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■ 39回大会の決勝戦第39回の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会は2015年7月22日から8月1日にかけて行われた。ニッパツ三ツ沢球技場で行われた決勝戦は9度目の決勝進出となる横浜Fマリノスユースと初の決勝進出となる大宮アルディージャユースという対戦カードとなった。横浜FMユースは過去に5度の日本一に輝いている。これは14回で最多の東京ヴェルディユース(読売ユース)に次ぐ2番目の優勝回数となる。
横浜FMユースは「4-2-2-2」。GK上田朝都。DF常本佳吾、板倉洸、坂本寛之、平澤拓巳。MF佐多秀哉、小松駿太、阿部隼人、遠藤渓太。FW中杉雄貴、渡辺力樹。10番でエースのFW和田は怪我のためベンチスタート。FW和田とMF遠藤渓の2人が来シーズンのトップチーム昇格を決めている。スタメン11人のうち3年生は4人で2年生が7人。最終ラインは全員が2年生ということで2年生主体のチーム構成になっている。
対する大宮ユースは「4-1-4-1」。GK加藤有輝。DF古谷優気、北西真之、野崎玲央、朝妻佑斗。MF山田陸、松崎快、黒川淳史、長谷川元希、藤沼拓夢。FW川田拳登。こちらは3年生が9人で2年生は2人だけ。3年生主体のチーム構成になっている。大宮は現時点でトップチーム昇格が発表された選手はいないが、今年に入ってからGK加藤がU-18日本代表、早生まれのMF黒川がU-17日本代表に選出されている。
■ 5対3で打ち合いを制した横浜FMが6度目の日本一試合の序盤は大宮がボールを保持して攻め込む展開になる。アンカーのMF山田陸が頻繁にボールに触って攻撃をリードする。しかし前半7分に横浜FMがカウンターを繰り出すと抜群のスピードで左サイドを突破したMF遠藤渓の折り返しを2年生のMF阿部が決めてやや劣勢だった横浜FMが先制する。先制された大宮は前半11分にMF黒川の絶妙のスルーパスからMF藤沼が決めて1対1の同点に追いつく。
同点に追いつかれた横浜FMだったが、前半23分に縦パスを起点に中央を切り崩すと、最後はFW渡辺のスルーパスを受けたFW中杉が決めて2対1と勝ち越しに成功する。前半は2対1と横浜FMがリードして折り返す。迎えた後半6分に高い位置でボールを奪ったMF遠藤渓のスルーパスから抜け出したFW渡辺が決めて3対1と横浜FMがリードを広げる。2年生のFW渡辺は1ゴール1アシストの活躍だった。
2点ビハインドとなった大宮は後半11分にコーナーキックからDF朝妻が決めて1点差に迫ると後半13分にはMF松崎の浮き球のパスから裏を取ったMF藤沼がループシュートを決めてあっという間に3対3の同点に追いつく。MF藤沼はこの日は2ゴールの活躍だった。2点差を守ることが出来ずに追いつかれた横浜FMは後半15分に怪我のためグループステージはチームに帯同できなかったエースのFW和田を投入する。
3対3になったあとは大宮がやや優勢だったが、後半35分に左サイドを突破したMF遠藤渓の左足のクロスからファーサイドに入ってきた途中出場のMF坂内が頭で合わせて4対3と横浜FMが勝ち越しに成功すると、後半38分には途中出場のFW和田が個人技から左足で決めて決定的な5点目を挙げる。結局、地元の横浜FMが5対3で打ち合いを制して2年ぶり6回目の日本一に輝いた。一方の大宮は初優勝とはならなかった。
■ 個人技と組織力のバランスの良い好チームだった大宮ユースどのカテゴリーでも決勝戦というのは「堅い試合」になることが多いが、この試合は打ち合いになった。特に大宮の守備陣のカウンターへの備えが十分ではなかったところもあるが、どちらのチームにも打開力のある選手がたくさんいるので観ている分には面白い試合になった。8月1日の15時キックオフという過酷な環境の中、2,560人というかなりのお客さんが集まったが、非常にエキサイティングな試合になった。
敗れたものの大宮ユースのサッカーは非常に良かった。「4-1-4-1」を採用しているが、完全なポゼッション型のチームである。ほとんどの攻撃がアンカーでプレーする4番のMF山田陸のところを経由するが、MF山田陸は技術が高いのはもちろんのこと、周りが良く見えている選手で、プレッシャーをかけられても全く慌てることなくプレーする。簡単にプレスをかわして縦に効果的なパスを入れるシーンが何度もあった。
資料を確認すると175センチ/71キロ。中盤の選手ということを考えるとサイズ的にはまずまずである。先のとおり、大宮はスタメンは3年生がほとんどであるが、チームを仕切っていたのは2年生のMF山田陸だった。アンカーの位置にボールを捌ける選手がいるか?いないか?で大きく変わってくるが、これだけボールをスムーズに捌ける選手がいると攻撃は面白くなる。落ち着きもあって非常にいい選手だと思う。
