■ 1stステージはちょうど折り返し地点J1は第8節が終了した。7節に行われる予定だった鳥栖 vs 神戸、福岡 vs 名古屋の2試合は九州地方を襲った地震の影響で延期となったのでこの4チームについては1試合消化が少なくなるが、現時点では6勝1敗1分けの浦和が首位で、5勝1敗2分けの川崎Fが2位で、5勝2敗1分けの鹿島が3位で、4勝2敗2分けの広島が4位で、同じく4勝2敗2分けの横浜FMが5位で、同じく4勝2敗2分けの大宮が6位となっている。
「現時点での順位」、「開幕前の評価」、「現時点での戦力」、「クラブとしての経験値」などを考えると1stステージの優勝争いは浦和・川崎F・鹿島・広島・横浜FMの5チームが中心。昇格1年目ながら開幕ダッシュに成功した大宮が優勝争いに踏みとどまることができるかどうか?は目下の注目ポイントと言える。そして未消化の鳥栖戦(A)に勝利すると勝ち点「14」に到達する神戸も無視できない存在になりつつある。
開幕前に募集した順位予想バトル(J1編)の全参加者の平均予想順位と現在の順位の差を計算してプラスの数値が大きかった方から並べると表1のようになる。大方の予想を上回る成績を残しているのは大宮・川崎F・横浜FMの3チームで、鳥栖・湘南・G大阪・FC東京の4チームは予想を大きく下回る成績になっている。また、甲府や柏は「開幕前の予想を少し上回る成績を残しているチーム」と言えるだろう。
一方、浦和・神戸・磐田・名古屋・鹿島・新潟・広島・福岡・仙台の9チームは「±2.00以内」なのでまずまず予想通りの成績になっていると言える。G大阪とFC東京というACL組が出遅れたのは予想外で、大宮と甲府が頑張っているのも目立つが、それ以外は「開幕前に上位候補」と言われていたチームは上位に顔を出しており、下位候補と言われたチームの大半は下位に低迷している。まずまず順当なシーズンと言える。
表1. ±の数値の大きかった方から並べたもの (2016年)
ランク | クラブ名 | 平均予想順位 | 現在の順位 | ± | 3位以内 | 7位以内 | 16位以下 |
総数 | (%) | 総数 | (%) | 総数 | (%) |
10 | 大宮アルディージャ | 10.96 | 6 | 4.96 | 2 | 0.5% | 32 | 8.7% | 12 | 3.3% |
5 | 川崎フロンターレ | 5.47 | 2 | 3.47 | 46 | 12.5% | 329 | 89.4% | 0 | 0.0% |
7 | 横浜Fマリノス | 8.06 | 5 | 3.06 | 7 | 1.9% | 185 | 50.3% | 12 | 3.3% |
18 | ヴァンフォーレ甲府 | 15.88 | 13 | 2.88 | 0 | 0.0% | 3 | 0.8% | 238 | 64.7% |
8 | 柏レイソル | 9.68 | 7 | 2.68 | 10 | 2.7% | 88 | 23.9% | 23 | 6.3% |
2 | 浦和レッズ | 2.94 | 1 | 1.94 | 252 | 68.5% | 364 | 98.9% | 0 | 0.0% |
11 | ヴィッセル神戸 | 11.69 | 10 | 1.69 | 1 | 0.3% | 22 | 6.0% | 49 | 13.3% |
9 | ジュビロ磐田 | 10.60 | 9 | 1.60 | 7 | 1.9% | 57 | 15.5% | 42 | 11.4% |
13 | 名古屋グランパス | 12.29 | 11 | 1.29 | 4 | 1.1% | 31 | 8.4% | 106 | 28.8% |
4 | 鹿島アントラーズ | 3.77 | 3 | 0.77 | 172 | 46.7% | 357 | 97.0% | 0 | 0.0% |
16 | アルビレックス新潟 | 13.84 | 14 | -0.16 | 1 | 0.3% | 10 | 2.7% | 114 | 31.0% |
3 | サンフレッチェ広島 | 3.07 | 4 | -0.93 | 236 | 64.1% | 361 | 98.1% | 0 | 0.0% |
17 | アビスパ福岡 | 15.88 | 17 | -1.12 | 1 | 0.3% | 1 | 0.3% | 225 | 61.1% |
15 | ベガルタ仙台 | 13.72 | 15 | -1.28 | 2 | 0.5% | 9 | 2.4% | 112 | 30.4% |
12 | サガン鳥栖 | 11.75 | 16 | -4.25 | 6 | 1.6% | 43 | 11.7% | 57 | 15.5% |
14 | 湘南ベルマーレ | 13.21 | 18 | -4.79 | 2 | 0.5% | 19 | 5.2% | 109 | 29.6% |
