浦和レッズ→ 前半戦は極度の得点力不足に苦しんで4勝6敗5分けで勝ち点「17」。14位と低迷した浦和は残留争いに巻き込まれている。15試合で12得点/13失点。得点数は鹿島と並んでJ1最少タイ。得点力アップが目下の課題と言えるが、ポルティモネンセから元鹿島のMFファブリシオを獲得した。ポルトガルリーグでは17-18シーズンに28試合で15ゴールを記録。実績を積み上げてのJリーグ復帰となった。
鹿島でプレーしたのは2016年の後半戦になる。クラブW杯にも出場しているがJ1で8試合で1ゴールのみ。期待に応える働きはできなかった。中国の杭州緑城のときに岡田武史監督の元でプレーしており、岡田監督はMFファブリシオの能力の高さを買っていたが、今度はJリーグで活躍できるだろうか。豪州代表のFWナバウトがW杯で肩を負傷して長期離脱することになったのでFWナバウトの穴を埋めないといけない。
ポルトガル1部で28試合で15ゴールというのは相当な成績であるが、「ポルトガルリーグの成績はあまり当てにならない。」というのは日本においては定説になりつつある。10-11シーズンの前半戦だけで14試合で9ゴールを挙げたFWカルロン(鹿島)が2011年のJ1で5試合で1ゴールに終わったことがポルトガルリーグに懐疑的な見方をする日本人が増えた大きな理由と言えるが、MFファブリシオが払拭できるだろうか。
その他ではポルティモンセが獲得に乗り出したMF柏木の残留が確定。ポルティモネンセでプレーする22才のMF亀倉に興味を示しており、練習生としてチームに帯同していると報じられたが、今のところ、続報はない。また、山形の木山監督の秘蔵っ子でJ2で経験を積んでいたMF茂木力の復帰が確定した。ユーティリティー性が魅力となるが競争相手は強力なので浦和で出番を得るのはなかなか難しいと思われる。
柏レイソル→ 14節を終えた時点で下平監督が退任。クラブOBの加藤望氏が監督に就任した。テコ入れを図ったが前半戦は6勝7敗2分けで勝ち点「20」。9位という成績は満足できるものではない。計算外の出来事が多かったが、今夏の選手の入れ替えは激しい。最大のニュースはDF中谷(→名古屋)の移籍になる。ユース出身の生え抜きのCBで、柏の守備の要として活躍することが期待されていたが電撃移籍となった。
今シーズンは低調でポジションを失っていたが過去2シーズンは見事な活躍を見せた若手CBの有望株なのでダメージは小さくない。移籍金は2億5,000万円とも言われているが、これだけ有望な若手のCBはなかなか出てこないことを考えるとすぐに気持ちを切り替えるのは難しいだろう。これによってCBが手薄になったが、ブラジル人のDFナタン・ヒベイロを獲得。186センチ/88キロとサイズに恵まれた選手である。
新戦力のDF亀川が低調で前半戦はチームの弱点になった左SBは同県のライバルクラブである千葉で活躍していたDF高木利を獲得した。縦への推進力を持った攻撃力のある左SBである。DF亀川とは全く違ったタイプの左SBになるがいい補強と言える。外国人枠の問題を抱えていた元韓国代表のDFユン・ソギョンはFCソウルに期限付き移籍して、出場機会に恵まれなかったMFハモン・ロペスは契約解除となった。
他には2018年1月に行われたU-23アジア選手権のメンバーだったDF古賀(→福岡)を期限付き移籍で貸し出した。福岡は元柏の井原監督が率いており、柏から福岡に移籍する選手が最近は増えている。今後、注目されるのはドイツのデュッセルドルフからオファーが届いたMF伊東純とドイツ2部のディナモ・ドレスデンなどが興味を示しているDF小池龍の動向になる。両選手とも海外クラブからの評価が高い。
FC東京→ 清水とG大阪で実績を積んだ長谷川監督が就任したFC東京は8勝3敗4分けで勝ち点「28」。2位で前半戦を終えた。後半戦の初戦となった柏戦(A)は怪我人が続出する苦しい台所事情の中、アウェイで勝ち点「3」を獲得。好スタートを切ったが、柏と同様に今夏の動きは激しい。首位の広島との差は「9」。独走する広島を追う1番手になっており、今シーズンに賭けるフロントの強い気持ちが伝わってくる。
最大のニュースはDF丸山(→名古屋)の移籍になる。今シーズンはDF森重とDFチャン・ヒョンスに次ぐ3番手のCBに甘んじていたので「出場機会を求めての移籍」だったが、ハリルJAPANに定期的に召集されていた期待のCBを引き抜かれた。DF吉本(→福岡)の期限付き移籍も決まったのでCBの層が極端に薄くなっていたが、G大阪時代の長谷川監督の教え子であるベテランのDF丹羽大(広島)を獲得した。
16節の柏戦(A)でDF森重とCBコンビを組んだユース出身で2年目のDF岡崎は順調に成長しているが、守備的なポジションであればどこでもこなすDF丹羽大の加入は効果的と言える。右SBのレギュラーのDF室屋が欠場した柏戦(A)は左利きのDF小川諒を右SBで起用せざる得ない状況だったのでユーティリティーなDF丹羽大は重宝される可能性が高い。明るい性格でムードメーカーとしてもチームに貢献できる。
攻撃陣は「点が欲しい時間帯で投入できるカード」が欲しかったので「仕上げのFWリンス」の異名を持つFWリンスの獲得は補強ポイントにマッチした補強と言える。こちらもG大阪時代の長谷川監督の教え子になる。MF大森もいるので「G大阪時代の教え子」が多くなってきた。他には長きに渡って10番を背負ってきたMF梶山の新潟移籍が確定した。ここ数年、出場機会に恵まれなかったが新潟で復活できるか。
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