左SB/WB編→ MFミキッチ(広島)、DFエウシーニョ(川崎F)、MF関根貴(浦和)が目立った活躍を見せている右SB/WBと比較すると左SB/WBはどちらかというと人材は不足気味。クロス数のランキングも上位は右サイドの選手が多くなっているが、そんな中でリーグ3位タイに入っているMF柏(広島)はJ1で上位クラスの活躍を見せている左SB/WBの選手と言える。MFミキッチとMF柏のサイドアタックは大きな武器になっている。
縦に突破してクロスを上げることもできるし中央にカットインしてからシュートを打つこともできる。縦へのスピードがウリなのでどちらかというと右サイドの方が得意だと思うがMFミキッチがいるので左サイドでプレーすることがほとんど。同じように左右両サイドをこなすMF清水航(広島)も突破力はリーグ上位クラス。ポジションが約束されているわけではないが現状ではMF柏の方が森保監督の信頼を得ている。
大卒2年目となるDF車屋(川崎F)もJ1の左SB/WBの選手の中では屈指の活躍を見せている。24歳のDF車屋に対してはハリルホジッチ監督も大きな期待を寄せており3月上旬に千葉で行われた日本代表候補合宿のメンバーに選ばれている。技術とスピードがあってビルドアップにも貢献できてCBもこなせるほどの守備力を持っているDF車屋は似たタイプがいないユニークな選手。日本代表に定着しても不思議は無い。
左SBのレギュラー候補のDF駒野(FC東京)とDF室屋(FC東京)が揃って怪我をしたことでチャンスを得た高卒2年目のDF小川諒(FC東京)もインパクトを残した。180センチと日本人のSBとしてはサイズがあるが最大の武器は左足のキック。ミスキックになって簡単にクリアされる場面も多いがアシストも多い。「確率」という点で改善の余地があるがゴールにつながりやすいクロスを供給できるのは大きな魅力と言える。
チームは17位と低迷しているがDF吉田豊(鳥栖)は攻守両面で大きな存在感を発揮している。息が合わないシーンが目立つ右SBのDF藤田優(鳥栖)とは対照的にFW豊田との相性は抜群。DF吉田豊→FW豊田のラインはホットラインになっている。トゥーロン国際大会のときに五輪代表に召集されて左SBとして多くのチャンスが与えられた大卒ルーキーのDF三丸(鳥栖)との競争になっているが現段階では結構な差がある。
トゥーロン国際大会の初戦のパラグアイ戦で怪我をして現在は怪我で離脱している五輪代表のDF亀川(福岡)は湘南時代の2013年以来となるJ1で存在感を発揮している。守備に回る時間が長いので攻撃的な良さを出しにくいのは確かであるが、ボールを奪った後に前に出ていく迫力はリーグ屈指。同じく五輪代表候補のMF金森とのコンビで左サイドを崩すシーンは福岡の大きな武器なのでその回数を増やしたい。
突出した活躍を見せている選手がいない分、ベストイレブン候補のハードルは低い。なので候補の数は多くなるがすでに名前を挙げた選手以外ではDF山本脩(鹿島)、DF相馬崇(神戸)、MF宇賀神(浦和)、DF藤春(G大阪)、MF菊池大(湘南)あたりもいる。近年の鹿島は左SBがアキレス腱でDF山本脩の控えがいない状態が続いている。代役の選手との差が最も大きいポジションなので彼が離脱すると大きな戦力ダウンとなる。
DF相馬崇(神戸)は開幕戦こそ新加入のDF田中雄にスタメンの座を譲ったが2節の新潟戦(H)で2ゴールの大活躍。持ち味である攻撃力をアピールした。MF宇賀神は例年と比べるとパフォーマンスが良くないが徐々に調子を上げてきている。DF藤春の走力は相変わらず魅力。MF菊池大は何と言っても開幕から続いていたホームでの連敗を「7」で止めたつい先日の名古屋戦(H)のスーパーゴールがインパクト大。
メンバー発表のときにハリルホジッチ監督は「キリンカップのときにCBが本職となるDF槙野を左SBの位置を起用すること」を示唆したが、左SB/WBの人材が不足していることの表れと言える。怪我で思うようなシーズンになっていない五輪代表のDF室屋(FC東京)やDF山中(柏)以外にも力を出し切れていない選手が多い。ハリルホジッチ監督がいい意味で誰を選べばいいのか悩むような状況になることが期待される。
【J1】 「1stステージのベストイレブン候補」というと・・・。 (左SB/WB編) ・MF 柏好文 (サンフレッチェ広島)
・DF 車屋紳太郎 (川崎フロンターレ)
・DF 小川諒也 (FC東京)
・DF 吉田豊 (サガン鳥栖)
・DF 亀川諒史 (アビスパ福岡)
・DF 山本脩斗 (鹿島アントラーズ)
・DF 相馬崇人 (ヴィッセル神戸)
・DF 藤春廣輝 (ガンバ大阪)
・MF 菊池大介 (湘南ベルマーレ)
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