■ もっとも平均年齢が若いのはガンバ大阪今度は「ホーム戦のスタジアム観戦者の平均年齢」に注目してみた。同様に2004年から2015年までの計12年間のスタジアム観戦者調査を元にして平均年齢の低いチームから順番に並べてみると表1のようになった。1位はガンバ大阪で35.3歳。高校生や大学生と思われる若いサポーターの多いチームなので納得できる結果と言える。ずっと「40歳未満」が続いており、2005年と2007年と2009年は1位だった。
2位は横浜FMで36.3歳。同様に若いサポーターの多いチームなので平均年齢が低いことは容易に予想できた。横浜FMは2010年と2012年は1位だった。3位は福岡で36.5歳。福岡については「サポーターが若い。」というイメージはあまりなかったので意外な結果と言える。2006年は3位、2007年が2位、2011年が1位だった。4番目は僅差で浦和、5番目も僅差で鹿島となる。ともに四捨五入すると36.5歳になる。
こうして見ていくとG大阪や横浜FMや浦和や鹿島など観客動員数の多いクラブは平均年齢が低い。当然、多くのお客さんを集めるためには幅広い年齢層の人を集める必要がある。年齢が低くなると1人でスタジアムに来る人の割合が低くなるので「女性客が増えると倍々ゲームで観客動員が増える可能性がある。」というのと同じで「若者が増えると倍々ゲームで観客動員が増える可能性がある。」と言える。
6位は柏、7位は千葉、8位はC大阪と続いていく。柏のゴール裏は中学生や高校生と思われる男性サポーターが多くてユーモアの利いた応援が名物になっている。若いサポーターが多くなるとノリのいい応援が可能になってスタジアム全体が華やかになるのは間違いないだろう。「セレ女フィーバー」を巻き起こしたC大阪もかなり年齢層が低い。女子高生や女子大生と思われるサポーターの多さが特徴になっている。
9位は東京V、10位は鳥栖となった。東京Vに関してはかなり意外な結果と言える。東京V(当時はヴェルディ川崎)はJリーグ創設時の「Jリーグブーム」の中心になったチームである。当時は爆発的な人気を誇ったが「あの頃からヴェルディを応援し続けている。」という人は多いはず。あれから20数年が経過しているので必然的に平均年齢は上がってくると予想されるが、しっかりと世代交代も進んでいるようだ。
10位の鳥栖もちょっと意外な感じもする。「サポーターが若い。」というイメージはほとんどなかったが近年で言うと2012年が5位、2013年が2位、2014年が5位、2015年が2位なので4年連続で「トップ5」に入っている。鳥栖がJ1に初昇格したのは2012年だったので、結局、J1に昇格してからはずっとトップ5をキープしている。『J1昇格効果で女性サポーターが激増して観客動員も増えた。』と言えそうだ。
表1. ホーム戦のスタジアム観戦者の平均年齢 (1位-10位まで)
順位 | クラブ名 | 平均年齢 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
1 | G大阪 | 35.3 | 32.0 | 31.0 | 33.8 | 32.1 | 36.5 | 34.5 | 35.4 | 36.2 | 37.7 | 37.1 | 37.0 | 39.7 |
2 | 横浜FM | 36.3 | 32.9 | 33.0 | 35.3 | 35.2 | 36.5 | 38.5 | 34.7 | 37.1 | 35.2 | 38.5 | 38.7 | 39.8 |
3 | 福岡 | 36.5 | 34.7 | 36.1 | 33.6 | 33.6 | 36.2 | 35.6 | 35.8 | 34.7 | 37.5 | 39.1 | 39.1 | 41.6 |
4 | 浦和 | 36.5 | 32.1 | 33.3 | 35.0 | 34.8 | 35.5 | 36.5 | 38.8 | 38.4 | 36.1 | 40.5 | 36.0 | 40.7 |
5 | 鹿島 | 36.5 | 31.1 | 35.0 | 35.6 | 35.3 | 36.5 | 36.4 | 37.7 | 36.8 | 39.6 | 37.9 | 39.9 | 36.7 |
6 | 柏 | 36.6 | 33.3 | 36.2 | 32.4 | 35.3 | 34.8 | 35.3 | 36.5 | 37.7 | 35.8 | 39.8 | 41.2 | 41.0 |
7 | 千葉 | 36.7 | 32.6 | 33.9 | 34.3 | 33.9 | 35.2 | 36.1 | 35.9 | 38.9 | 37.8 | 40.2 | 41.7 | 40.1 |
8 | C大阪 | 36.9 | 32.6 | 34.1 | 33.5 | 36.6 | 37.4 | 38.0 | 38.3 | 38.6 | 38.7 | 38.9 | 36.9 | 39.3 |
