
-