■ 積極的な補強を続けるモンテディオ山形2014年の昇格プレーオフを制してJ1復帰を決めたモンテディオ山形だったが、2015年はJ1で4勝18敗12分け。最下位に終わって1年でJ1を去ることになった。迎えた2016年は前評判が非常に高かった快速ストライカーのFWディエゴ・ローザを獲得するなど『J1昇格候補の1つ』と言われていたが開幕ダッシュに失敗。残留に巻き込まれるというまさかのシーズンになった。最終成績は11勝17敗14分けで14位だった。
2014年から2016年までチームを率いた石崎監督は今シーズン限りで退任となったが、愛媛FCを率いて2015年にプレーオフ出場を果たすなどJ2の中では評価の高い木山監督の招聘に成功。J1復帰に向けて幸先のいいスタートを切ったが、すでにMF風間宏希(北九州)の獲得が決定。さらにはFW阪野(愛媛FC)、MF瀬沼(愛媛FC)、MF本田拓(清水)、DF加賀(浦和)、DF茂木力(愛媛FC)の加入も確実視されている。
一方でFWディエゴとFW大黒とMFアルセウの退団は確定。攻撃の中心だったFWディエゴと9ゴールを挙げたFW大黒の退団は小さくないマイナスと言えるが、同時にFWディエゴ・ローザの退団も決まったので外国人枠が3つとも空いている状況である。現段階では主力クラスの日本人選手の流出の噂は流れておらず、外国人選手の補強に成功するようだと相当な総合力になる。自動昇格候補と言われても不思議はない。
■ 多くのクラブに昇格のチャンスあり。今オフの移籍市場で最も目立っているJ2のクラブと言えるが、その上、「J2では有数のキーパー」と評価されているGK児玉(愛媛FC)の加入も濃厚となった。今シーズンもGK山岸が山形のゴールマウスを守ったがすでに38歳。「セカンドキーパーには群馬でレギュラーとして活躍した時期もあるGK富居がいる。」とは言ってもキーパーも補強ポイントの1つだったので、大きな戦力になるのは間違いないところである。
札幌・清水・C大阪と規模の大きいクラブが「J1昇格」を果たしたが、クラブ規模的にはJ2の22クラブの中で断トツとなる初降格の名古屋は主力の流出が避けられない状況になっている。松本山雅もGKシュミット・ダニエルとDF喜山の退団が確定。「J2の大本命」と言われるようなクラブは出てこないだろう。「多くのチームに昇格のチャンスがある。」と言えるが、特に山形のフロントの本気度は物凄いものがある。
ただし、同じタイミングで同一クラブから監督ならびに選手を引き抜くというのはリスクもある。近年のJリーグでは広島から浦和に移籍する選手と新潟から浦和に移籍する選手が多くなっており、特に広島 vs 浦和の試合は遺恨カードになっているが、浦和に対しては「同一クラブから選手を引き抜きすぎる。」という批判の声が絶えない。日本においては批判の対象になりやすい補強の方法であるのは間違いない。