■ 第29節延期になっていたプレミアリーグの第29節のウェストハムとマンチェスターUの試合が4月17日(水)に行われた。プレミアリーグの首位を独走するマンチェスターUは26勝4敗2分けで勝ち点「80」を稼いでいて、2位のマンチェスターCに「12」の差を付けている。一方のウェストハムは10勝14敗8分けで勝ち点「38」。早く残留を決めたいところである。
ホームのウェストハムは「4-1-4-1」。GKヤースケライネン。DFデメル、リード、コリンズ、オブライエン。MFオニール、ヴァス・テ、ディアム、ノラン、ジャーヴィス。FWキャロル。191センチの大型ストライカーのFWキャロルは20試合に出場して6ゴールを挙げている。4月19日で38歳になる元フィンランド代表のGKヤースケライネンがゴールを守る。
対するマンチェスターUは「4-2-3-1」。GKデ・ヘア。DFラファエル、ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ。MFフィル・ジョーンズ、キャリック、バレンシア、ルーニー、香川真司。FWファン・ペルシー。日本代表のMF香川は2試合連続スタメンとなった。前節のストーク戦でゴールを決めたFWファン・ペルシーは得点ランキングで2位となる20ゴールを挙げている。
■ 2対2のドロー試合は前半17分にホームのウェストハムが先制する。MFルーニーとMF香川のワンツーがミスになってウェストハムがカウンターを仕掛けると、左サイドをMFジャーヴィスが突破してクロスを入れる。これをファーサイドのFWキャロルが折り返したところに飛び込んだMFヴァス・テが決めて先制に成功する。ポルトガル代表経験のあるMFヴァス・テは今シーズン2ゴール目となった。
しかし、前半31分にマンチェスターUは左サイドでパスをつないでMF香川がトップスピードでボールを受けると、相手DFを華麗にかわしてグラウンダーのクロスを送る。これをゴール前に入っていたMFバレンシアが押し込んで1対1の同点に追い付く。エクアドル代表のMFバレンシアは今シーズン初ゴールで、MF香川にはアシストが記録された。前半は1対1で終了する。
追いつかれたウェストハムは後半10分に右サイドでボールを受けたMFディアムがドリブルで相手をかわしてから左足で豪快に決めて2対1と勝ち越しに成功する。リードされたマンチェスターUだったが、後半32分にバイタルエリアでボールを受けたMF香川が左足でシュートを放ってこのシュートはポストに当たるが、跳ね返りをFWファン・ペルシーが押し込んで2対2の同点に追い付く。
結局、試合は2対2のドロー。マンチェスターUは勝ち点「3」を得ることはできなかったが、アウェーで最低限と言える勝ち点「1」を獲得して、リーグ優勝に近づいた。2位のマンCの方が1試合消化が少ないが、勝ち点「13」の差があるので、秒読み段階に入って来た。一方のウェストハムは勝ち点「1」を積み上げて、暫定で11位。降格圏で18位のウィガンとの差は「8」となった。
■ 不調の続くFWファン・ペルシー今シーズンも終わりに近づいていて、リーグ優勝までカウントダウンに入っているので、深刻な事態とはいえないが、エースのFWファン・ペルシーは、ここ最近、いいプレーができていない。この試合は後半32分にMF香川のシュートの跳ね返りを押し込んで、流れの中では久々となる今シーズン21ゴール目を記録したが、球離れが悪くて、チャンスをつぶすシーンが目立っている。
もちろん、33試合で21ゴールを挙げてプレミアリーグの得点ランキングで2位を走っているFWファン・ペルシーに助けられた試合というのはたくさんあるが、ここ最近は、ボールを持ち過ぎることが多くて、効果的な働きはできていない。ストライカーなので、多少のエゴは仕方がないが、「周りが見えなくなっていて、余計にチャンスに顔を出せない。」という悪循環に陥っている。
シーズンで20ゴール以上を記録するような世界的なストライカーでも、ゴールから遠ざかるとこういうことになってしまうのだから、ストライカーの心情というのを、一般人が理解するのは難しい。ストーク戦のPKは特効薬にはならなかったようだが、今回は流れの中でゴールを決めることができた。ウェストハム戦のゴールで、全てがいい方向に流れていくことを期待したいところである。
■ 2ゴールに絡んだ香川真司注目のMF香川は2試合連続スタメンとなった。次のアストン・ヴィラ戦は月曜日の夜に予定されていて、試合間隔が空くことも理由に挙げられるが、中2日や中3日の試合でMF香川が連続でスタメン起用されることは、これまでほとんどなかったので、先発で起用されたのは意外だったが、ファーガソン監督の評価が高まっていることの証と言えるのかもしれない。
この日は、MFルーニーがトップ下に戻って、MF香川は左サイドハーフに入ったが、1点目のMFバレンシアのゴールをアシストして、2点目のFWファン・ペルシーのゴールもMF香川のポスト直撃のシュートがゴールのきっかけとなった。いいタイミングで味方からパスが出てきて、ペナルティエリア付近でボールを受けることができると、彼の良さが出てくる。
ドルトムントのときは、1トップ下でプレーすることがほとんどで、ゴールに絡むプレーが期待されたが、マンチェスターUでは、その一歩手前の攻撃に変化を加える仕事を期待されている。MFルーニーやFWファン・ペルシーなど、点の獲れる選手はいるので、一歩下がったところで攻撃に関与することが多かったが、そういう仕事がメインになってしまうと、彼の良さというのは、半分程度しか発揮されない。
ファーガソン監督がどのように考えているのか、分かりかねるが、ゴール前でプレーする回数が増えて来ないと、「他の選手でも代用できる。」という評価になってしまうことも考えられるが、この日の2点目のようなプレーが何度かできると、周囲の評価も変わってくる。シュートは決まらなかったが、引かれた相手に対して、一人で打開できるところを見せることができたのは、非常に大きい。
リーグ優勝に関しては、「ほぼ間違いない。」という状態になっているが、マンチェスターUは35節にアウェーでアーセナルと対戦して、36節はホームでチェルシーと対戦する。怪我もあったが、これまでのところ、強豪対決ではベンチスタートになることが多くて、真価を発揮していない。ここ最近は、いい感じでプレーしているので、他の試合も大事であるが、アーセナル戦とチェルシー戦での活躍を期待したいところである。
関連エントリー 2013/01/04
サンフレッチェ広島 J1リーグ優勝について想う 2013/03/07
香川真司と柿谷曜一朗 2013/03/10
本田圭佑にふさわしいクラブ 2013/03/12
日本人の欧州海外移籍 2013/03/16
セレッソ大阪の次なるブレイク候補たち 2013/03/24
南野拓実 新進気鋭のゴールハンター
- 関連記事
-