■ 「面白い。」を英語に訳してみると・・・。日本語の「面白い。」という言葉はなかなか深い。この言葉を英単語で表現するために翻訳サイトの助けを借りると以下のような英単語が出てきた。
・humourous
・humorous
・funny
・laughable
・risible
・comical
・comic
・amusing
・mirthful
・interesting
「ユーモラス」や「コミカル」や「アミュージング」などはそのまま日本語としても通じるが、結局、「面白い。」にはいろいろな種類がある。「どこに面白さを感じるのか?」、「何を面白く感じるのか?」は人それぞれ。「面白い。」という感情はかなり複雑である。ある人が面白いと感じるようなことを別のある人が全く面白く感じないケースは多々ある。「人を面白がらせること。」を商売にしている人は大変である。
■ エンターテイメント性の高い川崎フロンターレのサッカーサッカーの世界でも同様で「どういうサッカーを面白く感じるのか?」は人それぞれで大きく異なるが、やはり、しっかりとボールをつないでコンビネーションからチャンスを演出しようとするサッカーに面白さを感じる人は多い。このスタイルの典型例に挙げられるスペインのバルセロナが「世界で最も人気のあるクラブであること」がこのことを証明している。ポゼッション型のチームはサポーターの支持を集めやすい。
川崎FはJリーグを代表するポゼッション型のチームであるが「川崎Fのサッカーは面白い。」と評価する人は多い。関塚監督時代は突出したスピードを持つエースのFWジュニーニョを中心としたショートカウンターが大きな武器になっており、MF中村憲→FWジュニーニョのホットラインでゴールを量産したが、2012年の春に風間監督が就任してから川崎Fのスタイルは大きく変わった。劇的に変化したと言える。
昨シーズンのチーム全体のパス成功率は85.9%。これは2012年以降のJ1では最高の数字となる。ちなみに2位は2015年シーズンの川崎Fの85.4%なので丁寧にボールをつないでチャンスを作ろうとするサッカーに取り組んでいることは数字からも明らかである。攻撃型のチームでリスク覚悟でゴールを狙いに行くことも多い。今シーズンから鬼木氏が監督に就任したが基本となる戦い方はほとんど変わらない。
ポゼッション型のチームは「ボールを回しているだけ。」、「ボールをつないでいるだけ。」となりがちであるが、川崎Fはカウンターも得意。突出したドリブラーを擁していることも多いので攻撃のバリエーションは豊富である。風間監督時代は主にMFレナトがアクセントになっていたがいろいろな形から点を取れるのが最大の特徴と言える。強さという点でもリーグ屈指であるが面白さという点でもリーグ屈指と言える。
■ コンビネーションサッカーが特徴となる浦和レッズ過小評価されがちなチームであるが浦和も面白さという点で評価の高いクラブである。ペトロヴィッチ監督が就任してからは一貫して「3-4-2-1」を採用しているが、「1トップ+2シャドー」のコンビネーションは抜群。流れるようなパスワークから多くのチャンスを生み出して来た。キーになるのは1トップでプレーするFW興梠であるが、何でも出来るFW興梠の存在がコンビネーションサッカーの肝になっている。
今シーズンは開幕から結果を出せずに苦労しているが広島もコンビネーションサッカーで一時代を築いたクラブである。ペトロヴィッチ監督が基礎を作ったクラブなので浦和と広島のサッカーは良く似ているが、MFミキッチ&MF柏というJ1屈指のドリブラーを両サイドに擁しているのでサイドからの仕掛けも大きな武器となる。また、DF塩谷の攻撃参加も大きな武器になっている。攻撃のバリエーションは豊富である。
表1は2012年~2016年までの5シーズンにおけるJ1のクラブ別のパス成功率のベスト20となるが、上位はこの3チームが独占している。川崎Fと浦和は2012年から、広島はもっと前の時代からコンビネーションサッカーに取り組んでいるが、観ていて面白いサッカーなのでサポーターの支持を集めやすい。そして、言うまでもなくこの3チームは成績的にも優秀。結果と面白さを両立できている点は高評価に値する。
表1. パス成功率のベスト20 (2012年~2016年まで)
順位 | クラブ名 | 年度 | パス成功率 |
1 | 川崎フロンターレ | 2016年 | 85.9% |
2 | 川崎フロンターレ | 2015年 | 85.4% |
3 | サンフレッチェ広島 | 2016年 | 85.3% |
4 | 川崎フロンターレ | 2014年 | 85.0% |
5 | サンフレッチェ広島 | 2014年 | 82.7% |
6 | 浦和レッズ | 2013年 | 82.3% |
6 | 浦和レッズ | 2016年 | 82.3% |
8 | サンフレッチェ広島 | 2013年 | 82.2% |
9 | サンフレッチェ広島 | 2015年 | 82.1% |
10 | 川崎フロンターレ | 2013年 | 82.0% |
11 | 浦和レッズ | 2012年 | 81.6% |
12 | ガンバ大阪 | 2016年 | 81.5% |
12 | サンフレッチェ広島 | 2012年 | 81.5% |
14 | 浦和レッズ | 2014年 | 81.2% |
15 | 浦和レッズ | 2015年 | 80.7% |
15 | 川崎フロンターレ | 2012年 | 80.7% |
17 | 柏レイソル | 2016年 | 80.6% |
18 | 柏レイソル | 2015年 | 80.4% |
19 | ガンバ大阪 | 2012年 | 79.7% |
20 | ガンバ大阪 | 2014年 | 79.6% |
■ 3チーム以外で面白いサッカーを見せているのは・・・。川崎F・浦和・広島の3チームはパスサッカーやコンビネーションサッカーの典型と言えるが、最初に記述したように「面白さ」にはいろいろな種類がある。それ以外のスタイルでも面白さを提供することは可能である。選手(特に攻撃的なポジションの選手)が活き活きとプレーできているチームのサッカーは面白く感じることができるが、2017年にJ1に所属しているチームの中では仙台や横浜FMにも面白さを感じる。
仙台というと手倉森監督時代は堅守速攻型のチームだった。セットプレーを得意としていて手堅いサッカーで勝ち点を積み上げてきたが、渡邉監督は今シーズンから「3-4-2-1」を採用。従来とは違った攻撃的なサッカーに取り組んでおり、ここまでは結果も出ている。「4バックから3バックへの移行」は昨今のサッカー界のトレンドと言えるが、攻撃に主眼を置いて3バックに移行するケースというのは最近では珍しい。
モンバエルツ監督が就任して3年目となる横浜FMはオフのゴタゴタ劇で話題になったが、シーズンが始まってみるとMF齋藤学やMFバブンスキーやMFマルティノスなどが躍動。ドリブラーを中心とする小気味の良いサッカーを見せている。当然、パスワークやコンビネーションでチャンスを作るサッカーは魅力があるが、突出したドリブラーがガンガン仕掛けてチャンスを作るサッカーは非常にシンプルではあるが面白い。
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