かつて、イギリスの政治家であり小説家のブルワー.リットンが、「リシュリュー」という戯曲の中で
「The pen is mightier than the sword」
と書いていた言葉。
日本語では、「ペンは、剣よりも強し」と訳される。
意味は、「文章で表現される思想は世論を動かし、
武力以上に強い力を発揮するということ」
である。
書くということで、世の中を動かし、正しい方向に導く力となることもあるということだ。
そこには、正義があってのこと。
週刊誌の中の記事には、三面記事以下のどうでもいい記事や
偏った内容のものも多いが、
新聞やテレビなどでは、追えなかったことを
我々に教えてくれることがある。
たとえば、最近では、甘利元大臣の金銭授受による口聞き問題は、
週刊文春が他のマスコミに先んじて、かなりの深い取材をしていた。
正に「ペンは剣よりも強し」で
大臣を辞任へと追い込んだ。
正義感を持って、プライドを持って
社会正義として、そのペンが使われることはいいことだが、
同じ週刊文春の報道に
これはどうなのか?と思われる記事も多い。
ベッキーの不倫問題や
ショーン川上氏の経歴詐称問題などは、
社会正義からは、かけ離れる。
ベッキーという好感度NO.1タレントをテレビ界から追い出したからといって
我々には、何の利益にもならないし、
不愉快な人はいるだろうが、不倫は、当事者の問題で
特集をずっと続けて、息の根を止めるようなことをする意味が分からない。
ショーン氏の問題も、学歴を良く見せて、テレビやラジオの仕事を取ろうという意思が働いていたとしたら
それは、欺罔行為であるが、
そうではなかったとしたら、学歴も経歴も関係なく、
視聴者の多いは、彼のはっきりとしたコメント、
分かりやすい解説に共感していたはずだ。
誰かが書いていたが、大切なのは、学歴ではなく、
学習歴だと
その通りだ。
学歴主義の思想が、文春にはあるのかと思う。
彼の過去、特に小学生や中学生のころのことまで取り上げて
袋叩きにしようとする他のマスコミにも
正義感のかけらも感じられない。
ハーフだろうが、整形だろうが、
そんなことですべての仕事を奪うという社会こそが問題なのだ。
彼は、政治家でもタレントでもない(テレビやラジオに出ているので微妙かも知れないが)。
人気があることをやっかんでいる他のマスコミからの嫌がらせなのか。
こんな風に、あることないこと
さらに子供の頃のことまで炙り出されるようでは、
誰もコメンテーターなどならなくなるだろう。
我々が知りたいのは、その人の私生活ではなく、
報道の味方や考え方、世の中の動きや問題点の指摘だ。
それを分かりやすく伝えてくれるコメンテーターが必要なのだ。
この春の番組改編で、多くの物言うキャスターが去っていく。
政府などの大きな力が動いて(あるいは顔色を見て)
何の存在感もないキャスターになってしまうのか。
マスコミ、報道が、大きな力に屈しては、日本の民主主義は死んだも同じだ。
週刊誌にも正義というものがあるのなら、
政治家や政府には、厳しい目を向け、
国民の利益のためのペンを取って頂きたい。
たまにいい記事もあるからだ。
昨今のテレビのワイドショーがニュースショーでもなく、
お笑いタレントや人気のある歌手などを司会に使って
とても内容のある報道を行っているとは思えない。
お笑いタレントが、茶化しながら報道に口出しするのも
不愉快だ。
ペンも電波も、国民の利益とするため、
社会正義のために、
正しいことを正しく、
知らせるべきことを知らせるために
強い決意と責任感を持って使ってもらいたい。
個人攻撃に使えば、単なる刃物にしかならない。