東京オリンピックまで1年を切ったこの時期に
IOCは、マラソンと競歩を札幌で開催することを決めたと発表。
小池都知事は、発表の前日に聞かされたと不快感を示した。
東京は暑いから札幌へ。
そんなことは、昨日今日分かったことではない。
今更?
東京都は、暑さ対策にすでに300億円を支出している。
都民の税金だ。
札幌に移すというなら、この300億円をIOCが出せと言いたい。
IOCの鶴の一声で開催場所が勝手に変更されるのでは、
開催都市の主導権はないということ。
東京招致の時、日本は温暖でスポーツに最適と言い、
コンパクト大会、復興五輪を掲げての招致だったはずだ。
都市の名前を冠したオリンピックでありながら、
北海道まで行くとなれば、それは既に東京オリンピックではない。
東京のマラソンコースは、東京の名所めぐりのようなコースになっており、
各地が、工夫をこらして応援者などにも楽しんでもらおうとしていた。
確かに、7月、8月は猛暑だ。
アスリートファーストだというなら、マラソンと競歩だけではなかろう。
トライアスロンもビーチバレーも暑すぎるだろう。
そもそも、IOCが真夏にやることを前提で、候補地を募っている。
北半球では出来ないのではないか。
しかし、南半球では、これだけの大きなお金を出せる都市が多くない。
真夏の開催は、アメリカの商業スポーツの開催優先のためで、
元々アスリートファーストではなく、アメリカファーストなのだ。
今のオリンピックは、商業主義に走り、
放映権料のほとんどをIOCが手に入れる。
開催都市は、多額の建設費を回収出来ないのが現実で、
オリンピック施設が、廃墟と化し、保存、維持に苦慮している都市も少なくない。
かつて、オリンピックは、アマチュアスポーツの祭典だった。
それが、いつの頃からか、プロ選手の参加を認め、
何か分からない競技を認め、
帰化すれば、何人か分からない人たちが代表になる。
陸上競技やバスケットなどを見ると、
どこの国なのか分からない状態だ。
多くのスポーツには、ワールドカップや世界選手権などの世界一を決める大会がある。
オリンピックの必要性は、そう高くはないのではないか。
開催地に決定権を与えず、
IOCや一部の政治家(今回は、森さんや橋本五輪大臣)の無責任な思い付き発言で
勝手に変えられるのであれば、
IOCが全予算を出して、開催地を指定すればいい。
そんなことをしてまでオリンピックは必要なのか。
オリンピック廃止に舵を切ってもいい時期に来ているのかも知れない。