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「Jリーガーが対戦して凄いと思った選手」～ 5位は中村憲剛、4位は家長昭博、3位は宇佐美貴史、1位と2位は・・・。～ | | |　

■　実際に対戦して「凄い。」と思った選手

先日、2015年のサッカーダイジェストの選手名鑑が発売になった。この時期はいくつかの出版社からJリーグの選手名鑑が出されるが、「クオリティがもっとも高くて、もっとも見やすくて、安心感があるのはサッカーダイジェストの選手名鑑である。」と言っても過言ではないだろう。定価は907円(=税抜き)なので安くはないが、これだけの情報量が詰め込んであれば、「十分に元は取れる。」と言えるだろう。

生年月日や身長や体重や経歴といった各選手の基本的な情報に加えて、独自に行われた選手たちへのアンケート結果も載せられるが、このアンケート結果も興味深い。今回、着目したのは『サッカー人生の中で実際に対戦して「凄い。」と思った選手』である。この質問はこれまでには無かったので、新しい質問と言えるが、この項目に対するJ1とJ2の全選手の回答結果を集計してランキングにまとめてみた。

11位から15位まで

15位タイは元ブラジル代表のFWロナウド、名古屋グランパスのMFレアンドロ・ドミンゲス、元フランス代表のMFジダンの3人で7票を獲得した。ブラジル出身のJリーガーは多いが、今のブラジル出身のJリーガーが子供の頃に大活躍したのが「フェノメノ」と呼ばれたFWロナウドである。FWロナウドに憧れていた選手は非常に多いと思うが、「シュート技術の高さ」や「スピード」を称賛する声が目立った。

2006年のドイツW杯のときに2ゴールを許したFC岐阜のGK川口はFWロナウドの名前を挙げている。「マイアミの奇跡」と呼ばれた1996年のアトランタ五輪の初戦で日本が1対0で勝利したときもFWロナウドと対戦しているが、当時の名前はFWロナウジーニョだった。ただし、鹿島でプレーした経験があるOAのFWベベト、スピードのあるFWサヴィオがいたため、FWロナウジーニョはベンチスタートだった。

元日本代表のGK川口のような百戦錬磨のベテランが「どういう選手の名前を挙げるのか？」は興味深いが、実はFWロナウドに限らず、「本当に対戦しているのか？？？」と思う回答は少なくなかった。『サッカー人生の中で実際に対戦して「凄い。」と思った選手』と質問されているので、やはり、対戦経験のある選手の名前を挙げる必要があると思うが、意外とそうではない(と思われる)回答も目立った。

14位は8票を獲得したドルトムントのMF香川だった。MF香川は2007年から2009年までの3年間J2でプレーしており、2009年にはJ2の得点王に輝いている。このときの記憶がいまだに鮮明に残っている選手は少なくないようだ。11位タイは新潟のMFレオ・シルバ、ブラジル代表のMFネイマール、C大阪からザルツブルクに移籍したMF南野で9票を獲得した。MF南野は同年代の選手からの票か多かった。

4位から10位まで

ここからがベスト10となるが、9位タイは川崎FのFW大久保と横浜FCのFW三浦知で10票を獲得した。FW大久保に関してはスピードやパワーを称賛する声が多くて、FW三浦知については「オーラが凄い。」という意見が目立った。8位になったのは浦和で大活躍したFWエメルソンで11票を獲得した。対戦経験があるのはベテランばかりであるが、やはり、驚異的なスピードは衝撃的だったようだ。

続く7位は京都サンガのストライカーのFW大黒で、「得点感覚の鋭さ」を評価する声が多かった。昨シーズンはJ2でプレーしたが、マッチアップしたJ2のCBには強烈な印象を与えた模様。彼らから多くの票が集まった。日本人ストライカーでは先のFW大久保が10票で、バーゼルのFW柿谷と広島のFW佐藤寿が6票、ケルンのFW大迫とFC東京のFW前田遼が4票だったので、FW大黒が最多の票を集めた。

5位タイは川崎FのMF中村憲と、川崎Fや札幌や東京VでプレーしたFWフッキで16票を獲得した。MF中村憲は「技術の高さ」や「キープ力の高さ」を評価する意見が多くて、ブラジル代表のFWフッキの強さとスピードは相当に衝撃的だったと思われる。2007年のJ2の得点王で2008年の途中にポルトガルに移籍したが、かなり時間が経過しているにも関わらず5位タイ。衝撃度の高さが良く分かる。

日本屈指のゲームメーカーのMF中村憲を上回って4位に入ったのは大宮のMF家長で17票を獲得した。日本人選手ではMF中村憲やFW大久保などが上位にランクされるのは予想通りと言えるが、JリーガーのMF家長に対する評価というのは予想以上に高かった。「テクニック」と「強さ」を評価する声が多くて、一般のサポーターよりも一緒にプレーしている選手たちから評価されるタイプと言えるのかもしれない。