MF山田陸を中心にボールをポゼッションしてコンビネーションで崩すことができる点が大宮ユースの最大の武器だと思うが、最終局面では個人能力で打開できる選手が揃っている。攻撃においては「個人技」と「組織」のバランスが絶妙だった。中でも目立ったのは3年生のMF松崎。解説を務めた城福さんは「MF家長のようだ。」と表現したが、右サイドでボールを持たときの打開力は並外れたものがある。
大宮ユース出身というとベテランのMF金澤慎がトップチームで活躍しており、最近ではDF渡部(大宮)やDF今井(大宮→柏)などがJリーグの舞台で活躍している。ただ、正直なところ、「育成力に長けたチーム」というイメージを持っている人は少ないと思うが、ここに来て下部組織が全国大会で好成績を残すことが増えている。ユース育ちの選手がトップチームの中心を担う時代はすぐ近くまで迫っているのかもしれない。
■ 怪我を押して出場したエースFW和田昌士がダメ押し弾大量5ゴールを挙げて6度目の優勝を飾った横浜FMユースも個性的な選手が多かった。ボール保持率では大宮の方が上だったと思うが、横浜FMユースはカウンターの迫力がすさまじかった。2トップを組んだFW中杉とFW渡辺はともにスピードがある。特に3年生のFW中杉のスピードは相当なレベルで、前半23分の飛び出しからのゴールは抜群のスピードがフルに発揮された素晴らしいゴールだった。
気の利いたプレーが多かったボランチでキャプテンのMF小松、先制ゴールを決めた2年生のMF阿部などの活躍も光ったが、何だかんだでトップチーム昇格が決まったFW和田とMF遠藤渓の活躍が目立った。FW和田は捻挫が原因でグループステージは出場できず、準決勝の仙台戦から試合に出場できるようになったが、後半38分にダメ押しの5点目のゴールをマーク。最後の最後に役者が結果を残した。
FW和田というと今シーズンの開幕直前の2月に行われた松本山雅とのニューイヤーマッチで先発起用された試合が印象的である。春先の横浜FMのトップチームは1トップが固定できなくてテスト的な意味合いもあったと思うが、(当時は高校2年生だったが、)堂々とプレーした。176センチなのでCFとしては決して大きくないが、「技術が高くて、しっかりとボールをおさめて展開していた。」という記憶がある。
横浜FMユースは「4-2-2-2」なので2トップの一角でプレーしたが、トップチームは「4-2-3-1」を採用するケースがほとんど。松本山雅戦(H)の時にプレーした1トップの位置だけでなく、サイドハーフでも試されることになるだろう。近年は1トップを採用するクラブが多くてストライカータイプの選手がサイドに回るケースは多い。サイドの位置でも点に絡むプレーができる選手になれるとプレー機会は増えていくだろう。
■ MVPに輝いたのはMF遠藤渓太FW和田以上に目立ったのは同じくトップチーム昇格が決まっている左サイドハーフのMF遠藤渓である。2度ほど訪れた自身の決定機を生かせずに決勝戦はノーゴールに終わったが、結局、前半7分の1点目、後半6分の3点目、後半35分の4点目のゴールをアシスト。3アシストの大活躍だった。準決勝と決勝はゴールが無かったが大会通算では7ゴールで得点王。当然のことながら今大会のMVPに選ばれた。
前半7分のMF阿部の先制ゴールをアシストしたシーンを見ると相当なスピードを持っていることが分かる。狭い局面をスピードでぶっちぎって左サイドを突破した。1つ目と3つ目のアシストは左足のパスだったが、右利きなのか、左利きなのか、簡単には判別できないほど左右両足のキックが正確で特に決勝ゴールとなったMF坂内のヘディングシュートをアシストした4点目の左足のクロスは絶品だった。
アベレージのプレーがどのくらいなのか?は判断できないが、スピードがあって、左右両足が使えて、守備の不安も少ないとなると、早い段階からトップチームの戦力になる可能性はある。横浜FMの2列目は経験のある選手も多いし、MF仲川などこれからの活躍が期待される選手もいるので相当な激戦区であるが、途中出場でもインパクトを残せそうなキャラクターであることも期待感を増大させるポイントである。
横浜FMは基本的にはどの時代も選手層は厚くて代表クラスの選手がレギュラーを張っていることが多かった。なので、ユースからトップチームに昇格してきた選手が横浜FMで出場機会を得られずに他クラブで花開くケースが少なくない。鳥栖のMF水沼が典型例と言えるが、「ユース育ちのJリーガーの数・トータルの出場時間・トータルのゴール数」などは屈指。育成力にたけたクラブであることは間違いない。
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