2位:ヴィッセル神戸 25勝9敗8分け 勝ち点「83」 78得点 41失点
→ 2度目の「J2降格」となった神戸は、オフにFW大久保、MF野沢、DF高木和、DF伊野波という実力者がチームを離れた。FW大久保については、移籍先の川崎Fでゴールを量産したが、環境が変わったことが大きかったと思うので、悔やんでも仕方がない。戦力ダウンが心配されたが、FWポポ、MFマジーニョ、MF小川の3人を中心とした攻撃陣は強力で、G大阪に次ぐ2位となって、難なくJ1昇格を決めた。もちろん、下り坂になった時期はあったが、比較的、スムーズに昇格を決めることができたと言える。
中心選手が入れ替わったので、チームとして出来上がるまでに時間がかかるかと思われたが、ほとんど時間はかからなかった。FWポポにしても、MFマジーニョにしても、MF小川にしても、MFエステバンにして、運動量のある選手である。非常に使いやすいタイプの選手であることが幸いして、開幕当初からある程度のクオリティに達していた。その割にはなかなか成熟して来なくて停滞した時期もあったが、FW田代、FW都倉なども控えており、「試合を決めることができるタレント」をたくさん抱えていた。
2年ぶりにチームに戻ってきたFWポポの存在は大きかった。40試合で16ゴールを挙げているが、35歳という年齢を全く感じさせないエネルギッシュなプレーを見せてチームを引っ張った。「夏の移籍市場で、G大阪に所属していて、6月末で契約が切れるFWレアンドロを獲得する方針で、FWポポを放出するのではないか?」という噂もあった。お別れのセレモニー的なことも行われたが、結局、チームに残った。必要不可欠な選手だったので、誤った判断が下さなかったことは良かった。
3年目のMF小川も39試合で16ゴールを記録した。2012年はJ1で28試合で9ゴールを記録しているので、「J2で15ゴール以上を記録するのはノルマ」と言えたが、大きな怪我もなくチームに貢献した。エースナンバーの「13」を背負っており、FW大久保に代わってチームの顔になることが期待されているが、J2でいいシーズンを過ごすことが出来た。J1でも大暴れすることが期待されるが、実力的には、ザックジャパンの次の代表チームに絡んできてもおかしくない選手で、海外移籍の話が出てきても驚きは無い。
一方の守備陣は、DF河本が大宮から戻ってきたが、DF北本が病気でシーズンの前半を棒に振ることになった。それもあって、DF河本にはDFリーダーとしての期待がかかったが、怪我等の理由で21試合の出場にとどまった。その穴を埋める働きを見せたのが、神戸の下部組織出身で日本サッカーの未来を担うDF岩波である。最後は怪我で戦列を離れることになったが、37試合に出場してJ1昇格の立役者の1人となった。1年目でこれだけ多くの試合を経験できたのは、今後の彼のサッカー人生を考えても大きい。
もちろん、スピードのある選手や経験のある選手に翻弄されるシーンもあった。ただ、これは仕方がないことである。「186センチの高さを駆使した空中戦」と「正確な右足のフィード」は、現段階でも日本人CBの中では上位レベルである。DF河本が怪我がちで、DF北本が長期離脱したので、DF岩波がいなかったら大変なことになっていたので貢献度は高い。終盤にスタメンに定着してラストスパートに大きく貢献したFW森岡も含めて、期待の若手たちにとっては、収穫の多いシーズンになった。
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◆ まとめ #662 【J2】 クラブ別総括 (神戸・水戸・札幌・栃木SC編) (2013/12/14)
→ J2のクラブ別総括の7回目は、神戸・水戸・札幌・栃木SCの4チームを取り上げました。2006年以来のJ2だった神戸ですが、MF小川、MF森岡、DF岩波など、若手の活躍もあって「J1昇格」を決めました。オフにFW大久保、MF野沢、DF伊野波らが抜けたので、戦力ダウンが心配されましたが、難なく昇格を決めることができました。若手の有望株が目白押しなので、J1での躍進も期待されます。
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