1位と2位と3位になったのは・・・。

ここからがトップ3になるが、3位はG大阪のFW宇佐美で35票を獲得した。4位のMF家長が17票だったので、G大阪ユースの先輩のMF家長の倍以上の票を獲得した。シュート技術の高さを称賛する声が多くて、ユース代表などで一緒にプレーした同世代の選手だけにとどまらず、幅広い年齢層の選手から票が集まった。その理由として「天才だから。」などシンプルに答える選手も少なくなかった。

1位と2位は僅差の勝負となったが、2位になったのは50票を獲得した横浜FMのMF中村俊だった。「キックの精度が高い。」、「ボールを取れそうな感じは無かった。」と語る選手が多くて、Jリーガーの中でも別格の技術を持っていることが分かる。そのMF中村俊を上回って1位に輝いたのはG大阪のMF遠藤で最多の53票を獲得した。MF中村俊は50票を獲得しているので、3票だけMF遠藤が上回った。

「視野の広さ」、「技術の高さ」を称賛する声が多くて、特に同系統となる司令塔タイプの若手からたくさんの票が集まった。こうして上位の顔ぶれを見ていくと、攻撃的なポジションの選手が殆どである。「守備力」が評価されて票が伸びたのは新潟のMFレオ・シルバくらいである。(※ それだけMFレオ・シルバのプレーはJリーガーにも印象的で「ボール奪取力」に関しては突出しているとも言える。)

やはり、FWフッキやFWエメルソンなど飛び抜けたスピードやパワーのある選手、MF遠藤やMF中村俊やMF中村憲など技術の高い選手は同じJリーガーから見ても「凄い。」と感じるようだ。一方、MF家長のところでも触れたが、「この選手は同業者からここまで高く評価されているのか・・・。」と思う選手もいる。MF家長やFW大黒やMF南野あたりが典型で、選手目線とサポーター目線で評価が違ってくるのは面白い。

表1. Jリーガーが「凄い。」と思った選手のランキング (5票以上)

順位	名前	所属	票数
1位	遠藤保仁	ガンバ大阪	53票
2位	中村俊輔	横浜Fマリノス	50票
3位	宇佐美貴史	ガンバ大阪	35票
4位	家長昭博	大宮アルディージャ	17票
5位	中村憲剛	川崎フロンターレ	16票
	フッキ	元川崎フロンターレ	16票
7位	大黒将志	京都サンガ	15票
8位	エメルソン	元浦和レッズ	11票
9位	大久保嘉人	川崎フロンターレ	10票
	三浦知良	横浜FC	10票
11位	南野拓実	ザルツブルク	9票
	レオ・シルバ	アルビレックス新潟	9票
	ネイマール	ブラジル代表	9票
14位	香川真司	ドルトムント	8票
15位	レアンドロ・ドミンゲス	名古屋グランパス	7票
	ロナウド	元ブラジル代表	7票
	ジダン	元フランス代表	7票
18位	佐藤寿人	サンフレッチェ広島	6票
	今野泰幸	ガンバ大阪	6票
	柿谷曜一朗	バーゼル	6票
	ワシントン	元浦和レッズ	6票
	ストイコビッチ	元名古屋グランパス	6票
	メッシ	アルゼンチン代表	6票
24位	金民友	サガン鳥栖	5票
	山口智	京都サンガ	5票
	闘莉王	名古屋グランパス	5票
	柴崎岳	鹿島アントラーズ	5票
	フランサ	元柏レイソル	5票
	小野伸二	コンサドーレ札幌	5票
	クリスティアーノ・ロナウド	ポルトガル代表	5票
	レナト	川崎フロンターレ	5票
	ジュニーニョ	元川崎フロンターレ	5票

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(1/2) MF遠藤保仁やMF中村俊輔やFW宇佐美貴史が上位に来るのは予想通りでしたが、「この選手が上位に来るのか・・・。」と思う選手もいました。選手目線の評価とサポーター目線の評価が全然違っている選手がいるのは面白いところで、大宮アルディージャのMF家長昭博は典型と言えます。
— じじ(サッカーコラム J3 PLUS+) (@J3Plus) 2015, 2月 26

(2/2) 5票以上を獲得した選手を表に書き出しましたが、5票のサガン鳥栖のMF金民友も「こんなに選手たちから高く評価されているのか・・・。」と思った選手の1人です。また、「日本人ストライカーで最多は京都サンガのFW大黒将志である。」という点も面白く感じるところです。
— じじ(サッカーコラム J3 PLUS+) (@J3Plus) 2015, 2月 26