■ セットプレーでの得点が最多となるのは岡山昨今は人数をかけてしっかり守ろうとするチームが増えている。相手ボールになったときは左右のWBが最終ラインに吸収されて5バックの形をとるチームはJリーグにもたくさんある。「5-4-1」で守る甲府がその典型的なチームと言える。攻撃のためのスペースが無くなってきているので流れの中からチャンスを作るのは結構大変である。ということもあって「セットプレーの重要度」はますます高まっている。
「得点の約3割はセットプレーから生まれる。」と言われることもあるが、8月21日(日)に開催されたJ2の30節が終了した時点で22クラブの得点数を合計すると790得点。そのうちの289得点がセットプレーから生まれている。割合を計算すると36.6%となる。J1やJ3になるとパーセンテージは少し変わってくると思うが「J2のゴールの約1/3はセットプレーから生まれる。」と言えるので高めの数字である。
表1は全22クラブの総得点ならびにセットプレーからの得点数を示している。セットプレーからのゴール数が多いチームから順番に並べているが初昇格を目指す岡山が20得点で最多となった。続くのは松本山雅で19得点、3番目は水戸と町田で18得点となった。以下、5番目はC大阪と札幌で16得点、7番目は横浜FCで14得点と続いていく。「MF片山瑛のロングスロー」という武器を持っている岡山が目立つ。
表1. セットプレーからの得点数 (30節終了時点)
順位 | クラブ名 | 得点 |
総得点 | セットプレーから |
1 | ファジアーノ岡山 | 43 | 20 |
2 | 松本山雅 | 41 | 19 |
3 | 水戸ホーリーホック | 32 | 18 |
3 | 町田ゼルビア | 36 | 18 |
5 | セレッソ大阪 | 45 | 16 |
5 | コンサドーレ札幌 | 48 | 16 |
7 | 横浜FC | 35 | 14 |
8 | ツエーゲン金沢 | 26 | 13 |
8 | 東京ヴェルディ | 28 | 13 |
8 | FC岐阜 | 30 | 13 |
8 | ザスパクサツ群馬 | 35 | 13 |
8 | 京都サンガ | 38 | 13 |
13 | ギラヴァンツ北九州 | 34 | 12 |
13 | レノファ山口 | 43 | 12 |
15 | 徳島ヴォルティス | 31 | 11 |
15 | カマタマーレ讃岐 | 31 | 11 |
15 | V・ファーレン長崎 | 33 | 11 |
18 | 愛媛FC | 25 | 10 |
18 | ジェフ千葉 | 40 | 10 |
20 | モンテディオ山形 | 28 | 9 |
20 | ロアッソ熊本 | 31 | 9 |
22 | 清水エスパルス | 57 | 8 |
■ 2つの部門でリーグワーストとなる清水今度はセットプレーからの得点率を高いチームから順番に並べてみた。1位は水戸で56.3%となった。32得点のうち18得点がセットプレーから生まれている。今夏にエースのFW三島康を引き抜かれてしまったが、彼が水戸に在籍していたときはシンプルにFW三島康の高さを活用してゴールを奪う場面が多かった。2位は町田と金沢で50%。パーセンテージが50%以上だったのはここまでのの3チームだった。
4位は岡山で46.5%、5位は東京Vで46.4%、6位は松本山雅で46.3%となるが、この中では「東京Vが意外と高い。」と感じる。DF井林はヘディングが強いがその他では「ヘディングがめちゃくちゃ強い。」という選手は見当たらない。むしろ、「セットプレーからのゴールはあまり多くないチーム」という印象があったので真逆の結果になっているが、MF中後やMF高木善などプレイスキッカーは優秀である。
逆にパーセンテージが低いのは熊本・山口。千葉・清水あたりとなる。熊本が29.0%で、山口は27.9%で、千葉は25.0%で、清水は14.0%となる。山口は全体的にサイズが不足しており、かつ、プレイスキックのスペシャリストがいない点は開幕当初から問題点として挙げられているので大きな驚きではないが、J2の中では上位クラスの戦力を誇る千葉がワースト2位で、清水がワーストというのは驚きである。
清水については「セットプレーから得点数」もリーグワーストで、「セットプレーからの得点率」もリーグワーストとなった。プレイスキッカーのFW大前が長期離脱したことは幾分かは関係していると思うが、どう考えてもCKやFKなどセットプレーを得る回数はリーグ屈指のはずでセットプレーのチャンスはたくさんあるはず。セットプレーからの得点の少なさは今シーズンの清水の問題点の1つに挙げられる。
