4月26日に投開票された東広島市議選について考えてみる。
当選した30人中、新人が11人、元職が1人で
現職が、3人落選するという結果となった。
30人目と次点では、わずか1票差で
その下も数票差という激戦だった。
38人の立候補者のうち、16人の新人。
新人と言っても、60歳代が、6人。
中には、元助役だった人もいたが、こちらは落選。
20歳代の新人は、1000票以上を集めたが、残念ながら落選。
東広島市議選としては、20歳代の立候補者は初めてではないかと思う。
多分だが、大きな組織や政策も持ってはいないだろうが、
若い彼にここまで多くの票が集まったのは、
年寄や今までの何にもしない議員たちへの批判票や
若者への期待票が集まったのではないだろうか。
大健闘だろう。
トップ当選は、44歳
上位3位までは、新人が占めた。
これも珍しいことだ。
そもそも東広島市は、10年前の平成の大合併で、
黒瀬町、安芸津町、豊栄町、河内町、福富町の5町が、
元々の西条町、高屋町、八本松町、志和町と合併した。
合併町は、わが町の議員を死守しようと
高い投票率で、各町2~3名の議員を当選させてきた。
市の事業の多くが、旧市に集中し、合併町が置き去りにされることを危惧したからだ。
あれから10年が経過したが、
やはり、開発の多くは、市の中心部に集中している。
市庁舎の建設、市民ホールの建設、
西条駅舎の建て替え、寺家駅(仮称)の建設など
すべて、大型の事業は、西条に集中している。
そうは言っても
グラウンドやスポーツセンターの建設や
公民館の建て替え補強などを
合併町にも行っている。
合併当初は、危機感もあって
合併町の議員は、一枚岩のように見えた。
会派を一つにして、会派としては最大会派だったが、
時間の経過とともに、一枚岩は崩れ、
それぞれが、バラバラになった感は否めない。
合併町からの当選した新人は2名。
旧市だ
合併町だ
などという時期はもう終わったのだろう。
もっと、この市の未来を考えなければ、
わが町、我が地域などと言っているような昔の議会であってはいけない。
今回もこれだけ新人が立候補したにも関わらず、
投票率は、前回よりも更に下がって46.65%
50%にも満たない。
どうせ、誰がなっても変わらない
議員が何をしているかも分からない
知ってる人がいない
など
無関心の理由は様々だろうが、
つまらない、ダメな議員を選んでいるのは、
投票に行かない人の責任も大きいのだということに気づいて欲しい。
身近に立候補者がいると関心が高まるし、
話が出来ることで、政治に参加している感がする。
私が立候補した時の後援会のメンバーは、
投票にも行ったことがない人が多かったが、
手伝ってくれることで、選挙に関心を持ってくれるようになり、
「人生で初めて投票に行きました」
「初めて選挙公報を読みました」
「選挙ポスターを全部見ました」
「新聞を読むようになりました」
などと言ってくれた。
当選は出来なかったが、選挙に興味を持ってくれた人たちが出てくれて良かった。
今の東広島市議会は、共産党の一人を除いて
すべてが、市長与党だ。
そんな議会に存在価値があるのか。
議会には、行政をチェックする監査の役目と
市民と行政をつなぐ橋渡しの役目があると思う。
始めから、市長のおっしゃる通りでは、議会で議論する必要はない。
東広島市は、エルピーダの倒産(とは言ってないが)と
40年以上前から市の税収の多くを占めてきたシャープの低迷で
税収が大きく減っている中、
市民ホールの建設や新駅の建設、
寺西小学校の分離建設などなど
大型事業が目白押しだ。
多くのツケが次世代へと回される。
今回、新人議員が多く、古株の多くはいなくなった議会に
新しい風が吹くことを期待している。
選挙で当選することは、ゴールではないはずだ。
スタートラインに立っただけだ。
ここから、どれだけ市民のために仕事が出来るかだ。
市会議員を「先生」などと呼んではいけない。
勘違いする輩が多いから。