■ 大本命と言えるブラウブリッツ秋田創設5年目となるJ3は2017年に続いて17チームが参加してホーム&アウェイ方式で開催される。JFLでJ3ライセンスを保持しているFC今治、奈良クラブ、ヴァンラーレ八戸はいずれも昇格条件を満たすことが出来ず。JFLからJ3に昇格するチームは無かった。したがって、2017年との違いは栃木SCがJ3からJ2に昇格して、群馬がJ2からJ3に降格しただけ。新鮮味に欠ける顔ぶれになったのは否めないところである。
3月10日に開幕して12月2日に最終節を迎えるのでJ1やJ2と比べると2週間ほど開幕は遅くなる。開幕までまだ2か月以上あるので「J3の開幕はかなり先」となるが「大本命」と言えるのは2連覇を目指す秋田だろう。最終節を迎えた段階ではJ3で3位だったが劇的な逆転優勝を果たした。スタジアム等の問題で「J2ライセンス」を取得していないのでJ2に昇格することは出来なかったがクラブとして大きな一歩となった。
個人として輝いた選手が多かったので「主力の大量流出」という危機的な状況に陥る可能性はあった。31試合で15ゴール9アシストのFW田中智、32試合で10ゴール3アシストのMF久富賢、30試合で7ゴール11アシストのMF前山というトライアングルは当然のことながらJ2でも十分にやれる選手なので「FW田中智やMF久富賢を引き留めるのは難しいのでは?」と思われたが3人とも残留。まさかの展開になった。
さらに守護神のGK松本、中盤の要であるボランチのMF山田尚なども残留。一度は契約満了が発表された右WBのMF古田も最終的には金沢から完全移籍で秋田に加入することになったので主力は軒並み残留となった。主力選手の中では、唯一、3バックの中央で起用されて32試合で5ゴールを記録。2017年のJ3でベストイレブン級の活躍を見せたDF有薗(→北九州)が流出したが現時点で主力の流出はDF有薗くらいである。
■ 「悲願のJ2昇格」を目指す長野パルセイロ主力の流出を最小限にとどめることが出来ただけでも大成功と言えるがその上でMF中村亮(沼津)、FW吉平翼(大分)、MF平石(藤枝MYFC)を獲得。右SHの位置で突出した活躍を見せて沼津を引っ張ったMF中村亮が加入して攻撃的なポジションの組み合わせは無数に広がる。MF古田のいる右サイドと比べると左サイドからの攻撃は少なかったのでJ3で最高レベルのドリブラーであるMF平石を獲得できたのも大きい。
最大のテーマは「DF有薗の穴をどう埋めるのか?」になるが左右のストッパーで起用された185センチのDF韓浩康は完全移籍で確保。間瀬監督時代に主力として活躍したDF堀田(愛媛FC)が期限付き移籍で1年ぶりにチームに戻ってくるのも大きい。成長株のDF深井脩もいるのでDF有薗の穴は問題なく埋まるだろう。攻撃の部分での戦力アップが著しい秋田が「2018年のJ3の大本命」と言える。頭1つ抜けている。
対抗は「悲願のJ2昇格」を目指す長野か。ここ2年間は得点力不足に泣いたがFW津田(横浜FC)、MF河合秀(鳥取)、MF松村亮(徳島)、FW竹下(関西大)などを獲得。攻撃力アップに成功した。DF大島嵩を中心とする守備陣は、ほぼ毎年、安定したプレーを続けているので大崩れすることは考えにくい。2017年は13勝8敗11分け。5位と自動昇格争いに絡めなかったが2018年はチャンスのシーズンと言える。
■ 初降格となったザスパクサツ群馬初降格の群馬は市立船橋高時代に素晴らしい成績を残した布啓一郎監督を招聘した。年代別の日本代表を率いたときに結果を残せずに指導者としての評価は急落したがようやくJリーグのクラブを率いるチャンスを得た。高校サッカー界の名将がプロの世界でどこまでやれるのか?は興味深い。2017年はチーム内部のゴタゴタ劇が大きな話題になったが一時期と比べるとクラブを取り巻く空気は良くなってきた。
補強はまずまずと言える。MF高井(→東京V)、MF山岸祐(→FC岐阜)の流出は想定内。22試合で10ゴール2アシストのFWカン・スイルの流出も決定的と言われているが同様に想定の範囲内である。加入が決まったのはFW大久保哲哉(横浜FC)、FW平繁(富山)、MF風間宏希(山形)、FW永藤(山形)など。J3に降格したチームであることを考えると加入が決まった選手の顔ぶれはなかなか豪華。昇格を狙える戦力と言える。
興味深い存在になりそうなのは昇格3年目の鹿児島ユナイテッドである。2017年に初めてJ2ライセンスを取得して「J2昇格」は夢ではなくなってきた。当然のことながら、30試合で24ゴールを記録した大エースのFW藤本憲(→大分)が抜けた穴はとてつもなく大きいが現時点で主力の流出はFW藤本憲くらい。MF赤尾、DF田中秀、DF水本、MF永畑といった主力のほとんどはすでに鹿児島に残留することが確定している。
その上でFW萱沼(富山)、DF藤澤(FC琉球)、DF田中奏(岡山)、DF平出(富山)、GKアン・ジュンス(C大阪)などを獲得した。点取り屋の補強が現時点ではFW萱沼くらいなのでフォワードに関しては質も量もかなり物足りないが攻撃力のあるSBを大量に補強。弱点を補う効果的な補強ができている。さらなるフォワードの補強は間違いなくあると思うが実績のある選手を獲得できたら「昇格候補の1つ」に挙げられる。
2018/01/08 【J3】 2018年シーズンの展望 (上) ~大本命はブラウブリッツ秋田、追うのは長野パルセイロか。~
2018/01/09 【J3】 2018年シーズンの展望 (下) ~昇格争いに絡んでくるのはどこか?~
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