通常国会が終了した。
様々な問題点を残したまま
防衛費の増額は、2025年以降に先延ばししたが、
異次元の子育て対策と銘打った少子化対策の財源については、
「国民に実質的な追加負担は求めない」
としながらも、具体的な財源の見通しは示さず、
年末に先送り。
「支援金制度」と言いながら、
社会保険料の上乗せを想定しているという。
社会保険料という名前ではあるが、税と同じである。
少子化対策は、岸田政権の目玉なのだろうが、
その中身は、耳障りの良いだけのバラマキだ。
児童手当を中学卒業から18歳になった歳の3月末までに延長し、
所得制限を撤廃するという。
良さそうに聞こえるが、本当にそれが公平な政策と言えるのだろうか。
1.所得制限の全廃は必要か
1200万円の所得があっても、子供の数が3人とか、4人とかだと
その暮らしは楽ではない。教育費は相当だ。
大事なのは、所得と子供の数のバランスだ。
5000万円以上の世帯所得があり、一人っ子だった場合と
400万円で一人っ子の場合では、同じ額の児童手当の価値は違ってくる。
所得制限を全廃するのは、特に必要でない家庭にもばら撒くことになりはしないか。
2.子供誰でも通園制度
親が働いていなくても自由に子供を保育園等に預けられる制度。
もちろん、働いていなくても、子供を預かってもらいたい時はある。
病院に行く時や、就職活動する時など、自由に預けられれば助かることはある。
しかし、預かる側はどうだろう。
予約制としても、通常の保育だけでも手一杯なのではないだろうか。
そこへ、性格も食の状況も分からない子供がやってくる。
施設への負担は大きいのではないか。
特に幼児は、違う環境に置かれると不安になって泣いたり、騒ぐこともある。
そう簡単なことではない。
分娩費の増額や、検診の保険適用なども良いことではあるが、財源が必要だ。
財源を確保するのは、簡単なことだ。
配偶者特別控除を止めて、103万円や130万円の壁を撤廃することだ。
サラーリーマンなどの配偶者が、パートなどで働いている場合、
所得税や健康保険等への加入を避けるための収入の壁がある。
実際には、社会保険料が無料になるのではなく、
会社員の会社負担になる。
おかしくないか。
従業員ではなく、従業員の配偶者だというだけで、その会社の負担になる。
会社全体の収益からであり、回りまわって単身者などの負担にもなっている。
そもそも収入を得たら、それに対する所得税は払うべきで、
社会保険料も収めるべきだ。
収入の壁があると、最低賃金を上げるたび、収入調整のために出勤時間を調整する従業員が増える。
特に、製造業や販売業では、忙しい時期に限って休むパート従業員が増える。
そのために人手不足になり、派遣や外国人を雇うことになる。
従業員はいるのに、人手不足になるのだ。
お金は欲しいが、家族手当が無くなったり、社会保険料の負担はしたくないということが許される制度を見直すべきだ。
税負担を平等にすれば、もっと働かないと損だと思う人たちも増えるだろう。
それだけでも、税収は増える。
一方で、子供や高齢者を扶養している世帯主の扶養控除枠を拡げればいい。
子供がいない人や子供を持てない人たちには、何もないのだろうか
と思う。
負担だけさせてはいないか。
これを公平と言えるのか。
ばら撒き政策だと対象者は、
「タダになって、ありがたい」
と言うが、それは違う。
タダのものなどない。
他の人に負担させていることを忘れてはいけない。
税負担が多い人には、それなりのインセンティブがあるべきではないか。
政府は、よく住民税非課税世帯に給付というが、
非課税ではないが、ギリギリまで頑張って働いている人たちは多い。
非正規の単身者の中には、年収200~300万円が多い。
そこから、社会保険料や所得税、住民税などを払って、ギリギリの生活をしている。
しかし、この人たちには、何の手も差し伸べられないのだ。
報われない人たちにも目を向ける政治家はいないのだろうか。
最も簡単な財源の確保は、無駄な国会議員を減らすだ。
まず、半減してみたらどうか。