1 | ガンバ大阪 | 2.20 | 8 | -5.80 | 306 | 83.2% | 366 | 99.5% | 0 | 0.0% |
6 | FC東京 | 5.82 | 12 | -6.18 | 51 | 13.9% | 305 | 82.9% | 3 | 0.8% |
■ 首位の浦和は終盤戦に強敵との対戦が続く。最終的に気になるのは年間順位であるが、まずは「1stステージをどこが制するのか?」に注目が集まる。先のとおり、浦和・川崎F・鹿島・広島・横浜FMの5チームが優勝争いの中心になりつつあるが、過去4年間で3度もリーグタイトルを獲得している広島、2015年に無敗のままで1stステージを制覇した浦和を除く3チームは久々あるいは初めての優勝となるので、広島や浦和以上にサポーターがソワソワし始めている。
ここまでの戦いぶりを見ると浦和の安定感が際立つ。2節の磐田戦(H)は1対2で敗れたが、この試合も圧倒的にボールを保持して攻め込んだのは浦和だった。守備陣のパスミスから先制されたことで苦しい展開になったがこの試合も含めてここまでの8試合はほとんどすべての試合で浦和が主導権を握っており、浦和が押し込まれた時間帯というのもほぼ記憶にない。危なげなく勝ち点「3」を得ている試合が多い。
2位に後退した川崎Fとの差は「2」。8節終了時点で浦和が勝ち点の上でも頭1つリードしたが今後の対戦カードを見ていくと浦和は上位候補との直接対決を多く残している。12節がFC東京戦(H)、14節が鹿島戦(H)、15節がG大阪戦(A)、16節が広島戦(A)となるので特に1stステージの終盤戦に力のあるチームとの対戦を多く残しており、ここまでの8試合は開幕前の評価があまり高くなかったチームとの対戦が多かった。
■ 日程的に恵まれているのは川崎Fと鹿島このことは何となくの印象だけでなく数字でも証明できる。各クラブの残り試合(9試合 or 10試合)の対戦相手の2015年の順位の平均値と2016年の順位の平均値を出してみると、浦和は前者が8.33位、後者が9.33位となる。他チームと比較すると前者が4番目、後者は6番目。『浦和は2015年の順位が良かったチームとの対戦ならびに2016年の順位が良くて調子のいいチームとの対戦を多く残している。』と言える。
優勝争いに参加しているチームの中で「残り試合の対戦カードにやや恵まれている。」と言えるのは鹿島と川崎F。2015年の平均順位は鹿島が12.22位でリーグで16番目、同じく川崎Fは12.33位でリーグ17番目。どちらのチームも昇格組の3チーム(大宮・磐田・福岡)との対戦を残しており、2015年のJ1で上位に食い込んだチームとの試合の大半はすでに終わっているので順調に勝ち点「3」を積み上げていく可能性がある。
同様の数値は横浜FMが10番目、広島は12番目なのでこの2チームも2015年の順位が下となるチームとの対戦を比較的多く残しており、先に挙げた優勝候補の5チームの中では浦和の日程がもっとも厳しい。ここまでは自分たちよりも戦力的に下のチームとの対戦が多かったのでまずまず余裕を持って試合を進めることができたが厳しい戦いが待っているのは確実。1stステージの終盤まで優勝争いはもつれそうだ。
表2. 各クラブの残り9試合 or 10試合の対戦相手と平均の順位
順位 | チーム名 | 残り試合の対戦相手の平均順位 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ |
2015年の順位 | 2016年の順位 |
1 | 浦和レッズ | 8.33 | 9.33 | 名古屋 | 大宮 | 新潟 | FC東京 | 鳥栖 | 鹿島 | G大阪 | 広島 | 神戸 | |
2 | 川崎フロンターレ | 12.33 | 10.11 | G大阪 | 仙台 | 柏 | 神戸 | 新潟 | 磐田 | 横浜FM | 福岡 | 大宮 | |
3 | 鹿島アントラーズ | 12.22 | 9.56 | 大宮 | 新潟 | 磐田 | 横浜FM | 名古屋 | 甲府 | 浦和 | 神戸 | 福岡 | |
4 | サンフレッチェ広島 | 10.00 | 10.33 | 磐田 | 鳥栖 | 柏 | G大阪 | 福岡 | 神戸 | FC東京 | 浦和 | 甲府 | |
5 | 横浜F・マリノス | 9.22 | 9.11 | 湘南 | 名古屋 | 甲府 | 鹿島 | 神戸 | 柏 | 川崎F | 大宮 | FC東京 | |
6 | 大宮アルディージャ | 10.11 | 9.22 | 鹿島 | 福岡 | 浦和 | 仙台 | 鳥栖 | 神戸 | 新潟 | 横浜FM | 川崎F | |
7 | 柏レイソル | 9.78 | 10.56 | 神戸 | 甲府 | 川崎F | 広島 | 福岡 | 横浜FM | 仙台 | 名古屋 | 湘南 | |
