■ 久しぶりに実現したダービーマッチ天皇杯の3回戦は7月11日(水)に行われた。予定されていた全16試合の中で最も注目を集めたのは横浜FM vs 横浜FCの横浜ダービーだった。横浜で活動する2チームが公式戦で対戦するのは2012年の天皇杯以来となる。両クラブの歴史的な経緯を考えると他のどの日本のダービーマッチよりも因縁を感じる2チームの対決なのでニッパツ三ツ沢球技場には平日にもかかわらず、10,435人ものサポーターが終結した。
2007/08/12 【横浜FM×横浜FC】 横浜の一番熱い夜 (生観戦記 #15) 試合はエキサイティングなものになった。後半23分にFW戸島のゴールでJ2の横浜FCが先制に成功するが後半29分にFWウーゴ・ヴィエイラのヘディングシュートでJ1の横浜FMが1対1の同点に追いついた。15分ハーフの延長戦に突入すると延長戦の前半7分に横浜FMがPKを獲得。FWウーゴ・ヴィエイラのPKをGK辻がセーブしたがこぼれ球をキッカーのFWウーゴ・ヴィエイラが自ら押し込んで決勝ゴールを奪った。
W杯のため、約2か月中断していたJ1の再開を目前に控えた横浜FMにとっては弾みの付く勝利となった。J1では13位。残留争いに巻き込まれており、後半戦はシビアな戦いが続くと予想されるが、それでも得点力不足で苦しんだ3月・4月と比べるとチーム力は確実に上がっている。横浜FMにとっても横浜FCは「意識をしているクラブの1つ」になるので横浜FCを逆転で下すことができたのはいろいろな意味で大きい。
■ 批判の対象になっている黙祷拒否騒動格下になる横浜FCのイレブンが奮闘したこともあって久々のダービーマッチは熱戦になったが、水を差したのは横浜FCのサポーターの黙祷拒否騒動になる。試合前に両チームの選手ならびに審判団が整列をして西日本豪雨の被災者に黙祷をしたが、横浜FCのサポーターの一部がチャントを歌い続けて大きな問題になっている。西日本豪雨は200人を超える犠牲者が出ており、平成史上最悪の被害になっている。
ここ数日、ニュースや新聞等ではずっと西日本豪雨が報じられているが、これだけの犠牲者が出ているのでサッカー界としてもアクションを起こさないといけない。7月11日(水)に行われた天皇杯の3回戦の時は各会場で試合前に黙祷が行われたが、選手や審判員や大多数のサポーターが目を閉じて黙祷をする中、横浜FCのゴール裏からはチャントが、しばらくの間、流れ続けるという異常な状況になった。
この件に関して横浜FCのサポーターの1人はメディアの取材に対して『ゴール裏では黙祷が行われる旨のアナウンスも聞こえていなかったですし、横断幕を掲げていたのでビジョンの案内にも気づきませんでした。本当に、わざと黙祷中に応援をしようといった意図はなかったんです。』と説明しているが黙祷に気づかなかったというのは普通ではあり得ない話である。もっと言うと、絶対にありえないレベルの話である。
日本国内でこれだけの災害が起こったので試合前に黙祷が行われることは誰でも予想は出来た。仮に予想ができなかったとしても試合前に選手などが整列をして黙祷の準備に入ったら「これから西日本豪雨の黙祷をするのだろう。」とすぐに気が付く。(※ ちなみに今回はセンターサークルで輪になって黙祷をするのではなくて普通に整列をした状態で黙祷をした。整列をした状態で黙祷をするケースも少なくない。)
■ 一体何をしたかったのか?普通は選手や審判団が整列をして黙祷を始めようとするとスタジアムは一気に静寂に包まれてシーンとなるが今回は横浜FCのサポーターのチャントが鳴りやまなかった。スカパーの試合映像を見ると、スタメンで出場してキャプテンマークを巻いたFW三浦知など横浜FCの選手の半分ほどが黙祷に入る直前に「あれっ」という感じでチャントを止めない横浜FCのゴール裏方向を向いている姿もしっかりと確認できる。
仮に場内アナウンスが聞こえなかったり、オーロラビジョンの「黙祷」という文字が見えなかったとしても、先のとおり、ピッチ上に整列をしている選手や審判団の姿を観たら「今から黙とうをするのだなあ。」ということは誰にでも分かる。ましてや、ゴール裏のサポーターというのはサッカー観戦に慣れた人たちである。「黙祷ということに気が付かずにチャントを続けてしまった。」というのは全くあり得ない。
なので、「一体なぜ?」、「一体何をしたかったのか?」と感じる。中学生くらいになると周りの大人に反発をして卒業式の時などに「厳かな雰囲気を壊してやりたい。」とイキる生徒が出てくるが、同じような感覚で「黙祷なんてクソくらえ」という感情からの黙祷拒否騒動なのだろうか。今回の件はあまりにも理解に苦しむ行動なので理由や原因を推測するのも一苦労である。意味不明な行動と言わざる得ない。
もしかしたら、久しぶりのダービーということで気持ちが高揚しすぎて正常な判断が出来ない人が続出してしまったのかもしれないが、強く批判をされても仕方がない行動である。正直なところ、コアな横浜FCのサポーター集団の評判はあまり良くないので、「またか。」と思った人は少なくないだろう。クラブをサポートする集団ではなくてクラブの足を大きく引っ張る集団になっているように感じるエピソードが多い。
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