年始驚きのニュースが流れた。
前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告が、
国外に逃亡し、レバノン入りしたというニュースだ。
8日夜、ゴーン被告が会見を行うということで、
その発言に注目した。
が、その内容に爆弾発言的なものはなかった。
告発は、日産と日本政府とのクーデターだと主張。
事前には、日本政府関係者の名前を挙げると言っていたが、
それについては、名言を避けた。
日産の元経営陣の名前を挙げたが、それは、周知のことだ。
日産の建て直しにゴーン氏が、大きな力を発揮したことは誰もが理解している。
しかし、当初、ゴーン氏も10年で日本人に戻すと言っていたにも関わらず、
20年近くも君臨。
その間の報酬の高さにも、日産関係者でなくとも首をかしげる。
そこへ、ルノーとの統合を進めようとするなど、
日産側の危機感や嫌悪感が高まったと思われる。
3件の起訴内容が、本当に違法性があるか、
有罪に問えるかは、疑問な点もあるが、
何を言おうとも、違法に国外逃亡したという犯罪行為だけははっきりとしている。
これによって、15億円の保釈金は没収されるという。
我々庶民には、信じがたい金額だし、
それを棒に振れるほど金持ちだ。
お金さえあれば、逃げ得というのだけは、許されるべきではない。
会見で、自分は無罪で、十分な証拠もあると言っている。
それなら、裁判の場で主張すべきではないか。
映画のような逃亡劇は、かなり前から計画され、
シュミレーションも行われていたようだ。
弘中弁護士が、クリスマスイヴに妻のキャロル氏とテレビ電話で話して
実行を決意したのではないかと言っていたが、
それよりもずっと以前からの計画のようだ。
今回、弁護団は、辞任の方向だが、
ゴーン氏の監督すべき弁護団の責任は大きい。
さらに違法に出国したのに、
その気持ちは分かるなどと発言。
どこかで、逃亡を図るのではないかと思いながら、
緩い扱いをしていたと思われる。
推定無罪だからと言われても、保釈条件を無視していいわけではあるまい。
日本の司法制度を批判していたが、
日本の法律の中で経済活動し、そこで多額の報酬を得てきたわけだから、
一片だけを批判するのは、自分の都合のいいとこ取りである。
レバノンが日本にゴーン氏を引き渡すことはないかも知れないが、
国際手配犯として一生を過ごすつもりだろうか。
日産が、数億円をかけて用意したと言われる自宅で。
ゴーン氏の大ナタでリストラされた多くの元日産社員の人たちは、
どんな思いでこのニュースを見たのだろうか。