■ 23日に再開J1も23日に再開。土曜日の23日に5試合、日曜日の24日に4試合が予定されている。
その中でもっとも注目を集めているのは、ベガルタ仙台の試合だろう。Jリーグには38のクラブがあるが、東北地方をホームとするのは、モンテディオ山形とベガルタ仙台の2チームだけ。日本海側の山形県は被害は少なかったので、ベガルタ仙台が、もっとも、今回の震災の被害を受けたクラブとなる。初戦はアウェーの等々力競技場で川崎フロンターレと対戦するが、この試合も、当初は、19:00キックオフの予定であったが、節電のため、14:00キックオフに変更されている。
プロ野球でも、東北楽天ゴールデンイーグルスが好スタートを切って、被災地に明るい話題を提供しているが、同じように仙台も、勝つことで仙台を明るくしたいところである。戦力的には、震災の影響でチームを去ったFWマルキーニョスの穴が心配されるが、もともと、2列目のタレントは豊富で、1トップへの変更も考えられる。フォワードの軸となりそうなFW赤嶺に期待がかかる。
■ 鹿島は国立でスタートスタジアムやクラブハウスが大きな被害を受けた鹿島アントラーズは、ホームのカシマスタジアムがしばらく使用できないため、ACLと同様に、国立競技場でのホームゲームが続く。6月頃まで、カシマスタジアムが使えない見込みで、大きなハンディとなるが、当分は我慢するしかない。再開初戦は横浜Fマリノスと対戦する。
鹿島は中断期間中もACLを戦っており、コンディション面で有利であるが、FW大迫、FWカルロン、FW田代のフォワード3人が怪我をしており、フォワードの駒不足となっている。「アルシンドJr」として話題の18歳のFWイゴールの出番の可能性もゼロとは言えない。なお、FWイゴールは1993年1月8日生まれなので、Jリーグ開幕の4か月前にこの世に生を受けている。
開幕戦は名古屋と1対1のドローだった横浜FMは、国立での開催になったことで、横浜からもたくさんのサポーターが駆けつけるはずで、「完全アウェー」の雰囲気にはならないだろう。開幕戦は怪我のため欠場したMF中村俊にとっては今シーズン初出場となる。
■ 首位に立つチーム開幕節を終えて、首位に立っているのが、柏レイソル、アルビレックス新潟の2チーム。ともに、開幕戦は3対0で勝利している。その勢いをスタートダッシュにつなげたかったが、勢いは削がれる形となった。
J1昇格組の柏はアウェーで大宮アルディージャと対戦する。大宮は開幕戦はアウェーで鹿島と3対3のドロー。試合終盤までリードしていたが、追いつかれる展開で、悔しいドローとなった。ただ、内容的には鹿島を上回っており、新加入のMF上田を中心とした攻撃は威力がある。対する柏にとって、NACK5スタジアムは2009年にJ2降格が決まったときのスタジアムである。悪いイメージを払しょくする試合が期待される。ともに、攻撃陣にタレントがいるので、好ゲームが期待できそうなカードである。
一方、新潟はホームでジュビロ磐田と対戦する。開幕戦はMFマルシオ・リシャルデスの抜けた影響を感じさせない戦いぶりで、FWミシェウ、MF曹永哲、FWブルーノ・ロペスと期待の攻撃陣が結果を残した。磐田にとっては、開幕戦ですべてのゴールに絡んだ韓国代表のMF曹永哲をどう封じるかがポイントになる。対峙するDF駒野のプレーが重要になるだろう。なお、元日本代表のMF菊地は古巣との対戦となる。
■ 最下位対決逆の意味で注目を集めるのは、清水エスパルスとアビスパ福岡のカード。ともに開幕戦は0対3で敗れており、この2チームが最下位からのスタートとなった。前評判があまり高くないチームなので、何としても連敗スタートだけは避けたいところで、この試合に敗れたチームは、この時期ではあるが、「J2降格」という二文字がちらつく展開となる。
コンディション的には、先日、オランダに遠征していた清水エスパルスが不利であるが、ホームで戦えるという利点はある。清水はメンバーが定まっておらず、試行錯誤の段階であるが、中心となる小野伸二をうまく生かしたいところである。福岡はMF成岡が出場停止となるので、その穴を誰が埋めるのかという点に注目が集まる。
