■ J2の第12節J2の第12節。2勝7敗2分けで勝ち点「8」。最下位の22位と苦しい戦いが続いている鹿児島ユナイテッドはホームの白波スタジアムで柏レイソルと対戦した。昇格1年目の鹿児島は2節から8試合勝ちなしと苦しんだが10節のFC琉球戦(H)で久々の勝利を手にした。ここ2試合は1勝1分けとなる。一方の柏は5勝2敗4分けで勝ち点「19」。開幕4連勝を達成した後は1勝2敗4分け。ここ4試合連続でドローと波に乗り切れない。
ホームの鹿児島は「4-2-3-1」。GKアン・ジュンス。DF藤澤、水本勝、堤、砂森。MF八反田、ニウド、五領、酒本、牛之濱。FW萱沼。固定しきれていないフォワードはFW萱沼が2試合連続でスタメン起用された。7試合に出場しているがまだゴールなしと苦しんでいる。開幕後に加入したMFニウドは4試合連続スタメンとなった。東京Vや札幌などでプレーした経験を持っている。昨シーズンは福島でプレーした。
対するアウェイの柏は「3-4-2-1」。GK中村航。DF染谷、上島、古賀。MFヒシャルジソン、大谷、小池龍、菊池大、クリスティアーノ、瀬川祐。FW江坂。3試合連続でスコアレスドロー中。攻撃陣が結果を出せていない中、FW江坂がこの日もスタメンで起用された。8試合に出場して今シーズンはまだゴールなし。MFクリスティアーノは開幕戦で2ゴールを挙げた後はノーゴール中。MF瀬川祐も3節以降はゴールなし。
■ 劇的な勝利を飾った鹿児島ユナイテッド試合はアウェイの柏ペースで進んでいく。前半12分に右サイドのCKを獲得するとFW江坂が高い打点からヘディングシュートを決めて先制に成功する。FW江坂は9試合目の出場でようやくの今シーズン初ゴールとなった。その後も柏がペースを握る展開になったがなかなかチャンスを生かせない。鹿児島は前半27分にMFニウドのパスを受けたMF五領が利き足ではない右足でシュートを放ったが決められなかった。
1対0のままでハーフタイムに突入するかに思えたが前半47分に左SBのDF砂森が攻撃に参加。MF酒本のパスを受けたDF砂森が中央にパスを送ると待っていたMF五領が今度は得意の左足で決めて1対1の同点に追いついた。MF五領は今シーズン2ゴール目となった。鹿児島は前半のほぼラストプレーで同点に追いついた。昨シーズンのJ3で最多のアシストを記録した左SBのDF砂森は3アシスト目となった。
後半も基本的には柏が攻め込む展開になったが後半22分に中盤でボールを受けたMF酒本が絶妙なヒールパスを出して局面が大きく変わる。途中出場したFW韓勇太がドリブルで運んで右サイドのMF五領にパスを出すと逆サイドから走ってきたMF牛之濱にラストパス。フリーのMF牛之濱が決めて逆転に成功する。2対1で逆転勝利を飾った鹿児島は柏を相手に金星を獲得した。柏は5試合勝ちなしとなった。
■ クラブ史上2番目の動員数鹿児島はここ3試合は2勝1分け。ようやく結果が出るようになってきた。未勝利だった時期も決してチャンスが少なかったわけではない。なかなかゴールを奪えずに苦しんだが攻撃の部分で特徴を持った選手は少なくない。ようやく攻撃陣が噛み合ってきたと言える。1点目も2点目も巧みなパスワークから柏の守備を翻弄した。MF五領は1ゴール1アシストの活躍。ここに来てラッキーボーイ的な存在になってきた。
2点目のゴールはカウンターから生まれたが「パーフェクト・カウンター」と言えるほど見事なカウンターだった。MFニウドがしっかりと中盤で競り勝ってDF砂森にパスを送るとプレッシャーの激しいエリアでボールを受けたMF酒本がトリッキーなヒールパスを味方選手に落として局面はガラッと変わった。ここ最近の試合はトップ下で起用されているベテランのMF酒本は2ゴールともに絡む活躍を見せた。
鹿児島は結果が出なくて苦労していたので4月12日(金)にMFニウドを獲得した。これで4試合目の出場となるが2勝1敗1分け。MFニウドの加入は起爆剤になった。攻守に貢献できるハイスペックなボランチである。福島時代は下がり目の位置からゴール前に進出してたくさんのゴールを決めているが鹿児島にとっては大きな補強になった。システムやメンバーもある程度は固まって来たのでいい流れになってきた。
この日は「GW期間中で、かつ、柏戦」ということもあってたくさんのサポーターが集まった。7,965人というのは今シーズン最高。Jリーグ昇格後のホーム戦に限定すると2018年の33節の沼津戦(H)の10,916人に次いでクラブ史上2番目の多さになる。J2昇格を決めた試合に次ぐ大観衆が集まったがインパクトを残す勝利になった。初めて試合を観に来た人が多かったと思われる中、勝利出来たのは非常に大きい。