8 | ガンバ大阪 | 8.22 | 9.67 | 川崎F | 新潟 | 磐田 | 広島 | FC東京 | 湘南 | 浦和 | 鳥栖 | 名古屋 | |
9 | ジュビロ磐田 | 7.22 | 9.44 | 広島 | 神戸 | 鹿島 | G大阪 | 甲府 | 川崎F | FC東京 | 湘南 | 仙台 | |
10 | ヴィッセル神戸 | 8.50 | 6.40 | 鳥栖 | 柏 | 磐田 | 名古屋 | 川崎F | 横浜FM | 大宮 | 広島 | 鹿島 | 浦和 |
11 | 名古屋グランパス | 8.90 | 9.80 | 福岡 | 浦和 | 横浜FM | 神戸 | 甲府 | 鹿島 | 湘南 | 鳥栖 | 柏 | G大阪 |
12 | FC東京 | 9.11 | 10.22 | 福岡 | 湘南 | 鳥栖 | 浦和 | G大阪 | 磐田 | 広島 | 新潟 | 横浜FM | |
13 | ヴァンフォーレ甲府 | 10.67 | 9.44 | 新潟 | 柏 | 横浜FM | 名古屋 | 磐田 | 鹿島 | 福岡 | 仙台 | 広島 | |
14 | アルビレックス新潟 | 8.22 | 8.44 | 甲府 | 鹿島 | G大阪 | 浦和 | 川崎F | 仙台 | 大宮 | FC東京 | 鳥栖 | |
15 | ベガルタ仙台 | 12.67 | 11.33 | 鳥栖 | 川崎F | 福岡 | 大宮 | 湘南 | 新潟 | 柏 | 甲府 | 磐田 | |
16 | サガン鳥栖 | 8.40 | 9.90 | 神戸 | 仙台 | 湘南 | 広島 | FC東京 | 大宮 | 浦和 | 名古屋 | G大阪 | 新潟 |
17 | アビスパ福岡 | 8.60 | 9.10 | 名古屋 | FC東京 | 大宮 | 仙台 | 湘南 | 柏 | 広島 | 甲府 | 川崎F | 鹿島 |
18 | 湘南ベルマーレ | 10.22 | 11.11 | 横浜FM | 鳥栖 | FC東京 | 福岡 | 仙台 | 名古屋 | G大阪 | 磐田 | 柏 | |
2015年の順位→大宮:16位、磐田:17位、福岡:18位とする。 |
★ 現在の投票数 → 286票
→ 投票したいチームを選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で10チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
→ 記事内容に関係のないコメント(政治的な内容も含む。)はご遠慮ください。
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (GK編) → 304票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (右SB/WB編) → 229票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (左SB/WB編) → 114票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (CB編) → 233票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (ボランチ編) → 329票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (攻撃的MF編) → 372票
・【J1】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (フォワード編) → 279票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (GK編) → 176票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (右SB/WB編) → 83票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (左SB/WB編) → 97票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (CB編) → 85票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (ボランチ編) → 117票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (攻撃的MF編) → 218票
・【J2】 ポジション別に1位から10位までランキングで評価する。 (フォワード編) → 184票
- 関連記事
-