9 | 東京V | 37.1 | 30.7 | 32.4 | 34.8 | 35.0 | 36.3 | 38.9 | 39.9 | 39.3 | 38.9 | 37.3 | 41.0 | 40.8 |
10 | 鳥栖 | 37.1 | 36.1 | 36.6 | 35.3 | 37.3 | 38.5 | 38.0 | 37.1 | 38.7 | 37.3 | 35.9 | 37.9 | 37.0 |
■ オリジナル10のクラブは軒並み平均年齢が低い。2004年から2015年までの計12年間の平均年齢の11位から20位までは表2のようになる。11位はFC東京で37.3歳、12位は名古屋で37.4歳、13位は川崎Fで37.5歳、14位は神戸で37.6歳、15位は広島で37.6歳と続いていく。このあたりのチームに大きな差はなくて僅差である。名古屋は2008年が3位、2009年が8位、2010年が2位となる。2010年に初優勝を飾ったが「強さ」は若者を引き寄せることが出来る。
当然、名古屋や広島のようなJリーグの創生期から活動しているオリジナル10のクラブになると「20年以上サポーターを続けている。」という人が多いと思うが、そういうチームの年齢年齢が高くなっているわけではない。むしろ、「オリジナル10」の9クラブの中で15位以内に入らなかったのは34位の清水のみ。年季の入ったサポーターが多くなると平均年齢が高くなりそうな気もするがそういう結果にはなっていない。
16位は鳥取、17位は山形、18位は水戸、19位は横浜FC、20位は甲府と続いていく。鳥取についてはJ2に所属したのは2011年から2013年までの3年間のみ。サンプル数が少なくなるが年齢層は低かったようだ。J3に降格して早くも3年目となるが今シーズンはJ3で大苦戦している。ここまで3勝10敗4分けで何と最下位に沈んでいる。新外国人で190センチのFWバルチ・ジュニオールは救世主になれるだろうか・・・。
過去12年間の全チームの平均値を出すと38.6歳となるので19位の横浜FCが平均値程度と言える。横浜FCも複雑な事情を抱えたクラブで男性比率が極めて高いチームの1つだったが平均年齢自体は普通程度。サポーターに関しては極端に高齢化が進んでいるわけではなさそうだ。鳥取は2013年の平均年齢が35.8歳だったがこれはこの年の全てのクラブの中で1番低い数字だった。その理由は不明と言える。
表2. ホーム戦のスタジアム観戦者の平均年齢 (11位-20位まで)
順位 | クラブ名 | 平均年齢 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
11 | FC東京 | 37.3 | 32.5 | 31.7 | 35.1 | 34.0 | 37.5 | 38.1 | 38.8 | 37.6 | 37.2 | 39.8 | 43.1 | 42.2 |
12 | 名古屋 | 37.4 | 35.5 | 38.0 | 37.3 | 37.2 | 35.4 | 36.3 | 35.1 | 37.4 | 38.8 | 37.3 | 40.5 | 39.7 |
13 | 川崎F | 37.5 | 36.8 | 35.9 | 37.3 | 35.4 | 35.8 | 37.7 | 37.5 | 37.4 | 37.9 | 38.8 | 40.1 | 39.7 |
14 | 神戸 | 37.6 | 34.2 | 34.8 | 35.8 | 36.4 | 36.0 | 35.5 | 38.5 | 38.3 | 39.8 | 40.3 | 40.1 | 41.7 |
15 | 広島 | 37.8 | 34.9 | 34.8 | 34.5 | 36.1 | 37.9 | 34.8 | 37.7 | 39.2 | 38.4 | 39.7 | 40.6 | 44.7 |
16 | 鳥取 | 37.8 | - | - | - | - | - | - | - | 38.0 | 39.7 | 35.8 | - | - |
17 | 山形 | 37.9 | 31.9 | 35.0 | 36.6 | 35.7 | 37.1 | 34.7 | 37.2 | 39.5 | 41.3 | 40.7 | 42.1 | 42.8 |
18 | 水戸 | 38.0 | 37.5 | 31.4 | 38.0 | 36.2 | 38.3 | 37.5 | 39.0 | 40.0 | 38.8 | 40.4 | 37.5 | 41.3 |
19 | 横浜FC | 38.5 | 35.4 | 37.4 | 33.8 | 36.1 | 37.1 | 39.7 | 37.4 | 40.3 | 39.6 | 40.1 | 41.7 | 43.9 |
20 | 甲府 | 38.8 | 36.4 | 39.1 | 36.1 | 36.6 | 37.7 | 38.9 | 40.1 | 39.6 | 39.2 | 39.5 | 41.6 | 40.3 |
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