サッカーコラム J3 Plus+　

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【移籍市場】 2020年-2021年オフの補強ポイントについて考える。 (京都サンガ編) | | |　

京都サンガ

→　「新型コロナのマイナスの影響を最も受けたJリーグのクラブ」と言っても過言ではないだろう。ついに「サンガスタジアム by Kyocera」が完成して2月にこけら落とし(vs C大阪)が行われたがリーグ戦はしばらく中断。リーグ戦での最初の試合となった2節の磐田戦(H)は無観客での開催となった。素晴らしいスタジアムが完成して新スタ元年で大いに盛り上がるはずだったが新型コロナに水を差される形になった。

　・2020/02/10 　【京都サンガ×セレッソ大阪】新スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・上)
　・2020/02/10 　【京都サンガ×セレッソ大阪】新スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・中)
　・2020/02/10 　【京都サンガ×セレッソ大阪】新スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・下)

「数十年に1度しか訪れない新スタ元年がこんな風になったこと」は極めて残念であり、アンラッキーな話である。昨オフはFWピーター・ウタカやDF森脇やFW李忠成やDFヨルディ・バイスなどを獲得。経験のあるベテランをたくさん獲得して「今年にかける思い」はどのクラブよりも強かったが26節を終えた時点で10勝8敗8分けで勝ち点「38」。2位の福岡との差が「14」なのでJ1復帰は難しくなったと言える。

6位の甲府との差は「1」のみ。例年であれば「まだまだプレーオフ出場が狙えるポジション」になるが今シーズンはJ2のプレーオフがなくなった。大型連勝が必要な状況になっているが「J1復帰」を逃した場合は主力数名の流出は避けられないと考えられる。36歳のFWピーター・ウタカは25試合で18ゴールを記録。J2の得点ランキングの首位を独走しているがチームの総得点は「31」のみ。彼への依存度は高かった。

実に58.1％がFWピーター・ウタカのゴールになる。その他で2得点以上を奪っているのは23試合で4ゴールのFW野田隆之介、ともに13試合で2ゴールのMF中川風とMF中野克のみ。2得点以上を奪っている選手は4人しかおらず、1得点以上を奪っている選手も9人のみとなる。FWピーター・ウタカは期待以上の活躍を見せており、FW野田隆之介も奮闘しているが、MF中川風やMF曽根田などは期待を裏切っている。

「FWピーター・ウタカの去就」というのがまず最初の注目点になる。「運動量の少なさ」などがネックになるが36歳にしてここまでの活躍を見せているのでJ1のクラブが関心を寄せても何ら不思議はない。「諸刃の剣」になり得る選手なので横浜FMやFC東京などJ1の有力クラブが興味を示す可能性は低いが仙台や湘南や鳥栖や清水などの下位クラブが「エース候補」として獲得に乗り出すことは十分に考えられる。

当然のことながら、FWピーター・ウタカが流出するようだと大打撃を受ける。引き止め作業が最重要テーマになるが「FWピーター・ウタカの負担を軽減できる選手」がとにかく必要である。期待された元・日本代表のFW李忠成は5試合の出場のみ。ほとんど戦力にならなかった。先のとおり、中心の1人になることが期待された移籍組のMF中川風とMF曽根田がチームにフィットできずに苦しんだのも大きな誤算だった。

守備的なポジションは新加入のDFヨルディ・バイスの存在感は絶大である。スピードには難があるが抜群の精度を誇る右足のキックと統率力でチームを引っ張った。DFヨルディ・バイスも分かりやすい欠点を持っているCBになるが「明確な武器を持った経験豊富な選手」である。3バックを採用するJ1のクラブが獲得に乗り出しても不思議はない。「J1でプレーしたい。」と考える選手を引き止めるのはかなり難しい。

日本人選手で評価を高めているのはGK若原とMF飯田貴の2人になる。GK若原は2節の磐田戦(H)からスタメンで起用されているが安定したプレーを続けている。20歳とは思えないほどの落ち着きを持ったキーパーなので同じように「J1のクラブが獲得に乗り出す可能性がある。」と言える。昨オフに清水から加入したMF飯田貴はベテランのMF石櫃との競争になったが持ち前のスピードを生かして主力に定着した。

気になるのは平均年齢の高さになる。36歳のFWピーター・ウタカとDF安藤淳、34歳のDF森脇などが主力として活躍していることもあって平均年齢はJ2で最も高い28.51歳になる。大卒2年目のDF上夷とMF中野克、高卒2年目のMF福岡慎とMF上月、高卒1年目のMF谷内田とMF川崎颯がいるので「期待の持てる有望な若手」はたくさん控えているが「意図的に若返りを進めないといけない状況」になっている。

すでに触れたとおりで今シーズンは「何が何でもJ1に昇格する。」という強い意気込みを感じさせるメンバー構成だったが「長期的な視点でチームを作ろうとする。」というのも1つの方法になる。「どういう道を選択するのか？」は注目点になるが、先日、横浜FMから復帰したMF仙頭の動向も注目点の1つになる。横浜FMではほとんど出番が無かったのでレンタル延長もしくは完全移籍での獲得は十分に可能である。

最後に「今オフに京都が獲得できたら面白いと思う選手」を何人か挙げてみたいと思うがMF荒木大とMF黒木恭の2人がポジション争いの中心になった左WBが補強ポイントに挙げられる。「サイズと走力を持った19歳のMF上月を左WBで起用する。」というのも考えられるがJ2の選手ではMFイッペイ・シノヅカ(大宮)やMF翁長(大宮)やDF下川陽(金沢)、J3の選手ではMF魚里(鳥取)やDF上原拓(FC今治)が候補になる。

3バックを継続するのであれば「攻撃力の高いCB」が必要である。ベテランのDF森脇はムードメーカーとして絶大な存在感を発揮しているがピークの時期は過ぎており、軽率なミスも目立つ。一方、セットプレーからの得点がここまで5つのみ。J2でワースト2位タイであることを考えるとプレイスキッカーも必要である。MF山口一(水戸)やMF池上(山口)やMF平戸(町田)などが「J2を代表するプレイスキッカー」になる。