表2. セットプレーからの得点率 (30節終了時点)
順位 | クラブ名 | 得点 |
総得点 | セットプレーから | (%) |
1 | 水戸ホーリーホック | 32 | 18 | 56.3% |
2 | 町田ゼルビア | 36 | 18 | 50.0% |
2 | ツエーゲン金沢 | 26 | 13 | 50.0% |
4 | ファジアーノ岡山 | 43 | 20 | 46.5% |
5 | 東京ヴェルディ | 28 | 13 | 46.4% |
6 | 松本山雅 | 41 | 19 | 46.3% |
7 | FC岐阜 | 30 | 13 | 43.3% |
8 | 横浜FC | 35 | 14 | 40.0% |
8 | 愛媛FC | 25 | 10 | 40.0% |
10 | ザスパクサツ群馬 | 35 | 13 | 37.1% |
11 | セレッソ大阪 | 45 | 16 | 35.6% |
12 | 徳島ヴォルティス | 31 | 11 | 35.5% |
12 | カマタマーレ讃岐 | 31 | 11 | 35.5% |
14 | ギラヴァンツ北九州 | 34 | 12 | 35.3% |
15 | 京都サンガ | 38 | 13 | 34.2% |
16 | コンサドーレ札幌 | 48 | 16 | 33.3% |
16 | V・ファーレン長崎 | 33 | 11 | 33.3% |
18 | モンテディオ山形 | 28 | 9 | 32.1% |
19 | ロアッソ熊本 | 31 | 9 | 29.0% |
20 | レノファ山口 | 43 | 12 | 27.9% |
21 | ジェフ千葉 | 40 | 10 | 25.0% |
22 | 清水エスパルス | 57 | 8 | 14.0% |
■ 流れの中からのゴールが圧倒的に多い清水ただし、清水は総得点がリーグ1位となる。表3は「得点数のランキング(セットプレー以外)」を示しているが、49得点の清水は断トツの1位となる。2位の札幌が32得点なので抜きん出た数字を残している。これだけ流れの中からゴールを奪えていると「セットプレーからのゴール数が少なくても大きな問題はない。」とも考えられる。3位は31得点の山口、4位は30得点の千葉、5位は29得点のC大阪と続いていく。
少ないチームに注目すると16番目は山形で19得点、17番目は町田で18得点、18番目はFC岐阜で17得点、19番目は東京Vと愛媛FCで15得点、21番目は水戸で14得点、ワーストは金沢で13得点となる。J3降格の危機にある金沢はちょうど半分のゴールをセットプレーから奪っているが流れの中からゴールを奪えないことが大きな弱点になっている。夏の移籍市場で獲得したMF中美やFWダビなどに期待がかかる。
表3. 得点数のランキング(セットプレー以外) (30節終了時点)
順位 | クラブ名 | 得点 |
総得点 | セットプレー以外 |
1 | 清水エスパルス | 57 | 49 |
2 | コンサドーレ札幌 | 48 | 32 |
3 | レノファ山口 | 43 | 31 |
4 | ジェフ千葉 | 40 | 30 |
5 | セレッソ大阪 | 45 | 29 |
6 | 京都サンガ | 38 | 25 |
7 | ファジアーノ岡山 | 43 | 23 |
8 | 松本山雅 | 41 | 22 |
8 | ザスパクサツ群馬 | 35 | 22 |
8 | ギラヴァンツ北九州 | 34 | 22 |
8 | V・ファーレン長崎 | 33 | 22 |
8 | ロアッソ熊本 | 31 | 22 |
13 | 横浜FC | 35 | 21 |
14 | 徳島ヴォルティス | 31 | 20 |
14 | カマタマーレ讃岐 | 31 | 20 |
16 | モンテディオ山形 | 28 | 19 |
17 | 町田ゼルビア | 36 | 18 |
18 | FC岐阜 | 30 | 17 |
19 | 東京ヴェルディ | 28 | 15 |
19 | 愛媛FC | 25 | 15 |
21 | 水戸ホーリーホック | 32 | 14 |
22 | ツエーゲン金沢 | 26 | 13 |
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