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【U-19アジア選手権：日本×北朝鮮】窮地からチームを救ったのは飛び級のFW久保建英 | | |　

■　GLの初戦の相手は北朝鮮

U-19アジア選手権が開幕。2連覇を目指す影山JAPANは初戦で北朝鮮と対戦した。B組の日本は北朝鮮・タイ・イラクと同組に入っているが2年前のU-16アジア選手権でベスト4に入ったチームが3つ同居する厳しい組み合わせになった。このときは準決勝でイラクに2対4で敗れているのでリベンジを期待したい。1999年生まれの選手が主体となる中、MF斉藤光(横浜FC)とFW久保建(横浜FM)は飛び級となる。

日本は「4-2-2-2」。GK谷(G大阪)。DF菅原(名古屋)、DF橋岡(浦和)、DF瀬古(C大阪)、DF東俊希(広島ユース)。MF藤本寛(東京V)、MF伊藤洋(磐田)、MF郷家(神戸)、MF斉藤光(横浜FC)。FW久保建(横浜FM)、FW田川(鳥栖)。2001年生まれの2人が揃ってスタメンで起用された。また、FW久保建とFW田川はどちらも2017年の5月～6月にかけて韓国で開催されたU-20W杯に飛び級で出場している。

ベンチスタートになったのはGK若原(京都)、GK大迫(広島)、DF石原広(湘南)、DF荻原(浦和)、DF小林友(神戸U-18)、DF三國ケネディエブス(青森山田高)、MF齊藤未(湘南)、MF山田康(横浜FM)、MF安部裕(鹿島)、MF滝(清水)、FW宮代(川崎F)、FW原大智(FC東京)の12名。192センチのDF三國ケネディエブスはJ2の福岡入りが内定している。GK若原は2年前のU-19アジア選手権の優勝メンバーの1人になる。

■　終ってみると大量5ゴール

試合は前半8分にFW久保建のスルーパスから抜け出したMF斉藤光がシュート。キーパーがはじいたところを自ら押し込んで日本が先制に成功する。さらに前半19分にはMF斉藤光の横パスを受けたボランチのMF伊藤洋が得意の左足でロングシュートを決めて追加点を奪った。飛び級での選出となったMF斉藤光は1ゴール1アシストの活躍。年上の代表チームに混じっても持ち味を発揮することができた。

しかし、前半36分にサイド攻撃から失点を喫すると、前半41分にはDF瀬古の不用意なファールでPKを献上。これを決められて2対2の同点に追いつかれてしまった。まさかの展開になった日本だったが後半20分にゴールやや左寄りの絶好の位置でFKを獲得するとFW久保建が左足で直接決めて3対2と勝ち越しに成功する。FW久保建は2年前のU-16アジア選手権のときもGLの初戦で直接FKでゴールを決めている。

後半36分に相手の13番がMF郷家に対する暴力行為で一発レッド。相手の北朝鮮は10人になる。3対2とリードして終盤を迎えたが後半45分に途中出場のFW宮代が決めて4点目を奪うと後半48分にも同じく途中出場したMF安部裕が決めて5点目を奪った。終わってみると5ゴールを奪った日本が大勝。GL突破に向けて大きな勝利を手にした。試合運びは課題と言えるがこのチームの大きな武器である攻撃陣が爆発した。

■　J2の岡山で経験を積んだ影山監督

先月、マレーシアで行われたU-16アジア選手権で森山JAPANはアジア王者に輝いた。弟分と言える3つ下の代表の活躍は大きな刺激になっていると思うが、U-16日本代表のGLの初戦と全く同じ5対2というスコアで白星スタートを切った。このときのU-16日本代表はとにかく組み合わせに恵まれたがU-19日本代表は真逆。とてつもなく難しいグループに入ったが北朝鮮を下したことでGL突破に大きく前進した。

J2の岡山で長きに渡って監督を務めた影山監督がチームを指揮しているが最大の武器は「タレント力の高さ」になる。2000年生まれの選手は逸材が多いので「新・黄金世代」と言われているがその1つ上の学年の選手もタレントが豊富。DF橋岡やMF郷家やMF藤本寛などは高卒1年目ながら所属クラブでレギュラーポジションを確保しているが、4つの学年がうまくミックスされたいいメンバー構成になっている。

岡山時代の影山監督は堅実なサッカーで結果を残したが影山JAPANは「個の力」を前面に押し出したサッカーになっている。サイズのある選手が多いのも大きな特徴で180センチを超える選手がスタメン11人の中に6人もいる。高さで相手を圧倒できる点もこの世代の強みとなる。「タレント力は2年前にU-19アジア選手権を制した世代よりも少し上」と言えるのではないか。当然、2連覇が最大の目標になる。

■　大きかったFW久保建英の直接FK

5人の選手がゴールを奪ったが大きかったのはFW久保建の直接FKになる。2点リードを奪いながら同点に追いつかれたので嫌な雰囲気になったが一振りで振り払った。左足のキッカーにとっては狙いやすい位置だったが見事な軌道を描いてゴールに吸い込まれた。FW久保建は1点目のMF斉藤光のゴールも御膳立て。飛び級での選出になるが2つ上の世代に混じってもテクニックとアイディアはピカ一と言える。

唯一の同学年となるMF斉藤光も鮮烈な活躍を見せて勝利に大きく貢献した。GLの初戦は堅くなりがちで0対0のままで時計が進んでいくケースが多いが前半8分に先制ゴールをゲット。左SHでのプレーとなったがいいタイミングで飛び出してキーパーと1対1の決定機を迎えた。「横浜FCユースの最高傑作」とも言われているが、FW久保建と並んで東京五輪代表の次の五輪代表の顔になるのは間違いないところ。

2列目の層が厚いので東京Vでは3トップの右でプレーしているMF藤本寛をボランチの位置で起用できるのはこのチームの強みの1つと言える。攻撃的なポジションの選手なので守備面は少し不安と言えるがほとんどミスをすることなくボールを繋ぐことが出来る。対戦相手はMF藤本寛を徹底マークしないといけないがボランチの選手をきっちりとマークするのはなかなか難しい。彼がこのチームの影の主役と言える。

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