■ 因縁の対決①J1で因縁の対決となるのは、ヴァンフォーレ甲府とヴィッセル神戸のカード。甲府の新監督は、昨シーズン途中まで神戸を率いていた三浦俊也監督で、チームは何とかJ1に残留したが、シーズンの最後まで「降格」の危機にあった。三浦監督の後をついで「残留」に導いた和田監督としては、違いを見せたいところである。
開幕戦に続いてホームゲームとなる甲府は、エースのFWハーフナー・マイクのJ1初ゴールに期待がかかる。194㎝の高さをどこまで生かせるか。神戸のDF北本、DF河本のセンターバックも「強さ」があるので、「空中戦」の勝負は見物のである。
■ 因縁の対決②もう一つの因縁の対決といえるのは、浦和レッズと名古屋グランパスのカード。名古屋には、元浦和のDF田中マルクス闘莉王がいるが、昨シーズンは、埼玉スタジアムの対戦のときは、DF闘莉王が出場停止だったので、敵としては初めて埼玉スタジアムのピッチに立つことになる。
18節の豊田スタジアムの試合では、古巣相手に強烈なヘディングシュートでゴールを奪っているが、果たして、今回はどうなるだろうか。かつての中心選手に、埼玉スタジアムの観衆がどのような反応を示すのかも注目したいところである。また、黄金ルーキーのFW永井のプレーにも注目が集まる。ACLではすでに2ゴールを決めており、「即戦力」と呼ぶにふさわしい働きを見せている。FWケネディとの2トップで先発と予想されているが、J1初ゴールの期待がかかる。
■ ACL組はアウェーゲーム①ACLを戦っているC大阪とG大阪は、ともに中3日の試合で、アウェーゲームとなる。昨シーズン2位のG大阪は、サンフレッチェ広島と対戦。ともに上位を目指すチームで、攻撃的なプレースタイルのチームなので、白熱した展開が予想される。
広島は開幕戦を欠場したFW佐藤寿が戦列に戻ってきており、日本代表のFW李忠成との共演が実現する可能性が高い。昨シーズン終盤の目覚ましい活躍と、アジアカップ決勝のゴールで一躍ヒーローとなったFW李忠成であるが、チーム内にはFW佐藤寿という絶対的なストライカーがいる。FW佐藤寿の1トップで、FW李忠成が下がり目のポジションに入ると思われるが、共存できるかどうか。今後の広島にとって、大きな話であり、トレーニングでどの程度まで連携が取れているか。対するG大阪は、ACLで3ゴールを決めているFWアドリアーノに期待がかかる。
■ ACL組はアウェーゲーム②イレギュラーな日程となったため、J1の中では、サンフレッチェ広島、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレ、ヴァンフォーレ甲府の4チームが、開幕戦に続いて2試合連続でホームゲームとなる一方で、ジュビロ磐田、セレッソ大阪、ベガルタ仙台、横浜Fマリノスの4チームはアウェー2連戦と、やや不公平な日程になっている。
C大阪も、韓国遠征から戻ってきて、いきなり山形での試合ということで、タフな日程になっている。山形は震災の被害は少なかったので、問題なく、試合は開催される予定である。注目はC大阪の日本代表のMF乾で、ACLの全北とのホームゲームでは、決勝ゴールを決めるなど、著しく、調子を上げてきている。J1初ゴール、J2初ゴールとも、山形戦で決めており、非常に相性のいいチームである。チームの初勝利に貢献したいところである。
対する山形は、初戦はアウェーで川崎Fに0対2で完敗。シュートもわずかに3本と攻撃に精彩を欠いた。注目は鹿島から加入のMF船山で、スタメン出場するかどうかは微妙であるが、2009年にC大阪に所属して、J1昇格に大きく貢献した選手である。左足から繰り出されるミドルシュートは威力があるので、C大阪としてはケアしなければならない。
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