明日、17日は「大阪都構想」の是非を問う住民投票の日だ。
大阪府と大阪市のそれぞれに同じような事業があり、
二重行政の解消をと維新の会の橋下代表は訴える。
5年前、「都構想」を持ち出して、今や自身の政治生命を賭けるとしている。
市議会で上手くいかないと見るや
辞職して民意を問うとして、市長選を断行。
結果として、市長に返り咲いたが、市議会で過半数を占めるには至らなかった。
当初は、大阪市の周辺の市も含めて特別区とする計画だったが、
周辺市の強い反対に遭い、現大阪市だけになった。
今の区割りも大きく変わるし、
区の名称も変わる。
そうなれば、その変更に大きな出費が伴う。
今までの二重行政としてやり玉に挙がっていた高層ビルや
水道事業などは、何も都にならなければ解消出来ないことではないだろう。
そもそも、府や県は、その力を示したいとして権限を
各市町に与えようとしてこなかった。
大阪のように府知事と市長が、同じ政党の代表同士であれば、
話し合いである程度の権限移譲やすみ分けが可能なはずだ。
それなのに、なぜ「大阪都」にならなければならないのか、
いくら読んでも分からない。
東京が日本の中心であり、
大阪が中心になりたい。
目立ちたいと言われているようで、あまりピンとこない。
市民にとって何が問題で、
何が変わるのかが分からない。
デメリットについての言及がない。
だから、投票に行けないと言っている大阪市民もいた。
橋下氏は、演説の中で
「今の大阪に合った」と言っていたが、今の大阪ではなく、
未来を見据えていなければ意味がないのではないか。
所詮大阪のことと他人事のようにも思えるが、
地方自治のあり方を問うという意味では、
他府県にも全く関係がないわけではなかろう。
もし、大阪都が実現するようなことがあって、
ではうちもと、他の道府県でも同様の動きが出ないとも限らない。
昨今、聞かれなくなった道州制とどうからむのだろうか。
きっと、どこかでからんでくる。
ただ、思い通りにならないから、
自分のやり易いように変えたいというだけなら
それはただの利己主義だ。
建物やしくみの話だけでなく、
子育てや福祉、暮らしにとってのメリットとデメリットをしっかりと示すべきだ。
通常、住民投票は法的拘束力を持たないが、
今回の住民投票は、投票率に関わらず、
1票でも賛成が多ければ、都構想が進められることになっている。
大阪市民の良識が問われている。
「反対が多ければ、政治家を辞める」というのは、
退路を断ったということだろうが、
脅しのようで感じが悪い。
我々、大阪市民でない者は、見守るしかない。