■ オフも勝ち組となった鹿島アントラーズ例年通りであればJ1のクラブの移籍に関するニュースが途切れることなく入って来るのは1月10日(火)あたりまで。なのでJリーグの移籍市場は終盤戦に突入しているが、鹿島がオフの移籍市場でも中心的な存在になっている。MFレオ・シルバ(新潟)、FWペドロ・ジュニオール(神戸)、MF金森(福岡)、DF三竿雄(湘南)の獲得に成功。J1の18クラブの中で最も充実した補強が出来ているクラブの1つに挙げられる。
中でもFWペドロ・ジュニオールとDF三竿雄を獲得できたのは大きい。昨夏にMFカイオが抜けた後はドリブルで局面を打開できる選手が不足気味。2ndステージで11位と低迷した主要因だったので神戸で29試合に出場して11ゴール12アシストを記録したFWペドロ・ジュニオールを獲得できたのは大きい。また、DF山本脩に負担がかかっていた左SBに全くタイプの異なるDF三竿雄を獲得できたのも大きな成果と言える。
一方、J1屈指のボランチであるMFレオ・シルバについてはMF小笠原とMF柴崎岳とMF永木がいるので「どのように起用されるのか?」は興味深い。新潟時代は攻撃でも守備でも自由にプレーすることができていたが、鹿島では周りに気を使ったプレーが求められる。やるべき仕事が整理されてより質の高いプレーを見せる可能性もあるが、新しい役割に戸惑って新潟時代ほどは持ち味を発揮できない可能性も考えられる。
唯一の減点材料は今オフもキーパーの補強が上手くいかなかった点だろう。クラブW杯では37歳のGK曽ヶ端が素晴らしい活躍を見せたが数年前から怪しいプレーが増えており、後釜を確保しなければいけない時期に入っているがGKク・ソンユン(札幌)やGKキム・スンギュ(神戸)やGKキム・ジンヒョン(C大阪)の獲得は成功せず。後釜候補の1人だったリオ世代のGK櫛引(→岡山)は今シーズン限りで退団することが決まった。
■ 充実した補強ができているヴィッセル神戸鹿島以外で充実した補強が出来ているクラブというと神戸と磐田の2チームの名前を挙げることが出来る。神戸はMF高橋秀(FC東京)、MF大森(G大阪)、DF渡部(仙台)の獲得に成功。さらには柏を退団することがすでに発表されているFW田中順(柏)の加入もほぼ確実。決して派手な補強を見せているわけではないがボランチ・サイドハーフ・CBと今オフの補強ポイントだった箇所を強化する効果的な補強ができている。
特に「空中戦の強さに関してはJ1の中でも屈指」と言えるCBのDF渡部を獲得できたのは大きい。また、争奪戦になっていたリオ五輪代表のDF岩波の残留がほぼ確実になった点や左SBのDF橋本和を完全移籍で獲得できたのも大きい。2016年の2ndステージは2位と躍進したが、即戦力として計算できる選手を獲得できているのでクラブ史上初となるタイトル獲得に向けて順調な歩みを続けていると言えるだろう。
気になるのはFWペドロ・ジュニオール(→鹿島)の穴である。MFレナト(元川崎F)やFWポドルスキ(ガラタサライ)の名前が挙がっていたが話は進展せず。攻撃の中心になれるアタッカー(おそらくは外国籍選手)の獲得に動いている最中だと思うが、どのクラスの選手を獲得できるのか?は興味深い。補強費はまだかなり余っていると考えられるので仮にスペシャルな選手を獲得できるようだと120点満点の補強になる。
■ MF中村俊輔の加入が確実となったジュビロ磐田磐田はFW川又(名古屋)、MFムサエフ(ナサフ・カルシ)、MF松本昌(大分)、DF高橋祥(神戸)の獲得に成功した。高校3年生のMF針谷(昌平高)とMF藤川(東福岡高)の加入も決まっているのでこれだけでも100点に近い補強と言えたが、これに加えてMF中村俊(横浜FM)の加入が確実視されている。ここ2シーズンは怪我の影響もあって半分ほどしか試合に出場できていないが、驚異の左足は38歳になった今も健在である。
昨夏にMF小林祐(ヘーレンフェーン)が抜けた後、トップ下の人選で苦労してきた。2ndステージは2勝のみと苦しんだ主要因の1つだったのでニーズに合った補強である。プレイスキックの威力が激増するのも磐田にとっては大きな話であるが、何よりもMF中村俊が加入することでクラブに対する期待度や注目度が劇的にアップすることが一番の効果である。「最も注目を集めるクラブになる。」と言っても過言ではない。
伸び悩んでいる観客動員数が大幅に増えるのは確実。クラブを取り巻く雰囲気は一変するだろう。J1のダークホース的な存在になる可能性が高いが、減点材料は新加入でレギュラー候補のDF高橋祥が180センチとCBとしては小柄なのでここ数年の課題である「最終ラインの跳ね返す能力の低さ」がほぼ改善されない点。2016年の失点数はJ1でワースト5位となる50失点だったが失点数の大幅な減少は期待しにくい。
■ 選手層が厚くなった浦和レッズ1月5日(木)の時点では鹿島と神戸と磐田の補強の充実ぶりが目立つが、FWラファエル・シルバ(新潟)、FWオナイウ阿道(千葉)、MF菊池大(湘南)、DF田村友(福岡)を獲得して、J2で試合経験を積んだMF矢島慎(岡山)とMF長澤(千葉)の復帰も決まった浦和も勝ち組の1つに挙げられる。中でもJ1屈指のスピードを屈指して1人でフィニッシュまで行くことが出来るFWラファエル・シルバを獲得できたのは非常に大きい。
浦和の「1トップ+2シャドー」の選手というとコンビネーションからゴールを奪うタイプの選手が多かったがFWラファエル・シルバは違ったタイプの選手である。攻撃の時にアクセントになるはずで、カウンターで攻める機会が多くなるだろうACLの舞台では単独での突破がチームの大きな助けになるだろう。2016年はJ2でベストイレブン級の活躍を見せたMF矢島慎がどのくらいやれるのか?も興味深いところである。
その裏でDF永田充(→東京V)、FW石原直(→仙台)、DF加賀(→山形)など出場機会が限られたベテラン選手がチームを離れることになったが『ACLがあるとは言っても中盤から前目のポジションは層を厚くし過ぎているのでは?』という印象は否めず。そして、対アジアを考えると一番の補強ポイントだった高さのあるCBやボランチの補強がDF田村友のみ。この点が鹿島や神戸や磐田よりも下の評価になった理由と言える。
1位 : 鹿島アントラーズ
2位 : ヴィッセル神戸
3位 : ジュビロ磐田
4位 : 浦和レッズ
・【J1】 全18クラブのオフの補強について1位~18位まで順位を付けてみた。 (その1) → 1位~4位まで
・【J1】 全18クラブのオフの補強について1位~18位まで順位を付けてみた。 (その2) → 5位~7位まで (続き)
・【J1】 全18クラブのオフの補強について1位~18位まで順位を付けてみた。 (その3) → 8位~12位まで
・【J1】 全18クラブのオフの補強について1位~18位まで順位を付けてみた。 (その4)
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